著者
山本 喜久
出版者
国立研究開発法人科学技術振興機構
雑誌
源流 (ISSN:13453610)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.2, pp.1-5, 2000 (Released:2000-11-30)
参考文献数
14

極低温に冷やした半導体(GaAs)に作成した二次元電子ガスがフェルミ縮退していることを利用して、電子衝突過程の量子干渉効果とアンチバンチング性の直接観測に成功した。量子干渉効果は電流雑音(ゆらぎ)から観測し、アンチバンチング性については量子ポイントコンタクトから放出される電子の負の強度相関により観測した。
著者
砂村 倫成 野口 拓郎 山本 啓之 岡村 慶
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.1160-1173, 2009-12-25 (Released:2010-03-23)
参考文献数
59
被引用文献数
3 2

Hydrothermal circulations supply a huge amount of chemical species into the deep sea. More than 99% of chemical species emitted from high-temperature hydrothermal fluids flow into the deep sea and construct deep-sea hydrothermal plumes. Observations of hydrothermal plumes have led studies of deep-sea hydrothermal vents, such as locating deep-sea hydrothermal vents, locating deep-sea volcanic eruptions, and calculating geochemical fluxes from sub-seafloor to deep ocean. Hydrothermal plumes affect the microbial community in deep seas by supplying many reduced chemicals, which are possible energy sources of chemolithotrophic microbes. This paper (1) reviews physical, chemical, biological studies of hydrothermal plumes and (2) discusses novel field survey technology and ecological infection of sub-seafloor to the deep-sea environment.
著者
山本 麻由美
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.8-19, 2016-10-30 (Released:2018-11-01)
参考文献数
34

スウェーデンでは,1990年代以降に経済政策を転換したため,スウェーデンモデルが変化したと指摘されている。その結果,失業の状況をみると,1990年代以降,若者の有期雇用の増加による多数の短期的な失業と,それ以外の障害者,移民,低学歴者,中高年に集中している長期的な失業に二極化していた。同時期に社会保障制度では貧困リスクや受給者増の変化を受け止めつつ,それぞれの給付で受給者を労働市場に押し出す方向の変更がなされた。結果として,公的扶助制度が最後の砦として失業者の生活を支えている。スウェーデンの社会保障制度は,その創設期には公的扶助の対象に失業者を含まず雇用政策で対応する方針をとっていたが,公的扶助制度における82年の法改正と実際の運用状況から判断して,社会保障制度の体系においてもスウェーデンモデルが変化したということができる。
著者
河村 宜克 藤田 基 井上 智顕 山本 隆裕 古賀 靖卓 八木 雄史 中原 貴志 戸谷 昌樹 金田 浩太郎 鶴田 良介
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.552-556, 2023-08-31 (Released:2023-08-31)
参考文献数
9

トンネル内で急性一酸化炭素(carbon monoxide,以下COと略す)中毒患者が多数発生した事例において,隣県のドクターヘリコプター(以下ドクヘリと略す)とともに傷病者7例を高気圧酸素(hyperbaric oxygen,以下HBOと略す)治療装置のある4施設に分散搬送したので報告する。トンネル内で作業員が倒れているとの情報で,ドクヘリが覚知要請された。 現場到着時,傷病者はトンネル内で,発電機を複数台持ち込み作業していたとの情報から,急性CO中毒を疑った。傷病者は7例で19〜58歳,全員歩行不能であり,JCS 1桁であった。 経皮的カルボキシヘモグロビン濃度は,測定可能であった4例では30%前後であった。最終的に救急車で直近のHBO治療装置保持施設に3例,次に近い施設に1例搬送した。山口県ドクヘリで2例,広島県ドクヘリで1 例をさらに離れたHBO治療装置保持施設2施設へ分散搬送した。
著者
佐久間 陽子 保科 敬子 本間 文子 山口 香織 山本 彩恵子 加賀 三司
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.223, 2007 (Released:2007-12-01)

