著者
小野寺 理佳
出版者
北海道大学アイヌ・先住民研究センター
雑誌
北海道アイヌ民族生活実態調査報告 : Ainu Report
巻号頁・発行日
vol.2, pp.123-142, 2012-03-31

現代アイヌの生活の歩みと意識の変容 : 2009年北海道アイヌ民族生活実態調査報告書. 小山透編著
著者
小野田 亮介 篠ヶ谷 圭太
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.115-128, 2014 (Released:2015-03-27)
参考文献数
35
被引用文献数
7 3 1

本研究では, 大学の講義型授業において使用されているリアクションペーパー(以下 RP)に着目し, 授業者の働きかけとRP記述の関係について検討を行った。まず, 予備調査を実施し, 学生が「RPをどのようなツールとして捉えているか(RP観)」に関する質問紙尺度を作成した。その結果, 学生のRP観としては, 「内容記憶志向」, 「記述訓練志向」, 「理解度伝達志向」, 「私的交流志向」の4因子が抽出された。次に, 本実験として, 1)授業者以外の読み手に, 自分の記述が読まれることを予期させる「読み手追加予期介入」と, 2)授業者が学生の記述した質問に対して補足説明を行うなど, RPの内容をいくつか抽出して応答を行う「授業者応答介入」を2つの大学で実施し, その効果を比較検討した。その結果, 授業者応答介入は用語の確認などの「低次質問」を抑制し, 授業内容をさらに深める「高次質問」の記述を促進することが示された。ただし, RP観との交互作用を検討した結果, 内容記憶志向の高い学生に対しては, 低次質問の抑制効果は見られないことが示された。一方, 高次質問の促進効果は, 私的交流志向が極端に高い学生を除き, 多くの学生に見られることが示された。
著者
池知 良昭 井上 桂子 小野 健一 金山 祐里 大岸 太一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.61-69, 2022-02-15 (Released:2022-02-15)
参考文献数
29

本研究は終末期がん患者に対する作業療法士の実践自己評価尺度を開発する目的で信頼性,妥当性を検討した.緩和ケア病棟入院料届け出受理施設の作業療法士246名分を分析対象とした.結果,カテゴリカル探索的因子分析より20項目5因子構造が推定された.カテゴリカル確認的因子分析により適合度指標RMSEA=0.067,CFI=0.958,TLI=0.951であり良好な構造的妥当性を有していた.ω係数=0.8~0.92で内的一貫性も確保された.基準関連妥当性は相関を認めたが弱かった.今後,本尺度と作業療法士の作業参加状況との関連性の検討が課題である.
著者
小野田 滋 竹内 定行 丸山 孝 萩原 幸一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.255-268, 1993-06-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
25

The line between Takasaki and Naoetu which belonged to the old Imperial Japanese Railways, and the line between Naoetu and Niigata which belonged to the old Hokuetu Railway Company were laid in Meiji Era to link Kanto areas with Japan Sea coast. After Hokuetu Railway Company was bought by the government, these lines were designated collectively as a Shin-etsu line. This report describes the history and present state of railway tunnels, taking an example of Shin-etsu line based on field surveys and historical records. There was on this line some 26 tunnels constructed with Abt track to climb the steep section between Yokogawa and Karuizawa at over Usui Pass. The tunnels between Nagano and Naoetu were constructed in the early stage of tunnel work in Japan, and the tunnels between Naoetu and Niigata were constructed by private railways.Through investigations of these tunnels, it has made been clear that the original tunnels were abandoned for reconstruction to be electrified and double-tracked, but most of them have remained in original forms, as a valuable heritage from the Meiji Era.
著者
小野 方資
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.241-252, 2015 (Released:2016-05-18)
参考文献数
12

「エビデンス」という語は、教育政策の批判的検証の意味で用いられていた。しかし政策形成に力を及すアクターにより、「エビデンス」の語義が変化していく。この語は、政策形成に影響力あるアクターが予め設定した達成すべき「条件」の意味となる。そして、このようなアクターの意向により切り取られた「結果」を「エビデンス」とし、これを踏まえるべきと政策に条件づけをし、当該アクターの意向を反映させようとする政治性も観察される。
著者
米谷 雄介 後藤田 中 小野 滋己 青木 有香 宮﨑 凌大 八重樫 理人 藤本 憲市 林 敏浩 今井 慈郎 最所 圭三
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.54-63, 2018-09-19 (Released:2018-09-10)
参考文献数
20

日本年金機構に対する標的型攻撃(2015年6月)では多数の個人情報が流出し,香川大学(以下:本学)の医学部附属病院でも,同様の攻撃によって端末1台がウイルスに感染するインシデントが発生した.本学では,こうした事例に基づき,2016年度に,情報セキュリティ対策の強化の一環として,構成員(特に教職員)による標的型攻撃メール対応訓練を導入した.これに続き,香川大学情報セキュリティインシデント対策チーム“KADAI CSIRT”(以下:本CSIRT)を発足させ,訓練・教育・注意喚起・報告受付の各業務を組織化し,攻撃に対する本学の潜在的課題やCSIRT活動の課題を探るべく調査を実施してきた.本論文では,標的型攻撃メール訓練に対する構成員から得られた主観的評価等のデータに基づきCSIRT構築過程を詳述する.
著者
ホーンスティン ノバート 折田 奈甫 藤井 友比呂 小野 創 岡野原 大輔 瀧川 一学
出版者
岩波書店
雑誌
科学
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1004-1014, 2023-12

