著者
福川 康之 小田 亮 宇佐美 尋子 川人 潤子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.188-195, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
46
被引用文献数
10 31

This study developed a Japanese version of the Perceived Vulnerability to Disease (PVD) scale. Analysis of the data from Japanese university students (N = 435) replicated the two–factor structure of the original scale: one factor that assessed beliefs about one’s own susceptibility to infectious diseases (perceived infectability) and the other factor that assessed emotional discomfort in contexts that connoted an especially high potential for pathogen transmission (germ aversion). Tests of reliability and validity for each subscale indicated overall promising results. It would appear that the results reflect at least in part an evolutionary adaptive psychological mechanism for the ancestral environment.
著者
井上 靖悟 大高 洋平 小田 ちひろ 後藤 悠人 守屋 耕平 工藤 大輔 近藤 国嗣 松浦 大輔
出版者
日本転倒予防学会
雑誌
日本転倒予防学会誌 (ISSN:21885702)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.47-54, 2017-03-10 (Released:2017-09-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

【目的】本研究の目的は,新人理学療法士に対する転倒予防の新たな教育プログラムが,リハビリテーション病院の理学療法中の転倒を減少させるのかについて検討することである。【方法】2011年4月から2016年3月の5年間に理学療法中に発生した転倒事例について後方視的に調査を行った。2014年4月より新しい理学療法士の新人教育プログラムを導入し,その前後の転倒発生の変化について調査した。新しく導入したプログラムは,理学療法中の過去のインシデントを基に,各動作における環境設定や介助方法などリスク管理に必要な注意点を細分化したリストを活用した実践型プログラムである。指導者はリストの各項目について説明を加えながら実際の動作を見せることで新人の指導を行い,新人は指導者の行う場面の見学,そして模倣を繰り返した。また,指導者は随時実施内容の修正やフィードバックを与え,新人の技術向上を図った。経験段階をすべての項目についてチェックし,最終的にすべての技術を1人で実践できることを目標とした。この教育研修プログラムを,新人教育期間である4月から6月の3か月間にわたり理学療法科全体で実施した。 年間転倒件数および理学療法士1人あたりの年間転倒発生件数,転倒時動作の種類,転倒時動作の自立度について,新しい教育プログラムを導入した前後で比較した。【結果】新人理学療法士の数は,平均±標準偏差にて,教育プログラム導入前10.0±1.7名,導入後9.5±2.1名と大きな変化を認めなかった。新人理学療法士の平均転倒件数は,導入前は10.7±2.5件,導入後は5.0±1.4件と半減し,理学療法士1人あたりの平均年間転倒発生件数も,導入前1.1±0.1件,導入後0.5±0.5件と半減した。転倒時動作の種類は歩行が一番多かったが,教育プログラム導入後は,そのうち介助歩行の患者の転倒が減少する傾向を示した。【結論】新人理学療法士に対する動作ごとのリスク管理のリストを用いた現場教育は,理学療法中の転倒件数の減少に有効である。
著者
吾郷 美奈恵 高橋 恵美子 岡安 誠子 小田 美紀子 小林 洋貴 山下 一也 Minae AGO Emiko TAKAHASHI Masako OKAYASU Mikiko ODA Hiroki KOBAYASHI Kazuya YAMASHITA
雑誌
島根県立大学出雲キャンパス紀要 (ISSN:2187199X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.35-43, 2019-12-25

A大学では,大学IRコンソーシアムの正会員となり,ベンチマーク可能な標準調査として位置づけられた学生生活調査を全学生に行い,教学IR(Institutional Research)の取組を推進している。今回の目的は、学生の授業経験・学習態度や能力・知識の獲得状況からA大学における看護教育の現状を明らかにすることを目的とした。また,その結果をIRコンソーシアムの基礎集計結果と比較し,A大学の特徴について検討する。回答のあった307票(協力率91.4%)について分析した結果,A大学看護学科の現状や大学IRコンソーシアム結果の比較から,次のことが特徴と考えられた。■全ての学年で主体的に学び,看護に役立つ知識やスキルを学ぶ授業を経験している。■ TAやSAの活用は難しい現状にあるが,教員が添削やコメントなど丁寧な授業運営を行っている。■授業態度は悪くはないが,各学年に一定程度の欠席,遅刻,居眠りはある。■能力・知識の多くを学年進行に伴って獲得しているが,外国語や数理的な能力・知識は増えていない。■授業態度が良く,能力・知識が増えた者は成績順位上位者である。我が国においては,看護教育の質評価・質保証に必要な資源(人・設備・費用)等,これから体制整備がされていく状況にあるが,IR機能に着目し,教育の質を客観的に保証するとともに,更なる教育改善の方策を見出すことが重要である。
著者
小田 隆弘 古田 宗宜 稲益 建夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.237-241, 2006-10-25 (Released:2008-08-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

