著者
大渕 修一 新井 武志 小島 基永 河合 恒 小島 成実
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.185-190, 2009 (Released:2009-05-28)
参考文献数
14
被引用文献数
14 6

[目的]超音波画像計測装置を用いて測定した大腿前面の筋厚が,膝関節伸展筋力を含めた身体機能と関係しているのか,また筋厚から膝関節伸展筋力の推定が可能かを調査した。[対象]地域在住の女性高齢者98名とした(平均年齢72.7 ± 5.4歳)。[方法]対象者の大腿前面の筋厚を超音波画像計測装置にて計測した。また身体機能として,等尺性の膝関節伸展筋力(N),握力(kg),通常歩行速度(m/分),開眼片足立ち時間(秒),下肢のしなやか度を測定した。[結果]大腿前面の筋厚は膝関節伸展筋力,握力,開眼片足立ち時間と有意な正の相関が認められた。一方,重回帰分析の結果では,膝関節伸展筋力を予測する因子としては,大腿前面筋厚の寄与率は低いことがわかった。[結語]超音波画像計測装置で計測した大腿前面の筋厚は,地域在住女性高齢者の身体機能を反映する指標とはなりうるものの,膝関節伸展筋力を推定するためにはさらに検討が必要と考えられた。
著者
相馬 隆治 小島 浩之
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.203-206, 1998-03-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
12
著者
野上 晃子 赤松 啓一郎 小島 光恵 中井 知美 辻田 愛 西野 由貴 神藤 洋次 柳瀬 安芸 南方 良章
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.345-349, 2014 (Released:2014-12-05)
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

医療関連感染は医療従事者が媒介者となることがあり,手や鼻腔,ユニフォームなどに病原微生物が付着していることが知られている.標準予防策では手指の汚染は防げるが,ユニフォームの汚染は防ぎきれない.そこで,ユニフォームの細菌汚染状況について,職種別,部位別に,付着菌量,菌種の調査を行った.和歌山県立医科大学附属病院に勤務する看護師,医師,理学療法士各6名,計18名に対し,洗濯直後のユニフォームを3日間着用して通常業務を行った後,拭き取り培養法により,ユニフォーム付着菌の菌量と菌種を調査した.調査部位は,ユニフォームの13ヶ所,各々100 cm2とした.職種間では,理学療法士が5.95 CFUと検出菌量が最も多く,医師3.24 CFU,看護師1.83 CFUと続いたが,統計学的には有意差は認めなかった(p=0.165).部位別では,両袖,後面の裾で,他の部位に比べ有意に菌量が多かった(p=0.0010).付着菌種では,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が最も多かったが,黄色ブドウ球菌も多く認められた.医療従事者の感染予防策として,手洗いの励行とともに,ユニフォームの両袖や後面の裾などに対する注意も必要であり,なかでも理学療法士のユニフォームが汚染源になる可能性を考慮すべきである.
著者
永井 裕太 木多 道宏 下田 元毅 吉崎 真人 小島 見和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.797, pp.1208-1219, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

This study sought to comprehend the area’s context of Senri New-Town by analyzing the relationship between the physical and socio-cultural environment before and after development. Before the development of the New-town, the irrigation system was determined by landform, location of ponds and field watering area. This irrigation system was categorized into three types according to the hierarchy of ponds, primarily maintained by residents. Following the new-town development, the old significant irrigation system disappeared. The study proffers the necessity of Senri Town’s spatial reorganization by connecting it with the agricultural resources of the old village.
著者
青木 康貴 秋山 充良 石橋 寛樹 小島 貴之 越村 俊一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.1-16, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
52

断層パラメータの不確定性を考慮した津波伝播解析により,詳細な地形情報等を踏まえて各地点の津波ハザードの大きさと頻度の関係を低頻度な領域にまで算定するためには,一般に膨大な数の繰り返し計算を必要とする.本研究で提案する手法は,計算負荷の大きい津波数値解析をRBFネットワークを用いた近似関数で表現し,準モンテカルロ法を用いた計算を行うことで,低頻度で発生する浸水深の大きさまでを短時間で評価する確率論的津波ハザード解析手法である.南海トラフ地震により生じる津波を想定し,三重県沿岸部を対象に提案手法を適用することで得られる津波ハザードを従来のモンテカルロ法に基づく結果と比較することで,その妥当性と有効性を確認した.さらに,南海トラフ地震により生じる津波災害廃棄物量のリスク評価に提案手法を適用した.
著者
松田 隼 小島 直樹 野原 春菜 有野 聡 松吉 健夫 佐々木 庸郎 一瀨 麻紀 山口 和将 稲川 博司 岡田 保誠
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.341-343, 2019-01-31 (Released:2019-01-31)
参考文献数
3

