著者
山本 隆啓 沖野 せつ子 藤嶋 厚志
出版者
医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
雑誌
昭和病院雑誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.71-78, 2006

当フェニックスデイサービスでは、H17年1月からパワーリハビリテーションを導入した。トレーニングは午前10時からと午後1時からの2部構成で行い、準備及び整理体操とコーヒーブレイクも含めて約2時間である。H17年8月にパワーリハビリテーションの効果を調べるため、アンケートをとり、精神面での活動性の向上を確認する事が出来た。身体機能評価では、いくつかの項目において効果が認められた。男性の52.6%、女性では75%の方々が、「体が軽くなった」と回答。女性の87.5%の方々が、「日常生活が楽に感じるようになった」と回答した。また、女性では50%、男性でも42.1%の方が「パワーリハビリテーションを受けられて、日常生活に活気が出てきた」と回答している。
著者
細田 浩 山下 脩二 山本 隆太
出版者
法政大学地理学会
雑誌
法政地理 (ISSN:09125728)
巻号頁・発行日
no.48, pp.33-46, 2016-03

A.v.フンボルトの著書及びフンボルトに関する評論について検討し, 現代の地理学ないし科学におけるフンボルトの業績と, その意味を検討する. 取り上げた文献は「フンボルト自然の諸相」「新大陸赤道地方紀行」「経験論と地理学の思想」「コスモス」である. 考察した結果,フンボルトは近代科学の黎明期にあって, 天文学・地理学・植物学・岩石学・地球科学・社会学などさまざまな分野の緒を開いていること,そして経験論を経て最終的には宇宙全体の調和のある全体像の法則を探っていたと考えられる. 現代の総合的な生態系としての地球観からフンボルトの価値を再認識すべきであろうと考える.
著者
山本 隆一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

機構では、昨年5月以降、茨城県、福島県において双方向性確保に留意した放射線に関する勉強会を展開している他、ホールボディカウンタを用いた福島県民の内部被ばく検査に併せた双方向コミュニケーション活動を行ってきており、それらの参加者にアンケートをお願いして来ている。今般、その一部について解析したので、以下3件のシリーズ報告を行う。本報告では、これら3つの活動の特色とアンケート解析から見えた特徴について比較評価し、以降の議論の導入とする。
著者
山本 隆一
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.85-93, 2016

我が国は医療の情報化自体は先進的であったし,現在でも情報システムの導入率という観点では世界の最高水準にある。しかし,情報化の目的は,事務処理の合理化が主体であり,情報を公益目的に利用する二次利用の面においては遅れていたと言わざるを得ない。しかし最近になって,我が国にも大規模な医療情報データベースが構築されるようになったが,それに伴い,公益利用とプライバシー保護の対立的な問題が顕在化してきた。例えば高齢者の医療確保に関する法律に基づいて作成されたレセプトおよび特定健診・保健指導のデータベースは一般的な公益利用に関して根拠法には記載がないために,利用に際して厳格な匿名化が求められ,安全管理に関する要求も厳しく,公益研究にとって使いやすいデータベースとは言えない。一般に,公益目的の研究を行う研究者がプライバシーの侵害を意図的に行う可能性はないと考えられるが,法的な要求自体が曖昧であるために,研究が促進されない可能性もある。医学は診療情報の公益利用なしには発展はあり得ないので,明確で研究者にとっても患者にとってもわかりやすい法制度の整備が強く望まれる。改正個人情報保護法が2015年9月に成立したが,政令や指針の整備は2017年と思われる法の実施までに議論される。医療に関するデータベース研究者はこれの議論を注視すべきであるし,必要な場合は適切な提言を行うべきと考えられる。
著者
山本 隆 大村 博 森屋 泰夫 鈴木 信吉 押部 義宏 杉浦 基之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1992, no.11, pp.1269-1278, 1992
被引用文献数
4

