著者
小川 真 吉田 操 渡邉 建 喜井 正士 杉山 視夫 佐々木 良二 渡邊 雄介
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.292-297, 2003-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

muscle tension dysphonia (以下MTD) は, 発声時に, 喉頭の筋肉の過剰な緊張が原因で喉頭内腔が押し潰されることによる発声の異常のことを意味しており, 喉頭の内視鏡検査では, 仮声帯の過内転, 披裂部の喉頭蓋基部への前後方向への圧迫の所見を示す.また, 音声訓練による治療が奏功しやすいといわれている.しかしながら, 音声訓練が実際に喉頭所見を改善するか否かということについては不明であった.われわれは, 経鼻ファイバースコープ検査より, 持続母音発声時の喉頭内3部位の圧迫の程度から算定する「MTDスコア」を開発し, MTD症例に対する音声訓練の治療効果を明らかにするために, 治療経過を通じてのMTDスコアの変化について検討した.対象症例は, 男性25例, 女性6例であり, 年齢分布では60代後半にピークを認めた.問診による発症に先行するエピソードの解答は多様であった.音声訓練による治療の経過において, 全31例中24例で, 音声訓練の回数を経るにつれて, 経時的に過緊張発声障害スコアの減少が認められた.そのなかの21例においては, スコア0となり, 同時に嗄声の消失が認められた.3例においては, 数度の増悪の後, 最終的にスコア0となった.残りの4例は不変または増悪した.結果として, MTDに対して, 音声訓練による治療が有効であることが強く示唆された.
著者
小海 宏之 加藤 佑佳 成本 迅 松岡 照之 谷口 将吾 小川 真由 三村 將 仲秋 秀太郎 江口 洋子 飯干 紀代子 園田 薫 岸川 雄介 杉野 正一
出版者
花園大学
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.29-37, 2014-03

本研究は、各神経心理検査の一つの下位検査から言語性記憶指数(VMQ)を推定するための基礎資料を得ることを目的とする。対象は軽度認知障害者およびアルツハイマー病者の計71 名である。方法は対象者にMMSE、ADAS、WMS-R を個別実施し、VMQ との相関分析を行った。また、VMQ と各神経心理検査の下位検査との間で最も高い相関係数値となった下位検査についてVMQ との単回帰式を求めた。その結果、推定VMQ=50.203+6.661×(時間的見当識素点)、推定VMQ=39.469+6.762×(平均単語再生数)、推定VMQ=68.921+1.439×(論理的記憶II(遅延)素点)の単回帰式が得られた。さらに、これらの単回帰式から得られた各下位検査と推定VMQ に関する判定基準を導き出した。医療同意能力を予測する因子の一つとして記憶の機能は重要であると考えられるため、本研究結果の指標は有用になるであろうとも考えられる。
著者
中島 幹夫 谷本 俊次 小川 真滋 榎本 卓朗 生駒 尚秋
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.656-659, 1993-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
14

脳循環障害によるめまい患者15名に対してイブジラストを経口投与し, 臨床効果を判定した.めまいの全般改善率は67%であり, 悪化した症例はなかつた. 投与後4週間で67%の改善を認めた. めまいの臨床検査の改善はRomberg検査, Mann検査で50%, 注視眼振検査, 頭位眼振検査で100%の改善が認められた. 他覚所見総合改善率は40%であつた. 副作用は認められなかつた.以上から脳循環障害によるめまいに対してイブジラストは有効で安全な薬剤と考えられる.
著者
吉田 大地 細川 清人 北山 一樹 加藤 智絵里 小川 真 猪原 秀典
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.223-232, 2021 (Released:2021-08-26)
参考文献数
35
被引用文献数
2 2

Acoustic Voice Quality Index(AVQI)は持続母音と文章音読の両者の録音音声を用いた音響分析手法であり,日本語においても高い診断性能が報告されている.しかしながら,文章音読の課題文が異なれば診断性能が損なわれる可能性がある.そこで当研究では,課題文の変更による診断性能への影響を調査した.全311録音について,「北風と太陽」の第2文までの計58音節を既報で使用された前半30音節と検証用の後半28音節に分割しそれぞれのAVQI値を求めた.聴覚心理的評価との相関係数はそれぞれ0.850および0.842,受信者操作特性曲線の曲線下面積はそれぞれ0.897および0.892であり,ともに良好な診断性能が確認された.また,両者の値の差はわずかであった.当検討における課題文の変更はAVQI値の変動に大きな影響を与えず,AVQIは課題文変更をある程度許容できる可能性が示唆された.
著者
辻中 猛 三宅 久美子 橋本 啓子 小川 真 猪原 秀典
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Suppl.2, pp.S185-S192, 2009 (Released:2010-12-01)
参考文献数
13

