著者
小島 晋爾 勝見 則和 宮川 浩 奥村 猛 植田 貴宣
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.65, no.638, pp.3523-3529, 1999-10-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

The slant-shaped squish chamber recently developed by our company improves charging efficiency and raises compression ratio of its gasoline-engines. We clarified its knock suppression mechanism using rapid compression-and-expansion machine, autoignition simulation, and 3-dimensional turbulent flame propagation simulation. The results indicate the following: 1. Timing of flame acceleration is a key of knock suppression, that is, optimum timing of flame acceleration exists in the latter half of combustion, because expansion stroke suppresses the temperature rise in the end gas. This universal mechanism improves knock-limited ignition timing and compression ratio of the above engines. 2. A cause of the flame acceleration in the slant-shaped squish chamber is strengthened turbulence occurring in front of the flame and in reverse squish flow which separates at the squish lip. 3. The reverse squish flow, which is well known to be induced by the suction due to the larger expansion ratio of squish region than the other region of combustion chamber, is enhanced by the thermal expansion of burning mixture.
著者
浦上 涼子 小島 弥生 沢宮 容子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.146-157, 2013 (Released:2013-10-10)
参考文献数
48
被引用文献数
12 4

「痩身理想の内在化」とは, 社会的に魅力がある, 価値があるとされる痩身を, 自己の価値観や理想として取り込んでしまう概念である。本研究の目的は, この痩身理想の内在化と痩身願望との関係について検討することであった。具体的には, 雑誌からの影響の受けやすさ, 他者からの承認欲求, 自尊感情といった個人特性が, 痩身理想の内在化を媒介した場合に痩身願望へどのように結びつくかについて, 男女大学生を対象に多母集団同時分析を行い, その相違点について検討を行った。男女大学生585名を対象に質問紙調査を実施し, 現在の体重(体型)を下回る体重が魅力的だとする336名について分析を行った結果, 男女ともに, 個人特性は痩身理想の内在化を媒介することで, 痩身願望とより強い関連が認められた。また, 男女によって個人特性が直接的に痩身願望に結びつくパターンと痩身理想の内在化と媒介するパターンに違いがみられた。本研究の結果から, 痩身理想の内在化は摂食障害の危険因子である痩身願望に大きな影響を及ぼす要因であることが明らかになった。今後は, この痩身理想の内在化に焦点を当てて実証的な研究を行う必要性が示唆された。
著者
小島 弘昭 荒谷 邦雄 吉富 博之 野村 周平 渡辺 泰明
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

伊豆諸島の甲虫相解明のため,研究の遅れていたゾウムシ上科,ハネカクシ科,水生甲虫類を対象に調査を実施し,固有3新種を発見した.また,遺存固有と考えられていたクワガタムシ科2種,ゾウムシ科1種について分子系統解析を行い,前2者は極最近,周辺地域に分布する近縁種から分化した種であること,ゾウムシについては人為的移入の可能性が示唆された.島としての成立年代が新しい伊豆諸島は,生息する固有種も起源的に新しい可能性が高いことが明らかとなった.さらに,甲虫相から見た伊豆諸島のホットスポットとして御蔵島がその候補となり,北伊豆諸島の利島もこれまで考えられていた以上に重要な地域であることが示唆された.
著者
小島 俊輔
出版者
独立行政法人 国立高等専門学校機構熊本高等専門学校
雑誌
熊本高等専門学校研究紀要 (ISSN:18846734)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.13-19, 2023-01-10 (Released:2023-01-16)

At the time of the COVID-19 Crisis in April 2021, the author became a homeroom teacher for the first grade in National Institute of Technology (KOSEN), Kumamoto College. We feel that the classroom could not be ventilated smoothly, so we develop and install the CO2 monitor system in the classroom with electric parts on hand quickly. The knowledge required to develop a CO2 monitor system is not limited to circuits and programs. For example, reading electronic parts specifications written in English, operating development tools such as circuit board CAD and circuit simulator, and setting up a Web server to transmit CO2 data are required. After installation of the CO2 monitor system, the author presents the development story of it to students and conduct a questionnaire survey. As a result, we confirm that the CO2 monitor system has effects on the students' study motivation.
著者
渡邉 一由 大久保 泰和 田中 毅弘 藁谷 至誠 新井 幸雄 小島 和人 阪田 麻紀 仲井 章一 中村 章 秦 隆人 藤井 修二 松浦 房次郎 森 正夫
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成19年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.1175-1178, 2007-08-24 (Released:2017-08-31)

