著者
松宮 潤 宮崎 慎二郎 飴野 淳 山本 晃義
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.243-246, 2022-04-28 (Released:2022-04-28)
参考文献数
17

Platypnea orthodeoxia syndrome(POS)は,直立位によって強調され,臥位によって緩和する低酸素血症および呼吸困難を特徴とする.そのため,離床の妨げとなる可能性があるが,POSに対する理学療法の報告はされていない.今回,間質性肺炎(interstitial pneumonia: IP)に伴うPOSの理学療法を経験した.症例は,84歳の女性.抗ARS抗体症候群に伴うIPにより,座位での低酸素血症や呼吸困難が持続したため,POSが疑われた.心内および肺内シャントを認めず,IPの改善に伴い直立位での呼吸状態が改善したため,IPに伴うPOSと診断した.POSは直立位で症状を呈するため,臥位での運動療法にて身体機能の維持・改善を図り,病状に応じて離床を開始することで,ADLの再獲得に繋げられる可能性がある.
著者
鷹見 凌 染宮 聖人 平山 紀夫 山本 晃司 松原 成志朗 石橋 慶輝 寺田 賢二郎
出版者
一般社団法人 日本複合材料学会
雑誌
日本複合材料学会誌 (ISSN:03852563)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.32-39, 2022-01-15 (Released:2023-02-10)
参考文献数
26

When analyzing the fracture behavior of unidirectional carbon fiber-reinforced polymer (CFRP), it is important to consider the interfacial strength between the reinforcing fiber and the base resin, and the strength of the base resin. Therefore, the adhesiveness of the base material and the compatibility with the sizing material and fibers are important design parameters in the development of CFRPs. However, a quantitative method for estimating the interfacial strength and the strength of the base resin has not been established. In this study, we propose a method to evaluate the interface strength of unidirectional CFRPs by creating learning data through a series of numerical material tests and by constructing a neural network that outputs the interface strength based on a homogenization method from the results of off-axis tensile tests. We adopt a general feed forward neural network whereby parameters are learned by employing a backpropagation method. The interfacial strength and the matrix resin strength is predicted and evaluated from the results of the off-axis tensile test to demonstrate the effectiveness of this system.
著者
登里 民子 山本 晃彦 鈴木 恵理 森 美紀 齊藤 智子 松島 幸男 青沼 国夫 飯澤 展明 Tamiko NOBORIZATO Akihiko YAMAMOTO Eri SUZUKI Miki MORI Satoko SAITO Yukio MATSUSHIMA Kunio AONUMA Nobuaki IIZAWA
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 = The Japan Foundation Japanese-Language Education Bulletin (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.10, pp.55-69, 2014-03-01

国際交流基金では経済連携協定に基づいて来日するインドネシア人・フィリピン人看護師・介護福祉士候補者を対象とする来日前の日本語予備教育事業を実施している。本稿では2010年から3回にわたって実施した日本語研修の概要と成果を紹介する。本研修のコースデザインは、「初級からの専門日本語教育」「自律学習支援」等の考え方をベースに、特に「縦型アーティキュレーション」に配慮して組まれている。カリキュラムは「日本語授業」「自律学習支援」「社会文化理解」に大きく三分される。3回の研修を通して7割以上(マッチングが成立し来日した者に限ればほぼ8割以上)の候補者が学習到達目標に達していることから、本研修は看護師・介護福祉士国家試験に向けての日本語能力向上に貢献したと言えるだろう。今後はポートフォリオ等を見直し、現地研修から国内研修への「学習の連続性」をさらに強固なものにしていきたい。
著者
山本 晃弘 関村 直人
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.119-138, 2017 (Released:2017-08-15)
参考文献数
59
被引用文献数
2 1

The enhancement of safety culture is an issue for both plant operators and regulators working in fields related to the safety management of nuclear power plants. Plant operators have been collecting safety culture data through a broad range of tools and methods such as observations, interviews and other surveys. However, many issues remain regarding the effectiveness of safety culture activity. A new regulatory authority was established in 2012 after the Fukushima Dai-ichi accident to enforce nuclear safety regulations but its activity is still weak in terms of monitoring the performance of plant operators’ safety culture. In order to promote and strengthen safety culture, plant operators need to collect detailed event information, even when events do not directly affect plant safety, and accumulate information related to human, organizational and technical factors through dialogue among the parties responsible for coping with events. Both operators and regulators should all be working in the same direction to assess information that will help their periodic reviews, and the involvement of local government is a key to enhancing their safety culture.
著者
樋口 俊郎 鈴森 康一 横田 眞一 黒澤 実 服部 正 則次 俊郎 黒澤 実 服部 正 則次 俊郎 横田 眞一 吉田 和弘 山本 晃生 神田 岳文
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

