著者
山田 恭平 加藤 貴志 外川 佑 藤田 佳男 三村 將
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.239-246, 2018-06-30 (Released:2019-07-01)
参考文献数
27
被引用文献数
7 2

4 つの下位検査からなる脳卒中ドライバーのスクリーニング評価日本版 (J-SDSA) が開発されたが, 本邦における参考値は明確になっていない。そこで本研究の目的は, 脳損傷者において J-SDSA を用いて運転可能と判断される各下位検査のカットオフ値を示すこと, さらに得られたカットオフ値と下位検査の組み合わせから実車評価結果の予測精度を明らかにすることとした。対象は 7 施設, 94 名の脳損傷者である。対象者には J-SDSA を施行し, その後実車評価を行った。実車評価の結果は, 教習所指導員の判定に基づいて運転可能群と運転不適群に分類された。群間比較では, J-SDSA の方向, コンパス, 道路標識の得点で有意差を認め, 可能群の成績が良好であった。上記 3 つの検査のカットオフ値を算出し, 検査の組み合わせを検討したところ, 3 検査ともカットオフ値を上回った対象者については 80%以上の精度で運転可能と予測できた。また, 3 つとも下回った対象者については運転不適と予測できた。
著者
山田 忠史 中村 昂雅 横山 大河 谷口 栄一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.272-284, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
45

本研究は,均衡制約付き数理計画問題の枠組みで,サプライチェーンネットワーク(SCN)と交通ネットワーク(TN)を統合したスーパーネットワークを対象に,TN上の離散設計変数の値を最適化するモデルを提案する.このモデルの上位レベルは,TN上のリンクの組み合わせ最適化問題に相当する.一方,下位レベルには,サプライチェーンとマルチモーダル交通のスーパーネットワーク均衡モデルを採用し,スーパーネットワーク上の各主体,すなわち,製造業者,卸売業者,小売業者,消費市場,物流業者,旅客の行動が記述される.このモデルを用いて,TN上のリンクの新設・改良によるSCNの効率性向上(TNの最適設計),および,リンクの途絶によるSCNの余剰低下(TNの脆弱性評価)について,基礎的検討を行う.
著者
岡村 明浩 山田 祥朗 堀江 則行 三河 直美 宇藤 朋子 田中 悟 塚本 勝巳
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.786-792, 2009 (Released:2010-01-17)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2

ウナギ卵の孵化と仔魚の生残,成長に及ぼす銀イオンの影響を調べた。硝酸銀の濃度 0.1 mg/L 以上で孵化率は低下したが,仔魚の生残率は 1 mg/L でも 24 時間は 0 mg/L の対照区と変わらなかった。抗菌作用は 1 mg/L 以上で認められた。最大 1 mg/L の硝酸銀を水に 1 日 4 回添加し仔魚を飼育すると,飼育槽壁面の生菌数は銀添加区で有意に低かった。しかし,飼育水中の生菌数は銀添加区も対照区も差がなかった。長期飼育では,60 日齢まで添加区の生残率は対照区より有意に高く,銀添加の効果が認められた。
著者
玉川 えり 松岡 有子 角谷 佳城 山田 正一 藤田 篤代 三家 登喜夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.247-253, 2023-04-30 (Released:2023-04-30)
参考文献数
23

近年,インスリンアナログ製剤が広く用いられているが,これら使用者の抗インスリン抗体を測定し,その有無と臨床像を検討した.初めてのインスリン治療に際し,同一製剤(ヒト:22名,アスパルト:31名,リスプロ:23名,グラルギン:23名)を1年間以上使用している2型糖尿病患者を対象に,抗インスリン抗体を放射免疫測定法(抗原:ヒトインスリン)で測定した.その結果,抗体陽性者はヒト:0 %,アスパルト:58.1 %,リスプロ:39.1 %,グラルギン:34.8 %であった.アナログ使用者で,体格指数,HbA1c,インスリン治療期間,併用糖尿病薬の有無で補正した検討で,1日インスリン投与量は,抗体陽性群で有意に(p=0.009)多かった.その増加分は陰性群の34.3 %であった.以上より,アナログ使用患者では,かなりの高頻度で抗インスリン抗体が認められ,治療に際しより多くのインスリンを必要としていた.
著者
山田 順也 竹林 崇 福山 千愛
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.539-546, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
15

