著者
萩原 美智子 北浦 かほる 増田 朋子 宮内 美和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.64, no.521, pp.153-158, 1999-07-30 (Released:2017-02-03)
参考文献数
15
被引用文献数
7 5

This study examined the development of spatial knowledge in a house from the model of a child's own house, using the model house kit. The experiments involved 41 children (6-14 years old). The results were as follows: 1) Examining both models' features and making procedure, children comprehend house space with interior elements such as furniture in their early developmental stage. 2) Comparing the model and the house plan, children first understand how the space is used. And children understand house space only from an inside view. In the last stage, children acquired the knowledge of a house structure by its walls. 3) Children paid attention more to plane location than to the difference of the level in a house.
著者
河野 伊智郎 谷口 恵美子 覚道 健一 宮内 昭 隈 寛二
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.116-120, 1995 (Released:2011-11-08)
参考文献数
19

甲状腺腫瘍領域で近年, 穿刺吸引細胞診が広く用いられてきている. 従来, 甲状腺腫瘍の良性悪性の判定は困難であったが, 細胞診の導入により術前診断可能な症例が増え, その診断能も格段に向上してきた. 特に, 乳頭癌と髄様癌は, 細胞診でほぼ確診に近い診断を行うことが可能である. 本稿では, 甲状腺髄様癌に焦点を置き, その組織学的特色と, 細胞診における鑑別診断について記載した. 甲状腺髄様癌の特色は, 多稜型の粗結合性細胞が, 乳頭構造や濾胞構造をとらずに出現することであり, 壊死は認めず, ときにアミロイドを混じることがある. 紡錘形亜型の髄様癌では, 間葉系腫瘍様の紡錘形細胞が, 上皮配列をとらずに出現することがある. 腫瘍細胞は, 一般的に細胞質が広く, N/C比は小さく, 免疫組織学的に細胞質内のカルシトニンを証明すれば確定診断となる. 細胞の極性がないため, 核の位置はまちまちで, クロマチンの増量や核異型の程度も, 比較的乏しいものから, かなり強いものまで多彩である. しかし一般的には, 乳頭癌に比べると異型度は高度であり, クロマチンの粗大凝集を特色とする. また稀に核内封入体も認めることがあるので留意が必要となることがある.
著者
髙屋敷 真人 宮内 俊慈 Masahito Takayashiki Shunji Miyauchi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.26, pp.63-75, 2016

このプロジェクトは、2014年度に関西外国語大学国際文化研究所(以下IRI)のIRI共同プロジェクトとして採択され、以後、プロジェクト研究助成を受けながら継続して行われているものである。本プロジェクトの主旨は、関西外国語大学留学生別科の総合日本語コースのレベル6(中級後期)の教科書開発プロジェクトとして中級後期の会話用「モジュール型教材」を作成することである。開発教材は、2014年度秋学期から試用し、アンケート調査や授業評価の結果を分析し改訂を重ねている。本論は、過去三年間に渡る教材開発と改訂作業の実践報告である。
著者
久志本 成樹 横田 裕行 宮内 雅人 川井 真 辻井 厚子 金 史英
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.101-117, 2010-03-15 (Released:2010-05-13)
参考文献数
105
被引用文献数
1 1

敗血症における臓器不全の発現には,侵入病原微生物に対する過剰炎症反応が重要である。しかし,この理論的根拠は,高用量のエンドトキシン(ET)や細菌によるサイトカインストームモデルでの基礎研究結果であり,臨床病態を必ずしも反映しない。過剰炎症反応では説明できない臓器不全の遷延が予後を規定している。敗血症の病態は以下のような視点からの捉えることができる。(1)過剰炎症反応は,従来考えられていたほど長期間に及ばず,早期からの免疫抑制状態の存在が示唆される。剖検で共通してみられる細胞死は,リンパ球と腸上皮細胞のapoptosisであり,免疫担当細胞のapoptosisは急性期からの免疫抑制に関与しうる。(2)組織学的変化では説明のできない臓器機能障害には,ミトコンドリア機能障害が注目されている。細胞死がわずかであるにもかかわらず,臓器機能障害が認められることを支持するものであり,cytopathic hypoxiaとして捉えうる。ETは詳細に研究されている毒素であり,生理的状態の消化管内に約25gが貯蔵されるが,生体への少量の投与により敗血症病態が再現される。従来のETを標的とした抗体による臨床研究では転帰の改善を証明しえたものはない。EUPHAS trialは,腹腔内感染によるsevere sepsis/septic shockを対象として,ポリミキシンB固定化ファイバーによる血液吸着療法(PMX-DHP)による,(1)循環動態,(2)呼吸機能,SOFA(sequential organ failure assessment)score,28日死亡率などを検討したものである。PMX-DHPは循環動態の改善のみでなく,28日死亡率の改善を示し,中間解析にて中止基準を満たしたため64例にて中止された。本治験に関わる疑問点は,(1)ETレベルが測定されていないが,ET除去により効果が得られたものか? (2)治療対象として重要な白血球減少,血小板減少症例が含まれていない,(3)標準療法群では循環動態の改善がないのか? (4)標準療法群の28日死亡率 53%は高すぎないか? (5)ETの完全な除去が重要か? PMX-DHPは免疫抑制状態を改善するか? (6)64例エントリーでの中止は尚早,などが挙げられる。本治験結果は,わが国の診療を再認識するとともに,世界に影響を与える可能性がある。
著者
藤岡 泉 笠井 靖代 寒川 早織 芥川 香奈 有馬 香織 渡邊 理子 宮内 彰人
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.91-97, 2021 (Released:2021-05-10)
参考文献数
15