当救命救急センターを受診する患者の中で, 発熱を主訴に受診する患者は比較的多いが, 初療の段階では確定診断が困難なことがある。【対象・方法】2016年9月~2017年8月に当院一次, 二次救急外来を受診された16歳以上の患者のうち, 発熱の原因を確定することができず, かつ入院を要した患者の特徴・臨床経過を後方視的に検討した。【結果】総受診者数16,282例のうち, 対象となったのは24例であった。男性は13例, 平均年齢は74.5歳 (16~98歳), 平均入院日数は18.4日 (3~57日) であった。最終診断として, 感染性13例, 痛風関節炎1例, 膠原病1例, 退院まで原因不明であったものは9例であった。血液培養は全例で採取され, 陽性率は37.5%であった。帰宅後に血液培養陽性となったため, 再受診させ入院となった例が3例あった。【考察】原因不明の発熱で入院となった症例を後方視的に検討した。原因不明の発熱患者では, 血液培養の採取が重要である。
著者
小黒 亮史 茂木 雅臣 松下 豊 豊川 怜子 渡邊 統星 飯田 誠 山本 裕 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.221-227, 2020-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
34

Gradenigo 症候群とは中耳炎, 三叉神経痛, 外転神経麻痺を3主徴とする疾患概念である。 症例は10歳の女児。 側頭部痛と耳後部痛で発症するも近医耳鼻咽喉科・小児科診察で異常所見はなく, 鎮痛薬のみで経過観察したところ約1ヵ月後に外転神経麻痺を来した。 当院受診時に中耳炎所見を認め, 本症と診断した。 抗菌薬およびステロイド投与による保存的加療が奏功し, 症状・所見の改善を得た。 画像検査や治療経過より, 原発性錐体尖炎や中耳炎による続発性錐体尖炎が原因と推測された。 退院後6ヵ月時点で再燃を認めず経過良好である。
著者
木村 優里 西谷 友樹雄 新井 佑梨 高津 南美子 山本 裕 鴻 信義 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.104-108, 2020-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
16

側頭筋内膿瘍は頸部膿瘍の中でも文献的報告が少なく, 発症病態の詳細はあまり知られていない。 側頭筋は咀嚼筋に含まれ, 上記疾患の症状として開口障害, 側頭部腫脹を呈する。 炎症は咀嚼筋間隙内の咬筋, 内・外側翼突筋や隣接する間隙にも波及することがあり, その波及形式の相違によっても臨床像は多彩である。 顔面痛を主訴に発症した基礎疾患のない側頭筋内膿瘍を経験した。 本邦での頸部膿瘍形成としては下方への波及が典型的であるが, 今回経験した側頭筋内膿瘍では側頭筋に沿って上方へ波及した膿瘍を形成していた。 CT など画像による病巣評価のみならず, 開口障害, 側頭部腫脹といった身体所見に着目することが本症例の病態把握に重要である。 側頭部穿刺, 経口腔的切開排膿, 抗生剤投与で軽快した1例であった。
著者
小島 淳
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.267-308, 2000-12-20
著者
小島 克己
出版者
日本経営倫理学会
雑誌
日本経営倫理学会誌 (ISSN:13436627)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.159-165, 2018-02-28 (Released:2018-04-13)

In 2010, the Asia-Pacific Economic Cooperation developed the Business Ethics for APEC SMEs Initiative. The purpose of the initiative is to promote ethical business practices and level industry playing fields within the 21 economies through the application of the APEC ethical principles. This study aims to assess(1)the impact of the initiative to date,(2)the positions of the APEC principles, and(3)the implementation of the APEC principles from the medical device and biopharmaceutical sectors perspectives.
著者
野老 美紀子 大野 浩史 青栁 奈央 立木 都 園原 めぐみ 小島 正愛 浅野 恵美子 福永 憲隆 浅田 義正
出版者
公益社団法人 日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第109回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.P-46, 2016 (Released:2016-09-16)

