著者
小川 真
出版者
森林総合研究所
雑誌
林業試験場研究報告 (ISSN:00824720)
巻号頁・発行日
no.305, pp.p107-124, 1979-08
被引用文献数
3
著者
小川 真澄 熊谷 敦史 青野 茂昭 葛巻 和枝 立崎 英夫 山下 俊一
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.145-152, 2021-10-12 (Released:2022-01-06)
参考文献数
18

Since the end of 2019, we have faced a COVID-19 (coronavirus disease 2019) pandemic with SARS-CoV-2 (severe acute respiratory syndrome coronavirus 2). Medical institutions must treat COVID-19 patients while preventing health care workers and other patients from nosocomial infections. COVID-19 also needs to be considered in a case of radiation emergency medicine. Although radioactive materials (RI) and SARS-CoV-2 are different, they have much in common in health risk management when we receive such patients in that they are undetectable by all our five senses and require personal protective equipment (PPE). On the other hand, there are some notable points on preparedness and response for their risk management. We cannot detect SARS-CoV-2 in real-time but can sterilize them with alcohol-based hand sanitizer. RI is difficult to be decontaminated entirely but detectable in real-time with a suitable radiation survey instrument. Under the COVID-19 situation, it is a great challenge to deal simultaneously with a radiation protection and an infection control, especially in an emergency situation of radiation exposure. In order to overcome such difficulty, we at first compare the similarity and difference of risk management between RI exposure and SARS-CoV-2 infection. Then the points of attention are introduced how to manage the radio-contaminated patients with a coexistence of SARS-CoV-2, including the fundamental concept of zoning, PPE, and hand-over of equipment.
著者
星野 陽子 住谷 昌彦 日下部 良臣 佐藤 可奈子 冨岡 俊也 小川 真 関山 裕詩 山田 芳嗣
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.98-102, 2012-06-25
参考文献数
11

エピドラスコピーは腰部脊柱管狭窄症などによる痛みに対して,硬膜外腔の癒着剥離および神経根周囲の洗浄を目的として行われる治療手技である.このようなエピドラスコピーの利用法とは異なり,腰部脊柱管硬膜外腔内嚢胞性病変による腰下肢痛に対して,エピドラスコピーを造影のために使用し,Tuohy針による穿刺によって嚢胞性病変の縮小と痛みの緩和に成功した1症例を経験したので報告する.症例は52歳の女性である.半年前から左臀部痛および左下肢痛を発症し,腰椎MRI所見から第4腰椎硬膜外腔内の嚢胞性病変による第5腰髄神経根の圧迫が痛みの原因と診断した.嚢胞性病変の成因としては第4/5腰椎椎間関節滑液嚢胞が示唆された.まず行われた低侵襲治療である椎間関節ブロック,腰部硬膜外ブロック,薬物療法では痛みは軽減しなかった.そこで,エピドラスコピーを用いて直視的に嚢胞を穿破しようと試みた.しかし,エピドラスコピー本体での穿破は硬度が足りず成功しなかったため,硬膜外腔の局所的な造影で不染部から嚢胞の位置を同定し,第4/5腰椎椎間板間隙からTuohy針を穿刺し嚢胞内容の減量に成功した.穿刺直後から痛みは軽減し,その後の腰椎MRIでは嚢胞性病変が縮小した.
著者
庄野 佐和子 吉田 操 小川 真 梅田 彩子 喜井 正士 竹中 幸則 橋本 典子 猪原 秀典
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.265-273, 2009-10-20
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

当研究の目的は, 学校教師における嗄声症状の発症のリスク因子を同定することである. その方法として, 公立学校共済組合直営病院の人間ドックを利用した公立学校教師を対象に, アンケートによって嗄声の有無とともにさまざまな因子, すなわち役職, 勤務施設, 年齢, 性別, 担当学年, 週間担当授業数, および専門教科について調査し, 嗄声を自覚する頻度と複数のリスク因子との間の相互関連性について検討した. その結果, 1) 女性, 教諭, 週間担当授業数21コマ以上, 小学校勤務, 小学校1・2年生担当, 国語担当, 音楽担当の因子において高いオッズ比が得られた, 2) 教諭の週間担当授業数は管理職教師のものよりも多く, また教諭において週間担当授業数が多くなるほど嗄声自覚頻度が高くなる傾向が認められた, 3) 小学校教諭の週間担当授業数は中学校教諭あるいは高等学校教諭のものよりも多かった, 4) 小学校教諭において, 週間担当授業数が多くなるほど, また担当学年が若くなるほど嗄声自覚頻度が高くなる傾向があった, 5) 特に50歳代女性の小学校教諭において嗄声自覚頻度が最も高かった, 6) 50歳代女性教諭が主に小学校低学年を担当している傾向が明らかとなった. 以上のことから, 学校教師における嗄声症状の発症に関与するさまざまなリスク因子の相互関連性が明らかとなった. これらのリスク因子の存在を熟慮することは, 学校教師における音声障害の発症予防に役立つかもしれない.
著者
小川 真寛 澤田 辰徳 三木 有香里 林 依子 真下 高明
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.149-158, 2016-04-15