Recently it is discussing largely that it asks such social responsibility about the treatment method and the accident and trouble for Building & building facilities. In this paper, it describes the risk management for building. So it shows the outline of CSR,the risk management methods and the regulation of law. This paper has emphasized the importance of having the risk management for building.
著者
柑本 敦子 伊東 輝夫 内田 和幸 チェンバーズ ジェームズ 小島 一優 椎 宏樹
出版者
Japanese Society of Veterinary Anesthesia and Surgery
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.30-35, 2022 (Released:2022-12-21)
参考文献数
25

去勢雄の雑種猫が、喉頭尾側の気管腫瘤により急性の呼吸困難を示した。気管切開術による減量によって呼吸状態は速やかに改善し、患猫はその日に帰宅した。摘出した腫瘤は病理組織検査、免疫染色、遺伝子検査からび漫性大細胞B細胞性リンパ腫と診断された。細胞診に基づき手術当日からCOP療法を16回(5サイクル)、続いてドキソルビシン治療を4回実施して治療を終了した。術後958日を過ぎた現在も再発することなく生存中である。
著者
小島 穂菜美
出版者
武庫川女子大学
巻号頁・発行日
pp.1-68, 2020-03-20

本論文は, 臨床における問題として, 高齢者にも頻用される塩基性薬物のゾピクロン, エスゾピクロンおよびアムロジピンベシル酸塩の苦味に及ぼす様々な酸性物質の苦味抑制効果を味覚センサ測定およびヒト官能試験により評価し, 1H-NMRスペクトル解析により薬物-酸性物質間の苦味抑制機序について検討を行った. また, 嚥下補助と苦味抑制の 2 つの性質を有する γ-ポリグルタミン酸ハイドロゲルを調製し, 物理化学的性質の評価, テクスチャー測定による嚥下のし易さの評価, 味覚センサ測定およびヒト官能試験から γ-ポリグルタミン酸ハイドロゲルによる薬物の苦味抑制効果を評価した. 3 種類の薬物の苦味に対して飲料, 配合薬, 添加剤と様々な酸性物質が苦味抑制効果を示すことを明らかにした. また, その苦味抑制機序として, 薬物-酸性物質間の分子間相互作用が寄与していることが推定された. さらに, γ-ポリグルタミン酸ハイドロゲルが苦味抑制と嚥下補助の 2 つの性質を有し, 高齢者の服薬アドヒアランス維持に寄与する可能性が考えられ, 苦味抑制と嚥下補助を併せ持った新しい剤形として, 今後の製剤開発に貢献することが期待される.

1 0 0 0 撰集抄

著者
小島孝之 浅見和彦編
出版者
桜楓社
巻号頁・発行日
1985
著者
富川 拓海 國吉 杏子 伊藤 史織 佐久川 さつき 石川 輝 齋藤 俊郎 小島 尚 朝倉 宏 池原 強 大城 直雅
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.190-194, 2022-10-25 (Released:2022-11-03)
参考文献数
32
被引用文献数
3

シガテラ魚類食中毒は,シガトキシン類(CTXs)を含有する魚類による動物性自然毒食中毒で,主に熱帯・亜熱帯で発生している.日本では,沖縄県を中心に発生報告があるが,日本本土の太平洋岸産魚類による食中毒事例も散発的に発生し,原因魚種のほとんどがイシガキダイOplegnathus punctatus の老成個体である.イシガキダイにおけるCTXsの含有状況を調査するために,本州,四国,九州,奄美,沖縄,および小笠原の沿岸産176個体(標準体長:13.1~60.0 cm,体重:100~6,350 g,年齢:0~11歳)を収集し,LC-MS/MSによる分析を実施した.そのうち沖縄産2個体(全試料の1.1%)からCTXsが検出され,沖縄産14個体に限定した検出率は14%であった.CTXsが検出された2個体の魚肉中の総CTX含量は,0.014 μg/kgおよび0.040 μg/kgであり,いずれも米国FDAの推奨値0.01 μg CTX1B equivalent/kg以上であったが,ヒトの最小発症量(10 MU, CTX1B換算で70 ng)に達するには,1.5 kg以上の摂食が必要であるため,シガテラ魚類食中毒発症のリスクは高くないと考えられる.沖縄産イシガキダイのCTXs組成はCTX1B系列のみで,バラフエダイやバラハタなどの肉食魚が含有するCTX1Bおよび52-epi-54-deoxyCTX1Bに加えて,渦鞭毛藻が産生するCTX4AおよびCTX4BがCTX1Bと同程度のレベルで検出された.なお,CTX3C系列は検出されなかった.
著者
田中 大貴 森 恵莉 関根 瑠美 鄭 雅誠 鴻 信義 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.157-162, 2021-06-15 (Released:2022-06-15)
参考文献数
11