身体機能障害に加え,アパシーによる意欲低下や抑うつ症状が出現した脳卒中患者を経験した.事例は介入初期より意欲低下を認め,具体的な目標設定が困難であった.また,経時的に抑うつ感・不安感が出現し,精神機能の評価結果が悪化した.これらの症状に対し,複数のポジティブな視覚フィードバックを用いて,身体機能に対する介入の効果が分かりやすくなるように提示した.結果,アパシーや抑うつの改善とともに言動変化を認め,具体的な目標共有が可能となった.本事例報告において,脳卒中後にアパシーや抑うつを呈した事例に対し,ポジティブな視覚フィードバックを用いた介入は,精神機能の改善や行動変容を促進する可能性が示された.
著者
山田 協太 布野 修司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.585, pp.87-94, 2004-11-30 (Released:2017-02-09)
参考文献数
26
被引用文献数
1

This paper intends to clarify block formation and house types of Fort Cochin, India, while highlighting their transformation process. The research project on which this paper is based was launched under the title 'Field Research on Origin, Transformation, Conversion and Conservation of Urban Space of Colonial Cities', the major targets of which are Dutch colonial cities. To compare colonial cities all over the world, in terms of spatial formation and transformation, is the ambitious objective of this project. In Cochin, Dutch developed the form of town houses, for high-density living. The purpose of this project is to elucidate the Dutch way of construction of houses in their colonial cities. Dutch occupied many strongholds, which once belonged to Portuguese at early colonial period. They remodeled them and established new forts and cities. Fort Cochin is a good example of these reconstructions. This paper clarifies the spatial organization of Fort Cochin, by analyzing distribution pattern of its facilities, based on field surveys. Consequently, this paper focuses on residential typology of Fort Cochin identified according to their physical features and planning parameters. Finally, the transformation of these residential types processes are highlighted.
著者
史 金星 山田 陸人
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.89, no.922, pp.23-00054, 2023 (Released:2023-06-25)
参考文献数
20

Lure fishing is a well-known type of fishing that uses artificial lures instead of traditional live baits. Vibratory lure is a kind of lures performs greater vibration behavior than other kinds of lures. In common, more excellent vibration behavior of vibrating lure can attract carnivorous fish more efficiently. Up to now, lure design is generally based on the intuition of the designer, and there is little academic research on vibrating lure. In this study, we build the finite element model of a commercial vibration lure using a 3D scanner at first. Then, fluid–structure interaction (FSI) analysis is carried out to reproduce underwater motion of the vibration lure, where we can calculate the frequency of the flow induced vibration (FIV). Finally, in order to obtain the best FIV behavior of the vibration lure, based on the simulation results of FSI analysis, we perform structural design optimization of the vibration lure using the Box-Behnken design method, which belongs to the response surface methodology. In the structural design optimization, we set three design variables, which are the positions (x and z) of the weight placed in the lower part of the lure, and the eye position (i.e., the knot position between fishing line and lure) along the lure body. According to optimal results, the highest frequency of the FIV can reach 7.07 Hz. However, the present work is still in the early stage of the academic research on lure design, we aim to develop more optimization method for lure design that make lure fishing more interesting for both beginners and anglers.
著者
斑目 広郎 広瀬 学 広瀬 みさき 佐藤 加奈子 森 恵 山田 一孝
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.e183-e186, 2023 (Released:2023-08-05)
参考文献数
9