【目的】抗セントロメア抗体(ACA)は抗核抗体(ANA)の1つであり,細胞核のセントロメアに対する自己抗体である。近年,不妊患者の一部にACAを高値で持つ患者が存在し,その胚では高頻度に多前核が形成されることが報告されている。しかしながら,ACA陽性者において多前核形成率が高くなる原因は明らかになっていない。そこで本検討では,ACA陽性者から得られた多前核胚および未成熟卵子を蛍光免疫染色によって解析し多前核形成の原因を検討した。【材料および方法】当院において抗核抗体検査を行った1290症例を対象とし,ACAが陽性(ACA(+)群),ACAを除くANAが陽性(ANA(+)群),ANAが陰性(ANA(–)群)の3群に分け,各実験群における多前核形成率を比較した。さらにACA(+)群の多前核胚およびMI期卵子は,雌性染色体を認識するH3K9me3抗体を用いて蛍光免疫染色を行った。【結果】抗核抗体検査の結果,当院におけるACA(+)群は全体の0.9%(12/1290)存在していた。採卵周期あたりの多前核形成率は,ACA(+)群51.3%,ANA(+)群3.3%,ANA(–)群4.2%であり,ACA(+)群で有意に高い結果が得られた。ACA(+)群の多前核胚を蛍光免疫染色した結果,ICSI由来のすべての胚(52/52)およびC-IVF由来の85.7%(12/14)において,雄性前核が1個と雌性前核が2個以上存在していた。さらに,MI期卵子62個を染色した結果,75.8%(47/62)の卵子で雌性由来の染色体が卵子細胞質に散在している状態が観察された。【考察】通常,IVF由来の多前核胚は多精子受精が原因と考えられるが,ACA(+)群では雌性前核が複数存在していたことから,この多前核形成は卵子側に原因があることが示唆された。さらにACA(+)群ではMI期卵子で染色体の散在がみられたことから,この異常が媒精後の高頻度な多前核形成に関与していると考えられる。
著者
渡邊 晶規 小島 聖 細 正博
出版者
名古屋学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

関節拘縮の治療と予防に対する低出力超音波パルス治療(以下LIPUS)の効果を、実験動物を用いて組織学的側面から検討した。LIPUS照射により、不動化によって生じた後部関節包のコラーゲン線維束間の間隙の狭小化が改善を示し、関節拘縮に治療に有効である可能性を明らかにした。一方、関節拘縮予防を目的とした介入結果においては著明な差を認めず、LIPUSの有用性を明らかにすることは出来なかった。
著者
小林 裕之 高岸 且 森川 英治 細野 賢一 江口 輝 小島 光平
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.1-9, 2022-02-01 (Released:2022-04-18)
参考文献数
18

低コスト2周波GNSS受信機の測位正確度を検証するため,森林外10カ所,森林内21カ所において,1カ所当たり約7時間の静止測位+PPK解析と2分30秒間のRTK測位を行った。10 m以上の大きな誤差を除外したのちの林内における平均水平誤差は,静止測位+PPK解析,RTK測位でそれぞれ1.22,1.72 mとなり,有意差がみられた。静止測位+PPK解析では,3衛星システム(GPS+QZSS+Galileo)よりも4衛星システム(3衛星システム+GLONASS)の方が,また1周波(L1)よりも2周波(L1+L2)の方が水平誤差は小さかった。衛星の仰角マスク値が20,25,30,35°と大きくなるにつれて,大きな誤差の発生頻度は減少した。RTK測位では,float解よりもfix解の方が水平誤差は小さかった。林内における平均垂直誤差は,静止測位+PPK解析,RTK測位でそれぞれ2.12,2.49 mと,水平誤差よりも大きくなった。携帯電話網圏外では静止測位+PPK解析,圏内ではRTK測位で水平位置を決定したのち,近年整備が進む高精度標高データを利用して高さを決定するのがよいと考えられた。