著者
小林 哲夫
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.151-157, 1980-04-30 (Released:2009-10-26)
参考文献数
15

This is a report concerning the diseases in artifical salmon propagation programme in Hokkaido. Although the diseases during the artificial propagation of salmons are usually not so frequent as those in fish culture, the preventive and restraint of them are indispensable to the salmon propagation on account of their artificial mass production.It has been widely known that almost all the diseases of salmon resulted in the mass mortalities are caused by well described microorganisms. Furunclosis caused by Aeromonas salmonicida occurs often in the immature adult fish kept in a holding pond untile they reach maturity. Bacterial kidney disease has now been recongnized in cultured salmon.Infections with Saprolegnia sp. and Achlya sp. have been usually found in adult fish of salmons holding pond. Although most of the saprolegnoid infections are generally considered to be secondary condition, kokanee salmon, Oncorhynchus nerka var. adonis, has been heavily infected with Saprolegnia shikotsuensis sp. nov. from 1974 to 1978, except 1976.Gill diseases caused by various bacterial species or protozoa are found frequently in salmon fry. Especially, in chum salmon fry bacterial gill idseases tend to increase recently along with the diffusion of fry feeding.Among the virus diseases that occur in salmonid in epizootic proportions, so far only IHN is found in masu salmon and kokanee salmon at times, but it is still not recorded in chum salmon fry in Hokkaido.External protozoan disease caused by Tricodina sp. is usually not so frequent and serious as the bacterial and virus diseases.
著者
谷崎 義衛 小林 映章 安藤 遙
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.445-450, 1959-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
19
被引用文献数
8

ポリビニルアルコール水溶液,およびポリビニルアルコール膜中におけるヨウ素の吸収スペクトル,あるいは2色性をいろいろの条件で測定した・220,290および360mμ 付近の吸収帯は,測定したすべての条件のもとで観測されるが,460と620mμ 付近の吸収帯は特定の条件のもとでのみあらわれる。220mμ の吸収は1-によるものであり,可視部の吸収はかなり長い多ヨウ素鎖(イオン)によるものである。290mμ と360mμ の吸収は,それぞれ別個のヨウ素鎖イオンによるものと推定され,2色性による簡単な解析の結果によれば,これらの長さの比はほぼ2:3である。
著者
小林 淳 蔡 恩美 山中 修也 櫻 勇人 山本 隆太 加藤 宏平 高橋 義朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.507, 2016

<p>近年、光格子中の冷却原子に対する量子気体顕微鏡の技術が急速に進展している。我々はこれまでにYb原子の量子気体顕微鏡を作成に成功している。これによって光格子中での原子位置を1サイトの単位で決定することができる。今回我々はこの技術を分子に適用した。光格子中のYb原子に対する2光子光会合によって電子基底状態の分子を作成し、さらにその分子を原子に戻して観測することで、分子の量子気体顕微鏡による観測に成功した。</p>
著者
小林,文明
雑誌
天気
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, 2007-01-31

2002年10月6日から7日にかけて発達した低気圧の北東進に伴い,各地で突風災害が相次いだ.横須賀市内では10月7日04時頃突風災害が発生した.現地調査の結果,被害は100か所を越える住家で確認され,被害域はほぼ直線的で長さ2.5km,最大幅は約150m(平均で30〜50m)であった.被害スケールはF1から局所的にF2であった.被害域は連続しておらず,かつ蛇行していた.また,最も被害の大きかった公郷小学校付近で被害幅が広がっており,竜巻の複雑な挙動が示唆された.最大風速に関しては,被害が最も甚大であった場所の東端に位置する道路標識から少なくとも風速は34〜38ms^<-1>と見積もられ,被害スケール(F1)を裏付けた.今回の突風は以下の理由から竜巻であったと推測された.地上被害の特徴から,1)被害域の幅が狭く直線的である.2)回転性(低気圧性)の風による痕跡が確認された.3)吸い上げ渦とおもわれる痕跡が2か所確認された.4)吸い上げ渦の痕跡近傍では,実際に体育館の屋根や空調室外機が少なくとも高さ10mは吹き上げられた.上空の積乱雲の特徴は,5)強エコー域の南西端に被害域が対応していた.6)ドップラー速度パターンには直径7kmの渦が上空に確認された.7)このメソサイクロンの影響をうける地上観測点では,1hPaの気圧降下が確認された.横須賀市の竜巻被害は,発達した低気圧の暖域で形成された積乱雲群が広範囲にわたりもたらした竜巻(ダウンバースト)の中のひとつに位置づけられる.
著者
苗代 弘 魚住 洋一 佐藤 俊一 川内 聡子 小林 弘明 長田 秀夫 大谷 直樹 和田 孝次郎 都築 伸介 島 克司
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.559-562, 2010-11-26 (Released:2010-12-03)
参考文献数
15

