著者
小林 浩之
出版者
九州大学
巻号頁・発行日
2014

元資料の権利情報 : Fulltext available.
著者
小林 和也 中田 行彦
出版者
京都大学数理解析研究所
雑誌
数理解析研究所講究録 (ISSN:18802818)
巻号頁・発行日
no.2032, pp.34-37, 2017-06

本稿では、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の流行を記述する数理モデルのダイナミクスを考察する。SNSの流行モデルは、SIR型感染症モデルを基に、非線形な常微分方程式で定式化されており、その解挙動も類似なものとなっている。解の極限が満たす方程式(最終規模方程式)を導出する。この最終規模方程式を解析すると、最初期にSNSの利用や参加に消極的な人口の数が少ないほど、最終的にSNSの利用を止めたユーザー数は多くなることが示される。
著者
鈴木 和男 髙橋 啓 岡崎 富男 小林 茂人 Jayne David Merkel Peter A.
出版者
帝京大学 アジア国際感染症制御研究所
雑誌
ADC Letter for Infectious Disease Control (ISSN:21895171)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.39-49, 2020

川崎富作先生が、2020年 6 月 5 日に95歳で逝去されました。 ADC 研と関係の深い 6 人の先生方に川崎先生を偲んで、想い出の文章やお手紙をいただきましたので、以下に掲載いたします。 また、川崎富作先生の偉業と死亡についての記事がThe Washington Post: June 14, 2020 にも掲載されました。
著者
宮田 一弘 小泉 雅樹 岩井 優香 小林 正和 臼田 滋
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.118-126, 2016 (Released:2016-04-20)
参考文献数
33

【目的】Balance Evaluation Systems Test(以下,BESTest),Mini-BESTest,Brief-BESTest およびBerg Balance Scale(以下,BBS)の得点分布の特性と転倒予測精度を比較することである。【方法】57名の入院患者(脳卒中者と骨折者)を対象とした。退院時に3 つのBESTest とBBS を測定し,退院後6 ヵ月間の転倒の有無を調査した。評価指標の得点分布と転倒予測精度を検討した。【結果】BBS のみに天井効果を認め,歪度からBBS の分布に偏りを認めた。転倒予測精度について,Area under the curve と感度でMini-BESTest が最も高く,特異度ではBBS が最も高かった。【結論】Mini-BESTest は,その得点分布が比較的均一で,中等度の転倒予測精度を有し,動作課題項目も少ないことから有用性の高い評価であることが示唆された。
著者
小林 理恵 原田 萌香 笠岡 宜代 友竹 浩之
出版者
東京家政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

災害時における食物アレルギー患者は栄養不足やアレルギー症状の面で致死的状態になる可能性が非常に高い。3年計画の初年度である2018年度は食物アレルギー患者の災害食支援に「パッククッキング法」を活用するために,熱源と飲用水が制限される状況を想定し,炊き出し料理の中でアレルゲン除去食をパッククッキングした際のアレルゲン混入の実際を明らかにすることに取り組んだ。東日本大震災において提供された頻度の高いアレルゲン食品(小麦、乳、卵)を使用し,パッククッキング法の利用が想定できる炊き出しメニューとして「シチュー」を抽出した。炊き出しシチューの中で,ご飯とアレルゲン除去シチューをパッククッキングした。この時,ポリ袋は1枚及び2枚重ねの2条件で比較した。調理品は凍結乾燥後,専用ミルにて粉末試料とした。検査対象アレルゲンはグリアジン,β-ラクトグロブリン,オボアルブミンとし,アレルゲンアイELISA IIのプロトコルに従いスクリーニング試験を行った。この時,8点での検量線の直線性はr=0.9以上を条件とした。アレルゲン除去食における各アレルゲンの検査結果はポリ袋の使用枚数に関わらず10μg / g以下であり,アレルゲン混入は認められなかった。すなわちパッククッキング法を用いることにより,炊き出しシチューの中で上記の各アレルゲンフリーのシチューとご飯を調製することは可能であり,この方法は自助・共助・公助のいずれの場面でも応用可能と考える。しかし,粘度の高い炊き出しシチューの中でパッククッキングを実施すると,炊き出しシチューがポリ袋に付着する。実験過程では注意を払いポリ袋内部からアレルゲン除去食試料を採取したが,災害時には同様の配慮は期待できず,調理後の開封時にポリ袋に付着したアレルゲンが混入するリスクが高い。これを回避するためには,ポリ袋を2重使用することが望ましいと考える。
著者
藤田 吾郎 大髙 愛子 浦島 崇 中村 高良 中山 恭秀 小林 一成 安保 雅博
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11724, (Released:2020-05-21)
参考文献数
36

