著者
小島 俊輔 藤本 洋一 岩本 舞
出版者
独立行政法人国立高等専門学校機構 熊本高等専門学校
雑誌
熊本高等専門学校 研究紀要 = RESEARCH REPORTS OF KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY (ISSN:18846734)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.27-32, 2020-01

In order to detect cyber security threat at NIT Kumamoto, Yatsushiro Campus, we construct and operate an Intrusion Detection System (IDS) in our computer network since December, 2017. IDS has based on a predetermined signature and it can detect intrusions, attacks and other signs by monitoring packet-flow through the computer network. In this paper, we report introduction, construction and operation of this system.
著者
小島 千枝子 横地 健治 岡田 真人
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.225-234, 1983

特異な経過をとった言語発達遅滞の1例を報告した.症例は9歳男児.妊娠, 分娩, 新生児期著変なし, 運動発達は正常.幼児期前半は言語理解, 表出ともになく, 対人関係の孤立, 行動異常をあわせ持つ重度精神遅滞児の病像であった.理解は, 視覚的理解が聴覚的理解に先行して得られ, 対人関係の孤立も消失してきた.5歳10ヵ月の初診時, 発語失行が認められ, 構音訓練を中心とした言語指導を開始し, 急速な発語数の増大, さらに知的機能の上昇が得られた.8歳4カ月時にはIQ (WISC) は104となり, 現在は行動上の問題もないが, なお軽微な発語失行と失文法の問題は残されている.これらの言語, 知能を構成する各種高次機能の不均一な成熟の遅れによってもたらされた, 特異な臨床表現であろうと考えられた.
著者
小島 光洋
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.186-191, 2015-11-30 (Released:2016-01-04)

The author is attracted to the reports which record the community health activities. The reason is that he has been taken into the situation described there and felt as if he faced the same situation and experienced just the same things, which makes him enable to develop new ways to think. Such reports are written in a way that reporters describe what they actually experience and observe.The author took up the theme of “case-reporting as methodology”, because I have often met reports which only tell the results of measuring something but fail in conveying what reporters actually experienced. There might be misunderstanding that case-reporting is not allowed to be taken as a scientific way, and in consequence case-reports seldom come out in front of me.While touching on the essentials of natural science in relation to the observation of the natural world, this presentation tried to clarify the role and the purpose of case-reporting in the aspect of method with which one can describe what he or she experiences and observes in the community health activities.
著者
小西 達也 小島 英春 中川 博之 土屋 達弘
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:21888566)
巻号頁・発行日
vol.2017-AL-165, no.28, pp.1-6, 2017-11-09

本論文では,ソフトウェアテストの 1 つ,組み合わせテストについて議論する.具体的には,組み合わせテストで使用するテストケース集合の1つ, ロケーティングアレイに焦点を当てる.ロケーティングアレイは,与えられたパラメータ値の組み合わせをすべて網羅しているだけでなく,実行結果から不具合の原因となる組み合わせを特定することができる.ロケーティングアレイの生成手法に関する研究はまだ少なく, また,多くの場合について構成に必要な最小のテストケース数がわかっていない.そこで,SAT ソルバを使用したロケーティングアレイの生成手法を提案する. また,実際にロケーティングアレイを求め,得られた最小のテストケース数についても報告する.
著者
田熊 保彦 加藤 茂 小島 紀徳
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.85-92, 2005

1970年頃まで使用されていた強力な毒性を有する有機リン系農薬は使用を禁止されたが,一部の農家などで未使用のまま保持され続けている。本研究ではパラチオン等の有機リン系農薬5種類をアルカリにより分解した。2種については室温でも十分速い分解速度が得られた。他の3種類については反応速度論的検討を行った結果,有機リン系農薬とアルカリとの反応は,それぞれに対して一次の二次反応であることがわかった。二次反応速度定数を決定し,さらにその温度依存性を定式化した。これにより,おのおのの農薬を十分分解するための条件を定量的に与えることができた。また,分子構造の違いが反応性に大きな影響を与えていることが確認できた。さらに,分解により生成した物質についてGC-MSを用いて定性分析を行ったところ,いずれも毒性が認められない分解生成物であった。以上のことから,アルカリによる分解は有機リン系農薬の無害化に有効な手段の一つであるといえる。
著者
小島 裕也 大矢 勝
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.838-845, 2013-09-20 (Released:2017-09-14)
参考文献数
11