要旨:本研究の目的は回復期リハビリテーション病棟入院中の患者の能力から退院後の公共交通機関利用の可否を予測することにある.退院後の電車およびバス利用の有無を調べ,その有無で分けた2群間で入退院時の能力を比較した.ロジスティック回帰分析の結果,電車利用の予測に選択された入院時の因子は年齢とFIMの運動項目の合計スコアであった.バス利用の予測に選択された入院時の因子は年齢とFunctional Balance Scale(以下,FBS)であった.退院時の能力は電車およびバス両方でFBSのみが選択された.この知見を利用し公共交通機関の利用可能性がある対象者を早期より見定め,適切な外出手段が獲得されるようにアプローチする必要がある.
著者
小川 真理子
出版者
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
雑誌
人間文化創成科学論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.499-508, 2008

2009.7.21修正版(著者による誤記修正。修正個所:P501 下から5行目 (誤)個人が特定され【た】いように (正)個人が特定され【な】いように)
著者
福田 博美 七條 めぐみ 神谷 舞 小川 真由子 髙木 久美子 松橋 俊太 武本 京子
出版者
愛知教育大学健康支援センター
雑誌
Iris health (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.9-14, 2019-12-31

音楽療法に関する文献検討は多く出されているが、国内の論文について経年的に数量を含めて検討された論文は見受けられない。本研究では、音楽療法についてどのような内容が経年的に語られているかCiNiiの文献タイトルから数量的に検討し、日本においては1955年に紹介された文献がCiNii上で確認され、かなり早くに医療・福祉領域で着目されていた。さらに、2000年以降論文数は100件を超えほぼ維持してきていた。そして近年の傾向を2000年以降の論文から質的に確認し、EBMに基づく音楽療法に向けての量的研究と「演繹的・機能的」研究との相互補完となる研究の必要性が指摘されていた。今後は音楽の生態への影響を含め、さらなる研究の発展が期待された。
著者
須賀 隆章 小川 真実
出版者
千葉大学大学院人文公共学府
雑誌
千葉大学人文公共学研究論集 = Journal of studies on humanities and public affairs of Chiba University (ISSN:24332291)
巻号頁・発行日
no.36, pp.198-209, 2018-03

[要旨] 文化財の保全は財政難にあえぐ自治体にとって、悩ましい問題である。地方創生の時代を迎えて、文化財の積極的な活用を通じた「観光資源」の掘り起こしが提言されている。文化財を用いた「観光立国化」に向けて、文化庁は平成27年度より「日本遺産」の認定を進め、日本遺産魅力推進事業を推進している。同事業では点在している個々の文化財を、そこに共通する歴史や文化を語る「ストーリー」を通じてパッケージ化し、積極的な文化財の活用を図ることで、新たな観光客や訪問者の回遊性ある行動を促し、地域の活性化に結びつけることをめざすものである。本稿は、負の側面が強い地域の歴史的資源の活用法を見直すことによって、地方創生時代の新たな「まちづくり」のモデルを提唱する佐倉市の文化財行政の意義を明らかにするものである。
著者
後迫 宏紀 吉田 剛 長谷川 智彦 大和 雄 夏目 貴弘 小川 真弥 阿波賀 祐治 Hama Aldric 髙松 宏幸 松山 幸弘
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.45-51, 2020-03-31 (Released:2020-05-06)
参考文献数
15