【目的】先天性心疾患術後遠隔期の学童期から青年期の患者と健常者の健康関連QOL(以下,HRQOL)を比較し,HRQOL と運動耐容能や身体活動状況との関係を検討する。【方法】対象は先天性心疾患患者22 例と健常者22 例。HRQOL,運動耐容能,身体活動水準,運動習慣を評価し,両群のHRQOL の比較と,各指標との関連を分析した。【結果】HRQOL 尺度のうち,先天性心疾患群の身体的幸福感(以下,PW)が有意に低かった(p <0.05)。先天性心疾患群において,PW と嫌気性代謝閾値の間に相関を認めたが(rs = 0.472,p <0.05),最高酸素摂取量にはなかった。また身体活動水準とPW の間には相関があり(rs = 0.504,p <0.05),運動習慣のある先天性心疾患患者は習慣がない患者に比べてPW が高かった(p < 0.05)。【結論】先天性心疾患患者のHRQOL は嫌気性代謝閾値レベルの運動耐容能や身体活動状況と関連がある。
著者
原 幸男 小林 弘枝 大城 聡美 二村 圭介 西野 威 中郡 昭人 天間 恭介 近藤 洪志
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.135-143, 2001-02-25
参考文献数
33

ベンゾジアゼピン誘導体のひとつであるジアゼパムの心収縮力におよぼす影響とその機序を摘出モルモット心臓および単離心室筋細胞標本で検討した.ランゲンドルフ心および右心室自由壁標本で, ジアゼパム(100μMまで)は濃度依存的に一相性の陰性変力作用を示した.このジアゼパムによる一相性の陰性変力作用は中枢性ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬(フルマゼニル1μM)および末梢性ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬(PK11195 10μM)で影響されなかった.ジアゼパム(10から100μM)は乳頭筋の活動電位幅を濃度依存的に短縮した.単一心室筋細胞を用いたパッチクランプ法で, ジアゼパム(30および100μM)は濃度依存的にカルシウム電流を抑制した.ジアゼパムによるカルシウム電流の抑制は, カルシウム拮抗薬ベラパミルで見られる使用依存性抑制とは異なり, tonic block(使用非依存性抑制)の形であった.これらの結果から, ジアゼパムはモルモット心臓標本において, ベンゾジアゼピン受容体を介さずに一相性の陰性変力作用を示し, その機序はカルシウム電流の抑制にあると考えられる.
著者
小林 大輔 清水 博之 杉崎 正志 重松 司朗
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.232-239, 2016-12-20 (Released:2017-02-13)
参考文献数
23

顎関節症発症に関与する因子は多因子性であり睡眠障害もその一因とされているが,その因果関係についての研究は少なく十分に解明されていない点も多い。顎関節症患者,特に咀嚼筋痛障害を有する患者に対し睡眠障害との関連性について質問票を用いて検討を行った。対象は,2015年4月1日より2016年3月31日までに当科を受診した,咀嚼筋痛障害を有する顎関節症女性患者40名とし,顎関節症症状のない女性30名を対照群とした。睡眠障害に関してはピッツバーグ睡眠質問票日本語版(以下PSQI-J)を用いて評価した。患者群に対する調査項目は咬筋部圧痛,開口時咬筋部痛,無痛自力最大開口量,日常生活支障度とした。2群を比較した結果,PSQI-Jスコアは有意に患者群のほうが高かった。またPSQI-Jの各項目と各症状との関連を調べた結果では,<睡眠の質>では咬筋部圧痛(p=0.036),<入眠時間>では咬筋部圧痛(p=0.009),<睡眠時間>では日常生活支障度(p=0.021),<眠剤の使用>では開口時咬筋部痛(p=0.026),および咬筋部圧痛(p=0.024)が有意な関連を認めた。また患者群におけるPSQI-J合計スコアと咬筋部圧痛に有意な関連を認めた(p=0.003)。睡眠障害が顎関節症,特に咀嚼筋痛障害の発症に関連をもつことが改めて示唆された。
著者
小林 裕之
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.35.159, 2020-07-31 (Released:2020-08-01)
参考文献数
10