Objectives: It has been reported that near-infrared (NIR) laser irradiation is effective in cerebral ischemia. We examined the effect of 808 nm laser diode irradiation on CBF in mice. The potential of NIR laser irradiation in the treatment of cerebral ischemia was also investigated.Methods: Male C57BL/6J mice were used. An 808 nm CW diode laser was applied to the hemisphere transcranially. CBF was measured with a non-contact laser Doppler blood perfusion imager. We measured directly nitric oxide in the brain tissue during NIR laser irradiation. To confirm the effect of pretreatment by NIR laser irradiation, we conducted the 1.6 W/cm2 NIR laser irradiation to the hemisphere transcranially for 30 minutes before bilateral common carotid artery occlusion (BCCAO). The control mice were also subjected to BCCAO without pretreatment by NIR laser irradiation.Results: Transcranial NIR laser irradiation increased local CBF by 30% compared to control value in mice. NIR laser irradiation also provoked a significant increase in cerebral NO concentration. Pretreatment by NIR laser irradiation improved residual CBF following bilateral carotid occlusion in mice.Conclusions: Our data suggest that targeted increase of CBF is available by NIR laser irradiation and it is concerned in NOS activity and NO concentration. Besides, NIR laser irradiation may have a protective effect for transient ischemia.
著者
小林 喜光
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1975

博士論文
著者
村上 周三 小林 信行 鎌田 元康 加藤 信介 内海 康雄 吉野 博 赤林 伸一
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.はじめに省エネルギーを実現すると同時に清浄な空気環境の維持と快適性の向上を図るためには、従来の一様拡散の仮定ではなく、気流・濃度分布を考慮した換気効率の概念に基づく換気設計や換気システムの評価が必要である。そこで本研究は、換気効率を考慮した空調換気設備の評価方法の確立を目的として、文献調査、実験、数値計算、用語集の作成、測定マニュアル等の作成を行った。2.研究方法と結果(1)研究の現状調査国内外の文献と関連の規格、国際会議の研究動向等を調査し、換気効率の概念や評価法の実測例、実験例をまとめた。その結果、換気効率に関しては様々な概念があって、未だ確立されていない現状が明らかになった。(2)換気効率の概念について関連する用語集と一般的な換気システム図を作成し、各国での換気効率に関する用語の定義を整理した。(3)各種建物を対象とした換気効率の実測・セントラル換気システムを備えた住宅給気系ダクト入口にCO_2ガスを注入し、各室における濃度履歴を測定した。・実大居室模型空気齢を基にした各種測定法の精度・実用性などを実験的に検討した。・3室の縮小居室模型各室の換気効率を測定した基礎的なデータを得た。・事務所ビル単一ダクト方式を採用した事務所ビルの換気効率を実測した。(4)空気齢の測定方法に関するマニュアルの原案作成各種の実験や実測を基に、主要な換気効率指標である空気齢の測定法のマニュアル(原案)を作成した。(5)数値シミュレーション乱流計算プログラムによる空気分布に基づいて各種の換気効率指標の予測手法を検討した。3.まとめ換気効率の概念についての各国での研究の現状を明らかにし、関連用語集を作成した。また、各種建物について実験や数値シミュレーションを実施し、換気効率指標を計算した。これらに基づいて、主要な換気効率指標である空気齢の測定マニュアル案を作成した。
著者
小林 秀行 中島 耕一 上村 修一 永尾 光一 石井 延久
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.204-207, 2010 (Released:2010-12-03)
参考文献数
25

精巣組織に含まれる精原幹細胞は,精子の源となる細胞であり,一生の間に自己複製および精子への分化を絶えず行っている.最近,マウスにおける精原幹細胞に関しては, in vitroでの培養が可能となったが,ヒト精原幹細胞に関しては,まだまだ不明な点が多く,謎に包まれている.最近,体細胞に特定の遺伝子を導入することにより多能性幹細胞を誘導することが可能となり,人工多能性幹(iPS)細胞と呼ばれている.また,ヒト精巣組織から培養条件を変えることによって多能性幹細胞が誘導されたとの報告がなされた.このように,ここ5年間で幹細胞に関する研究分野は急速に発展している.これら幹細胞に関する研究は,将来的に男性不妊症の解明や治療に大きく貢献することが期待されている.今回,ヒト精原幹細胞およびヒト精巣組織由来の多能性幹細胞について最新の知見を含めて報告する.
著者
小林功長著
出版者
文芸社
巻号頁・発行日
2014
著者
真野 俊樹 小林 慎 井田 浩正 山内 一信
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:13456903)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.329-334, 2003-09-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
16

