著者
小川 秀貴 山口 由紀子 嶋田 創 高倉 弘喜 秋山 満昭 八木 毅
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.2, pp.408-415, 2016-10-04 (Released:2016-11-08)

昨今のサイバー攻撃は巧妙化しており,マルウェア感染を未然に防ぐことが困難となっている.したがって早期のマルウェア感染検知技術が重要となっている.昨今のマルウェアはファイアウォールやプロキシでの検知を回避するために,C&C 通信に業務等で使われている HTTP を使用したものが多く,検知が困難である.そこで本研究では,特に HTTP トラフィックを対象としたアノマリ型の検知手法を提案する.提案手法では HTTP の各通信先ごとにリクエスト送信間隔とレスポンスのボディサイズから特徴量を抽出し,SVM を用いてマルウェア感染由来かどうかの判定を行う. Recent cyber attacks are sophisticated so that it is difficult to prevent malware infection. Therefore, early malware infection detection becomes more important. Moreover, latest malware utilizes HTTP which is widely used on business for avoiding detection by firewalls and proxies. It further makes malware infection detection harder with typical traffic analysis. In this study, we propose an anomaly detection method for malware originated HTTP traffic. In proposal, we judge HTTP traffic by SVM with utilizing newly extracted features such as HTTP request interval and response body size.
著者
中塚 善次郎 小川 敦
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:13434403)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.9-24, 2004

In present Japan, the collapse phenomenon of the society such as the deterioration of the public peace and the increase of suicide, etc. were made a normal state. We particularly focused on the weakening of norm consciousness in Japan. And we discussed the fundamental causes and the direction of overcoming it on the basis of "the theory of dual self; my-self and other-self" which had formulated as a psychological model by Nakatsuka. By this theory, the progress of "my-self hypertrophy" and "other-self atrophy" in many Japanese people had formed the foundation of losing the legal and norm consciousness. This disposition was particularly conspicuous in the young people and it was contrasted with Americans who had the absolute norm consciousness by the Christian faith. There had been "the harmony spirit" in Japan. That was the base of consciousness that Japanese people had traditionally esteemed the group. "The harmony spirit" was originally a theory that advanced the integration of "my-self and "other-self" under the doctrines of Buddhism. However, it was interpreted in favor of "my-self hypertrophy" in the history. This interpretation had still affected the norm consciousness of Japanese people. It was discussed that the losing trend of the norm consciousness and pessimistic feeling to the future both were rooted in the losing the belief or religion that formed the marrow of "other-self". We asserted that in order to overcome the modern problems, one should recur to "other-self society" that Japan once was so, from "my-self society" of nowadays.
著者
小川 達哉 田中 直行 小森 俊昭 柴野 成幸 椿 昌裕 砂川 正勝
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.216-220, 2001-01-25 (Released:2009-08-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