飲み残して密栓し室温放置したペットボトル飲料が破裂し,けがをする事故が増加しているため,飲み残しペットボトルの膨張・破裂の危険性について検討した。女子大学生145名を使ってオレンジ果汁ペットボトル飲料の飲み残しを調製させ密栓して25℃で10日間保管した結果,何も食べずに飲んだ飲み残しでは145本中9本(6.2%)にボトルの膨張が認められたが,キムチを食べながら飲んだ場合は144本中99本(68.8%)にボトルの膨張が認められた。膨張したボトル58本に衝撃付加試験を行ったところ4本が激しく破裂した。また,ペットボトルの膨張が起こりやすい飲料は,酸乳飲料や果汁飲料などの酸性飲料であり,それらの飲料の飲み残しペットボトルの膨張を引き起こす微生物は主にCandida 属酵母であることが分かった。
著者
宮島 芙美佳 小野沢 栄里 生野 佐織 石井 聡子 後藤 杏依 小田 民美 森 昭博 左向 敏紀
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.20-26, 2018-04-10 (Released:2018-05-18)
参考文献数
19

本研究では、中鎖トリグリセリド(MCT)が健常猫にどのような影響を与えるか検討するため、MCTを豊富に含むココナッツ油を添加した食事、および長鎖脂肪酸脂肪(LCT)を含むラード、大豆油を添加した食事を給与した場合の糖、脂質代謝の変化を比較した。健常猫6頭を用いて、3種の異なる脂肪を添加した食事を給与した。3種の脂肪添加食をそれぞれ14日間ずつ給与し、体重および体脂肪率の測定、臨床症状の有無の評価、血液検査を実施した。全ての食事において試験期間中、全頭で嗜好性に問題はなく副作用も認められなかったため、脂肪添加食は安全に給与できた。さらに、血液検査項目の血糖値、インスリン濃度、GIP濃度、GLP-1濃度、中性脂肪(TG)、遊離脂肪酸(NEFA)濃度を測定した所、全ての検査項目において3種の食事間で有意な違いは認められなかった。ヒトにおいてMCTは代謝が速く効率の良いエネルギー源とされ、また脂肪蓄積抑制効果なども認められているが、猫においては今後さらに検討が必要である。
著者
西沢 喬 今井田 憲 吉村 孝之 馬渕 恵莉 佐分 宏基 小田 実 長谷部 武久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0684, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】大殿筋は歩行の立脚相初期時に最も働くとされており,大殿筋の萎縮は,跛行の原因と報告されている。大殿筋筋活動を増加させる方法として,嶋田らはフォースカップル作用を狙い,腹筋群を働かせ骨盤後傾させる方法を報告している。大殿筋筋力強化・体幹安定化エクササイズとして臨床でブリッジ動作は多く用いられている。しかし,ブリッジ動作では腰背部痛が時折発生することがあり,ブリッジ動作時筋活動の特徴を知ることは重要である。ブリッジ動作の先行研究において股関節・膝関節の異なる角度での筋活動を比較した報告は多い。しかし,ブリッジ動作の骨盤肢位の違いによる筋活動の報告は,骨盤傾斜が背部筋筋活動に及ぼす影響の報告はあるが,背部筋と腹部筋の筋活動を検討した報告は少ない。そこで,腹筋群を活動させ脊柱起立筋の過活動を予防,大殿筋を活動させることで大殿筋の選択的な運動になると仮説を立てた。本研究は,健常成人男性を対象として表面筋電図を用い,骨盤肢位の違いによる大殿筋のフォースカップル作用を使ったブリッジ動作を行い大殿筋,脊柱起立筋,腹直筋,外腹斜筋の筋活動を解析し,特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は腰部・股関節に疾患のない健常成人男性20例(年齢28.95±5.4歳)。