著者
山岸 直基
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.52-66, 2001-06-30

研究の目的 4反応系列と2反応系列を使用し系列反応の変動性に対する直前のN試行と異なる系列反応を分化強化する手続きと系列反応の長さの効果を検討することである。実験計画 分化強化条件とヨークト条件の間で強化率を一定にした被験者間ヨークトデザインを使用した。場面 被験者は実験室内でコンピュータマウス上の2つのボタンを使用した。被験者 大学生28名(男性15名、女性13名)。独立変数 直前のN試行に生起した反応と異なった反応が出現したときにポイントを提示するという手続きおよび系列反応の長さを独立変数とした。4反応系列の実験ではNは順に、1、2、3、5、7、11、15、7、1と変化し、2反応系列の実験では1、2、3、2、1と変化した。行動の指標 反応変動性の指標として全系列反応の相対頻度(U値)と周期性(反応の出現周期)の2つを測定した。結果 当確率性はヨークト条件よりも分化強化条件において高かった。周期性については、4反応系列の場合、Nが15に近づくにつれ周期性のない反応をする被験者が増加した。結論 直前のN試行と異なる系列反応を強化する手続きにより、また反応系列が長くなることにより反応変動性が増加することが示された。
著者
志村 欣一 堀越 哲美 山岸 明浩
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.480, pp.15-24, 1996
参考文献数
19
被引用文献数
23 4

The objectives of this paper is to propose thermal comfort zone based on the experimental data of the optimum air temperature and humidity conditions for Japanese. Experiments were conducted on 650 Japanese young men and wemen in the summer season under 16 kinds of the following combined conditions : air temperature of 22℃, 24℃, 26℃ and 28℃, and absolute humidity of 7g/kg', 10g/kg', 13g/kg' and 16g/kg' under still air in which mean radiant temperature is nearly equal to air temperature. The following results were obtained : 1) The Comfort Zone for slightly clothed (0.45clo), sedentary young Japanese is represented in the envelope in which operative temperature range extents 24.7℃ to 27.6℃ on the 6g/kg' absolute humidity line, and 24.1℃ to 26℃ on the 80% relative humidity curve. 2) The mean skin temperature stands between 33℃ and 34℃ in the thermal comfort conditions.
著者
山岸 良匡
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2010-2011
著者
山岸 直勇
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p35-48, 1990-03

英語の辞書は誤りなきものと考えられている.しかし英国人Samuel Johnson(1709-84)の言う如くDictionaries are like watches, the worst is better than none, and the best cannot be expected to go quite true. 也と申し上げたい.誤りのない英語の辞書はない.ことに,日本の事物についての誤った説明は,日本及び日本人について誤解を生むことになるので誠に遺憾である.約33年前英々辞典にある誤りに関心を抱いた.例えばLondonのRoutledge and Kegan Paul Ltd. 発行のThe Universal Dictionary of the English Language (1952年版)にあるthe Japan Seas の s である.この s は削除すべきものである.辞書編集者に訂正を求あて文通を開始してより23年が経過した.この小論は以下の辞書の編集者よりの,回答を求あた見出し語に付記してある.
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.102-108, 2007-03

本研究の目的は,「生産性」に関して逆方向の発達課題を担っている児童期と老年期にある者が交流をもつことによりもたらされるものについて,発達心理学の観点から考察を行うことである。考察の対象としたのは,偶然交流をもつようになった孤独な老人と寂しさや問題をもつ少年が,交流を通して独特な形で支え合い,老人の死後も少年の心を支え続けるようになる過程を描いた2つの小説,「博士が愛した数式」と「夏の庭」である。なぜそのようなことが可能になったのかの分析を行い,1)老人のもつ能力や特質が少年達の発達課題の取り組みに合っていて,そのサポートができたこと,2)少年たちは他の大人から道具的・情緒的サポートを受けたり,存在を認めてもらうことが少ない少年だったという2つの要因が抽出され,そのことが双方が相手の「役に立っている」という気持や,自分が相手から必要とされ大切にされているという気持をもたらし,Eriksonの相互性が成立したことが示された。老人と少年との間にこのような交流がいつもおこるわけではなく,老人の状況,少年側の状況,交流の中味,それらの条件が整った時のみに,相互性の体験がもたれることが論じられた。
著者
山岸 敏身 藤沢 佳子 横須 真由美
出版者
The Japanese Society for Pediatric Nephrology
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.53-54, 2005