Functional magnetic resonance imaging (fMRI) is expected as a biomarker of pain because it can objectively evaluate changes in cerebral blood flow associated with neuron activity against pain. We have developed pain models for cynomolgus macaques because it is more compatible with humans in regard to the structures and functions of brain regions which is suggested to be involved in pain in humans. Aside from humans, the cynomolgus macaques are the most widespread primate genus, ranging from Japan to North Africa. Since the macaques are the animal species closest to humans among those which can be used for invasive experiments, they are widely used to understand the mechanisms of the human brain. The purpose of this study is to elucidate pain–related brain activation regions in the macaque models using fMRI. Generally, pain testing in animal models has been based on avoidance behavior against pain stimuli. However, we identified pain–related brain activation regions using fMRI under propofol anesthesia as a more objective evaluation method. In the macaque model of chymopapain–induced discogenic low back pain, the activity of the insular cortex occurred in response to lumbar compression stimulation. In the macaque model of oxaliplatin–induced neuropathic cold hypersensitivity, activation of the insular cortex also occurred in response to cold stimuli. As a result of evaluating pregabalin, duloxetine and tramadol, only duloxetine showed behavioral effectiveness and suppressed activation of the insular cortex due to oxaliplatin–induced neuropathic pain. In the macaque model of postoperative pain, activation of the insula cortex was mainly activated by pressure stimulation. As a result of evaluating morphine, pregabalin and diclofenac, only morphine showed behavioral effectiveness and suppressed activa­tion of the insular cortex due to postoperative pain. However, macaques with naturally occurring endometriosis exhibited a pain response against pressure stimuli to the abdomen, and had activation of the thalamus. As a result of evaluating morphine, meloxicam and acetaminophen, only morphine showed behavioral effectiveness and suppressed activation of thalamus due to abdominal pain from endometriosis. It was suggested that the brain activation regions could change due to various conditions that can cause the pain, as the acute pain increased activation in the insula cortex and the chronic pain increased activation in the thalamus. This study demonstrated the usefulness of fMRI as a pain biomarker, and fMRI analysis using the macaques might provide an advantage for the translation of the findings to human patients. Therefore, these study will contribute to the development of new analgesics for each pain as well as to the progress in the areas of brain research.
著者
大淵 麻衣子 住谷 昌彦 平井 絢子 佐藤 可奈子 冨岡 俊也 小川 真 辛 正廣 関山 裕詩 山田 芳嗣
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.44-47, 2011 (Released:2011-06-04)
参考文献数
10

慢性痛の重大な併発症として睡眠障害が挙げられるが,睡眠障害は患者の自覚的な訴えやアンケート調査によってしか評価されていない.睡眠・覚醒リズムを判定することができる腕時計型高感度加速度センサー(actigraphy®)を用いて慢性痛患者の睡眠障害を脊髄電気刺激療法の前後で客観的に評価した2症例を報告する.症例1は腕神経叢引き抜き損傷後痛み,症例2は閉塞性動脈性硬化症による足趾切断術後の難治性の痛みであった.いずれも薬物療法抵抗性の痛みであり,深刻な睡眠障害を併発していたことを客観的に評価できた.両症例とも脊髄刺激療法の導入によって睡眠効率(就床から起床までの時間に対する実睡眠時間の割合)が改善した.難治性痛みの治療は痛みだけでなく quality of life(QOL)の改善が重要であるが,睡眠障害の客観的評価は新たな評価基準に成りうる可能性がある.
著者
小川 真人 北垣 和史 小野 くみ子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.349-355, 2010-08-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
21

【目的】定期的運動習慣の違いが,安静時および間欠的無酸素性運動後の回復時における心臓自律神経系活動に与える影響を明らかにすることである。【方法】対象者は定期的に運動を行っている健康大学生24名(年齢20.6 ± 1.2歳),および定期的な運動習慣を持たない健康大学生26名(年齢21.6 ± 0.9歳)の計50名であった。測定項目は,心拍数,心拍変動,運動反復回数,運動反復時間であった。運動様式は,高さ15 cm,23段の階段の全力駆け上がり,その後20秒休息を1クールとし,これを80% HR reserveに至るまで繰り返し実施した。【結果】安静時では,運動習慣を有さない群と比較して運動習慣を有する群は心拍数は有意に低く,心臓副交感神経系活動は有意に高値を示した(各々p < 0.05)。間欠的無酸素性運動後の回復期30分において,心拍数は,運動習慣を有する者の回復が有意に早く(p < 0.05),心臓副交感神経系の活動は運動直後と回復期30分を比較したとき,運動経験を有する群で有意に上昇(p < 0.01)した。しかし,心臓交感神経系活動の経時的変化に有意差はみられなかった。【結論】運動習慣を有する者の安静時心拍数の低下,運動後の心拍数の早期回復には,心臓副交感神経系の活動が大きく関与していることが示唆された。
著者
小川 真里子 髙松 潔
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.455-461, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
26

