著者
山本 真一 中山 雅之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.190-195, 2021-05-01

Point・気管支鏡の指導は知識,手技ともに段階的に行っていくことが望ましい.・教育用コンテンツを充実させ,学びの場を提供してくことが重要である.
著者
山本 真緒 浦西 克維 菊谷 有希 菅田 誠治
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.43-56, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
44

奈良県内でおこなわれた花火イベントが大気中のPM2.5濃度に及ぼした影響を評価するため、2014–2017年度のPM2.5の成分分析測定データの解析をおこなった。解析には特定のPM2.5固定発生源が付近に存在せず、濃度変動が類似している奈良盆地内2地点の測定結果を用いた。この2地点での同一測定日のPM2.5成分濃度の相関係数は、Srのみ著しく低い値を示した。Srが特に高濃度であった4測定日を除外し、各化学成分の相関係数を求めたところ、Srは0.14から0.65に、K+、Ba、Cu、Mg2+についても上昇した。これらは花火の薬剤含有成分であり、Srの高濃度日は花火の影響を受けたと考えられた。また、Sr/Ti比を用いることで花火の影響を受けた日を推定できることを明らかにした。次に、花火イベントによる大気中のPM2.5濃度への寄与を推定するため、PMFモデルによる発生源寄与解析を実施した。その結果、Sr、Ba、Cu、K+等を構成成分とする花火由来と解釈される因子が抽出された。観測期間中で花火因子の影響が最大となった2017/10/26では、PM2.5日平均値に対する寄与割合が17.8%(寄与濃度3.8 µg/m3)と推算された。花火からの大気汚染物質の放出は一日のごく短時間に集中することから、PM2.5成分濃度の一時間値に対する影響についても今後、検証していく必要がある。
著者
湯田 拓史 山本 真司 坂元 厳
出版者
宮崎大学教育学研究科教職大学院
雑誌
宮崎大学教職大学院年報 (ISSN:24362328)
巻号頁・発行日
no.1, pp.29-37, 2021-06-30

本稿は、宮崎大学大学院教育学研究科(教職大学院)が教職員支援機構(通称NITS。以降「NITS」と略記)の連携事業として2017(平成29)年度から2020(令和3)年度まで4回実施した「NITS Café」の実践報告である。宮崎大学教職大学院での「NITS Café」は、教職大学院の院生や教育学部の学生を中心にしつつ、宮崎県教育委員会事務局、宮崎県教育研修センター、宮崎県内の教職員、地域連携事業関係者とディスカッションを通じて教育に関する話題を検討してきた。 「NITS Café」自体は、教員の資質向上について幅広く交流出来る機会を提供する事をねらいとしているが、さらに宮崎大学教職大学院では宮崎県独自の取組を広める要素を加味した。宮崎大学教職大学院の「NITS Café」で設定したテーマは、初年次のみ「キャリアアップ」をテーマ設定したが、2 年次以降は「教員の働き方改革」を主テーマにして、副テーマには地域連携事業や学校現場での実践を取り込めるように設定した。 「NITS Café」を4 年間実践した効果は、宮崎県教育委員会教職員課と宮崎県教育研修センターとの連携強化である。事業申請前の相談、採択後の準備過程、実施当日の協働関係を蓄積することで、教職大学院と教育委員会とがお互いが持つリソースや情報を共有することができた。さらに、コロナ感染症予防対策下として、Web 配信を実施したことである。
著者
酒井 和也 宇多 高明 足利 由紀子 清野 聡子 山本 真哉 三原 博起 沖 靖弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_1075-I_1080, 2011

大分県中津干潟の三百間地区の砂州においては、隣接する蛎瀬川の河口閉塞が著しいことから、対策として河口前面の堆積土砂を除去する一方、その砂を三百間砂州の西部へ運んで養浜するというサンドリサイクルの計画が立てられた。養浜砂は、三百間砂州の頂部から3600m<sup>3</sup>浚渫され、西端の斜路前に投入された。その際、投入砂が先端部へと急速に戻るのを防止するために、砂州の中央部に袋詰め石製の長さ24mの突堤が設置された。本研究では、この間、2007年から2010年までに4回の空中写真撮影と縦断形測量を行って海浜状況の変化を調べ、サンドリサイクルの効果と沿岸漂砂の制御を目的とした袋詰め石突堤の効果を調べた。この結果、袋詰め石突堤は延長が短く天端高も低いことから、既存の突堤と比較して、緩やかな汀線変化をおこすことがわかった。
著者
山本 真也 田中 正之
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第22回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.13, 2006 (Released:2007-02-14)