てんかん合併妊娠の周産期管理の課題を明らかとするため,2014年から5年間に当センターで分娩した15, 344例のうち,てんかん合併妊娠58例(0.38%)を抗てんかん薬の服薬状況に基づき4群に分け,周産期予後を後方視的に解析した. 4群の内訳は,a群(服薬あり怠薬なし)22例,b群(服薬あり怠薬あり)4例,c群(服薬なし妊娠判明後中止)1例,d群(服薬なし妊娠前から)31例であった.分娩週数・出血量・児体重・Apgar score,臍帯血pHに有意な差はなかった.妊娠中の発作は13例(22.4%)で認め,怠薬した症例などにみられた.バルプロ酸が必須の患者では妊娠判明後の薬剤変更が発作原因となる可能性があった.母乳育児は混合を含めると55例(94.8%)が行っていた. 妊娠前から母児の影響を考慮した薬剤の選択と,本人が妊娠中の発作コントロールの重要性を十分に理解することが重要である.
著者
河田 亮 宮内 章光 高垣 裕子
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.252-258, 1998 (Released:2011-10-14)
参考文献数
34

Osteocytes, dendritic resident cells in bone, transduce signals of mechanical loading that results in anabolic responses of bone. In our previous report with primary osteocytes derived from newborn rat calvaria, we showed that cAMP levels were elevated 15min after the initiation of streching, and that the protein levels of both IGF-I and osteocalcin were elevated 36h later. Here we report that stretching induces the expression of an immediate early gene, cfos, at 15min and of osteocalcin in several hours in these cells. Furthermore, the blockers of stretch activated channels and epithelial-like sodium channels, in combination, abolish the effects of stretching; elevated expression of osteocalcin and calcium influx into the stretched cells. Independent experiment with a blocker of L type channels also inhibited the osteocalcin expression caused by stretching. Therefore, it is conceivable that the calcium influxes, both primary and secondary, are the essential responses of stretched osteocytes that result in the anabolic reaction of bone.
著者
入江 経明 宮内 俊一 米崎 治男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.59-62, 1975-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7

実地醸造において原料米の品質管理の一環として, そのもろみ中での溶解性を予知するために, 少量の試料を用いて迅速簡便で定常値が得られる蒸米被消化性試験法を設定し検討を加えた。白米処理上のポイントは, 白米の枯らし日数と水切操作である。各種酒米の被消化性をしらべた結果心白米は一般米にくらべて被消化性がよく, 白米中のたんぱく含量の少ない方が被消化性がよかった。
著者
副田 宜男 宮内 崇裕
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.83-102, 2007-04-01 (Released:2008-06-19)
参考文献数
47
被引用文献数
2 2