富山県立山町の三等三角点「栃津」において,安価な 2 周波 GNSS 受信機 3 機 による 3 時間の静止測位と後処理解析を行った。受信したのは,GPS,GLONASS,QZSS および GALILEO の L1 波と L2 波であり,RTKLIB による後処理を行ったのち,観測開始から 30 分,1 時間,2 時間,3 時間の 4 つの観測時間に分割して fix 率,水平測位誤差,垂直測位誤差を算出した。GPS だけを使 った解析では観測開始直後から fix 解が得られることが多かったが,その水平誤差は大きかった。GPS と QZSS の組み合わせは,他の組み合わせよりも fix 率が高く,AR 比が最大の 999.9 のときの水平誤差は 5 cm 前後となった。GPS と GLONASS,GPS と GLONASS および QZSS,GPS と GLONASS と QZSS およ び GALILEO の組み合わせは,観測時間が短い場合に fix 解が得られないこともあったが,ひとたび fix 解 が得られ,AR 比が 999.9 に達したときの水平誤差は 1〜2 cm 程度となった。垂直誤差は小さい場合でも80 cm 前後と,水平誤差に比べて非常に大きかった。L2 波の効果は明瞭ではなかった。
著者
米本 紀子 米本 重夫 小林 俊司 神移 佳 井戸 和己 森本 正昭
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.61-64, 2020-02-25 (Released:2020-03-04)
参考文献数
9

身体表現性障害とは「検査所見に異常が無く,医師がその症状には身体的根拠が無いとするにもかかわらず,身体症状を反復して訴え,絶えず医学的検査を要求する」と定義される.身体表現性障害として紹介された8人が,当院ペインクリニックでの介入により,どのような経過をたどったか報告する.症例A~Cは未治療であった身体的根拠があり,その器質的原因に対する治療によって痛みが軽減し,生活機能が改善した.症例D~Fは生活機能が保たれており「慢性痛の治療目的は生活の質を改善していくことである」という説明を理解し,身体症状を反復して訴え完治を期待する言動をやめた.症例Gは8カ月後に解離性障害と診断され精神科入院となった.症例Hは,生活機能は保たれていたが慢性痛の説明に納得できず,1年後も身体表現性障害の言動を継続していた.以上より,身体表現性障害と診断されても,ペインクリニックの介入が有効なケースもあると考える.
著者
麻原 きよみ 小野 若菜子 大森 純子 橋爪 さつき 井口 理 池谷 澄香 小林 真朝 三森 寧子 宮崎 紀枝 長澤 直紀 佐伯 和子 留目 宏美
出版者
一般社団法人 日本公衆衛生看護学会
雑誌
日本公衆衛生看護学会誌 (ISSN:21877122)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.80-88, 2019 (Released:2019-08-30)
参考文献数
25

目的:自治体で働く事務職と保健師が,両者が関わる中で保健師の仕事をいかに認識しているのかについて記述した.方法:2つの自治体の事務職10名,保健師15名に対するインタビューを中心として参加観察,資料の検討を行い,質的に分析した.結果:事務職については〈事務職がもつ基準で保健師の仕事をとらえる〉〈事務職と同じ行政職としての仕事を求める〉のカテゴリと4つのサブカテゴリ,保健師については〈保健師の仕事と専門性が理解されない〉〈行政組織の一員として保健師の仕事をするために努力する〉のカテゴリと4つのサブカテゴリが抽出された.考察:事務職は官僚制組織の特性を示す基準,保健師は専門職の基準で保健師の仕事をとらえていること,そこには組織内の集団間パワーバランスが関連していると考えられた.保健師は事務職とは判断基準が異なることを前提として,協働のあり方や基礎・現任教育を考える必要がある.
著者
小林 莉子 松山 美和 大田 春菜 渡辺 朱理
出版者
一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.132-139, 2016