この研究の目的は、指示従命スコアの信頼性および妥当性を検証することである。当院介護病床入院症例 138 名 (男性 35 名、女性 103 名、平均年齢 82.4 ± 9.7) を対象に、上気道運動の 1 )発声、2 )咳払い、3 )舌運動、4 )空嚥下、さらに 5 )開閉眼、6 )掌握の指示への応答をそれぞれ 0 - 3 点で評価し、上気道に関する運動のスコア 1 ) - 4 )、その他の運動のスコア 5)、6 )のそれぞれの和を求めた。信頼性に関しては、内部一貫性について上気道運動に関するスコアの和と他の運動のスコアの和の間の相関性およびクロンバックの α 係数を用いて評価し、評価者間および評価者内信頼性については kappa 値を算出して評価した。妥当性については、病床勤務の看護師による主観的印象による評価と指示従命スコアとの相関性、または指示が入ることを予測するスコアの cut-off 値を求めた。結果として、( 1 )上気道運動に関するスコアの和と他の運動のスコアの和との間に高い相関性が得られた (r = 0.86、p < 0.0001)。また、クロンバックの α 係数は 0.94 と高い値を示した。( 2 )評価者間一致率の kappa 値は空嚥下を除き 0.8 以上と良好であった。( 3 )評価者内一致率の kappa 値は評価者間のものよりも低い値であった。( 4 )「指示が入る」と主観的に判断された症例と「指示が入らない」と判断された症例との間に明確なスコアの差が認められた。 ( 5 ) 「指示が入る」ことを予測するためのスコアの cut-off 値を 1 あるいは 2 にしたときに、感度と特異度の最良のバランスが得られた。以上のことから、指示従命スコアの高い内部一貫性、評価者間信頼性および妥当性が示された。また、当スコアの評価者は単独でも十分であるが、評価時については患者の状態が良好な時間を選ぶべきであることが示唆された。
著者
正能 千明 荻野 拓也 我妻 朋美 小塚 和豊 大林 茂 小川 真司 原 行弘
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI2166, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 リズミカルな下肢のペダリング運動が、健常人の上肢筋を制御する脊髄の反射弓と皮質脊髄路の興奮性に影響を及ぼすことは報告されている。しかし脳卒中片麻痺患者における報告及び実際の上肢機能(パフォーマンス)への影響に対する報告は無く、これを明らかにすることは機能訓練を行う上で重要と考えた。今回、脳卒中片麻痺患者に対する自転車エルゴメーター駆動が麻痺側上肢の痙縮及びパフォーマンスに与える影響について、駆動前後での上肢機能と神経生理学的評価により検証した。【方法】 対象は当院リハビリテーション科に入院あるいは通院中である慢性期の脳卒中片麻痺患者5名(男性3名、女性2名、平均年齢:50±21.9歳)。疾患の内訳は脳梗塞1名、脳出血4名で、左片麻痺4名、右片麻痺1名、発症からの期間は平均2619日(273~8408日)、Stroke Impairment Assessment Set-Motor(SIAS-Motor)上肢近位3:1名、4:1名、上肢遠位1b:5名。利き手は右4名、左1名。Modified Ashworth Scale(MAS)は前腕・手関節・手指grade1~2。本研究への除外条件は重度の高次脳機能障害と手関節・指関節の関節可動域制限、運動の支障となる重度な合併症を有するものとした。 上記対象者5名に対し、自動車エルゴメーター駆動前後に上肢の機能評価と神経生理学的評価を行った。 