心療内科医と産婦人科医の双方の対応を要する疾患は多い. また, 心身症患者が産婦人科を初診受診することも日常的にみられる. 例えば, 摂食障害の女性は, しばしば無月経を主訴に産婦人科を最初に受診する. 月経前症候群は, 月経前である黄体期にさまざまな症状をきたすが, 心理・社会的因子が背景にあることも少なくないため, 心身医学的アプローチが有効である.しかし, 実際の臨床現場で心療内科と産婦人科が密に連携し協働している場面はまだまだ多いとはいえない. 考えられる問題点としては, まず, 産婦人科医における心身医学的知識の欠如, 次に, 患者の心療内科受診へのハードル, そして, 心療内科と産婦人科が併設されている病院は少ないため, 物理的に連携することが難しい点などが挙げられる.そこで本稿では, 心身症患者への産婦人科的対応について述べ, 今後どのように協働して治療にあたっていくかを考察した.
著者
丸山 大弥 中村 祐輔 小川 真司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】脳血管患者のリハビリテーション(以下リハビリ)において,予後予測を行う事は重要となる。年齢や認知機能は脳血管患者の予後に影響を及ぼすという報告は多く見られるが,対象を運動FIMの重症度で分類した報告は少ない。予後予測を行うにあたって,入院時の運動機能は影響すると考えられる。そこで,当院回復期リハビリテーション病棟(以下回リハ)の脳血管患者を重症度で3群に分け,年齢・認知症の有無が運動FIMの利得に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】H26年7月からH27年3月末までに当院回リハを退院した193名の内,死亡退院や急変による転院を除外した脳血管患者57名を対象とした。対象を3群に分け,13~39点を重度介助群(n=13,age=72.3),40~77点を中等度介助群(n=31,age=73.0),78~91点(n=13,age=68.9)を自立群とした。その3群間で運動FIM利得,MMSE,年齢,在宅復帰率,在院日数について比較した。統計は,一元配置分散分析,Spearman順位相関分析を行った。【結果】3群間で年齢,MMSE,在宅復帰率に有意差はみられなかったが,運動FIM利得,在院日数に有意差がみられた(p<0.05)。post.hoc検定により,FIM利得は重度介助群と中等度介助群,自立群と中等度介助群において有意差がみられた(p<0.05)。また,在院日数は,すべての群間で有意差を認めた(p<0.05)。脳血管患者3群それぞれにおいて,運動FIM利得とMMSEや年齢の間に相間関係はみられなかった。【結論】先行研究では年齢と認知機能はFIM利得に影響を及ぼすと報告があるが,本研究では必ずしも影響を及ぼすとは断定できなかった。要因として,先行研究との比較で基本属性データに差がないことから,さらなる詳細な基本属性データの高次脳機能や麻痺の重症度等の影響が考えられる。また,サンプルサイズが少ないことも要因の1つとして考えられる。層別化した3群では,中等度介助群のみFIM利得に有意差がみられた。自立群では天井効果で改善点数が小さくなり,重度介助群では座位の安定などFIMの評価項目に含まれない内容での僅かな能力の改善が生じたためと考える。入院時運動FIMの層別化した3群で在宅復帰率に有意差はなかったが,入院時の運動FIMと在院日数は正の相関関係にあった。重介助群は入院時の介助が多く必要な事に加えて,中等度介助群に比べFIM利得が小さい為,ADL獲得に長い期間が必要となる。さらに,身体機能の改善のみでADLの向上が困難な患者においては,多職種や家族と連携し住宅改修等に期間が必要となる。そのため,入院日数が長期化すると考えられる。脳血管患者の年齢と認知機能は必ずしもFIMの改善に影響を及ぼす要因でない事が示唆された。高齢で認知機能の低下した患者であっても,積極的なリハビリの介入によりFIMの改善が可能となると考えられる。重介助群の予後予測では,今回の結果も考慮し適切な判断が必要とされる。
著者
小川 真由子 引田 郁美 Mayuko Ogawa Ikumi Hikita 鈴鹿大学短期大学部 鈴鹿大学短期大学部 Suzuka Junior College Suzuka Junior College
出版者
[鈴鹿大学短期大学部紀要編集委員会]
雑誌
鈴鹿大学短期大学部紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:21896992)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.75-85, 2016