〈緒言〉当透析室では患者の高齢化と糖尿病 性腎症が誘因となり、起立性低血圧をきたし、意識消失・転倒などのリスクの高い患者が増えている。 それらの患者に対し、先行研究を基に起立 性低血の改善を目的とした透析後運動療法を行った。その結果、血圧差(透析終了止血後、臥位収縮期血圧と立位収縮期血圧との差。以下血圧差と略す)の改善に効果的であったので報告する。 〈方法〉期間:平成18年3月~10月 対象:透析後の起立性低血圧があり、立位で帰宅が可能な患者の内、研究に同意が得られ、運動療法が6ヶ月間継続できた14名。 年齢: 65歳未満2名 65歳以上12名 原疾患:糖尿病性腎症7名 腎炎他7名 実施方法:運動実施前(3月):透析終了し止 血後の臥位血圧とその直後の立位血圧を測定をする。運動実施後(4~9月):透析終了し止血後臥位で血圧測定をし、8分間の運動実施後立位で血圧測定をする。運動実施前・後期間の離床時間を測定する。運動方法 臥位:_丸1_両膝伸展し足の背屈・底屈(2分) _丸2_両肘関節屈曲・伸展を行いながらジャンケ ン運動(3分)_丸3_両膝屈曲位から片脚ずつ伸 展挙上(2分)端座位_丸4_足踏み(1分) 用語の定義:起立性低血圧=透析後の起立時収縮期血圧が20mmHg以上低下する状態 離床時間=透析終了後、立位血圧測定時から歩行でベッドを離れるまでの時間。 離床時間:透析終了後、立位血圧測定時から 〈結果〉 図1より全対象者の運動実施前後の血圧差の平均は、運動実施前46mmHg運動実施後28mmHgであった。結果、運動実施後、血圧差が18mmHg小さくなった。運動実施前後で一番変化がみられた例では、38mmHgの差があった。対象者14名のうち運動実施前後の血圧差で有意差がみられたのは10名、有意差がみられなかったのは4名であった。 全対象者の血圧差と離床時間の相関関係は各 月の離床時間の平均と血圧差の平均から相関 係数r 0.94001となり、相関関係は強い。よ って、血圧差が小さい程、離床時間が短い。 全対象者の血圧差と体重増加分の相関関係 は各月の体重増加分の平均と血圧差の平均から相関係数r 0.08015となり、血圧差と体重増加分の相関関係はほとんどなかった。

1 0 0 0 OA 高性能減水剤

著者
山本 常夫
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.32-38, 1988-03-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
18
著者
小倉 俊一郎 中山 沢 山本 新九郎 福原 秀雄 花﨑 和弘 井上 啓史
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.238-248, 2023-01-15 (Released:2023-01-15)
参考文献数
40

5-アミノレブリン酸(ALA)は生体内で合成されるアミノ酸の一種であり,ポルフィリンやヘムの前駆体である.がん患者にALAを経口投与した場合,腫瘍特異的なプロトポルフィリンIX(PpIX)の蓄積が認められる.ポルフィリンが蛍光物質であること,さらには可視光照射下において活性酸素種を発生させることを利用して,がんの光線力学診断(ALA-PDD)や光線力学療法(ALA-PDT)へ応用されている.休眠がん細胞は,腫瘍内の微小環境などの影響によって,細胞増殖が抑制されたがん細胞である.周囲の環境変化により再増殖をするうえ,化学療法や放射線療法に対して抵抗性を持つため,がんの再発と密接な関わりがあると考えられている.本研究では,ヒト前立腺がん由来細胞株PC-3を用いて,細胞密度に着目したin vitroにおける休眠がん細胞モデルを構築した.また,休眠がん細胞モデルにおけるALA添加後のPpIX蓄積およびPDT感受性の評価を行い,休眠がん細胞のALA-PDTに対する感受性が高いことを示した.さらに,休眠がん細胞モデルに対してマイクロアレイ解析を行うことにより,休眠状態への移行に付随して脂質代謝が亢進することを明らかにした.Acyl-CoA synthetase(ACSs)の抑制剤(triacsin-C)を添加することによって,PpIX蓄積が減少し,ALA-PDTに対する感受性が低下した.以上のことから,休眠状態への移行に付随するALA-PDTの殺細胞効果の亢進は,脂質代謝の亢進と相関するものであることが判明した.
著者
酒折 文武 山本 義郎
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.31-32, 2023 (Released:2023-08-18)
参考文献数
3
著者
山本 忠
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
畠中 香織 山本 恵美子 田中 共子
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
Journal of Health Psychology Research (ISSN:21898790)
巻号頁・発行日
vol.33, no.Special_issue, pp.241-248, 2021-03-18 (Released:2021-03-24)
参考文献数
34