筋活動の比較には表面筋電図(Myosystem G2)を用い,測定筋は左側の大殿筋(仙骨と大転子を結んだ中央点),脊柱起立筋(第1腰椎棘突起から4cm外側),腹直筋(臍部外側1cm正中より2cm外側),外腹斜筋(臍より15cm外側)の4筋とした。測定肢位は背臥位,上肢を胸の前で組み,股関節内外転中間位,膝関節屈曲90°からのブリッジ動作とし,肩関節から膝関節まで一直線になる肢位で5秒静止した。測定条件は通常ブリッジ(以下,BR)と口頭指示による骨盤後傾位ブリッジ(以下,BTBR)の2種類とした。各条件の測定はランダムに行った。骨盤後傾の確認として,ブリッジ動作時をデジタルカメラで撮影し,上前腸骨棘と恥骨結合を結んだ線と大転子と大腿骨外側顆中心を結ぶ線の頭側になす角度を正とした。BR,BTBR時の骨盤後傾角度を画像解析ソフトImage Jを用いて測定し,骨盤傾斜角とした。また,BTBR時の骨盤傾斜角を同一検者が画像で確認し検者内信頼性を算出した。筋電図の測定区間は各条件の等尺性収縮5秒間のうち波形が安定した3秒間の積分値を算出した。最大等尺性収縮(MVC)はケンダルのMMT5を100%として正規化し,各条件での筋活動を%MVCとして算出した。さらに各条件で脊柱起立筋に対する大殿筋筋活動を大殿筋/脊柱起立筋比として表した。各条件における筋活動の比較には,対応のあるt検定を行った。統計学的分析にはSPSS12.0Jを用い,有意水準は5%とした。【結果】骨盤後傾の信頼性はICC(1,1)0.83であった。骨盤傾斜角はBR:4.8±8.4度,BTBR:12.9±12.4度であった。BTBRがBRと比べ有意に大きかった(P<0.05)。大殿筋筋活動はBR:10.26±6.1%,BTBR:20.13±10.8%,脊柱起立筋筋活動はBR:44.25±11.6%,BTBR:56.15±19.9%,腹直筋筋活動はBR:1.68±1.3%,BTBR:3.83±3.0%,外腹斜筋筋活動はBR:2.64±2.0%,BTBR:5.59±3.6%であった。全ての筋活動でBTBRがBRと比べ有意に高かった(P<0.05)。大殿筋/脊柱起立筋比はBR:0.23±0.1,BTBR:0.41±0.2であった。大殿筋/脊柱起立筋比はBTBRがBRと比べ有意に高かった(P<0.05)。【考察】大殿筋/脊柱起立筋比において,BTBRではBRに対し有意増加した。つまり,骨盤自動後傾させると大殿筋筋活動が脊柱起立筋筋活動に比べ相対的に増加したと考えられた。BTBRでは,自動で骨盤を後傾させることで,骨盤傾斜角が大きくなりフォースカップル作用にて,骨盤後傾主動作筋である腹直筋,外腹斜筋の筋活動が有意に増加し骨盤後傾したと考えられた。この腹筋群の相反神経抑制により脊柱起立筋の過活動が抑制でき,大殿筋/脊柱起立筋比が増加したと考えられた。ブリッジ動作での,大殿筋エクササイズはBTBRが大殿筋の選択的な運動になること可能性が考えられた。【理学療法学研究としての意義】BTBRは,大殿筋選択的エクササイズとして有用であることが示唆された。臨床におけるブリッジ動作における殿筋筋力強化・体幹安定化エクササイズの一助として意義のあるものと考えられた。今後の展開として高齢者や疾患別に詳細な筋活動を分析することで,安全で有用なエクササイズにつながると考えられた。
著者
佐藤 陽介 辻 英樹 松井 裕帝 佐藤 和生 小田 和孝 大野 健太郎
出版者
日本マイクロサージャリー学会
雑誌
日本マイクロサージャリー学会会誌 (ISSN:09164936)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.60-64, 2019 (Released:2019-06-25)
参考文献数
5