本研究の目的は、短期大学生における性行動および性意識に関する調査を行い、現状と課題を明らかにすることであり、今後の大学における性教育の課題を検討する一助とするものである。短期大学部1年生を対象に性意識と性行動に関する質問紙調査を行った。性交経験率は43.4%であり、妊娠経験については、11 名が「妊娠の経験あり」と答え、そのうち「妊娠中絶をした」と回答したものが4件あり、望まない妊娠を防ぐための性教育の必要性が伺える結果となった。また、「結婚に関係なく、性行為をしてもいい」と答えたのは48%で、性交経験者への質問のうち、「避妊をしなかった」という回答が12%であった。性についての知識を学ぶものとして望ましいと考えているのは、「学校・教師」が最も多く挙げられ、情報源として多く挙げられた「雑誌・漫画」や「テレビ・ビデオ」、「インターネット」は望ましいものとしては考えていないという結果であった。これまで受けた性教育への印象は否定的なものが多く、大学生の教育や指導のニードに応えられるような対策に加えて、性教育の授業構成や教授方法の工夫が必要であると考えられる。結婚願望については、65%が「ある」と回答していたが、それ以上に「将来、子どもが欲しいと考えている」回答が76%と上回り、その多くが複数の子どもを希望していた。今後は将来構想についての人生設計を含めた性教育の実施が望まれる。
著者
小川 真由子 Mayuko Ogawa 鈴鹿短期大学 Suzuka Junior College
出版者
[鈴鹿短期大学紀要編集委員会]
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.15-24, 2015

近年、児童生徒を取り巻く性に関する問題が急増する中で、学校における性教育への期待は大きい。効果的な性教育の充実を目指して授業形態の工夫や配慮がなされる中で、専門的知見を取り入れるために外部講師による性教育が行われている。これまで「行き過ぎた性教育」による問題や、「外部講師と学校の性教育に対する見解の違い」など問題点も多かったが、互いの連携を密にすることで解決するものと考える。そこで、性教育の出前授業を行った小学校の教員に対して質問紙調査を行い、今後の授業構成に役立てるとともに、効果的な健康教育とはどういったものかを検討した。その結果、性教育を行う上で環境、興味、認識、行動、知識といった5つのカテゴリーの難しさがあることが明らかとなった。また、性教育に必要な配慮は個人および家族という2つのカテゴリーの要因が見出された。そして、教員が外部講師に望むものは、専門的知識、体験学習、認識への働きかけといった3つのカテゴリーの内容が挙げられた。今後はこれらを踏まえて、児童生徒を取り巻く学校、保護者、地域がそれぞれバランスよく連携し継続的な関わりを持つ中で、少しでも児童生徒のその後の生き方に良い影響を与えることのできる取り組みについて、検討していきたいと考える。
著者
小川 真奈 藤原 素子 中田 大貴
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.158_1, 2017

<p> 本研究では、フリースローの正確さに影響を及ぼす要因を明らかにするために、キネマティクス的要因と身体特性的要因について複合的に検討を行うことを目的とした。バスケットボール経験のある女子大学生16名を対象とし、フリースロー20本を行った。被験者の右半身に動作マーカーを貼付し、被験者の右側方からハイスピードカメラ(300fps)でシュート動作全体を撮影した。撮影した映像から、動作時間と右半身5部位(肘関節、肩関節、股関節、膝関節、足関節)の関節角度および角速度を算出した。また、被験者の身体計測および体力測定を別日に行った。結果、キネマティクス的要因について、股関節、膝関節、足関節において、シュートの正確性とボールリリース時の角速度の平均値および標準偏差(ばらつき)との間にそれぞれ有意な正の相関がみられた。身体特性的要因については、全ての項目においてシュートの正確性との間に有意な相関がみられなかった。これらの結果から、被験者が持つ身体的特性よりも、実際に行う際の動作自体がフリースローの正確性に影響を与えており、特に下肢の関節運動がフリースローの正確さに影響を及ぼしていることが示唆された。</p>