中国における消費者情報の動向を探るため,中国の美容・化粧品関連書籍の有害性記述表現について分析した.書籍中の有害性に関する記述表現を抽出し,有害性得点を指標として,書籍中の有害性表現を評価した.その際に得点の個人差を抑えるために「基準スケール」の作成を試み,これをもとに書籍の評価を行った.今回,5段階の整数で得点化する場合(整数評価)と小数点第一位まで得点化する場合(小数点評価),の2種の方法で評価を行った.調査の結果,整数評価と小数点評価では,同様の得点傾向を示したが,小数点評価のほうが正確な値が得られた.よって,小数点評価を書籍の有害性得点の結果として用いることにした.また抽出した全文章のうち8割以上の記述が有害性を強調する表現であった.界面活性剤について,書籍中では「皮膚の内部に浸透し,人体に危害を加える」といった表現や「ガンを引き起こす可能性がある」といった表現など,科学的な根拠の薄い情報によって有害性が強調されているものが見られた.以上から,中国における美容・化粧品関連書籍中の記述には科学的な根拠なく有害性を強調する表現が多く含まれていることが明らかとなった.
著者
中山 陽平 喜多 一馬 小島 一範
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.D-39, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに】日本は2040 年までに医療福祉職の人材が200 万人超の増加が必要と経済財政諮問会議で発表された。その中で,数だけでなく質の確保が急務とされている。そして,質の確保のためには思いやりを持つ重要性が示唆されており(福間2012),これからの医療福祉職には思いやりを育む教育や環境の整備が課題になる。これは在宅分野の理学療法士でも同様である。しかし,思いやりの育み方については,教育関連における報告は多いが(山村2012,三浦2013),医療福祉職における報告は見当たらない。他方,思いやりは様々な人間関係の中で育まれるものであり(植村1999),職員と上司の関係性はその一つとして重要と考えられる。本研究の目的は,職員が上司から感じている思いやりと,職員が利用者に意識している思いやりとの関係性を明らかにすることである。【方法】対象は,本法人のうちデイサービス(3 施設)と老人ホーム,居宅介護支援事業所のいずれかに所属する職員33 名(男性7 名,女性26 名,年齢47+12.4 歳)とした。なお,職員の職種は,ヘルパー,介護福祉士,看護師,柔道整復師,理学療法士であった。対象者には,紙面によるアンケート調査を実施した。アンケート項目は,上司から感じている思いやりについて「上司はあなたが困っている状況を話すと理解してくれる」など4 つの設問を設定した。利用者に意識している思いやりについては「あなたは利用者が困っている状況を理解しようと意識している」など4 つの設問を設定した。各設問に対し,①そう思う(1 点)から,⑤そう思わない(5 点)の5 件法にて回答を得ることとした。分析方法は,回答を点数化し,上司からの思いやりの合計点と利用者への思いやりの合計点との関連を,スピアマンの順位相関係数を用いて検討した。【倫理】本研究はヘルシンキ宣言に基づき,研究の趣旨,目的,内容,方法などの説明を行い,対象者の同意を得た上で実施した。なお,対象者の個人情報が特定されぬよう,アンケートの回答は無記名にする等の配慮を行った。【結果】上司からの思いやりの合計点の中央値は6(5 ‒ 8),利用者への思いやりの合計点の中央値は6(5 ‒ 7)であった。スピアマンの相関係数が中等度の正の相関(r = 0.478, p < 0.05)を認めた。【考察】結果より,職員が上司から感じている思いやりと,職員が利用者に意識している思いやりには,関係性があることが示唆された。これは,思いやりを感じる力と思いやりを持つ力は共感する能力に起因して生じた可能性がある。上司からの思いやりを感じるには,前提条件として,上司が思いやりを持っていることに対する共感が必要となる。また,他者への思いやりは共感から生じるものであり(満野ら2010),利用者への思いやりも共感をもつことが前提となる。つまり,2 つの質問の性質は両方とも他者への共感に基づくものであったといえる。よって,思いやりを感じる力を育むことは,他者に思いやりを持つ力を育むことと同意となる。思いやりは後天的な遺伝的要因以外の部分のほうが影響するといった報告がある(Varun Warrier 2018)。また,米グーグル社は2012 年から始めた研究(プロジェクトアリストテレス)でも思いやりに近似する心理的安全性がサービスの質を向上させると結論づけ,その形成に効果が証明されているマインドフルネスなど内観的プログラムを開始している。このような報告を応用し,在宅分野の理学療法士を含む医療福祉職における思いやりを育む教育を実践し,その効果を検証することが今後の課題である。【結論】職員が上司から感じている思いやりと,職員が利用者に意識している思いやりには,関係性を認めた。
著者
小島 友宏 塩見 邦博 石田 裕幸 梶浦 善太 中垣 雅雄
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 日本蚕糸学会第72回学術講演会
巻号頁・発行日
pp.137, 2002 (Released:2004-02-03)

カイコの休眠ホルモン(DH)遺伝子の食道下神経節(SG)における発現はわずか14個の神経分泌細胞に限定される。このようなDH遺伝子の細胞特異的発現調節機構は先に形質転換キイロショウジョウバエで解析され、FXPRLアミドペプチド産生細胞において特異的な発現に関わるシスエレメントが同定された。さらに我々は組み換えAcNPV(rAcNPV)ベクターを用いた迅速かつ簡便なレポーター遺伝子発現解析システムを開発し、カイコ個体でのDH遺伝子の発現解析を進めた(日本蚕糸学会中部支部第57回·東海支部第53回研究発表会にて発表)。こうした解析系を用い今回はシスエレメントの同定を試みた。カイコはN4系統の5齢幼虫、および蛹を用いた。BAC-TO-BACバキュロウイルス発現システム(インビトロジェン)により12種類以上のDH遺伝子上流域を削除したコンストラクトを持つrAcNPVを作製した。rAcNPVをカイコに注射後、SGにおけるEGFPおよびDsRedの蛍光を観察した。その結果、形質転換キイロショウジョウバエで明らかにされたシスエレメントとは異なる領域もDH遺伝子の発現に関わっていることが分かった。
著者
大槻 美佳 相馬 芳明 青木 賢樹 飯塚 統 吉村 菜穂子 佐原 正起 小山 晃 小島 直之 辻 省次
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.243-248, 1998-03-01