本邦では家庭用洗剤として次亜塩素酸塩がよく用いられ, 複数の会社で製品化されている。 使用の際には酸性洗浄液との併用禁忌や換気, マスクや手袋・ゴーグル等の着用の推奨などの使用上の注意が記載されている。 しかし, 防護や換気をしたのにも関わらず健康被害を呈することもあり, その一つに嗅覚障害を呈したというソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) 上の書き込みが散見されるが, それを詳細に報告した論文はない。 今回, 塩素系洗浄剤の使用後に嗅覚障害を呈した2例を経験した。 次亜塩素酸や代謝産物である有機塩素化合物が嗅裂炎を起こし, 気導性嗅覚障害を呈する可能性や, 繰り返す次亜塩素酸の曝露が嗅上皮の再生能・恒常性の障害や炎症細胞浸潤による神経障害を引き起こして神経性嗅覚障害を呈する可能性がある。 塩素系洗浄剤を使用する際には, 使用上の注意を遵守すること, また嗅覚障害出現時には同洗浄剤の使用を直ちに中止し, 専門の医療機関を受診することが重要と考えた。
著者
前田 真理子 小島 道生
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.249-259, 2022-03-31 (Released:2022-10-01)
参考文献数
15

先行研究において、ダウン症児の平仮名の濁音・半濁音、特殊音節の読み書き能力には音韻情報処理能力の関与が示されている。本研究では、音韻情報処理能力を伴う濁音・半濁音、特殊音節の読み書き指導を実施し、指導の在り方を検討した。対象児は、特別支援学校に通う小学4 年生~6 年生のダウン症女児3 名であった。アセスメントの結果、A児は濁音・半濁音の読み書き能力、B児は特殊音節の読み能力、濁音・半濁音の書き能力、C児は濁音・半濁音の読み書き能力、特殊音節の読み能力の向上を目的とした指導を行った。その結果、ダウン症児に対しての特殊音節の読み能力、濁音・半濁音の書き能力の指導に音韻情報処理能力の指導が影響していることが示唆された。また、オンライン指導では、ラポート形成や回答しやすい問題形式等の配慮を行うことで課題への取り組みやすさにつながる可能性が示された。

1 0 0 0 OA 山水美論

著者
小島烏水 著
出版者
如山堂
巻号頁・発行日
1908
著者
清水 都 小島 美樹 井下 英二 真田 依功子 大森 智栄 倉田 秀 森崎 市治郎
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.241-250, 2022 (Released:2022-11-15)
参考文献数
30

歯科疾患や口腔の不健康とメタボリックシンドロームとの関連が,多くの疫学研究で報告されている.本研究では,壮年期男性における口腔の自覚症状とメタボリックシンドロームおよびそのリスク因子との関連を調べることを目的とした.歯科・医科健診データを用いて,4年間の後ろ向きコホート研究を行った.42歳時点で,メタボリックシンドロームがない者3,519人,肥満(高BMI)をもたない2,574人,高血圧症(高収縮期血圧かつ/または高拡張期血圧)をもたない者2,785人,脂質異常症(高中性脂肪かつ/または低HDLコレステロール)をもたない者2,879人,高血糖症(高空腹時血糖)をもたない者3,604人を解析対象とした.これらの項目別に,46歳時点で各項目を有する者の割合を,42歳時点における口腔の自覚症状の有無で比較した.ロジスティック回帰モデルを用いて交絡要因を調整したオッズ比と95% 信頼区間を算出した.その結果,生活習慣調整モデルでは「う蝕あり」と「歯肉出血」は高血圧症と,「歯肉出血」と「歯肉腫脹・疼痛」は高血糖症と有意に関連していた.生活習慣に加えて全身状態を調整したモデルにおいても,「歯肉出血」と高血圧症,「歯肉腫脹・疼痛」と高血糖症との関連は有意であった.以上の結果より,壮年期男性において,特に歯周病に関係する症状の自覚が,メタボリックシンドロームのリスクとなる状態の発症と関連することが示唆された.