自転車エルゴメーター(コンビ社製エアロバイク75XL)の設定条件として、乗車姿勢は肘関節屈曲位にて両手でハンドルを保持した座位で、座面はペダルが最下位の時膝関節軽度屈曲となる高さとした。負荷は運動時間10分間、運動強度は年齢推定予測最大心拍数(220-年齢)の60%の値と自覚的運動強度(Borg2~3)を指標とし、リズミカルに駆動でき、連合反応を生じない回転速度(50rpm)とした。 評価方法として、上肢機能は(1)麻痺側手関節・手指の自動関節可動域を測定した。測定肢位は端座位とし、テーブル上に20cm台を置き両肘関節を前腕回内位にて接地した。測定方法は、手関節背屈・掌屈をゴニオメーターにて測定し、手指屈曲・伸展可動域は第2・第5指の指腹―手掌間距離にて測定した。(2)SIAS-Motor上肢近位・上肢遠位評価、(3)手関節・指関節MASの評価を行った。 神経生理学的評価は、誘発電位・筋電図検査装置(日本光電社製Neuropackμ)を用い、(1)麻痺側手関節の自動背屈時、長橈側手根伸筋(ECRL)と橈側手根屈筋(FCR)の表面筋電図を記録した。手関節自動背屈5秒間保持を6セット施行し、5秒間中の2秒間を導出してroot mean square(RMS)値を求めた。RMS6セットの平均値よりECRLとFCRのRMS比(主動作筋/拮抗筋比=ECRL/FCR比)を算出した。(2)麻痺側FCRのH波を導出し、さらに最大上刺激で得られたM波の振幅との比(H/M比)を算出した。【説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に従い、対象者に研究目的・内容・方法を事前に口頭で説明し、同意を得た上で実施した。【結果】 上肢機能評価では、自転車エルゴメーター駆動後全ての症例において、手関節掌背屈の自動関節可動域は15~35°増加、指腹-手掌間距離は0.5~2.5cm改善が認められた。SIASとMASでは明らかな変化は認められなかった。神経生理学的評価では、自転車エルゴメーター後ECRL/FCR比は11.11~83.55%の増加が認められた。また5名中FCRのH波を誘発できた3名のH/M比は自転車エルゴメーター後、8.2~27.36%減少を認めた。【考察】 今回の結果から、脳卒中片麻痺患者に対しリズミカルな下肢のペダリング運動は、上肢の自動可動域向上、主動作筋(ECRL)の促通、健常人と同様にFCRのH反射減弱の結果が得られた。 H/M比は脊髄反射弓の興奮性を示し、一般的に痙縮患者において増加すると言われている。リズミカルな下肢のペダリング運動は麻痺側上肢脊髄前角細胞の活動を抑制し、痙縮を減弱する作用があると考えられる。また主動作筋/拮抗筋比の増大より相反抑制が増強し、動作効率の改善により上肢の随意運動が向上したと推定できる。また、上肢と下肢の機能的連関が示唆されたが、メカニズムは不明瞭な点が多く、今後その解明が課題であるとともに、更に症例数を増やし検証していきたい。【理学療法学研究としての意義】 本研究より、慢性期の脳卒中患者に対する運動療法として、自転車エルゴメーター駆動は、麻痺側上肢の痙縮を即時的に抑制し、相反抑制を増強する効果がある事が示された。また自転車エルゴメーター駆動後、更に上肢の随意性促通訓練、巧緻性訓練等を連続して行う事は相乗効果を生み、訓練効果が期待できる可能性があると思われる。
著者
小川 真如
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.38-45, 2020-06-25 (Released:2020-06-30)
参考文献数
4

