著者
伊藤 佳洋 山田 雅行 岡部 登 野津 厚 長尾 毅 高橋 宏彰 水谷 亮祐
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_401-I_407, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
30

海溝型巨大地震による強震動の波形,スペクトルなどを高精度で再現できる震源モデルとして野津らによりSPGAモデルが開発されている.このモデルで歴史地震の震度データを満足するように震源モデルの作成を行えば,歴史地震の再来を想定した被害予測などに適用することが可能となると考えられる. そこで本研究では,1703年元禄関東地震の実際の震度分布と整合するようなSPGAモデルを作成することを試みた.SPGAの位置,パラメータを,実際の震度と計算結果の震度の相関を見ながら選定した結果,概ね震度分布と整合するSPGAモデルを設定することができた.
著者
酒井邦嘉作 山田和明絵
出版者
明治書院
巻号頁・発行日
2011
著者
川又 寛徳 山田 孝 小林 法一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.73-81, 2012 (Released:2014-04-24)
参考文献数
28
被引用文献数
10

目的 予防的•健康増進作業療法プログラムが,地域に在住する健康高齢者の QOL の身体の痛みに関する領域,心理的領域,環境領域,そして生活満足度に与える効果をランダム化比較試験によって検証する。方法 研究デザインはランダム化比較試験であった。対象は65歳以上の健康な高齢者で,全国 5 か所で,新聞広告等で募集し,募集に応じた220人を,各地区を層としてランダム化し,実験群111人と対照群109人とに割り付けた。実験群は,作業療法の概念的実践モデルである人間作業モデル(以下,MOHO)の構成要素である「能力の自己認識」,「価値」,「興味」,「役割」,「習慣」,「運動技能」,「処理技能」,「コミュニケーションと交流技能」,「物理的環境」,「社会的環境」の10の概念の講義と演習を実施する MOHO プログラム群,対照群は,作業活動を実施する活動群と,無治療群とした。先行研究で対照群内の 2 グループを併せて対照群としたため,今回も併せて対照群として解析をおこなった。プログラムは,実験群,対照群ともに原則として 1 回120分,月 2 回,全15回であり,2008年から2010年にかけて実施した。測定は,the MOS 36–Item Short–Form Health Survey(以下,SF–36)の身体の痛み(以下,BP),WHO/QOL 26(以下,QOL26)の心理的領域および環境領域,そして生活満足度指標 Z を,初回(T1)と最終回(T2)に実施した。実験群と対照群の変化量(T2–T1)の比較は t 検定を用いておこない,検定の有意水準は 5%とした。結果 フォローアップ率は実験群71%,対照群72%であった。解析対象は,欠損値のない実験群80人(71.1±4.68歳),対照群79人(71.4±4.66歳)で,年齢を含めたすべての項目において,ベースラインで 2 群間に有意差は認められなかった。変化量(T2–T1)の比較において,SF–36の BP と QOL26の環境領域は,対照群に対して実験群が有意に高かった(順に P=.05, P=.02)。結論 MOHO プログラムは,健康な高齢者の老化の生理的変化に対処するニーズや,環境への影響に関するニーズに応え,QOL の身体の痛みに関する領域や環境領域に与える効果が明らかにされた。MOHO プログラムは,作業と健康に関するヘルスリテラシー(作業リテラシー)の向上を図る有効な介入方法として期待できる。
著者
山田 武史 所 寿洋 中島 忠司 中村 勇人 山野 健治 長井 孝之 笹川 雄司 一色 正男
出版者
一般社団法人 エネルギー・資源学会
雑誌
エネルギー・資源学会論文誌 (ISSN:24330531)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.39-46, 2023-01-10 (Released:2023-01-10)
参考文献数
10

In order to expand the use of renewable energy, a shift from "selling" to "self-consuming" of surplus electric energy generated by photovoltaic power generation (PV) is necessary. As for the means of the self-consumption, water heater with a hot water tank, which can store energy at relatively low cost as hot water, is attracting attention. Hybrid water heater, that has both an electric heat pump and a gas heat source, stores hot water to a relatively small tank compared to a simple electric heat pump water heater at less electric energy. Since it also has a gas heat source, there is no need to worry about running out of hot water even with a small tank. By combining a hybrid water heater and a storage battery system, an improvement of self power consumption ratio of PV energy is expected compared to the stand-alone usage of a hybrid water heater. This article reports the improvement result in an actual house. The self-consumption of PV energy used at the hybrid water heater was improved by 11.6 % in winter, 23.8 % in mid seasons, and 4.9 % in summer. Then the CO2 emission is reduced by 33 % a year.
著者
幸塚 久典 小野 廣記 山田 真悠子 木村 知晴 稲村 修
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.AA2023-10, 2023-05-15 (Released:2023-05-15)

