著者
今野 宗一郎 山本 隆彦 越地 耕二
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第27回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.312-318, 2013 (Released:2018-07-27)

近年,ワイヤレス電力伝送を用いた給電,充電に注目が集まっている.この技術を用いることにより,スマートフォンのような携帯機器のものから電気自動車のような大型機器まで,容易に充電することが可能となる.本研究ではスパイラルコイルについて巻線パターンを工夫することにより結合係数向上の検討を行ったので報告する.
著者
馬場 卓也 梅枝 覚 野地 みどり 山本 隆行 湯澤 浩之 中山 茂樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.813-816, 2015 (Released:2015-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2

症例は46歳,女性.検診で上部消化管造影検査を施行した.翌日,腹痛を主訴に当院を受診された.腹部単純X線とCTにてS状結腸に多量のバリウム貯留像を認めた.明らかな腹水,free airなどの所見は認めなかった.緊急下部消化管内視鏡検査を施行,S状結腸まで到達するもバリウム塊は陥頓していた.腹痛が増強し腸管穿孔も懸念されたため緊急手術を行った.S状結腸でバリウム塊が露出していたため,これを摘出すると3cmの穿孔を認めた.Hartmann手術と腹腔内洗浄・ドレナージ術を施行した.術後ストマ近傍に感染性血腫を発症し経皮的ドレナージを要したが,DICなど大腸穿孔に見られる重篤な全身状態には至らなかった.大腸穿孔は憩室や腫瘍など既存の疾患が関与する場合が多く,バリウムにより穿孔する報告例は少ない.集団検診時の上部消化管造影検査におけるバリウムの停滞で大腸穿孔を発症した症例を経験したので報告する.
著者
山本 隆広 渡邉 聖樹 三浦 彰子 平原 智雄 平野 照之 内野 誠
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.718-724, 2010 (Released:2010-11-04)
参考文献数
26
被引用文献数
4 6

症例は51歳の男性である.2カ月前より頭痛,活動性の低下,見当識障害が徐々に進行し当科入院した.頭部MRI T2強調画像にて両側視床に高信号域をみとめ,左傍中脳に静脈の拡張と思われるflow voidをみとめた.脳血管造影にて,左上錐体静脈洞部に硬膜動静脈瘻をみとめた.流入動脈は内頸動脈が中心であり,流出静脈は深部静脈系へ逆流していた.このため両側視床の灌流障害をきたしていると考えられた.主な流入血管に対し経動脈的塞栓術を施行したところ見当識障害と視床病変の改善がえられた.硬膜動静脈瘻は両側視床病変の原因となることもあり,治療介入で改善が期待できるため,早期診断が望ましい疾患である.
著者
山本 隆太
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