Purpose: This retrospective case series examined wound complications after Tamai zone V replantation, and describes a potential strategy to increase the finger survival rate and improve function.Methods: Nine patients (22 fingers) underwent Tamai zone V replantation at our institution between 2011/9 and 2017/5. We performed a detailed chart review to identify features of their postoperative soft tissue progress, finger loss rate and details of additional surgeries.Results: Four patients (10 fingers) lost all replanted fingers, whereas in five patients (12 fingers) , all fingers survived. In all four failure cases, tissue necrosis developed gradually in the replantation zone covering the vascular anastomoses, and vascular thrombosis and spasm were observed approximately 1 week after the first replantation. In contrast, 3 out of 5 patients did not develop tissue necrosis. The fingers of the remaining 2 patients were salvaged by performing timely flap coverage of the necrotic tissue overlaying the vascular anastomoses.Conclusion: Early flap coverage to the Tamai zone V replantation area may be effective in preventing vascular thrombosis and spasm leading to finger loss, and it made it easier to perform additional reconstructive surgeries.
著者
頓田 智美 諏訪 利明 小田桐 早苗 武井 祐子 門田 昌子 寺崎 正治
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.369-378, 2019

自閉スペクトラム症(ASD)児は,共同注意(joint attention)や関わり(engagement)といった対人相互性の発達プロセスに困難があることが先行研究から明らかになっている.本研究では,脳の可塑性が期待される発達早期に,ASD の疑いのある幼児(療育開始時1歳8か月,終了時1歳11か月)に対して対人相互性の発達を促す個別療育を実施し,対人相互性と適応状態の変化のプロセス及びその背景要因について検討した.個別療育は,児の特性や興味関心に即し,児が楽しんで参加できるように遊びの形で,原則週1回45分,全8回実施した.アセスメントにあたっては,新版 K 式発達検査2001,SPACE,Vineland- Ⅱ適応行動尺度を実施し,分析時には質的側面にも注目した.その結果, 新版 K 式発達検査2001による発達指数に変化は見られなかったが,要求,共同注意の回数,協応した相互的な関わりの時間が増え,遊びの内容が変化し,適応行動尺度による数値が上昇した.また, 各回の療育場面を詳細に検討することで対人相互性の変化のプロセスを想定し,その変化の要因として,療育者の玩具の選択及び示し方,療育者の関わり方,環境設定の3つの観点から整理した.
著者
富永 真己 小田 美紀子
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.7-17, 2017 (Released:2017-04-13)
参考文献数
20

病院の看護師長を対象に主観的評価による看護師長業務の負担の実態とともに,それらと蓄積疲労度及び長時間労働との関係を検討することを目的に,A県の全病院の看護師長(N=1,479)を対象に調査を実施した(回収率57%)。基本属性,組織特性,就業特性,看護師長業務とその負担を問う項目,蓄積疲労度に関する尺度を調査票に含めた。結果,看護師長業務の項目の中で“スタッフの勤務表の作成と管理”は最も主観的仕事時間が長く,困難度が高かった一方,約3分の1の項目で5年未満の経験年数の看護師長は困難度をより強く認識していた。約半数が週当たり10時間以上の残業を,約7割が自宅への持ち帰り残業を行っていた。また就業特性で長時間労働の状況が認められた看護師長は有意に蓄積疲労度が高かった。快適職場づくりの要となる看護師長自らが就業状況の改善により,長時間労働の見直しとともに蓄積疲労の改善に努める必要性が示唆された。
著者
八木 優英 鈴木 謙太郎 阿南 雅也 新小田 幸一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.373-377, 2012 (Released:2012-09-07)
参考文献数
11
被引用文献数
1

〔目的〕本研究は,足関節機能的不安定性(FAI)を有する者の片脚立位時の運動学的および運動力学的な特徴を明らかにすることを目的として行った.〔対象〕片側足関節にFAIを有する若年成人11人(男性9人,女性2人)を対象にし,患側と健側で比較した.〔方法〕課題動作は側方一歩移動後の片脚立位とし,運動学的および運動力学的情報を3次元動作解析システムおよび床反力計にて計測・解析した.〔結果〕後行肢股関節外転運動中の内部股関節内転モーメントの積分値,先行肢内部股関節内転モーメントの積分値,後行肢離床後の股関節内外転・体幹側屈の角度変化量・角速度は患側が健側より有意に高値を示した.さらに動作時間は患側が健側より有意に延長した.〔結語〕患側条件において,後行肢での身体重心の制動を強め動作を行ったが,股関節・体幹を多く用いた姿勢制御を行い,動作に時間を要した.
著者
濵田 昌史 小田桐 恭子
出版者
医学書院
雑誌
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 (ISSN:09143491)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.461-466, 2016-06-20

POINT ●国際的に使用される顔面表情運動の評点法には3つある。 ●40点法(柳原法)ではある程度の予後診断が可能である。 ●Sunnybrook法は麻痺後遺症の評価に有用である。 ●エレクトロニューロノグラフィー(ENoG)検査は現時点で最も信頼度の高い電気生理学的評価法である。 ●唾液分泌機能検査にも予後診断的価値がある。
著者
小田久五
雑誌
森林防疫
巻号頁・発行日
vol.16, pp.263-266, 1967
被引用文献数
1
著者
小田切 陽一 内田 博之 市川 敏美 近藤 直司
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学看護学部紀要 (ISSN:18806783)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-8, 2010

山梨県の自殺率と既存統計を用いた生態学的分析から自殺との関連が示唆される人口学的、社会学的要因の抽出をおこなった。その結果、人口世帯要因では、老年人口割合、単身高齢者割合、死別高齢者割合が正の相関、平均世帯人員が負の相関を示した。産業・経済要因では、管理的職業従事者割合、生活保護率と正の相関、課税対象所得と負の相関を認めた。医療・福祉要因では、腎不全死亡率、老人クラブ加入率と正の相関、精神作用物質による精神・行動の障害による受療率と負の相関を認めた。また神経症障害、ストレス関連障害および身体表現性障害の受療率と正の相関傾向、気分障害 (躁うつ病を含む)、その他の精神および行動の障害による受療率、精神保健福祉相談 (心の健康づくり相談) 件数と負の相関傾向を認めた。本研究の結果、山梨県の自殺率に関連する要因として、人口の高齢化や脆弱な経済基盤、精神障害に関わる相談や受療行動が低いことなどが示唆された。