医療改革についての方向性のひとつは医療機関からの情報公開である。患者と医師間における情報の非対称性の問題は、一般に患者側に発生し、その大きさによって患者が不利益を被る可能性があるが故に問題とされる。一方医療という財においては、例えば年代別、職業別などに、罹患しやすい病気を統計的に知りえても、各個人がいっ、どのような病気にかかるかは予測できないという不確実性がある。平成11年の受療行動調査によると、消費者は入院や外来など医療機関受診の際に「家庭・友人・知人」からの情報を重視しているという。われわれが健常人に行った調査では「友人」による情報を信頼している。ブランドは情報の非対称下でのシグナリング機能を果たし、評判によって無駄な探索を止め、取引費用を削減する効果がある。またブランドは、非排他性、非競合性をもち、外部性も持っために公共財であるという考え方もある。この視点から、医療機関が消費者の選択基準になりえるブランド形成の努力をおこなうことも重要ではないか。
著者
秋元 洋輔 小林 正美
出版者
日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.175-180, 2011-10-25
参考文献数
13

大阪港の色彩景観は、陸上の港湾施設や大規模構造物、海上を往来する船舶やコンテナなど、その大部分が塗装の色によって構成される。工業塗料の色彩は無数であり、港で使用できる色彩の許容範囲も広く、そこに非日常的な都市空間像が追い求められると、周辺景観から逸脱した色彩群が出現し、混沌とした景観を生み出すことにつながる。水運の歴史と共に育まれてきた港の景観には、その場所に残り続けてきた色彩が存在するはずである。本研究では、場所の拠り所となる色彩を求めて、まず港湾景観の歴史を辿り、かつてそこにあった地域の色彩を収集した。また行政や民間会社にヒアリングを行い、現在の景観を構成する要素の塗色を調べ、船舶業界と倉庫業界で引き継がれてきた色彩決定の仕方や考えを聞き取り、これまで大阪市で検討されてきた、公共上屋の色彩計画の策定資料を収集して分析した。さらに、大阪市港湾局で行われた、天保山客船ターミナルの外装塗り直し工事の塗色選定に関わり、港湾施設の色彩改修を実践した。
著者
秋元 洋輔 小林 正美
出版者
日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.175-180, 2011-10-25

大阪港の色彩景観は、陸上の港湾施設や大規模構造物、海上を往来する船舶やコンテナなど、その大部分が塗装の色によって構成される。工業塗料の色彩は無数であり、港で使用できる色彩の許容範囲も広く、そこに非日常的な都市空間像が追い求められると、周辺景観から逸脱した色彩群が出現し、混沌とした景観を生み出すことにつながる。水運の歴史と共に育まれてきた港の景観には、その場所に残り続けてきた色彩が存在するはずである。本研究では、場所の拠り所となる色彩を求めて、まず港湾景観の歴史を辿り、かつてそこにあった地域の色彩を収集した。また行政や民間会社にヒアリングを行い、現在の景観を構成する要素の塗色を調べ、船舶業界と倉庫業界で引き継がれてきた色彩決定の仕方や考えを聞き取り、これまで大阪市で検討されてきた、公共上屋の色彩計画の策定資料を収集して分析した。さらに、大阪市港湾局で行われた、天保山客船ターミナルの外装塗り直し工事の塗色選定に関わり、港湾施設の色彩改修を実践した。
著者
岩澤 劍 古川 美里 斎藤 友子 鈴木 愛美 小林 昌子 林 秀和
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.731-737, 2017-11-25 (Released:2017-11-30)
参考文献数
8

頸部膿瘍にてヘマトイジン結晶を認めた1症例を経験した。症例は10歳男児,左耳下腺部腫脹を訴え当院耳鼻咽喉科を受診した。画像検査所見より膿瘍形成を認め,エコー下穿刺を行った。採取した検体をグラム染色及びチールネルゼン染色を施した結果,赤血球,白血球,細菌とともに色調が黄褐色から赤褐色で大部分が菱形,一部は針状の結晶を認めた。結晶の形態的特徴からヘマトイジン結晶を疑った。ベルリン青染色とスタインのヨード法がともに陰性であり95%アルコール,10%酢酸,10%塩酸に不溶,10%水酸化ナトリウムに溶解したため,ヘマトイジン結晶と同定した。ヘマトイジン結晶は閉塞的な環境で出血することで形成され,髄液や尿などで観察されることが知られている。特に,髄液では穿刺時の血液混入と陳旧性の頭蓋内出血を鑑別診断する指標となる。結晶の出現は出血時期の推定に有用な情報となり得るため,積極的に臨床側へ報告することが重要である。
著者
進藤 順治 小林 寛
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.79-81, 2003 (Released:2018-05-04)
参考文献数
11

フンボルトペンギンの舌骨装置を観察した。中舌骨はすべて軟骨で構成され舌組織に埋没し,舌と同様に矢尻型を呈していた。底舌骨は短く,後舌骨と癒合していた。舌骨角のうち,角は中舌骨後方で小さく突出し,鰓角は角鰓骨と上鰓骨から構成され,その比は約3:1であった。フンボルトペンギンの中舌骨はすべて軟骨から成り,底舌骨と後舌骨の癒合は,この種の特徴であると思われた。