5歳の慢性腎不全の男児がCAPDカテーテル留置の手術,およびCAPD導入目的で入院した。両親から入院や手術についての説明がされていた。入院後に,児の心理的準備不足が原因と思われた発熱や精神不安定がみられ,手術が延期となった。そこで,手術,CAPD導入について,手術前に,児の好きなキャラクターが登場する絵本を作成し,それを用いて児に説明を行った。絵本の使用により,今まで未知,恐怖であった手術やCAPD導入のことを,児が具体的にイメージすることができ,心の準備をすることができた。また,両親の不安も軽減できた。
著者
森田 達也 古村 和恵 佐久間 由美 井村 千鶴 野末 よし子 木下 寛也 白髭 豊 山岸 暁美 鈴木 聡
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.382-388, 2012 (Released:2012-07-31)
参考文献数
22

本研究の目的は, 患者所持型情報共有ツール『わたしのカルテ』の利用状況を明らかにすることである. 配布数, 医師706名・看護師2,236名の質問紙調査, 医療福祉従事者40名に対するインタビュー調査, 事例を分析した. 年間平均1,131冊が配布され, 15%の医師, 16%の看護師が使用した. 医療者の体験としては, 現状として【一部では使われているが全体には広がらない】, 効果として【患者の自己コントロール感が上がる】【医療福祉従事者間の情報共有になる】, 普及しない理由として【患者にとって利益がない・負担が大きい】【関係する地域の職種すべてが使用する必要がある】ことが挙げられた. 11病院で運用が試みられたが, 3年間継続した運用ができたのは2病院のみであった. わが国の多くの地域において, 患者所持型情報共有ツールを短期間に地域全体に普及させることの実施可能性は低いことが示唆された.
著者
吉野 絹子 山岸 みどり
出版者
摂南大学
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集 (ISSN:13402617)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.211-237, 1997-07

保有資源に格差のある社会で,個人目標,集団目標,社会全体の繁栄という3つの異なるレベルの目標連成にむけて,他者と交渉しあいながら,個人利益と集団目標の調整,集団間の競争と協力,個人利害と社会全体の福祉とのジレンマなどの問題に直面するSIMSOC(模擬社会ゲーム)を大学生に2事例実施し,援助や協力といった社会的態度の変化とゲーム展開の関連について検討した。ゲーム体験前,ゲーム体験直後,2ヶ月後の3時点で測定された社会的態度の変化のパターンは,ゲーム展開が友好的であったか敵対的であったかによって異なっていることが認められた。以前に実施された5事例を含めた分折からも同様の結果が得られた。
著者
山岸 治男 有田 憲仁
出版者
大分大学
雑誌
生涯学習教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.63-70, 2004-03

かつて、地域社会の主な担い手は、企画運営・参加出席の両方とも主として壮年期の男性であった。産業構造の近代化・現代化の進行に連れ、様相が変わった。今日では、地域社会を実質的に支えるのは男女高齢者と女性である。だが、地域社会には壮年期男性の欠落化による新たな問題が起きはじめている。例えば路上犯罪の多発、男性不在の子育ち・子育て、家庭も仕事も地域役割もすべて女性にという男女協同参画社会に逆行する事象などがそれである。事態を転換するには、あらためて壮年期男性の地域参加が要請される。そのための社会制度や社会意識の改革が求められる。では、それには社会教育にどんなプログラムを準備したらよいか、本研究は公民館の事業を例にこの課題にアプローチするものである。
著者
井上 寛司 山岸 常人 小林 准士 平 雅行 久留島 典子 関根 俊一 淺湫 毅 松浦 清 大橋 泰夫 小椋 純一 和田 嘉宥 的野 克之 田中 哲雄 松本 岩雄 鳥谷 芳雄 花谷 浩 山内 靖喜 野坂 俊之 石原 聡
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

天台宗の古刹である浮浪山鰐淵寺は、中世出雲国一宮出雲大社の本寺として創建され、極めて重要な役割を果たした。本研究は、鰐淵寺に対する初めての本格的な総合学術調査であり、鰐淵寺の基本骨格や特徴、あるいは歴史的性格などについて、多面的な考察を加え、その全容解明を進めた。
著者
全 炳河 大浦 圭一郎 能勢 隆 山岸 順一 酒向 慎司 戸田 智基 益子 貴史 ブラック アラン 徳田 恵一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.405, pp.301-306, 2007-12-13

近年,隠れマルコフモデル(HMM)に基づく統計的パラメトリック音声合成方式が注目されている.本方式では,音声スペクトル・励振源・継続長がコンテキスト依存HMMにより同時にモデル化される.音声合成時は,合成したい文章に対応するHMMからの出力確率が最大となるよう,継続長・スペクトル・励振源系列を決定した後,音声合成フィルタを用いて波形が出力される.2002年より我々は,HMMに基づく音声合成のための研究・開発ツール「HMM音声合成システム(HTS)」を,オープンソースソフトウェアとして公開してきた.本報告では,その最新の開発状況と今後の予定について述べる.