[連載]人間の言語能力とは何か ― 生成文法からの問い 2
著者
熊谷 佐紀 小野 史典 福田 廣
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.87.14070, (Released:2016-09-10)
参考文献数
17

In this study, we examined the difference in the processing of one’s own name and other people’s names using a mental rotation task. In Experiment 1, the observer’s own name and other common names were presented visually. In Experiment 2, the observer’s name and the names of people who were familiar to the observer were presented. The observer saw the name and judged whether it was mirror-reversed or not. The results show that reaction times and error rates were shorter, when the observer processed his/her own name compared to when processing others names. These findings might be due to peculiarities and familiarity of one’s own name.
著者
脇阪 一郎 柳橋 次雄 小野 雅司 平野 靖史郎
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.120-127, 1985-04-20 (Released:2011-11-08)
参考文献数
16
被引用文献数
3

桜島を中心にして半径50kmの地域を距離間隔5kmの同心円によって10地域に区分し, それら区分地域の間で, 昭秘3年から57年までの15年間の総死因並びに各種呼吸器系疾病による死亡像を比較した。更にまた, 総死因および喘息, 気管支炎, 肺気腫を一緒にした呼吸器系疾病の訂正死亡率の年次変動と桜島の爆発回数との関係を検討した。結果は次下の如くである。(1) 桜島から距離30km以内の区分地域においては, 気管支炎, 肺気腫およびインフルエンザにょる死亡実数は標準人口をあてはめた期待死亡数より有意に多かった。しかも, これらの区分地域の間には, 上記カテゴリーの疾病の標準化死亡比に桜島からの距離に関して一定の勾配傾向がみられ, 火山活動がこれらの疾病による死亡を高めることに関係している可能性を示唆する。(2) 総死因並びに喘息, 急性気管支炎, 肺癌および結核の死亡実数は, 対象地域全体としてみた場合にそれぞれの期待死亡数を有意に上回った。しかし, 肺炎の死亡実数は, 対象地域全体としてのみならず, どの区分地域においても期待死亡数より少なかった。更にまた, これらのカテゴリーに属する疾病の標準化死亡比には, 区分地域間で一定の勾配傾向を見出せず, これらの疾病の死亡パターンに対しては桜島の火山活動の影響はないことが示唆される。(3) 桜島に近い区分地域内では, 気管支炎, 喘息, 肺気腫をあわせた呼吸器系疾病の年次別訂正死亡率は, 火山の爆発回数がピークを示した年 (1974年) に一致して上昇しており, 桜島に近い地域においては, これらのカテゴリーの呼吸器系疾患の年間死亡に対する火山性大気汚染の因果関係が示唆された。
著者
小野 めぐみ 金廣 康子 清水 浩子 安藤 美紀 島貫 裕美子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.2118, 2021-08-31 (Released:2021-09-07)

明治薬科大学図書館では,キャンパス統合を機に多くの重複図書(複本)が所蔵され,書架圧迫の要因となっていた。排架スペースの不足が深刻化する中で2017年10月の台風21号による浸水被害が決定打となり,翌2018年,複本の大量除籍に着手した。3年で8,000冊を超える図書の除籍を目指す取り組みについて,1年目の様子を中心に,複本の抽出,除籍候補の選別,除架後の書架整理といった作業工程の詳細を紹介する。
著者
小野 盛司 吉野 守
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

将来AI/ロボットが大半の雇用を奪ってしまうと言われている。そのときはベーシックインカムという方法が提案されているが、巨額の財源が必要になる問題と労働意欲の喪失が欠点とされている。その両者を解決するために解放主義社会を提案する。
著者
小口 雅史 熊谷 公男 天野 哲也 小嶋 芳孝 小野 裕子 荒木 志伸 鈴木 琢也 笹田 朋孝
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、律令国家最北の支配拠点である秋田城の性格をまず明らかにし、その秋田城による北方支配や北方世界との交流が、具体的にどのようなもので、どこまで及んだのか、またその一方で北方世界内部のみの、秋田城支配と関わらない交流がどのようなものであったかを検討した。それによれば、秋田城の北方支配は意外に限定的で、北の領域では北の論理に基づく主体的な流通が優勢であったことが明らかになった。一方秋田城の性格については、文献史料の解釈からは非国府説、出土文字資料の解釈からは国府説が有利であることを確認した。最終的結論は今後の課題としてなお検討を続けたい。
著者
小野 孝彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.10-15, 2013 (Released:2013-07-20)
参考文献数
26
被引用文献数
2

近年,糖尿病性腎症,慢性腎炎,腎硬化症など各種の腎疾患をひとまとめにして慢性腎臓病と呼んでいる。レニン・アンジオテンシン系に働く治療薬は慢性腎臓病治療の第1選択とされているが,七物降下湯は併用効果が期待される。基礎的研究では糖尿病性腎症の進展に八味地黄丸の抑制効果がある。近年の研究から腎炎や一次性ネフローゼ症候群において,柴苓湯はステロイドや免疫抑制薬の減量効果が期待される。慢性腎炎やネフローゼ症候群の背景となる病態として,柴朴湯の治療は頻回の上気道炎を減少させ,柴苓湯はアレルギーの関与が考えられるネフローゼ症候群に対して効果的な場合が見られる。小児の IgA 腎症に対して,前向きの臨床試験による柴苓湯効果のエビデンスも得られている。透析に至る前の慢性腎不全に対して温脾湯は,透析導入への延長効果が知られている。五苓散は血液透析時の透析困難を改善し,腹膜透析においては腹膜線維化の問題点に対して柴苓湯の改善効果が期待される。