社会的な場面では、働き手と利益の受け手が必ずしも同一個体であるとは限らない。このような場面でヒトは互恵的に協力しあうことができるが、ヒト以外の動物種でこのような行動を実証的に調べた研究は少ない。本研究では、実験的に操作した社会的場面におけるチンパンジー2個体の利己行動・利他行動を調べた。群れで生活する飼育下のチンパンジー、母子3組とおとなのペア2組を対象とした。隣接する2つのブースに自動販売機を1台ずつ設置した。この自動販売機にコインを投入すると隣のブースにリンゴ片が出た。ブースに1組のチンパンジーを入れ、2つのブースにコインを1枚ずつ実験者が交互に供給した。間仕切りが開いていてブース間を行き来できる条件(母子のみ)と閉まっていて各ブースに1個体ずつ入っている条件でおこなった。間仕切りを開けた条件では、母子は利他的なコイン投入行動を交互に継続させず、最終的にコイン投入も報酬も子どもが独占した。その過程で、相手のいる側のブースでコインを投入し、素早く移動して報酬を獲得する行動や、相手にコインを渡して投入させ、自分が報酬を得るといった利己的な行動がみられた。間仕切りを閉じた条件でも、母子では利他的なコイン投入行動は交互に継続しなかった。子どもが先にコインを投入しなくなった。一方おとなのペアは、1個体統制場面に比べて投入までの潜時が伸びたり投入拒否がみられたりしたが、利他的なコイン投入行動を交互に継続させた。働き手と利益の受け手が異なる場面で、互恵的な協力関係が母子間では成立せず、おとな2個体間では成立した。自分が働いて相手が利益を得るという一時的に不公平な状況への寛容さが個体間関係や発達段階で異なることが示唆された。おとな2個体での結果は、チンパンジーもヒト同様、自分の行為が相手の利益になることを理解したうえで互恵的に協力しあう可能性を示している。
著者
本岡 里英子 山本 真士
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.690-693, 2016
被引用文献数
6

<p>症例は39歳女性.1年前より下肢痙性,上下肢異常感覚が出現し,痙性による歩行障害が進行した.神経学的に両下肢痙性,両下肢深部感覚障害,四肢異常感覚を認めた.各種自己抗体,HTLV-1を含むウイルス抗体,腫瘍マーカー,ビタミンに異常を認めず,髄液細胞数,蛋白は正常で,OCB,MBPは陰性であった.頭部MRIは異常なく,頸胸髄MRIで,後索にT<sub>2</sub>WI高信号を認めた.血清銅,セルロプラスミンが低値であり,銅欠乏性ミエロパチーと診断した.生活歴を再聴取した結果,5年以上前から牡蠣を毎日15~20個摂取するという極端な食生活が判明し,亜鉛過剰摂取が原因と考えた.亜鉛過剰摂取による銅欠乏症の原因として本例のような食餌性は稀である.</p>
著者
吉田 俊昭 山本 真志 大石 和徳 田口 幹雄 井手 政利 渡辺 貴和雄 松本 慶蔵
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.332-343, 1986

本邦で合成開発された新アミノ配糖体系抗生物質HBKの蓬礎的・臨床的研究を, 他のアミノ配糖体系抗生物質を対照として行なった.呼吸器感染症由来の病原性の明礪な臨床分離株に対する本剤の抗菌力は, 他のデミノ配糖体系抗生物質と比較し, <I>S.aureus, E.coli, K.pneuronia, Entrbcter</I>, sp.に対1し他剤より優れ, <I>P.aeruginosa</I>に対し, ては中等度の成緩であった.<I>P. aeruginosa</I>に対し本剤と<I>Cefsulodin</I>との<I>in vitro</I>相乗作用が認められた.<BR>本剤75mg筋注時および100mg 1時間点滴静注時の血中濃度はピーク値で8.09μg/ml.半減期は109分, 108分であった.点滴静注時の局所疾中濃度の最高値は1.38μg/mlで, 喀痰中濃度は1. 15μg/mlであり, 喀痰中移行率ほ10.1%でありた.本剤気管内注入後の家兎血中濃度は30/分にピークを示し, 濃度依存性であった.<BR>呼吸器感染症10例に対し本剤75mg (または100mgないし50mg) を1日2回 (または1回) 筋注投与し, 著効1例, 有効9例, やや有効1例, 無効1例であった.2症例に本剤の吸入療法を行い有効性が認められた. 9症例に本剤100mg (または75mg) を1日2回点滴静注し, 有効6例, やや有効3例であった.有効以上の有効率は筋注, 吸入, 点滴静注でそれぞれ83%, 100%, 67%であった. 1例に耳閉感の副作用が認められた.<BR>以上より, 本剤は呼吸器感染症に対して臨床的有用性の高いアミノ配糖体系抗生物質であると結論される.
著者
袴田 智子 谷中 拓哉 山本 真帆 設楽 佳世
出版者
独立行政法人 日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター
雑誌
Journal of High Performance Sport (ISSN:24347299)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.12-22, 2020