本研究課題は,特定領域「ブレイクスルーを生み出す次世代アクチュエータ研究」の総括班としての活動に関するものである.この特定領域は,新しい高性能アクチュエータの実現が,社会の様々な局面において今後ますます重要となることを鑑みて活動を開始したものであり,これまで異なる分野で個別に研究されてきたアクチュエータ研究者に共通の活動の場を与えることなどをめざし,平成16年度より平成20年度まで5年間にわたり研究活動を実施してきた.特定領域しての主な研究活動は平成20年度をもって終了しているが,本年度は,これまでの5年間にわたる研究成果をとりまとめ広く公表することを目的として総括班活動を実施した.本年度の中心となった活動は,一連の成果を英文の書籍として出版することであった,特定領域で活動した研究者らにより執筆された原稿をとりまとめ,世界的に著名な出版社であるSpringer社より,Next-generation actuators leading breakthroughsと題する総ページ数438ページに及ぶ英文書籍として2010年1月に出版した.また,2010年1月には,この英文書籍の一般への配布をかねて,この特定領域最後のシンポジウムとなる,3rd International Symposium on Next Generation Actuators Leadin Breakthroughsを東京工業大学大岡山キャンパスにて開催した.シンポジウムでは,出版した書籍の内容に即して,各研究者が研究成果の発表を行った.
著者
山本 晃司 天満 則夫 阿部 正憲
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集 第29回日本エネルギー学会大会 (ISSN:24238317)
巻号頁・発行日
pp.18-19, 2020-07-29 (Released:2020-07-29)
参考文献数
1

The study program of the MH21 research consortium for methane hydrate resources in Japan was concluded in 2019 with many outcomes such as the world’s first offshore production test (2013). However, the achieved production rates still fell short of the economical criteria. The analyses and evaluations of the obtained data and experiences revealed some important factors such as excess water production and formation damages around wellbores. The newly started phase 4 study focuses on the development and verification of technologies that solve the technical challenges.
著者
山本 晃輔 曽我 千亜紀 Menant Julien
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.187-190, 2021
被引用文献数
1

<p>We developed the Japanese version of the Game Engagement Questionnaire (GEQ). In the survey, 600 participants completed the GEQ, the Buzz-perry Aggression Questionnaire (BAQ) and the Dissociative Experience Scale-II (DES-II). Factor analysis verified the four-factor structure (absorption, immersion, flow, and presence) and demonstrated it to be an acceptable reliability (Cronbach's α=.74–.86). The validity of the questionnaire was also confirmed by significant correlations of the total score between each subscale of the GEQ and the BAQ, or each subscale of the GEQ and the DES-II. The results indicated the acceptable validity and reliability of the questionnaire.</p>
著者
曽我 千亜紀 ムナン ジュリアン 山本 晃輔
出版者
大阪産業大学学会
雑誌
大阪産業大学人間環境論集 = OSAKA SANGYO UNIVERSITY JOURNAL OF HUMAN ENVIRONMENTAL STUDIES (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
no.20, pp.89-104, 2021-03-31

本論ではインターネットというヴァーチャルな空間の中でも,とりわけ,ゲームの世界に注目し,それがどのような空間なのかを問う。世界中からアクセスすることが可能なオンラインゲームの空間は,グローバル化されたものなのだろうか,それともローカルなものに留まるのだろうか。 ゲームの世界は一般に,共通の趣味と興味を有しているメンバーによって構築されているという理由によって,フラットな空間を維持していると考えられている。しかし,この空間もまた社会や文化の影響を受ける以上,ローカルな発展,あるいは,分断が進んでいる可能性がある。 ゲーム空間はプレイヤーにとってどのような空間なのか。もし,プレイヤーに等しくゲーム空間が開かれている可能性があるならば,それはどのような意味においてなのかを明らかにする。
著者
岸谷 望加 山本 晃之 熊谷 宗晃 安田 洋二 西村 浩美
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.620-625, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
17