目的:左前頭葉内側而損傷群と背外側面損傷群の視覚性呼称能力と語列挙能力を比較検討した。対象・方法:11例の超皮質性運動失語を呈する右利き脳梗塞または出血患者。病巣はCTまたはMRIにて同定した。視覚性呼称能力としてWAB失語症検査V-Aの20物品の呼称課題を,語列挙能力として同V-Bの語想起課題を用いた。結果・考察:左前頭葉内側面損傷群は視覚性呼称が良好であるのに対し語列挙が不良であった。外側面損傷群では視覚性呼称,語列挙いずれも不良であった。この結果から左前頭葉内側面は語列挙に,背外側面は視覚性呼称に重要であることが推測される。サルの実験において,前頭葉背外側面にある前頭前野は視覚誘導性の動作に,内側面にある補足運動野は記憶依存性の動作に関与することが知られている。 言語においては視覚性呼称は視覚誘導性の動作に,語列挙は記憶依存性の動作に対応すると考えられる。したがって,本結果は行為における前頭葉背外側面と内側面の機能的相違が言語機能においても当てはまることを示唆する。
著者
中山 一郎 天野 文雄 上畠 力 河内 厚郎 小島 美子 小林 範子 杉藤 美代子 高木 浩志 柳田 益造
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.14(1997-MUS-024), pp.93-100, 1998-02-13

本稿は、筆者らが遂行している、日本語の歌唱表現法に関する学際的研究の紹介である。日本語を洋楽的唱法で歌唱する場合、日本語としてのニュアンスや自然さが失われ、"何を言っているのか解らない"という深刻な事態を招いている。その克服には、古来、日本語の扱いに工夫を重ねて発展してきた伝統芸能(広義の邦楽)との歌唱表現法の比較が不可欠であると考えられるが、そのための方法論すら無い現状である。本研究は、共通の歌詞を、多数の人間国宝を含む、各ジャンルにおける最高クラスの演者に"歌い分け"を行わせ、得られた高品質の音声試料を音響分析することにより、邦楽と洋楽における歌唱表現法の普遍的な差異、及び同一性を科学的に明らかにすることを目的とする。本稿では、研究の具体的な方法論、予想される結果、及び研究の展望について述べる。
著者
小島 一晃
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2007

identifier:http://hdl.handle.net/2237/8249
著者
渡邉 祐子 末藤 大明 小島 和行 辻 千代子 服部 睦行 江藤 英博 鈴木 弦 淡河 恵津世 早渕 尚文
出版者
一般社団法人 日本放射線腫瘍学会
雑誌
The Journal of JASTRO (ISSN:10409564)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.83-86, 2009-06-25 (Released:2009-09-12)
参考文献数
7

前立腺癌に対するI-125密封小線源治療を施行後,右室内に線源が迷入した症例を経験した.本症例は胸部写真,単純CTで冠動脈への迷入が否定できず,64列MDCTを用いた冠動脈CTを撮影することにより,部位診断に至った.今後,密封小線源療法を受ける患者が飛躍的に増加すると思われ,さまざまな部位への線源迷入が予想される.線源迷入の位置確認に際して,単純写真で左下肺野レベルに迷入線源を認め,単純CTで冠動脈への迷入が疑われるようであれば,心電図同期下で64列以上のMDCTを用い,冠動脈を評価することが重要と考えられる.
著者
小島 專孝
出版者
京都大学経済学会
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.187, no.2, pp.1-19, 2013-08-01
著者
鈴木 淳 村田 理恵 諸角 聖 村田 以和夫 佃 博之 小島 隆樹 富樫 哲也
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.353-356, 2000-12-25 (Released:2008-01-11)
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

近年, 魚介類の生食を原因とする寄生虫症が増加してきた. そこで, 都内で流通しているシラウオを対象に, 横川吸虫メタセルカリアの寄生状況を調査した. その結果, 4産地のシラウオにメタセルカリアの感染が認められ, 特に, 茨城県霞ヶ浦産のシラウオは感染率が平均88%, 1尾当たりの最大感染数が314個体と高い値であった. 一方, 他産地のシラウオの平均感染率はいずれも10%以下と低率であった. したがって, 本吸虫の感染症防止対策として, 生食用シラウオの産地表示を明確にし, 本吸虫の寄生率が高い産地のシラウオについては, 加熱調理用とすることが必要と考えられた.