日本のジオパークでは学校教育との定期的な教育連携活動が見られる。出前講座や実験演習といった比較的一回性の教育イベントとなりやすい教育活動に対して,地域学習(郷土学習,ふるさと学習)では,年間あるいは学校修学年限(3年・6年),場合によっては学校種を横断した一貫性あるカリキュラムが構想されている地域も少なくない。近年では持続可能な開発のための教育(ESD)の進展に伴い,ESDカレンダーのような体系的な教育カリキュラムが求められており,これまでの総合的な学習に加え,各教科の横断的なカリキュラムも認められている。こうしたカリキュラムを作成するにあたっては,学年配列と学習内容のマトリクスをたたき台としながらジオパークと関連する学習内容を当てはめていくことで,見かけ上のカリキュラムを作成することが従来は可能であった。しかし,新学習指導要領の最も基本的な転換点は,PISAに象徴されるようなコンピテンシーへの能力論的な展開であるといえ,つまりは育むべき能力と位置付けられた資質・能力(コンピテンシー)と,それを受けた各教科での見方・考え方が教育活動の軸に据えられるようになる。その結果,コンピテンシーはコンテンツ(学習内容)に先んじることとなり,カリキュラムも育成すべきコンピテンシーによって再構成されていく。ただし,学校現場レベルでは移行期間としてコンテンツベースが続くことも考えられるが,その場合でも,コンテンツに準じながらもコンピテンシーを意識せざるをえない状況に迫られる。そこで本発表では,ジオパークで育まれるコンピテンシーに関して,とりわけ地域学習のカリキュラム開発に資すると考えられるシステム思考とそのコンピテンシーの理論ついて取り上げた上で,コンテンツベースからコンピテンシーベースのカリキュラムへの移行についてシステム思考の援用を具体的に論ずる。システム思考コンピテンシーは,把握対象をシステムとして捉えるのみならず,システム的な問題解決の能力として教育分野で開発されてきた。日本の新指導要領でもコンピテンシーの問題解決能力に着目しており,その意味では地域学習も問題解決能力に資する部分を明示する必要がある。そのためには,問題解決能力の全体像を示すことが前提となるが,システム思考のコンピテンシーモデルが説明モデルとして適応できる。またジオパークの特性を生かすということは,ジオパークの持つシステマティックな特性とシステミックな特性を整理した上でカリキュラム開発に寄与することといえる。その際,システマティックな特性については従来のコンテンツベースカリキュラムでカバーしきれるためいわゆる内容の読み替えが適応可能である。一方,システミックな特性についてはESDやSDGsにおいて重視されているものの学校教育では扱いきれていない部分であり,この点についてはジオストーリーが概念的に近いが,地域学習カリキュラムの開発のためには,静的で固定されたジオストーリーではなく操作可能なジオストーリーの在り方が求められることが考えられる。
著者
小林 淳 蔡 恩美 山中 修也 櫻 勇人 山本 隆太 加藤 宏平 高橋 義朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 71.2 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.507, 2016 (Released:2017-12-05)

近年、光格子中の冷却原子に対する量子気体顕微鏡の技術が急速に進展している。我々はこれまでにYb原子の量子気体顕微鏡を作成に成功している。これによって光格子中での原子位置を1サイトの単位で決定することができる。今回我々はこの技術を分子に適用した。光格子中のYb原子に対する2光子光会合によって電子基底状態の分子を作成し、さらにその分子を原子に戻して観測することで、分子の量子気体顕微鏡による観測に成功した。

1 0 0 0 OA Neuromodulation

著者
深谷 親 山本 隆充
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.137-142, 2016 (Released:2016-02-25)
参考文献数
20

機能的神経疾患の原因を考えるうえで皮質-線条体-視床-皮質ループ (CSTCループ) という概念が注目されている. 大脳皮質から大脳基底核, 視床に至る経路にそれぞれ運動, 認知, 情動に関する回路が近接して存在し, 連携して活動しているという考えである. このループの機能障害が関与していると考えられる疾患として, パーキンソン病, ジストニア, 強迫性障害, トゥレット症候群などが挙げられる. これらの疾患では, 運動, 認知, 情動のどの回路が主に障害されているかで疾病としての表現型も異なってくる. 脳深部刺激療法のターゲットは, CSTCループのいずれかの部位に設定されることが多い. したがって, 運動, 認知, 情動といった機能を個々に切り離して治療することは難しい. パーキンソン病に対する視床下核の刺激により情動面の変化が生じることがあるのはよく知られている. こうした現象は, 健常者においても気分のよいときには行動も快活になり, 気分が落ち込んでいる時は頭も働かなくなるといった経験からも理解できるであろう. CSTCループを基盤とした考えは, 脳深部刺激療法の理論背景となるだけではなく, 最前線の臨床の場でも役立つ可能性が高い. 運動には, 高い認知症予防効果やうつの改善効果があり, パーキンソン病の進行を遅らせることが知られている. また前向きで安定した情動は不随意運動を改善し, 運動療法が痛み認知を改善させることも報告されている.
著者
山本 隆太 阪上 弘彬 泉 貴久 田中 岳人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

