著者
山本 真晴 Anh-TuanHoang 小出 哲士
雑誌
研究報告システムとLSIの設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-11-19

研究では,先進運転支援システム (ADAS) のためのコンパクトなハードウェアに実装可能で,リアルタイム (15~30fps) 処理可能な,速度標識認識処理における数字認識部分のハードウェア向けアルゴリズムと FPGA アーキテクチャの開発である.提案手法では,まず入力画像から速度標識候補領域の検出を行い,簡単な算術・論理演算で抽出可能な特徴量を用いることにより,FPGA 実装によるリアルタイムな速度標識認識を可能にした.また,認識精度については,昼間の標識で 99%以上,夜間 (雨天の夜間を含む) の難しい場合に対しても 94.2%の認識率を達成した.In this paper, we propose a hardware-oriented speed traffic-sign recognition algorithm and its FPGA architecture in which real-time processing is possible for Advanced Driving Assistant System (ADAS). The proposed algorithm performs the sign detection using binary images, which are converted from a grayscale input images. The proposed method enables real-time speed sign recognition for FPGA implementation by using run lengths of pixel within a candidate region and black and white pixel-histograms in the region which are easily calculated by simple arithmetic and logical operations. From the experimental results, the proposed method achieves the recognition accuracy up to more than a 99 % in daytimes and up to a 94.2 % at nights including rainy night situations.
著者
永松 礼夫 中山 泰一 山本 真司 近藤 宏樹 中野 由章
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.7, pp.1-4, 2016-06-25

情報教育について高等学校教育と大学教育の接続が関心を集めているが,大学入試においても教科 「情報」 に関連する内容や考え方を問う問題が,受験科目としては数学・英語・国語・理科・社会などの情報以外の科目で出題されるケースが多くなっている.本発表では,昨年と今年の大学入試で出題された教科 「情報」 に関連する問題の調査を行った.これらの問題は大別して,(1) 内容が教科 「情報」 に関連する―インターネット・ソーシャルメディア・モデル化・データ分析・2 進数を扱ったもの,(2) 情報を活用した問題解決の要素を含む―図表・グラフ・写真などから情報を読み取る作業が要求されるもの,(3) 情報の整理・表現・発信を行う―与えられた資料や自分の知識を統合して意見を発信するようなもの,に分類することができた.また教科 「情報」 の新しい学習指導要領案では,情報の活用や発信にも重点が置かれているため,現行の指導要領ならびに新学習指導要領案の各項目と出題内容との対応関係についても調査した.
著者
藤吉 康志 工藤 玲 川島 正行 林 政彦 宮崎 雄三 青木 一真 山本 真之
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

地上リモートセンサーと同時にグライダーでのin situ 観測を実施することによって、大気境界層内の各種物理量が整合的に変動することが確認できた。さらに、大気境界層上端に発生した強い乱れは、小さな積雲の縁に存在する極めて狭い下降流によってもたらされていたことが分かった。また、エアロゾルの時空間分布と光学的特性の変動要因を解明するため、エーロゾルの量と光吸収特性の鉛直分布を導出するアルゴリズムを開発し、日射による加熱量を推定した。アルゴリズムの検証は、滝川で行ったグライダー観測データで行った。その結果両者にはまだ不一致が見られ、さらなるin situ観測との比較が必要であることが明らかとなった。
著者
植月 惠一郎 松田 美作子 山本 真司 伊藤 博明 木村 三郎 出羽 尚
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近代初期英国文学とエンブレムの関係を明らかにした。シェイクスピア劇や十七世紀英詩を対象に、キリスト教的起源の聖なる図像、モットー、警句と多神教の異教や土着の習俗起源の世俗的な図像、モットー、警句の絶妙な絡み合いから文学の豊饒な表現が生まれた過程を研究した。一方で地理的にも視野を拡大し、ドイツ、フランス、オランダなどを中心とする当時の文化的先進国のエンブレムが、英国のエンブレムに与えた影響も研究し、時間的な視野も拡げ、図像と警句の関係は、十八~十九世紀の挿絵と物語の関係にも転じ、エンブレムの時間的変移も研究した。
著者
山本 真理子 松井 豊 山成 由紀子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.64-68, 1982-03-30
被引用文献数
36
著者
橋口 浩之 山本 真之 森 修一 高橋 幸弘
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

降水メカニズムの解明には、降水量だけでなく、雨滴粒径分布(DSD)の計測による降水物理量の定量的把握が重要である。東西5000kmにわたり多様な地形を持つインドネシア海洋大陸では、インドネシア全体に跨る観測網が不可欠である。本研究では、コトタバン(スマトラ島)・ポンティアナ(カリマンタン島)・マナド(スラウェシ島)・ビアク(ニューギニア島近傍の小島)にディスドロメータを整備し、DSDの連続観測を実施した。経度・降水雲タイプ・MJO・雷活動などとDSD特性との関連について明らかにした。
著者
山本 真行
出版者
高知工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