新しいタイプの有機過酸化物を用いてラジカル反応による,ブロック,グラフトコポリマーの新しい工業的製法を開発した。<BR>ブロックコポリマーの合成には,分子中に数個のO-O結合を持つポリ過酸化物を使用する。すなわち,ポリ過酸化物で第一モノマーを重合させて,分子中にO-O結合を持つPM,を合成し,このもので第ニモノマーを重合させてPM<SUB>1</SUB>-b-PM<SUB>2</SUB>が得られる。グラフトコポリマーの合成には,O-O結合を分子中に持つモノマーと第一モノマーを,このO-O結合の分解温度以下の温度で共重合させて,O-O結合をペソダントに持つPM1を合成し,このペソダソトO-Oに第ニモノマーを付加重合させてPM<SUB>r</SUB><SUB>9</SUB>-PM<SUB>2</SUB>を合成した。酢酸ビニルとスチレンを同量もちいた場合の生成ポリマーはそれぞれ,PVAc-b-PS,84%,PVAc,6,PS10およびPVAc-9-PS,59,PVAc17,PS,24であった。また,O-O結合をペンダントに持つポリマーとポリオレフィンを加熱混練して,(ポリオレフィン)-g-(ビニルポリ0マー)を合成した。ポリプロピレンにポリスチレン(713wt)をグラフトさせた場合のグラフト効率は59%であった。<BR>得られた種々のブロック,グラフトコポリマーは,すぐれたポリマー表面改質剤,物性改良剤,相溶化剤としての機能を示した。
著者
山本 隆儀 須貝 恵美 仁井田 貴之
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.787-799, 1996-03-15
被引用文献数
3 2

裂果感受性の異なるリンゴ15品種およびオウトウ8品種を用いて, 果実の最終果径 (横径と縦径) に対する果径の日平均変化率などの果実肥大特性を調査し,これらと可視亀裂量による裂果感受性との間の関係を調査した. さらに果実肥大特性と収穫期の果皮の物理性および肉眼では確認することのできない微細亀裂量との間の関係についても調査した.<BR>1.リンゴでは開花後約1ヵ月の横径の平均日変化率と裂果感受性の4指標 (CI, MDR, MDLおよびMDR+MDL) との間に正の有意な相関が認められた.また, 横径と縦径の変化率の差としての横方向への肥大の歪みの程度, あるいは肥大の非円滑性の程度と裂果感受性との間にも正の有意な相関が認められた.<BR>2.オウトウでは縦状の平均亀裂密度と横方向の果径の変化率, あるいは横方向への歪みの程度との間に高い正の有意な相関が認められた.<BR>3.リンゴでは横方向の果径の変化率, 横方向の歪みの程度および肥大の非円滑性の程度と収穫期の果皮の強度との間に負の相関が認められた. また, リンゴとオウトウの両者において, これらと果皮の縦方向の伸び長との問に正の相関が認められた.<BR>4.両樹種で上記の肥大の歪みや円滑でない肥大は微細亀裂量を増大させた.
著者
松浦 桂 山本 隆一郎 野村 忍
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.17-22, 2009-04-25

本研究では,ストレスークリーナー(SC-SX:株式会社テクノスジャパン製)の心理・身体的リラクセーション効果を検証した.対象者は44名(男性20名,女性24名,平均年齢34.14歳,SD=11.58歳)であった.対象者は,SC-SXの音楽付映像AおよびBを順に視聴した.心理指標の測定には,対象者の気分状態が用いられた.気分状態の測定には,Profile of Mood State短縮版(POMS:横山,2005)を用い,映像視聴前(T1)・A視聴後(T2)・B視聴後(T3)の3時点で回答するよう教示された.POMSは,緊張-不安(Tension-Anxiety:T-A),抑うつ-落ち込み(Depression-Dejection:D),怒り-敵意(Anger-Hostility:A-H),活気(Vigor:V),疲労(Fatigue:F),混乱(Confusion:C)の6つの下位尺度から構成され,総合的な気分状態(Total Mood Disturbance:TMD)は,Vを除く全ての下位尺度を合計した点数からV得点を減じて算出された.生理指標の測定には生体信号(筋電位)が用いられた.生体信号は,周波数解析(FFT)を行われた後,2Hz〜40Hzのパワー値が3時点について記録された.記録された生体信号は,全て積算され,平均を求めたものがPCの画面上へ100指数で表された(以下,NB値:Numerical of biological signal).統計解析には,映像視聴時期を独立変数,POMSの各下位尺度得点平均値・総合得点(TMD)平均値・NB値平均値を従属変数とする1要因3水準の反復測定分散分析を用いられた.全ての下位尺度,TMD,NB値において,映像視聴時期の主効果が確認されたT-A,A-H,F,C,TMD:p<.001,V:p<.01,D:p<.05,NB:p<.10).単純主効果(Bonferoni法)の検討を行った結果,T1-T2において,全ての下位尺度およびTMDの有意な低減が確認された(ps<.05).T1-T3においては,D以外の全ての下位尺度およびTMDの有意な低減が確認された(ps<.01),また,T2-T3においては,T-AおよびNB値に有意な低減が認められた(緊張-不安:p<.01,NB:p<.10).以上の結果から,SC-SXの心理・身体的リラクセーション効果が確認された.
著者
梅枝 覚 松本 好市 北川 達士 野地 みどり 山本 隆行 石井 雅昭 成田 清 鳥井 孝宏 肥満 智紀 山崎 学
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.838-845, 2010 (Released:2010-10-15)
参考文献数
28
被引用文献数
1