16歳齢,避妊雌猫が肛門左側にできた潰瘍化した皮膚腫瘤を主訴に個人動物病院に来院した.切除腫瘤の病理組織学的検査を実施し,肛門囊腺癌と診断後,第82病日に死亡した.死後CT後に病理解剖を実施し,局所再発と全身多発転移を伴う両側性肛門囊腺癌と診断した.
著者
上田 凌大 今井 啓輔 山田 丈弘 猪奥 徹也 長 正訓 崔 聡 徳田 直輝 山本 敦史 加藤 拓真
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.303-309, 2023 (Released:2023-07-25)
参考文献数
21

【背景および目的】中大脳動脈水平部開存型の内頸動脈閉塞症(ICOPM)に対する急性期血行再建術(EVT)の成績と転帰関連因子を明らかにする.【方法】2014年5月から2021年7月にEVTを実施した511例中,ICOPM例を対象とし,背景因子と時間指標,治療内容,手術成績を検討した.対象を転帰良好群(3カ月後mRS 0–2:G群)と転帰不良群(同3–6:P群)に分類し,比較した.【結果】対象は36例で年齢85歳,NIHSS 17.5点,発症–来院時間200分,穿刺–再開通時間(P2R)84.5分(中央値),術中血栓移動9例,有効再開通32例であった.G群は13例でP群と比較しP2Rが短かった.【結論】EVTを受けたICOPM例は36例で,有効再開通32例,転帰良好13例と成績不良ではなかった.転帰良好例ではP2Rが短かったが,ICOPMは複雑な病態であり,P2R短縮が転帰改善に直結するとはいえない.
著者
山田 敏郎 可児 弘毅 生田 耕治
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.47, no.415, pp.450-460, 1981-03-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
19

衝撃超高圧力研究用に超高速飛しょう体発射装置(二段式軽ガス銃)が試作され, その性能の数値解析が試みられた. 試作装置により16.4gの飛しょう体が3.57km/sまで加速・発射された. 発射実験結果と性能解析の予想値との良い一致により, 解析法の妥当性が確かめられた. 性能解析により, 試作装置は9.5gの飛しょう体が5km/sまで加速できることおよび発射速度支配因子のうち, 特に装薬量と飛しょう体質量の影響が大であることなどが明らかにされた.
著者
上野 伸哉 古川 智範 二階堂 義和 下山 修司 柴 祐子 山田 順子
出版者
弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会
雑誌
弘前医学 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2-4, pp.105-109, 2016 (Released:2021-06-01)
参考文献数
3

γ-aminobutyric acid (GABA)は成熟脳における主要な抑制性神経伝達物質であり,対応する受容体としてGABAA およびGABAB 受容体が存在する.GABAA受容体はGABA が結合することによりCl⁻イオンに選択性をもつイオンチャネルで,神経細胞膜電位の過分極をきたし,最終的に活動電位発生抑制をもたらす.このGABA 作動性の抑制機構はダイナミックに制御されていることが近年明らかとなってきた.この制御メカニズムを,①細胞内Cl⁻濃度制御,②GABAA 受容体サブユニット発現による制御,③受容体分布にかかわる受容体輸送(トラフィッキング)機構に焦点をあてて紹介する.
著者
山田 大地
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1_49-1_65, 2019 (Released:2019-03-08)
参考文献数
43

本研究は,タジキスタンにおける親の出稼ぎ労働移民が子供の教育投資に与える効果を,実証的に分析する.労働移民は所得向上を通して教育投資を促進しうる一方,教育投資を抑制する様々な副次的な効果も持ちうる.分析結果は,移民の内生性を考慮した上で,親の労働移民が女子の後期中等教育就学を抑制する一方,男子に対しては影響を持たないことを示した.このことは労働移民送出が教育の男女間格差を広げていることを示唆する.
著者
山田 佳之
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.260-266, 2020 (Released:2020-06-12)
参考文献数
57