症例は, 29歳女性.下腹部痛を主訴として,近医受診し,鎮痛剤および点滴等の治療を受けたが症状の改善がみられず,当院産婦人科受診となった.婦人科にて骨盤内腹膜炎疑いで保存的加療を行ったが,症状は悪化し当科紹介となった.腹部CT検査により,子宮筋腫および膀胱子宮間に存在する索状物による絞扼性イレウスを疑い緊急手術を施行した.術中所見では子宮筋腫と膀胱との間に索状物が存在し,回盲部の高度炎症および回腸末端から口側約110cmにわたる小腸壊死を認めた.子宮筋腫と膀胱との間に索状物があり,子宮膀胱間を連結し,膀胱子宮窩がヘルニア門となり絞扼性イレウスが生じたものと考えられた.この索状物は,中腎傍管が癒合し子宮広間膜を形成する際に形成されたものであろうかと推測された.
著者
冨家 直明 田山 淳 小川 豊太 村椿 智彦
出版者
北海道医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では成人の肥満に対する認知行動療法の効果をシステマティックレビューを用いて明らかにすることである。レビューのデータベースにはThe Cochrane Library、MEDLINE、PsycINFO、CINAHLが活用され、認知行動療法、リラクセーション法を用いて体重をアウトカムにした論文が調査の対象になった。メタアナリシスが実施され、11研究が対象になった。認知行動療法は有意に体重を減少させた。リラクセーション法に関しては十分な研究数が集まらなかった。認知行動療法は成人肥満の体重減少にともに効果的であるといえた。
著者
小川 園子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、攻撃行動の表出と、個体の不安情動性や社会的刺激に対する反応性のレベルとの関係、さらにストレス負荷による変容について、攻撃、不安情動性、社会認知、ストレス反応の制御への関与が示唆されている、エストロゲンレセプターベータ(ER-β)が果たす役割に焦点をあてて解析した。(1)エストロゲンによる不安関連行動の制御におけるER-βの役割を同定するために、性腺除去後に慢性的なエストロゲン処置を施された雄マウスの不安関連行動を明暗箱往来テストにより測定したところ、野生型(WT)マウスでは、エストロゲン処置により不安レベルの低減が見られたが、ER-βの遺伝子欠損マウス(βERKO)では、エストロゲンは全く効果がなかった。また、攻撃行動、情動行動への関与が指摘されているセロトニン関連遺伝子であるセロトニントランスポーター(SERT)のmRNAレベルを、ER-βが高濃度で存在する中脳背側縫線核で測定したところ、WTマウスではエストロゲン依存的なSERTの増加が見られたが、βERKOマウスでは全く変化がなかった。(2)雄マウスの攻撃行動は、生後5-6週間目の思春期到来の前後に発現し始め、その後性成熟とともに成体レベルの達することが知られている。我々は以前、βERKO雄マウスにおいて思春期前後の攻撃行動の増大すなわち攻撃性を抑制する脳内機構の異常を示唆する結果を報告した。本実験では、この様な攻撃性の異常を示すβERKOマウスにおいて、新生仔期での母親からの分離ストレスが、思春期での攻撃性のレベルや社会的探索行動テスト場面での不安行動に及ぼす影響について検討した。母親からの分離ストレスが負荷された雄マウスでは、5週令での攻撃行動の発現が遺伝子型を問わず減少していたが、βERKOマウスにおいて特に顕著な減少が見られた。従って、ストレス応答システムの発達にER-βが関与していることが示唆された。
著者
太田 純子 川津 智是 調 裕次 矢敷 敦 松岡 縁 小川 一恵 板東 弘子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.273-276, 1993

心因的背景が原因となった剥脱性口唇炎の2例を報告する。症例1の17歳男性は思春期における自我同一性形成途上での不安, 葛藤, 挫折感が自傷行為になったと考えられ, 症例2の17歳女性は醜形恐怖症が原因となったと考えられる。いずれも皮膚科的治療では寛解に至らず, カウンセリングや向精神薬によって精神状態が改善してはじめて口唇炎も改善した。
著者
安藤 史高 Ando Fumitaka 中西 良太 Nakanishi Yoshifumi 小平 英志 Kodaira Hideshi 江崎 真理 Esaki Mari 原田 一郎 Harada Ichiro 川井 加奈 子 Kawai Kanako 小川 一美 Ogawa Kazumi 崎濱 秀行 Sakihama Hideyuki
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.237-245, 2000-12 (Released:2006-01-05)

The purpose of this study is to construct the Multidimensional Optimism Assessment Inventory (MOAI) and to examine its reliability and validity. Prior to the investigation, three subconcepts of optimism (optimistic expectancy, optimistic evaluation, and easy switching) were hypothesized and 46 items (optimistic expectancy; 24 items, optimistic evaluation; 16 items and easy switching; 6 items) were selected. Four hundred and sixty undergraduates were administrated MOAI and other scales. Exploratory factor analysis yielded 6 factors, so 6 subscales were constructed (optimistic evaluation for ability, easy switching, optimistic expectancy for external resources, optimistic expectancy for luck, groundless optimism and optimistic expectancy for future). Except for groundless optimism subscale (α=.56), Cronbach's alpha coefficients of five subscales were moderately high (they were greater than .65). The correlations between the score of MOAI and other scales supported hypothesized relations. Taken together, the result confirmed the reliability and validity of MOAI, at least partially.
著者
佐野 文子 伊藤 桂子 宮治 誠 香本 頴利 小川 浩也 亀井 克彦
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 第49回 日本医真菌学会総会 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
pp.124, 2005 (Released:2005-09-07)