【はじめに】ブルガダ症候群とは、心電図の右側前胸部誘導に特徴的なST上昇を呈し、突然に心室頻拍・心室細動を生じて、失神や突然死を生じる疾患として知られている。健診時の心電図で異常なしとされていたが、突然の心室細動にて救急搬送されブルガダ症候群が診断された一例を経験したので報告する。【症例】45歳、男性。2014年より継続して当施設の定期健康診断を受診していた。2014年2月初診時、身体所見に異常を認めなかった。また、自覚症状、既往歴とも特記すべき事はなかった。検査結果では、胸部X線所見は正常で、生化学検査ではT-cho: 256mg/dL、LDL-cho: 180mg/dL、TG: 161mg/dLと軽度高値を認める以外に異常を認めなかった。心電図は初回の2014年2月、2014年9月、2015年9月と3度受けていたが、いずれも心電図自動診断にて正常とされていた。2016年4月、夜間就寝時に突然意識消失をきたしているところを家人が発見し救急搬送となった。搬送先の病院にてブルガダ症候群と診断された。専門病院に転院後、植込み型除細動器の手術を受け、無事退院となった。【考察】健診時の心電図自動診断では異常なしとされており、saddle backタイプのブルガダ型心電図の波形が正常と診断されていた。最近の心電図自動診断のソフトはブルガダ型心電図の自動診断基準に対応しているが、そういった心電計においてもしばしばブルガダ型心電図が見逃され、不完全右脚ブロックやRSR’パターン等の判定にされる場合がある。ブルガダ型心電図の健診時の検出率は、0.14%~0.9%との報告があり、決して稀ではない。ブルガダ型心電図が疑われる場合には、実波形を確認すること、V1・V2誘導の一肋間上の誘導の波形を確認すること、以前の心電図とST部分の変化を確認することが、健診でブルガダ型心電図の見落としを防ぐために重要であると考えられた。
著者
山本 晃輔
雑誌
大阪産業大学 人間環境論集 = OSAKA SANGYO UNIVERSITY JOURNAL OF HUMAN ENVIRONMENTAL STUDIES (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-10, 2017-03

This study examined the influence of autobiographical memory of experiences of success or failure on learning motivation. Participants (N = 216) completed a scale that assessed their degree of learning motivation. They were asked to recall autobiographical memory of experiences of success or failure and to rate these memories based on 6 items pertaining to memory characteristics (e.g., vividness). Participants then completed the learning motivation scale again. Participants obtained higher post-test scores on the motivation scale, compared to the pre-test scores. In addition, autobiographical memories of successful experiences were more emotional, positive, vivid, and frequently remembered than were memories of failure experiences. Autobiographical memory pertaining to effortful experiences as a facilitator of learning motivation will be examined in future research.
著者
杉原 百合子 武地 一 山本 晃輔 岩崎 陽子 横光 健吾
出版者
同志社女子大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

健常な高齢者あるいはMCIの段階からの、効果的・実用的な認知症予防プログラム開発が、わが国のみならず世界的にも喫緊の課題である。本研究では、①日本・スウェーデン共同で「嗅覚感応デジタルデバイスゲームを応用した認知症予防プログラム」を開発すること、②開発した認知症予防プログラムの高齢者に対する効果を縦断的に測定すること、を目的とする。そのために、スウェーデンで構築されている「嗅覚ゲーム」の研究チームに、日本から認知症診療・ケアを専門とする医学・看護学の研究者および「嗅覚」を専門とする研究者グループが参画し、認知症の人の特性等を考慮した予防プログラムの開発及び効果測定に主導的な役割を果たす。
著者
山本 晃士
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.1158-1159, 2020-11-01

術中の出血量増加時には凝固障害の程度を評価するため,一般的にプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)検査が行われる。しかしPT,APTT値は,必ずしも患者の凝固能を反映しているとはいえない。そもそもPT,APTT検査は,凝固障害の原因がどこにあるか(内因系凝固経路か外因系凝固経路か両方か)を知るために有用な質的検査であり,定量的な意味合いで用いられるのは,ワルファリンやヘパリン投与時の効果判定および投与量の調節の際くらいである。端的にいえば,「PT,APTT値30%」がすなわち「凝固因子量30%」ということではなく,いったいどの程度の凝固能が維持されているのか,PT,APTT値から見当をつけることは難しい1,2)。治療に際しても,「新鮮凍結血漿(FFP)をどのくらい投与すればどの程度PT,APTT値がよくなるか」がわからないのである3)。つまりPT,APTT値には,「治療による達成目標値を決められない」という致命的な欠点がある。また,PT,APTT検査は凝固反応(=トロンビン生成反応)の初期相のわずか5%程度の良し悪しを反映する検査であり4),トータルとしての凝固能を表す指標とはなり得ない。そして最も重要なのは,高度な低フィブリノゲン血症(<100mg/dL)に陥ってもPT,APTT値はそれほど延長せず,大量出血をまねく危機的状況を察知できないことである(表1)。したがって,FFP投与のトリガー値をPT,APTT値とするのは不適切であると言える5,6)。 最近,ベッドサイドで全血を用いて迅速に検査できる「point-of-care(POC)テスト」が注目されている7)。中でもさまざまな観点から血液粘弾性を評価できるトロンボエラストメトリーrotation thromboelastometry(ROTEM)およびトロンボエラストグラフィthromboelastography(TEG)の有用性が期待されている。しかし,大量出血の主要因となる凝固障害の本態は「高度な低フィブリノゲン血症」であることがわかってきており8),リアルタイムに評価すべきなのは患者の血中フィブリノゲン値である。そして「高度な低フィブリノゲン血症」の改善のためには,乾燥人フィブリノゲンもしくはクリオプレシピテートなどの濃縮フィブリノゲン製剤の投与が必須である9,10)。こう考えると,術中大量出血時にPOCテストを使っていち早く知るべきはフィブリノゲン濃度であり,そのためには血液凝固分析装置Fib Careなど,フィブリノゲンに特化した検査機器で十分である。なぜなら,フィブリノゲン値から他の凝固因子の低下度もおよそ把握できるからである。仮にPT,APTT値がすぐにわかったとしても,その値に応じた治療(すでにFFPは十分投与しているはず)を選択できるわけではない。つまり,「治療につながらない検査をPOCテストで行う必要はない」ということであり,標的を絞った迅速検査と,その検査結果に応じた実効性のある治療が最も重要なのである(表2)。
著者
竹本 正明 浅賀 知也 金 崇豪 宮崎 真奈美 中野 貴明 広海 亮 稲村 宏紀 山本 晃永 伊藤 敏孝
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.516-520, 2017-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
7