地球温暖化等グローバルな地球大気の理解に重要な熱圏大気の精密測定は難しい。希薄大気中では太陽紫外線等により1%未満が電離しプラズマ大気としてレーダー等で計測できる一方、99%以上を占める中性大気計測は非常に困難で熱圏の理解を阻んできた。観測ロケット放出TMA(トリメチルアルミニウム)による人工発光雲の光学的追跡から夜間の高度160 km付近までの中性風計測手法が確立されたが、昼間の観測手段は未確立であった。我々はロケット放出リチウム(Li)の太陽共鳴散乱光を用い昼間熱圏中性大気風の測定技術を確立するため日米共同ロケット実験を2013年7月に実施し20分間の発光雲観測に成功、同測定技術を得た。
著者
平松 良浩 山本 真行 古本 宗充 石原 吉明 藤田 和央
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

豪州ウーメラ砂漠にてアレイ観測を行い、「はやぶさ」地球帰還時のインフラサウンド及び地震記録、光学観測記録を取得し、それらの解析により衝撃波の励起位置を推定した。観測結果に基づく励起位置での推定大気圧は、従来の理論値と2倍程度のずれがあり、理論の仮定に問題があることが明らかとなった。大気圧変動と地動との伝達関数を定義し、大気-地表面カップリング過程の定量化を行った。
著者
山本 真理
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.99-113, 2011 (Released:2017-02-17)
参考文献数
15

本稿では「~が『~』と言ってくる」という同じ構造をもち,引用句だけが異なる次のような例を扱う。次の例はいずれも「言ってくる」を使用し,引用句のみが異なる文であるが,自然さには違いがある。しかし,「言う」や「(テ)クル」の先行研究からだけではその違いを説明できない。 ○ 先生が「ちょっと手伝ってくれない」と言ってきた。 ? 先生が「富士山は日本で一番高い」と言ってきた。 本稿では,これらの自然さの違いを語用論的観点から分析した。その結果,「言う」が持つ性質の「発語行為を表現することはあっても,発語内行為を示すことはない」こととは異なる性質が「言ってくる」の使用に観察された。本稿ではその性質を「策動性」と呼び,その発話の結果である「聞き手への効果まで意図しているという発話の性質」と定義した。また,「言ってくる」で示される「策動性」は伝達者の表現意図であることについても述べた。
著者
津田 尭哉 山本 真一郎 相河 聡 畠山 賢一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J106-B, no.4, pp.260-263, 2023-04-01

近年,大電力機器用電磁遮へい材の要求が増している.本研究では,一面を開口面とした金属きょう体内に送信コイルを配置し,きょう体から漏洩する近傍磁界について検討した.また,電磁遮へい効果を向上できる穴あき金属板について検討した.
著者
海老塚 広子 藤本 智子 潮来 茉里 山本 真衣 三澤 香莉 塩谷 一紗
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 68回大会(2016)
巻号頁・発行日
pp.166, 2016 (Released:2016-08-04)

【目的】 母乳は乳児に栄養を与える手段として、栄養学的意義はもちろん免疫学的・精神的に優良であるといえる。母親の食事形態により乳児の母乳への吸いつきが悪くなることが観察され、妊娠・授乳期の母親の食事が、乳児の離乳食の嗜好性に影響を与えていることも推察される。本研究では、母親の食事摂取状況や食習慣と、母乳の匂いに着目し、その関連性について明らかにすることを目的とした。個人による母乳の匂いの差異および食事内容による母乳の匂いへの影響について検討した。【方法】 授乳婦7名を対象とし、3日間の食事調査および食事後約2時間経過した母乳の採取を依頼した。母乳の分析には、におい識別装置(FF-2A:(株)島津製作所)を用いた。統計処理はSPSSを用いて多変量解析、Asmell2を用いて臭気指数相当値による類似度解析を行った。【結果および考察】 授乳婦の食事調査の結果、エネルギー・主要栄養素量に大きな差異は認められなかった。母乳の匂いには個人差があること、カレーを摂取することにより、におい成分のバランスに変化が現れることが判明した。また、鯛のあらが母乳の匂いに変化を与えている可能性が高いことが確認された。この結果を、授乳婦への栄養指導に役立てて、健康な乳児の発育に貢献することが期待される。
著者
遠藤 久美子 山本 真吾 大江 直美 天野 陽介
出版者
学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
雑誌
敬心・研究ジャーナル (ISSN:24326240)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.83-88, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
13

【目的】鍼の刺鍼方向によって顔面部のシワに対する影響を調べることで、美容鍼灸の基礎的なアプローチ方法の開拓を行い、学校教育、鍼灸業界発展に寄与できると考え研究を行った。【方法】健康成人男女10名を対象とした。目尻のシワに対してレプリカ剤を用いて採取した。シワに対して平行方向で刺激を行う群と、シワに対して直角方向で刺激を行う群の2群とし鍼を行なった。統計処理はt検定分析を行い、有意判定は5%とした。【結果】施術前後の比較では有意差がみられたが、シワに対して平行方向で刺激を行う群と、シワに対して直角方向で刺激を行う群との比較では有意差はみられなかった。【考察】シワに対しての鍼刺激は、鍼の方向に関係なく減少傾向が認められた。ただし個人差も大きいため、今後さらなる研究が必要である。
著者
本岡 里英子 山本 真士
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000926, (Released:2016-09-16)
参考文献数
11
被引用文献数
4 6