第四紀後期河成面の変位様式の解析に基づき,東北日本内弧の上部地殻の短縮による活構造の進行と,出羽丘陵の隆起過程を考察した.雄物川および岩見川流域の河成段丘面群のうち,M1面とされた地形面は洞爺火山灰(Toya)との層位関係などから,最終間氷期最盛期(125ka)に対比される.M1面の高度分布から推定される出羽丘陵の第四紀後期における平均隆起速度は最大0.5mm/yr, 横手盆地西縁で0.1mm/yrである.実際の地表変形をもとに地下の断層形状と変位量を検討した結果,北由利断層群から地震発生層下限まで延びる2つのランプを有する東傾斜の逆断層が導かれ,断層折れ曲がり褶曲の成長に伴う出羽丘陵の隆起が示された.求められた水平歪速度(6.6×10-8/年)は,出羽丘陵が第四紀後期も強短縮の場にあることを示す.また,浅部において断層面上のすべりが大きく減衰するという計算結果は,断層の深部と浅部で地殻短縮のプロセスに違いがあることを示唆する.
著者
宮内 俊慈 Shunji Miyauchi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in teaching Japanese as a foreign language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.25, pp.25-54, 2015

関西外国語大学留学生別科の中級後期のクラスにおいては、2008 年度より本校教員の髙屋敷(2012)により開発されたモジュール型教科書を使ってきた。当教科書は、ドラマを対象としたユニット7 を除き全6 ユニットから成り立っているが、2014 年の夏にユニット1 の改訂を行い、秋学期のユニット4 まで終了した中間試験の時点で学生の評価アンケートを実施し、前回の紀要にその結果を報告した。2015 年の夏にはユニット6 の改訂を行い、その秋から試用を始めた。本稿は、前年の報告に引き続き、今回変更されたユニット6 を含め、この中級後期の教科書に対する学生間の評価を調査し、どのような問題点やニーズがあるのかを確かめるアンケートを実施したので、結果を報告するものである。
著者
宮内 和樹 小山 直紀 山田 正
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会/日本水文科学会 2022年度研究発表会
巻号頁・発行日
pp.271, 2022 (Released:2022-12-20)

本研究は、浮体式太陽光パネル(FPV) 設置の有無による日射量の違いがため池内の水質に与える影響を定性的に評価することを目的とし、仮想のため池において生態系モデルを用いて数値計算を行った。その結果,FPV の池の被覆率にかかわらず,Chl-a濃度は水温が藍藻類の最適水温(30℃)付近である9月まで増加し続け、その後水温低下の影響を受けて、減少に転じることが分かった。また、FPVによる池の被覆率が30%、50%、70%と増加するにつれてChl-a濃度の増加する速さは鈍化し、ピーク値でそれぞれ約15%、30%、50%抑えられる可能性を示した.栄養塩濃度についてもFPVの被覆率を増加させることで、ため池の富栄養化を防ぐことができる可能性を示すことができた。
著者
宮内 俊慈 Shunji Miyauchi
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
no.26, pp.41-62, 2016

関西外国語大学留学生別科の中級後期のクラスにおいては、2008年度より本校教員の髙屋敷(2012)により開発されたモジュール型教科書を使ってきた。当教科書は、ドラマを対象としたUnit7を除き全6ユニットから成り立っているが、2014年の夏にUnit1の改訂を行い、秋学期に試用を行い学生の評価を実施した。続く2015年の夏にUnit6の改訂を行い、その秋から試用を始め、この中級後期の教科書に対する学生間の評価を調査し、その結果を前回(25号)の紀要で報告した。さらに、2016年の夏にUnit4の改訂を行い、秋学期に試用し学生への調査を行った。本稿で、その調査結果の詳細の報告をする。
著者
宮内 俊策 牧 佑歩 上野 剛 杉本 龍士郎 山下 素弘 高畑 浩之
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.598-603, 2017-07-15 (Released:2017-07-15)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

CT上,肺切除後のステープルラインにconsolidationを認める症例はしばしば経験する.今回,肺癌術後のステープルラインに増大する結節影を認め,切除を行った症例を経験したので報告する.症例1は77歳,男性.66歳時に右中葉,下葉肺癌に対して右中葉切除術,下葉部分切除術施行し,pStage IAの腺癌であった.経過観察中に右下葉S6のステープル近傍に結節影が出現し,経過のCTで増大傾向を認めたため右開胸S6区域切除術施行し,術後病理診断では炎症性変化の診断であった.症例2は66歳,男性.62歳時に左上葉肺癌に対して左上区域切除術施行し,pStage IAの腺癌であった.経過観察中に左肺門部に結節影が出現したため残存舌区域切除術施行し,術後病理診断では非結核性抗酸菌症の診断であった.本症例のような病態はステープル使用に伴う合併症として認識すべきである.
著者
宗像 昭子 鈴木 利昭 新井 浩之 横井 真由美 深澤 篤 逢坂 公一 松崎 竜児 三浦 明 渡辺 香 森薗 靖子 権 京子 金澤 久美子 宮内 郁枝 鈴木 恵子 久保 和雄 尾澤 勝良 前田 弘美 小篠 榮
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.34, no.13, pp.1525-1533, 2001-12-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
14