背景:現在日本では高齢者が増加しており,高齢者の救急搬送数そして高齢者施設からの救急搬送数も年々増加している。目的:高齢者施設からの救急搬送例を検証し,その傾向と問題点を検討した。方法:2014年1月から2015年12月までの24カ月間に高齢者施設から当院救急外来に救急車で搬送された患者を対象として後ろ向きの研究を行った。結果:症例は715例。平均年齢は85.3歳であった。中等症以上の症例は67.0%であった。搬送元としては特別養護老人ホーム,介護老人保健施設,介護付き有料老人ホームが多かった。搬送理由としては心肺停止49件,内因性591件,外因性75件であった。内因性疾患の中等症以上の割合は69.5%であり,外因性では中等症以上が26.7%であった。考察:明らかに緊急度が低い症例も散見され,とくに外傷では念のための受診を目的とした救急要請も多いと考えられた。不要な救急要請を減らすためにも各高齢者施設ではかかりつけ医との連携を深め,患者の緊急性の要否を判断ができる状況をつくる必要があると考えた。
著者
瀬戸 夕輝 佐戸川 弘之 佐藤 洋一 高瀬 信弥 若松 大樹 黒澤 博之 坪井 栄俊 五十嵐 崇 山本 晃裕 横山 斉
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.140-143, 2011-05-15 (Released:2011-08-24)
参考文献数
9

症例は83歳男性.2006年に,他院にて高度房室ブロックに伴うAdams-Stokes syndromeのため左鎖骨下から経静脈的にペースメーカー(pacemaker : PM)(DDD)を移植された.2008年にPM電池留置部の創部離開を生じた.滲出液の培養は陰性であり,PMの金属によるアレルギー性皮膚潰瘍疑いと診断された.PM電池をpolytetrafluoroethylene(PTFE)シートで被覆し左鎖骨下に移植されたが再び創部の離開を生じ,対側の右鎖骨大胸筋下にPM再移植術を受けた.その後,電池感染のためPM電池を摘出された.高度房室ブロックによる徐脈を認めたため,同年12月10日当院紹介となり救急搬送された.同年12月18日に全身麻酔下に季肋部正中切開による心筋リード植え込み術(VVI)を施行した.感染による縦隔洞炎のリスクも考慮し小切開としたため,心室リードのみの留置とした.また皮膚部分で生じやすいPM金属との免疫反応を予防するためにPM電池とリードの両方をPTFEシートで被覆し,PM電池は腹直筋下に留置した.術後経過は良好で創部離開を認めなかった.また術後4カ月後のパッチテストではニッケルとシリコンに対してのアレルギー反応を認めたため,本症例の皮膚離開がPMの素材に対するアレルギーが原因であったと診断した.PM素材に対するアレルギー患者へのPM電池植え込み術の1例として報告した.
著者
松本 泰章 中川 晶 小林 剛史 山本 晃輔 岩崎 陽子 真板 昭夫 杉原 百合子
出版者
嵯峨美術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、アーティストと美学研究者が精神医学・高齢者看護・心理学各分野の研究者とともに学際的研究体制を構築し、高齢者のための匂いのアートを使った記憶想起と、それに伴う発話行為の効果を計測し、高齢者の感情の活性化、発達課題の達成、さらには認知機能維持・向上に資することを目指す。既に本メンバーは先行する「なつかしさを喚起する匂いのアート研究」で成果を上げており、この研究体制と問題を引き継ぐ形で回想法の構築へと発展させる。匂いのアートを用いた回想法で、現代の超高齢社会の問題解決に資する実践的アート研究を実施する。
著者
山本 晃
出版者
養賢堂
雑誌
機械の研究 (ISSN:03685713)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.p1023-1026, 1986-09