1. 国際的な地理教育界におけるシステムアプローチ<br>国際地理学連合地理教育専門委員会(IGU-CGE)の地理教育国際憲章(IGU-CGE 1992)では,主題学習のカリキュラム編成原理としてシステマティックアプローチ(Systematic Approach)やシステムズアプローチ(Systems Approach)が示された。以後,地理教育にシステム論やシステム思考を導入するという考え方は世界に共通する地理教育論の一つとなっている。志村(2014)では,1970年にはすでに,IGU-CGEのローマ委員会が「空間システム的な環境&minus;人間関係」を地理教育として重視する方向性を示したことや,2000年頃の地理教育国際比較調査においてシステム思考が中等教育段階のカリキュラム編成原理の一つとなっていることが示されている。IGU-CGEのルツェルン宣言(大西2008)では,ESDを念頭に,自然,文化,社会,経済といった各圏・領域を包括的に扱う「人間-地球」エコシステム(Human-Earth ecosystem)の概念を地理教育として重視することを表明している。これに強く同調している国のひとつにドイツがある。ドイツでは地理教育スタンダードを2006年に公刊し,そこでシステムとしての空間を地理教育の中心的な目標として位置付けた(阪上2013)。また,この目標の下,地理教育システムコンピテンシーを開発し(山本2016),各州におけるカリキュラムに位置付ける動きがみられる(阪上・山本2017, 山本2016)。<br><br>2. 国内における地理教育システムアプローチの展開<br>ドイツの地理教育システムコンピテンシーは,「システム思考,ネットワーク思考ともいわれるシステム的な見方・考え方に基づき,ダイナミクス,複雑系,創発などのシステムの概念から地理的な事象や課題の構造と挙動を理解し,世界を観察・考察する教育/学習方法」と定義されている(山本2016)。この地理教育システムコンピテンシーに基づき,筆者らはシステムアプローチとしての授業実践を構想,実践した(実践一覧はhttps://geosysapp.jimdo.com/に記載)。なお,ドイツの定義に基づいて日本国内の教育実践を参照すると,例えば,鉄川(2013)では地理的事象を構造化するアプローチをとっている一方で,挙動については触れていない。システムアプローチの視座に立つと,地理授業においてすでに構造化については実践がなされている一方,挙動については課題があることが考えられる。<br><br>3. 授業実践事例 アラル海の縮小<br><br>アラル海の縮小を題材として,システムアプローチに基づく授業実践を行った。実践校は埼玉県内私立高校で,高校3年次の地理A(6時間)で実践を行った。授業は,(1)教科書や資料集を用いてアラル海の縮小に関する記述を理解する,(2)関係構造図(第1図)で問題の構造を解明する,(3)最悪シナリオ/持続可能な解決策を考えることで挙動を解明する,という展開で実践した。授業後,授業に関する生徒アンケートを実施した。<br><br>4.考察<br>システムアプローチを用いた実践では,持続可能な社会づくりを目指し,環境条件と人間の営みとの関わりに着目して現代の地理的な諸課題を考察する科目的特徴を具体化できることがわかった。また,関係構造図を用いることで,生徒自ら自分自身の思考を可視化できた。<br>
著者
石塚 譲 川井 裕史 大谷 新太郎 石井 亘 山本 隆彦 八丈 幸太郎 片山 敦司 松下 美郎
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-9, 2007 (Released:2007-08-21)
参考文献数
37
被引用文献数
4

季節や時刻による行動圏の変動をみるために, 成雌ニホンジカ2頭にGPS首輪を用いて, 経時的な位置を調査した. 調査期間は, それぞれ, 392日と372日で, シカの位置は0時から3時間毎に計測した. 2頭の年間行動圏面積はともに森林域と水田周囲とを含む43.7 haおよび16.3 haであり, 行動圏の位置に季節による変動はみられなかった. 個体1の季節別コアエリアは, 四季を通して水田周囲に位置し, 個体2でも夏期以外は水田周囲に位置した. 時刻別コアエリアは, 12時および15時では森林域に, 0時および3時では水田周囲に位置した. 以上の結果から, GPS首輪を装着した2頭の成雌ニホンジカは, 大きな季節移動をせず, 日内では, 森林域 (昼) と水田周囲 (深夜) を行き来していると考えられた. また, 行動圏とコアエリアの位置から農耕地への依存度が高いことが推察された.
著者
渡辺 淳 岡部 博 溝尻 顕爾 中島 善次 菅野 浩一 山本 隆一
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.1075-1084, 1979-05-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
1