The purpose of this article was to introduce fitness testing for Japanese para-athletes conducted at Japan Institute of Sports Sciences (JISS). Additionally, current challenges we face and our approaches for those challenges will be explained. Since 2015, fitness check-up for para-athletes have been carried out at JISS. The accumulated knowledge from scientific researches and know-how for supporting the Olympic sports for long time at JISS have been applied for Paralympic sports. Therefore, main fitness check-up services provided for the para-athletes have been similar to the Olympic athletes, which include body composition measurements, muscle strength tests, and aerobic and anaerobic capacity tests. However, the test protocols are modified and customized based on physical characteristics, or the types and degree of disabilities of each para-athlete. Their fitness levels and skills needed for their sports are assessed through tests that are specific to the sports. Our next challenges are to develop a testing method that can be customized for various types of disabilities for every sport and to establish fitness testing method with high accuracy for para-athletes.
著者
久保田 雄也 荒木 実穂子 山本 達 宮脇 淳 藤澤 正美 原田 慈久 角田 匡清 和達 大樹 辛 埴 松田 巌 田口 宗孝 平田 靖透 保原 麗 山本 真吾 染谷 隆史 横山 優一 山本 航平 田久保 耕
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1273, 2016

<p>SPring-8 BL07LSUにて分割型クロスアンジュレータと電磁石位相器を組み合わせ、唯一の軟X線高速連続偏光変調光源を実現した。さらにその光源を用いた軟X線領域における光学遅延変調法を世界で初めて開発した。この手法は磁性体の磁気円二色性(MCD)と旋光性を同時にかつ高精度に測定できる。本講演では新規光源と手法の詳細を述べると共に、それを用いた鉄系磁性体のMCD及び磁気光学カー効果(MOKE)測定の結果を報告する。</p>
著者
山本 真実 浅野 みどり 野村 直樹
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.4_733-4_744, 2020-09-20 (Released:2020-09-20)
参考文献数
29

本稿では,時間を言語として見る立場から,療育教室に通う子どもの母親が語る我が子の成長を,時間のことばとして記述することにより,対話を通じ母親が理解する成長とはどのようなものか,成長をナラティヴとして理解するとはどのようなことかを議論する。筆者(山本)は,母親との対話と療育教室での参与観察を行い,成長がどのような刻み方(punctuation)を有した時間で語られるかに注目した。母親が語る時間のことばには,①別々に語られる時間のことば,②相反する時間のことばがせめぎ合う葛藤,③全ての時間を等価に語る時間のことば,があった。母親は,どんな時間も選ばれる価値を等しく持つとする『等価な時間』という視座を獲得し,それに沿って成長を理解していった。『等価な時間』とは,成長をナラティヴとして理解するための考え方であり,これまでの成長の理解を見つめ直すときに役立つ時間のことばのポリフォニーのことである。
著者
阿部 新助 山本 真行 矢野 創 海老塚 昇 渡部 潤一 向井 正
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.107-107, 2006

流星や隕石が、地球大気突入によりどのような物理化学発光素過程を経ているのかは、未解明な点が多い。特に 炭素や水などのアブレーション過程を理解することは、生命起源物質の地球到来過程を解明する上でも重要である。2006年1月15日、NASAのスターダストは、直径80cmのカプセルを人工物では史上最速の12.9 km/sで地球大気に突入させた。我々は、この人工流星をNASA-DC8観測航空機から超高感度ハイビジョンカメラ(UV-II-HDTV)と500 grooves/mmの反射型対物分光器を用いて300-650nm波長領域の分光観測を行った。
著者
山本 真由美
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.21-25, 2009 (Released:2010-03-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1

長期臥床により誤嚥性肺炎を繰り返していた超高齢患者に対して嚥下訓練を実施し,経口摂取が可能になり退院後も嚥下機能が長期間維持された症例を経験した.この症例において,嚥下訓練の早期開始,喉頭挙上介助法を使った嚥下訓練,退院に向けての家族指導の3点が有効だったと考える.嚥下反射が安静時に観察されない状態だったので,嚥下訓練の早期開始はさらなる誤嚥と嚥下機能の悪化を止めたと考える.嚥下訓練においては,喉頭を他動的に押し上げて維持する喉頭挙上介助法が本症例の嚥下反射誘発に有効だった.嚥下反射は中枢性のパターン運動であり,喉頭挙上維持はパターン運動開始のトリガーになるのではないかと考えた.退院にあたっては,家族に対して口腔顔面筋群の筋力向上訓練,食事形態,食事介助の指導を行ったが,これは退院後の嚥下機能維持と誤嚥防止に有効だった.