環状自動縫合器(circuler stapler,PPH=procedure for prolapse and hemorrhoids)による痔核脱肛の手術は,1998年Longoによって発表された手術(粘膜環状切除術,以下PPH)であり,痔核口側の直腸粘膜を環状切除し,痔核脱肛を吊り上げ固定する術式で,疼痛が少なく,QOLにすぐれているため世界で広く行われるようになった.本邦でも2001年より各施設で施行され,術後疼痛の軽減,早期社会復帰,再発率において結紮切除術と比べても差がない,などとIII度内痔核には有用な手術術式と考えられる.一時期PPHによる合併症も報告されたが,PPH機種の改良,手技の向上により合併症が減少した.PPHの特性から,すべての痔核に適応はなく,適応基準を厳格にして症例を選択する必要がある.術者は他の治療法であるLEやALTAにも精通し,長所短所を理解のうえ,痔核・脱肛の適応を的確に判断出来る能力があり,PPHの特性と実技を充分会得したうえで行う手技である.適応症例においては非常に有用な手術と思われる.
著者
田中 勝弥 山本 隆一 渡辺 宏樹 星本 弘之 土屋 文人 秋山 昌範 大江 和彦
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.183-194, 2010 (Released:2015-02-20)
参考文献数
10

本稿では,地域医療連携を促進すべく,PKIを使用した診療情報交換のためのシステムを開発したので報告する.開発したセンター中継方式の送受信システムを使用して,医療機関等の間で暗号化された診療情報をS/MIME形式でやりとりすることとし,受信先機関のみが対象情報を復号可能な機構を持たせた.診療情報の暗号化に必要な公開鍵は,医療機関を対象とした組織向け公開鍵ディレクトリを開発しこれを利用した.さらに,救急診療向けの患者基礎情報を対象として本システムを活用すべく,一定期間の蓄積可能な機能を構築した.いずれの場合も,伝送システムでの診療情報の授受や蓄積は患者の同意を得て行われなければならず,患者自らが中継システム上の自身の診療情報の登録状態を直接参照し,制御する機能も持たせた.特にPKIをベースとした広域での医療機関間の情報連携を促進するためには,本研究で開発した公開鍵ディレクトリが有用であると考える.
著者
米田 力生 中路 貴彦 山本 隆範 山田 雅博 瀬戸 道生
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上の作用素、テープリッツ作用素、合成作用素がいつ閉値域を持つのかを特徴付けを行った。ベルグマン空間上での掛け算作用素に関しては勿論、一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上の掛け算作用素が閉値域を持つ必要条件に関する必要十分条件に関しては知られているが、テープリッツ作用素、ハンケル作用素がいつ閉値域を持つのかに関しては殆ど知られていない。そこで、シンボルを解析函数に限定して、サンプリング集合の特徴付けを行い、その解析結果を利用して、テープリッツ作用素及びハンケル作用素がいつ閉値域を持つかに関する結果を得た。
著者
田村 望 山本 隆彦 青木 広宙 越地 耕二 本間 章彦 巽 英介 妙中 義之
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.128, no.1, pp.150-151, 2008-01-01
参考文献数
4
被引用文献数
3 3