The drug was well absorbed from the intestinal tract, and the bulk of it was excreted in the urine and feces. Biliary excretion was significant, and the existence of enterohepatic circulation was considered likely. After intravenous injection, elimination of radioactivity from the blood and various tissues, except for fat, was rapid for 2 hr, then became slower. Elimination of unchanged drug from the blood was very fast. Repeated oral doses did not changed the excretion and distribution features as compared to a single oral dose. Significant accumulation of radioactivity was not caused by repeated doses of 14C-labeled perisoxal. Three oxidized metabolites, p-hydroxyperisoxal, m-hydroxyperisoxal and 4-hydroxyperisoxal, were identified. Excretion of hydroxyperisoxals in the urine (free and conjugates) was greater than that of perisoxal itself.
著者
山本 隆司
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大学大学院教育学研究科論文集 (ISSN:13444042)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.81-91, 2008

The purpose of this study is analyzing mathematical communications which seen at mathematics classes and showing what consciousness should be and what better mathematical communications should be and teacher's consciousness for communications to do more attractive lessons. In this thesis, referring the study of Hufferd-Ackles (2004), I constructed the new framework of the mathematical communications. I also devided the communications which seen at mathematics classes in junior high schools into four levels and showed teacher's action that seen each level. It is obvious that a form and development of lessons would change by difference of teacher's getting mathematical communications into distributing information, or activity of thought, or how to get student's construction of mathematical thinking.
著者
中尾 美千代 大野 義一朗 小澤 美貴 山本 隆子 森本 武利
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.543-553, 2002-11

第39次越冬隊の医療隊員が、越冬期間中に自分自身の摂取した食事をすべてデジタルカメラで記録した。このデジタルカメラの画像から摂取した食品重量を推定して栄養分析を行った。エネルギー摂取量は日本人の栄養所要量に示される生活活動強度Iのエネルギー所要量よりも若干高値を示したが、1月の摂取量は有意に高値を示した。PFC比からみるとたんぱく質および脂肪の比率が高く、炭水化物比が低い傾向を認めた。特に不足を認めた栄養素はビタミンCと食物繊維とカルシウムで、これらについては食材の確保や保管などの問題が関与すると考えられ、ビタミン剤等による補給の必要性を示すものである。
著者
山本 隆司 飯島 淳子 北島 周作 交告 尚史 大江 裕幸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

行政法の法典化は、行政活動の透明化に資する。本研究は、これまで精査されてこなかった日本における1962年の行政不服審査法の制定過程を、議事録を通じて調査し分析した。また、近時公表されたEU模範行政手続法草案、2015年に制定されたフランスにおける行政法典、そして日本でこれまでほとんど紹介されてこなかった南アフリカの行政法典を調査し、日本で行政法の法典化を進める際の示唆を得ることができた。
著者
浜口 博 黒田 六郎 清水 恒雄 杉下 竜一郎 束原 巌 山本 隆一
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, pp.800-805, 1961
被引用文献数
5

The simultaneous determination of microgram to submicrogram amounts of molybdenum, tin, tantalum and tungsten in silicate rocks was arrived at using the Japanese neutron reactor JRR-1. A sample and comparative standard were irradiated simultaneously with a neutron flux of about 3·10<sup>11</sup>n·cm<sup>-2</sup>·sec<sup>-1</sup> for 3 days (intermittently, 5 hr each day).<br>After cooling for a day, the sample was decomposed with sulfuric and hydrofluoric acids in the presence of carriers and lanthanum hold-back carrier. Following the removal of lanthanide activities as fluorides, the fluoride complex of tantalum was extracted by isopropylacetone. Tin and molybdenum was precipitated with hydrogen sulfide from the remaining activities in the aqueous phase, to which boric and tartaric acids were added to mask hydrofluoric acid and tungstate ions, respectively. The α-benzoinoxime precipitation method was then applied for the recovery of bulk of tungsten in the filtrate from the sulfides. Further decontamination chemistry was carried out for each element.<br>The amount of the elements was estimated by comparing <sup>99</sup>Mo(67 hr), <sup>121</sup>Sn(27.5 hr), <sup>182</sup>Ta(111d) and <sup>187</sup>W(23.9 hr) β-activities isolated from the sample with those from the comparative standard. Sensitivities of the method were 1 ppm for Mo and Sn, 0.1 ppm for Ta and 0.01 ppm for W.