症例は39歳女性.1年前より下肢痙性,上下肢異常感覚が出現し,痙性による歩行障害が進行した.神経学的に両下肢痙性,両下肢深部感覚障害,四肢異常感覚を認めた.各種自己抗体,HTLV-1を含むウイルス抗体,腫瘍マーカー,ビタミンに異常を認めず,髄液細胞数,蛋白は正常で,OCB,MBPは陰性であった.頭部MRIは異常なく,頸胸髄MRIで,後索にT2WI高信号を認めた.血清銅,セルロプラスミンが低値であり,銅欠乏性ミエロパチーと診断した.生活歴を再聴取した結果,5年以上前から牡蠣を毎日15~20個摂取するという極端な食生活が判明し,亜鉛過剰摂取が原因と考えた.亜鉛過剰摂取による銅欠乏症の原因として本例のような食餌性は稀である.
著者
藤木 大介 山本 真愛 中條 和光
出版者
日本読書学会
雑誌
読書科学 (ISSN:0387284X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.53-63, 2022-06-13 (Released:2022-07-02)
参考文献数
15

Reviewing notes is known to be an effective way to enhance learning, and to this end, one purpose of teachers' plan for board and instruction of note-taking is organization of students thought and review of class. However, few studies on note-taking among elementary school students have been conducted, and their actual note-taking ability in particular is not clear. This study investigated how well the students were able to recreate their arithmetic class board contents in their notes, and how often they reviewed these notes. The results showed that the reproducibility of the board contents was high in the sections regarding to aim and summary, but low in the sections relating to equations and figures. Further, it was found that the sixth-grade students' notes were more semantically coherent than fourth-grade students. Both grades reviewed their notes from once a month to once a week, with no difference in the frequency of review across the two grades. Additionally, the results of interviews with some of the children suggested that the children who intended to use their notes for memory purposes were not be able to make coherent notes, while the children who took notes mainly for review purposes were able to review them more frequently and thus make more coherent notes.
著者
松坂 貫太郎 緒方 浩顕 山本 真寛 伊藤 英利 竹島 亜希子 加藤 雅典 坂下 暁子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.389-396, 2019 (Released:2019-11-08)
参考文献数
16

血液透析患者では,摂取不足,腎での生合成の減少や透析療法による除去などのためにカルニチンが極めて高頻度で欠乏すると報告されており,カルニチン欠乏がさまざまな腎不全合併症(エリスロポエチン抵抗性貧血,低左心機能や筋痙攣等)に関与することが想定されている.本研究ではカルニチン代謝障害の実態を検討するため,カルニチン静脈投与の有効性を検証する前向き観察研究(「透析患者の合併症に対するL-カルニチン静注製剤の有効性の検討」)に登録された昭和大学横浜市北部病院およびその関連施設の外来血液透析患者501名に対して,血中カルニチン分画を測定し,その関連因子を横断的に検討した.主要評価項目として遊離カルニチン(Free)濃度とアシルカルニチン濃度/Free濃度(A/F比)を解析した.Free濃度を3群間(充足群(36≦Free≦74µmol/l),不足群(20≦Free<36µmol/l),欠乏群(Free<20µmol/l))に分類したところ,充足群は全体のわずか8.4%であり,A/F比も>0.4が98.8%と,ほとんどの患者がカルニチン代謝障害を合併していた.Free濃度とA/F比それぞれに関連する因子を多変量解析で検討したところ,カルニチン代謝障害と血清尿素窒素濃度(SUN),透析歴,性別,アルブミン,リンや標準化タンパク異化率(nPCR)との間に有意な関連がみられた.一方,血液透析療法の差異(血液透析と血液ろ過透析)は,カルニチン代謝障害に関連していなかった.興味深いことに,ともに栄養状態,タンパク摂取状況の指標とされるSUNとnPCRがFree濃度との関連では全く反対の関連性を示したことである.透析患者におけるカルニチン代謝障害の病態生理について更なる検討が望まれる.
著者
山本 真 飯島 典子 三浦 哲也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日中戦争前期(1937-1941)、中国からの短波ラジオ、教科書、抗日宣伝雑誌、映画、歌曲などを通じて、サラワク華僑に対して、民族意識や祖国の抗戦が宣伝された。これに応え、華僑は救国義捐金運動を展開した。太平洋戦争時期(1941-45)には、サラワクは激戦地とはならず、華僑を含む現地住民への大規模な虐殺は概ね発生しなかった。しかし、日本の軍政は「ビンタ」や犯罪容疑者に対する酷刑などにより威圧的様相を強く呈した。また、資源の収奪、既存の流通網の寸断、統制経済は、民生を混乱に陥れた。中国から注入された抗日戦争のイメージと太平洋戦争での経験が複合することにより、華人の対日歴史記憶が形成された。