In Totally-Implantable Artificial Heart (TAH) system, Transcutaneous Optical Information Transmission System (TOITS) and Externally Coupled Transcutaneous Energy Transmission System (ECTETS) are effective for driving, controlling and monitoring the TAH. Using these systems, a patient needs to wear an optical coupler and a transcutaneous transformer separately, and then the patient's QOL (Quality of Life) will be deteriorated. Therefore, we research the energy and information transmission by wearing an unified transcutaneous transformer. In this paper, the unified transcutaneous transformer for the energy and information transmission was investigated. As a result, the unified transformer, by which the coupling between the energy and information transmission was reduced, was developed.
著者
大橋 晃太 横山 明弘 籠尾 壽哉 細田 亮 山本 隆介 米田 美栄 工藤 昌尚 朴 載源 上野 博則 矢野 尊啓
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.670-674, 2013 (Released:2013-08-02)
参考文献数
15

症例は53歳男性,2006年11月にPOEMS症候群と診断され,翌年2月に自家末梢血幹細胞移植(ASCT)を受けた。2011年7月に両側胸水貯留による呼吸困難と,全身性浮腫が出現した。血漿vascular endothelial growth factor (VEGF)およびM蛋白が増加し再発と診断された。lenalidomide/低用量dexamethasone (Ld)療法により体液貯留は速やかに改善し,11コース実施後も増悪なく経過している。ADLは全介助から軽介助立位可能なレベルまで改善した。最近lenalidomideの本疾患への使用報告が増加しているが,浮腫の改善だけでなく溢水症状が急速に改善した報告はない。水分貯留傾向が著明なPOEMS症候群においてLd療法は有効な治療選択肢である。
著者
小早川 光郎 山本 隆司 太田 匡彦 山本 隆司 太田 匡彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、2004年に行われた行政事件訴訟制度改革に対して、理論的側面及び実際的側面から検証を加えた。理論的側面からの検証の主たる成果として、原告適格、義務付け訴訟、差止訴訟を中心に、その理論的基礎及び法的問題点等を明らかにした。かかる理論的側面からの検証の成果を前提として、主として2004年改正後に出された裁判例の分析を行い、処分性、原告適格、義務付け訴訟を中心に、制度改革による実際的影響を明らかにした。
著者
山本 隆儀 宮本 健一 佐藤 嘉一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.101-108, 2005-03-15

かん水処理を施したオウトウ樹の微風条件下における葉面光合成光量子フラックスおよびみかけの光合成速度を多数測定した.この結果から, 葉温と気温を用いた葉面光合成光量子フラックスの重回帰推定式を得た.さらに, この3者と時期・時刻の要因を用いたみかけの光合成速度の重回帰推定式を得た.非冷却方式携帯型サーモグラフィ装置により, 側枝葉層の熱画像データを得た.この熱画像データと上記2つの重回帰式を結合することにより, 画素単位のみかけの光合成速度の値と葉面光合成光量子フラックスの値の推定計算, 両値の分布画像の表示およびデータ出力を極めて短時間内に可能にするシステムを作成した.
著者
倉田 征児 植田 茂紀 野田 俊治 山本 隆一 角屋 好邦 中野 隆 田中 良典 馬越 龍太郎
出版者
大同特殊鋼株式会社
雑誌
電気製鋼 (ISSN:00118389)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.239-244, 2008-08-25 (Released:2008-12-26)
参考文献数
7

Advanced 700 ℃ class steam turbines require using Ni-based superalloys instead of conventional ferritic 12Cr steel which is insufficient in creep strength and oxidation resistance above 650 ℃. The superalloys, however, possess quite higher coefficient of thermal expansion (CTE) than the 12Cr steel. So far authors examined the influence of alloying elements on CTE and the high temperature strength of the Ni-based superalloys. Consequently “LTES700R” was developed for steam turbine, which has low CTE and sufficient creep strength. LTES700R is corrected Mo amount to inhibit the Laves phase and added W to reduce CTE instead of Mo within the range that alfa-tungsten does not precipitate. In addition, Al and Ti, which form gamma-prime, were increased to make up for deteriorating of the strength by Laves phase free. The creep rapture strength of LTES700R manufactured by laboratory forging is higher than that of advanced 12Cr steel owing to be strengthened by gamma-prime [Ni3(Al, Ti)] phase precipitates. The CTE of LTES700R is lower than that of Refractaloy 26®, and slightly higher than that of 12Cr steel. The phase of LTES700R is stable until 5000 hr heating from 550 ℃ to 750 ℃.