今回我々は, 当院で維持血液透析を施行している安定した慢性腎不全患者59名を対象患者として, ベッドサイドにて簡便に使用できるアイスタット・コーポレーション社製ポータブル血液分析器i-STATを用いて, 透析前後で全血イオン化Ca (i-Ca) 濃度を測定し, 血清T-Ca濃度との関係について検討し, 以下の結果を得た.1) 透析前後における血清T-Ca濃度, 全血i-Ca濃度は, それぞれ9.43±0.90→10.54±0.70mg/dl (p<0.05), 1.26±0.10→1.30±0.07mmol/l (p<0.0001) と, いづれも有意な増加を示した. 2) Caイオン化率は, 53.43±0.03→49.55±0.04% (p<0.001) へと透析後有意に低下した. この原因として, 血液pHの変化の影響が考えられ, 血液pHとCaイオン化率との間には明らかな負の関係が認められた. 3) 透析前後における, 血清T-Ca濃度と全血i-Ca濃度の関係について検討したところ, 透析前ではy=7.507x+0.015 (r=0.839; p<0.001) と強い正の相関が認められたが, 透析後においては, 全く相関が認められなかった. この点について, pHならびにAlbを含めた重回帰分析法を用いて検討したところ, T-Ca=3.369×i-Ca+5.117×pH-32.070 (r=0.436, p=0.0052) と良好な結果が得られた. 4) 透析前後の全血i-Ca濃度の測定結果から, 容易に血清T-Ca濃度を換算できるノモグラムならびに換算表を作成した.以上の結果より, ポータブル血液分析器i-STATを用いた, ベッドサイド (“point-of-care”) での全血i-Ca濃度の測定とノモグラムの利用は, 透析室においてみられるCa代謝異常に対して, 非常に有用であると考えられる.
著者
宮内 賢治 山田 大彦
出版者
Japanese Society of Steel Construction
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.14, no.55, pp.37-46, 2007-09-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8

The purpose of present study is to propose the approximate technique taking deflection of foundation girders and pile-soil into consideration for structural analysis. Separation of the upper structure from the pile-soil structure is the practical method in case of structural frames with foundation girders constructed from reinforced concrete of high stiff ness, but it isn't a general method in case of foundation girders of finite rigidity. In the pres ent analysis, two approximations are applied, and those enable to separate the analysis of the upper structure from that of the pile-soil structure. This is proposed as a new approximation method of rotation-rigidity.
著者
宮内 海峰 森 信人 志村 智也 建部 洋晶 宮下 卓也 今井 優樹 二宮 順一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.I_949-I_954, 2022 (Released:2022-11-01)
参考文献数
8

本研究は,日本周辺海域において地域的な海面水位変化をもたらす現象の特定とその量的影響を行った.海洋における幅広い時空間スケールの現象を考慮するために,日本沿岸の潮位観測値,水平解像度100km格子で長期間計算された全球気候モデルMIROC6過去気候アンサンブル,および水平約10km格子の海洋再解析データFORA-WNP30の解析を行った.さらに水平20km格子で日本周辺海域の海洋流動シミュレーションを実施した.得られた結果から,太平洋で最も卓越する海面水位変動要因はENSOであり,その影響で黒潮流域では1年あたり約10cmの振幅が生じることが分かった.一方で日本沿岸地点は外洋の変動がそのまま反映されないため,振幅は黒潮流域よりも小さく,最大で約5cmであることがわかった.
著者
廣川 満良 鈴木 彩菜 川木 裕子 工藤 工 木原 実 宮 章博 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.32-38, 2020 (Released:2020-06-16)
参考文献数
27

甲状腺穿刺材料を用いた補助診断法について概説する。穿刺針洗浄液を用いた生化学検査,たとえばサイログロブリン,カルシトニン,PTHなどは細胞診よりも診断精度が高く,比較的安価であることから,適応や評価を十分に理解したうえで積極的に用いるべきである。リンパ腫,特にMALTリンパ腫を疑った場合は,フローサイトメトリーによる軽鎖制限の確認は非常に有用である。遺伝子検査は本邦では未だ日常的には行われていないが,今後細胞診で濾胞性腫瘍や意義不明と報告された結節に対して行われていくことになるであろう。