<p>【目的】 わが国の高齢化率は上昇を続けており,高齢者の健康寿命への関心も高い.特に食事は楽しみの一つであり,QOL の向上につながる重要因子とされている.咀嚼や嚥下機能が低下すると摂取する食品が制限され,食品嗜好へ影響を与えることが懸念される.しかし,咀嚼機能や嚥下機能など口腔機能と,食品嗜好との関係に着目した研究はみられない.そこで,本研究は,高齢者の咀嚼および嚥下機能と食品嗜好との関連性を明らかにすることを目的とした.</p><p>【対象】 徳島大学病院歯科衛生室の65 歳以上の外来受診患者40 名(高齢者群)と,徳島大学歯学部口腔保健学科学生25 名(若年者群)を対象とした.</p><p>【方法】 対象者の口腔内状況を確認し,平井らの摂取可能食品質問票の食品35 品目を用いて,食品嗜好スコア(好き/ 嫌い),咀嚼スコア(噛める/ 噛めない),嚥下スコア(飲み込める/ 飲み込めない)に関するアンケートを行い,口腔機能として咀嚼機能はガム咀嚼,前述の咀嚼スコア,嚥下機能は30 秒間の唾液嚥下回数,最大舌圧,水飲みテスト,前述の嚥下スコアを測定し評価した.高齢者群と若年者群の各パラメータにおける2 群間比較を行い,各群における口腔機能と食品嗜好との相関関係を求めて比較した.さらに,食品嗜好スコアと年齢および口腔機能との間における交絡要因の影響を排除するために,ステップワイズ重回帰分散分析を行った.</p><p>【結果・考察】 高齢者群のみに30 秒間の唾液嚥下回数と食品嗜好スコアとの間に正の相関が認められた.さらに,多変量解析により,高齢者群のみに嚥下スコアと食品嗜好に,30 秒間の唾液嚥下回数と食品嗜好スコアに正の相関が認められた.高齢者の食品嗜好には,年齢ではなく嚥下機能が影響する可能性が考えられた.</p><p>【結論】 高齢者の口腔機能,特に嚥下機能と食品嗜好には関連性があることが示唆された.</p>
著者
浅野 竜太 磯田 豊 小林 直人 中村 知裕 伊藤 薫
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:24353353)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.63-76, 2020-08-24

A new type of mechanism for the generation of vertical circulation is revealed with the use of numerical experiments for the bended channel model. In the steady passage-flow experiment with a flat bottom and no bottom friction, a remarkable vertical circulation is formed only at the downside of bended corner where a negative horizontal shear flow dominates. Specifically, we call this type circulation “Negative Shear induced Vertical Circulation (NSVC)”, which is caused through the dynamical unbalance of gradient flow and the vorticity balance between the lateral vorticity advection and the sea surface divergence. A field observation was carried out around the Ooma-zaki area in the eastern Tsugaru Strait to confirm an enhanced downward flow expected by the realistic experiment including the bottom slope and friction. The spatial istributions of water temperature support the existence of this downward motion.
著者
堀尾 一樹 磯田 豊 小林 直人 千葉 彩
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:24353353)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.41-62, 2020-08-24

If there is the coastal upwelling, it is common to think that the upward advection of cold deep water will make the coastal side cooler than the offshore side. Shelf slope upwelling (SSU) presented in this study, however, occurs only when the shallow coastal side is rather warm due to a continuous sea surface heating in summer. The present study investigated the formation process of such SSU using a numerical model driven by surface heating. From the results of examining unsteady state of heat budget and dynamic balance, SSU was found to be a kind of compensation flow, not the bottom Ekman flow. That is, to satisfy continuity in a vertical section, the offshore flow caused by the horizontal density/temperature gradient was supplemented by the shoreward flow strongly confined to the sloping seabed. This SSU will probably be one of the important flows contributing to material transport, e.g., unused nutrients and anoxic water etc., from deep to near coast in summer, while it is difficult to prove the existence of SSU even indirectly from the observed water temperature.