抗真菌活性をもつ漢方生薬としてオウバク末,キキョウ根末,センキュウ末,クレンピ末,オウゴン末を含む 17 種の漢方生薬配合薬(新中森獣医散®,中森製薬株式会社,宮崎県)は元来動物の消化器疾患の治療を目的とする薬剤であったが,粉末を当量の水とまぜてペースト状にし,Trichophyton verrucosum に感染しているウシの皮膚に連日 4 日間塗布したところ著効し,治療開始後 15 日以内に鱗屑の脱落を観察,1 ヶ月後には発毛し,治癒したという報告がある.そこで今回,人獣共通真菌症原因菌に対するこの配合薬の in vitro での抗真菌作用を調べた.配合薬のエキスは濃い褐色のため液体培地による希釈法が応用できないため,平板培地における集落の直径を測定する方法で検討した.配合薬 0.1,0.3,1.0,3.0,10.0%(V/W)の割合で添加した 1/10 サブロー平板培地に皮膚糸状菌 6 菌種 9 株,日和見真菌症原因菌 7 菌種 9 株を 1 点平板中央に接種して,25℃ もしくは 35℃ で 2 ないし 6 週間培養し,集落の直径を薬剤無添加培地と比較した結果,T. verrucosum, T. mentagrophytes,T. rubrum, T. tonsurans, Microsporum canis, Histoplasma capsulatum, Cryptococcus neoformans, Malassezia pachydermatis には 0.3-1.0% 濃度で発育抑制もしくは発育阻止効果を認めた.一方,Candida albicans, Alternaria alternata, Schizophillum commune, T, mentagrophytes var. erinacei および M. gypseum では 3-10% 薬剤添加培地での発育抑制効果を認めたが,Aspergillus fumigatus には効果を示さなかった.本配合薬は T. verrucosum に対する発育抑制ならびに阻止効果は大であり,外用薬としてウシの皮膚糸状菌症に有効であることが in vitro での活性からも証明できた.また多くの人獣共通真菌症原因菌種にも有効であった.
著者
森下 慎一郎 瀬戸川 啓 中原 健次 太田 徹 眞渕 敏 海田 勝仁 小川 啓恭 児玉 典彦 道免 和久
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.122-123, 2011-04-20

【目的】造血幹細胞移植患者に対し無菌室内で運動療法を実施し,その効果と安全性を検討することである。【対象および方法】造血幹細胞移植を受けた患者30名(運動療法群15名,コントロール群15名)を対象とした。造血幹細胞生着の有無,生着までの日数,感染症,移植前後の身体機能を評価した。【結果】運動療法群,コントロール群共に造血幹細胞は全例生着し感染症も認めなかった。身体機能は移植前と比べると移植後,筋力,体重,6分間歩行は低下したものの,歩数は有意差がなく,逆に15名中6名は増大した。【結語】免疫機能が低下している期間中でも感染予防を徹底すれば,安全に運動療法を実施できた。しかしながら,移植前と比べると移植後は身体機能は低下していた。本研究では,運動療法群のみ身体機能評価を行っており,今後,運動療法の効果を検証するには無作為化比較試験の実施が必要であると考えられる。
著者
関根雅人 小川克彦
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.17, pp.1-6, 2013-03-08

モーショングラフィックスとは、非叙述性および非具象性を特徴とする、グラフィックの動きや変化による視覚的訴求効果を活かした表現形式である.近年、モーショングラフィックスの応用分野の拡大に伴い、映像の感性的品質 (Affective Quality) に対する要求が高まっている.本稿では、モーショングラフィックスの感性的品質評価の一手法として、オプティカルフロー解析を用いた覚醒度評価を提案し、その有効性を明確にすることを目的とした.印象評価実験を通じて得られた覚醒度の因子得点と、オプティカルフロー解析から得られた平均移動長との相関分析を行ったところ有意な相関が認められ、映像内オブジェクトの平均移動長による覚醒度評価の有効性が示された.
著者
関根 雅人 小川 克彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.51, pp.13-16, 2011-12-02

モーショングラフィックス映像の印象評価実験を通じて得られた「複雑さ」「激しさ」「飽きなさ」「心地よさ」についての印象得点と、フレーム間差分量の時系列的変動特性(スペクトル構成)との相関性の分析を行った.その結果、2sec以上の長い変動に240-700msecの変動が混ざっている場合に、「複雑さ」「飽きなさ」の印象が高くなる傾向があり、「飽きなさ」は240-700msecの変動の影響がより大きいことが示唆された.「激しさ」の印象は、700msec〜1.7sec周期の変動と、スペクトルの総エネルギー量の影響が大きいことが示唆された.