In this study, a nationwide survey of standard yield values stipulating a subsidy system for quantity payments for feed rice and rice flour, has been conducted. There are three main findings. First, 61% of the regional agricultural revitalization councils have standardized the standard yields in their respective regions, with an average value of 513.3 kg/10 a. Second, in some regions standard yield values have been set to multiple types, depending on local conditions. Third, a case study has revealed a regional approach to setting multiple standard yields, replacing the previous efforts of rice production adjustment.
著者
小川 真
出版者
公益財団法人 国際緑化推進センター
雑誌
熱帯林業 (ISSN:09105115)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.47, 1992-05-25 (Released:2022-04-29)
参考文献数
1
著者
佐野 友美 吉川 徹 中嶋 義文 木戸 道子 小川 真規 槇本 宏子 松本 吉郎 相澤 好治
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.2019-010-B, (Released:2019-10-26)
被引用文献数
2

目的:医療機関における産業保健活動について,現場での事例をもとに産業保健活動の傾向や実施主体別の分類を試み,現場レベルでの今後の産業保健活動を進めていくための方向性について検討した.対象と方法:日本医師会産業保健委員会が各医療機関を対象に実施した「医療機関における産業保健活動に関するアンケート調査」調査結果を活用した.自由記載欄に記載された現在取り組んでいる産業保健活動の記述内容を対象とし,複数名の専門家により各施設の産業保健活動の分類を試みた.特に,1.個別対策事例(具体的な取り組み事例・産業保健活動の主体)2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類の2点に基づき分類を行い,各特徴について検討した.結果:有効回答数1,920件のうち,581件の自由記載があり,1,044件の個別の産業保健活動が整理された.1.個別対策事例のうち,具体的な取り組み事例については,個別対策毎の分類では「B労務管理・過重労働対策・働き方改革(35.7%)」,「Cメンタルヘルス対策関連(21.0%)」,「A 労働安全衛生管理体制強化・見直し(19.3%)」等が上位となった.また,施設毎に実施した取り組みに着目した場合,「B労務管理・過重労働対策・働き方改革関連」と「Cメンタルヘルス対策関連等」を併せて実施している施設が施設全体の13.2%に認められた.産業保健活動の主体による分類では,「a:産業保健専門職・安全衛生管理担当者(71.7%)」が最も多く,「b:現場全体(18.4%)」,「c:外部委託(2.4%)の順となった.2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類では①包括的管理(42.0%)が最も多く,②問題別管理(23.8%),③事例管理(16.5%)の順となった.考察と結論:医療機関における産業保健活動として,過重労働対策を含む労務管理・働き方改革,メンタルヘルス対策への取り組みが多く実践されていた.特に,メンタルヘルスにおける一次予防対策と過重労働における一次予防対策を併せて実施している点,外部の産業保健機関,院内の各種委員会,産業保健専門職とが連携し産業保健活動が進められている点が認められた.厳しい労働環境にある医療機関においても,当面の課題に対処しつつ,医療従事者の健康と安全に関する課題を包括的に解決できる具体的な実践が進められつつある.また,各院内委員会や外部専門家との連携によりチームとして行う産業保健活動の進展が,益々期待される.
著者
福嶌 教偉 藤田 知之 小川 真由子 北村 惣一郎
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.29-36, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

After the world first use of fresh aortic valve homografts transplanted into the descending thoracic aorta was reported in 1956, preservation methods have been investigated and the cryopreservation technique is currently used worldwide. In early 1990s, the cryopreservation technique for homograft was introduced to Japan and the local heart valve bank was established in Nara. Although organ procurement has been regulated by The Organ Transplantation Act (brain-dead donors since 1997, donors after cardiac death since 1979), there has been no law or governmental procurement network (except for cornea) in Japan. Since the late 1980s, some university hospitals have developed original banks. Finally, in 2001 guidelines for tissue procurement were established by The Japanese Society of Tissue Transplantation and Japan Tissue Transplant Network (JTTN) to coordinate tissue harvesting. Five tissue banks were joined to the tissue transplant network (skin in one, heart valves in two, and bone in two). In 2016, homograft implantation surgery was finally covered by insurance and the number of these surgery will increased in near future.
著者
小川 真弘
出版者
大阪府立大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

女性は男性よりも骨格筋量が少ないことから、基礎代謝量が低く、また高齢期での転倒リスクが高い。男女間の性差を引き起こす要因として性ホルモンが挙げられるが、女性ホルモン(エストロゲン)の骨格筋における役割は不明である。ERには2つのアイソフォームERαとERβが存在し、互いに拮抗的に作用する。しかしながら、骨格筋におけるこれら2つのERの役割も不明である。前年度ではメスマウスではERαが脱ユビキチン化酵素であるUSP19の発現が亢進しており、その結果として骨格筋量が負に制御されることを示した。そこで、本年度ではエストロゲンシグナル及びUSP19の骨格筋量に対する影響に世代差があるのかを検証することを目的として行った。まず、メスマウスの骨格筋に対するUSP19の世代差の影響を検証した。若齢、中年齢及び高齢のメスマウスの骨格筋のUSP19あるいはERαの発現をsiRNAによりノックダウンさせた。その結果、若齢のメスマウスのヒラメ筋の重量が増加するが、中年齢及び高齢のメスマウスの骨格筋には影響がなかった。また若齢メスマウスのみで骨格筋のERαをノックダウンすることによって、骨格筋でのUSP19の発現量が減少して、筋量が増加した。続いて、骨格筋量の調節におけるERβアゴニストであるダイゼインとERβの影響における世代差について、エストロゲンを除去した卵巣摘出(OVX)マウスを用いて評価した。若齢のOVXマウスではダイゼイン摂取は筋量を増加させ、さらにE2による筋重量減少を抑制したが、中年齢及び高齢のメスマウスでは骨格筋量に対するダイゼイン摂取の影響は見られなかった。以上の結果から、若齢のメスマウスのみでERβを活性化することによって、骨格筋重量を増加させることがわかり、ERβアゴニストの骨格筋に対する影響には世代差があることが判明した。