The appreciation expressed by older Japanese adults receiving care from foreign health care workers and the influence of cross-cultural care on successful aging were investigated. Data were collected from older adults in care facilities with and without foreign health care workers through semi-structured interviews and a questionnaire packet that included the Geriatric Depression Scale (GDS), the Meaningful Life Scale, a measure assessing perceived health status, and questions on relations with foreign care workers. The results of semi-structured interviews indicated that older adults had positive attitudes about foreign health care workers. Moreover, the “positive feelings” factor in the relationships with foreign health care workers significantly affected the GDS score. It was concluded that foreign health care working in care facilities improved older adults’ well-being and contributed to successful aging.
著者
山本 真理
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.99-113, 2011 (Released:2017-02-17)
参考文献数
15

本稿では「~が『~』と言ってくる」という同じ構造をもち,引用句だけが異なる次のような例を扱う。次の例はいずれも「言ってくる」を使用し,引用句のみが異なる文であるが,自然さには違いがある。しかし,「言う」や「(テ)クル」の先行研究からだけではその違いを説明できない。 ○ 先生が「ちょっと手伝ってくれない」と言ってきた。 ? 先生が「富士山は日本で一番高い」と言ってきた。 本稿では,これらの自然さの違いを語用論的観点から分析した。その結果,「言う」が持つ性質の「発語行為を表現することはあっても,発語内行為を示すことはない」こととは異なる性質が「言ってくる」の使用に観察された。本稿ではその性質を「策動性」と呼び,その発話の結果である「聞き手への効果まで意図しているという発話の性質」と定義した。また,「言ってくる」で示される「策動性」は伝達者の表現意図であることについても述べた。
著者
日置 和昭 藤原 照幸 本郷 隆夫 山本 剛一 中岡 明
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.15-22, 2023 (Released:2023-03-25)
参考文献数
8

本研究では,廃棄物資源循環という観点から,廃ガラスカレット (GC) を圧密促進工法の一つであるサンドドレーン (SD) 工法の中詰め材料として有効利用するため,GC や SD 材として適用実績のある海砂,さらには SD 材としては不適応な山砂 (まさ土) に GC を混ぜた GC 混合砂を対象に,1/10 モデルの圧密土槽試験を考案・実施し,GC の SD 材としての適用性について実験的考察を行なった。その結果,① GC を用いた SD と海砂を用いた SD の圧密促進効果 (圧密速度) は,ほぼ同等と評価できること,② 山砂 (まさ土) も GC と混合させ粒度改良を施すことにより,海砂とほぼ同等の圧密促進効果 (圧密速度) を期待できること,③ 透水係数 ks が 5.5 × 10−5 ~ 1.7 × 10− 3 m/s の範囲にある SD 材では,圧密促進効果 (圧密速度) に大きな差異は現れないことが明らかとなった。
著者
宮本 友樹 山本 隆太郎 片上 大輔
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.731-735, 2023-08-15 (Released:2023-08-16)
参考文献数
10

本研究では,対話型擬人化エージェントの受容性について,日米比較の観点で議論する.具体的に,「調査1:社会に進出するロボットとの対話に関する受容性のオンライン調査」および「調査2:対話型擬人化エージェントとの対話を想定した言語的配慮の印象評価」を実施する.調査1では,固有の擬人化エージェントを指定せず,社会に参画するロボット全体に対して抱いている否定的態度と不安印象を評価する.調査2では,対話型擬人化エージェントと対話する想定の動画を実験参加者に視聴してもらい,その印象を評価する.これらの調査の結果,アメリカ人参加者は擬人化エージェント全体に対する否定的態度や不安な印象が日本人参加者より強い傾向にあったが,その一方で擬人化エージェントと疑似的な対話を行なうシチュエーションにおいてアメリカ人参加者に対する受容性を日本人参加者よりも高めることが可能であることが示唆された.