ガンガゼモドキ Echinothrix diadema(Linnaeus, 1758)とアカオニガゼ Astropyga radiata (Leske, 1778)が島根県隠岐の島町(島後)の日本海で採集された。この2種のガンガゼ目ウニ類は、日本海側から初めての記録である。本報告では、採集した標本をもとに、両種の外見形態について記載した。今回記録されたガンガゼモドキとアカオニガゼは、インド・西太平洋に分布する熱帯・亜熱帯種であり、寒流域には侵入できない種である。したがって、これらの熱帯・亜熱帯の動物の出現が、近年の海水温の上昇に伴う長期的な変化によるものなのか、暖流の一時的な影響なのか、引き続き調査が必要である。
著者
宮本 直 伊藤 和憲 越智 秀樹 山田 充彦 大橋 鈴世 糸井 恵
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.384-394, 2009 (Released:2010-01-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 3

【目的】変形性膝関節症 (以下、 膝OA) に伴う運動機能と痛みに対し、 鍼刺入深度の違いが及ぼす効果を検討した。 【対象】膝OAと診断された患者のうち研究条件に適合した患者26名。 【方法】コンピュータによりA) 浅刺群 (3mm前後の刺入)、 B) 深刺群 (10~20mm刺入) の2群に分類し、 下肢の圧痛点10ケ所に対して10分間の置鍼を行った。 【評価】膝痛の主観的な評価としてvisual analogue scale (VAS) を、 運動機能の客観的な評価としてTimed Up & Go test、 20m歩行時間、 階段昇降時間を、 膝OAのQOL評価としてWestern Ontario and MacMaster Universities osteoarthritis index (WOMAC) をそれぞれ4週ごとに計4回記録した。 【結果】痛みの程度は両群ともに治療前と比較して有意に改善したが (p<0.05)、 客観的な運動機能はすべての測定項目において、 治療前と比較して浅刺群のみ有意に改善した (p<0.05)。 【結語】浅刺は痛みと運動機能を改善しQOL向上に寄与したことから、 膝OAの症状に対する、 より効果的な治療方法である可能性が示唆された。
著者
立田 真文 山田 宏志
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第22回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.80, 2011 (Released:2011-11-07)

釣りをする場合、針に餌をつけそのまま水に垂らしても、針は浮いてしまう。そのため、錘を着用するが、その錘は、コストの面と加工性の優位性によりそのほとんど鉛から作られている。一本釣りだけでなく、他の漁法である底引き網や定置網等の網の部分やそれを支えるロープの部分も、錘がなければ浮いてしまうので、鉛製の錘を装着することが当然のこととしてある。よって、現在の鉛の錘の代替品が見当たらない状況においては、漁業と鉛の関係は切り離すことができない状況である。 本研究では、寒ブリで有名な富山県の定置網における漁網を取り挙げ、その適正処理とリサイクルへの課題を検討した。
著者
山田敏弘著
出版者
[山田敏弘]
巻号頁・発行日
2017
著者
門間 陽樹 川上 諒子 山田 綾 澤田 亨
出版者
日本運動疫学会
雑誌
運動疫学研究 (ISSN:13475827)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.129-142, 2021-09-30 (Released:2022-07-12)
参考文献数
88

身体活動が健康の維持向上に寄与することは広く受け入れられており,国内外のガイドラインで身体活動の促進が推奨されている。一方,近年では,海外のガイドラインにおいて有酸素性の身体活動だけではなく筋力トレーニングの実施についても言及されるようになってきており,週2回以上実施することが推奨されている。このように,筋力トレーニングに関する研究は,スポーツ科学やトレーニング分野だけではなく公衆衛生分野にも広がり,健康アウトカムに対する筋力トレーニングの影響をテーマとした研究を中心に筋力トレーニングに関する疫学研究が報告されるようになってきている。そこで本レビューでは,新たな運動疫学研究の分野である筋力トレーニングに関する疫学研究について概説する。最初に,筋力トレーニングに関する用語の定義と整理を行う。次に,筋力トレーニングに関する歴史を紹介する。その後,死亡や疾病の罹患をアウトカムとした筋力トレーニングの研究を中心に解説し,最後に,筋力トレーニングの実施割合および関連要因について述べる。本レビューで紹介する研究の多くは海外からの報告である。日本で実施されている筋力トレーニングに関する疫学研究は,主に実施者の割合に関するものであり,特に,健康リスクとの関連に関する疫学研究は非常に限られている。今後,日本人を対象とした研究が数多く報告されることが期待される。
著者
渡部 龍 山田 真介 橋本 求
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.2160-2165, 2021-10-10 (Released:2022-10-10)
参考文献数
8

JAK(Janus kinase)阻害薬は,経口投与可能な低分子化合物であり,生物学的製剤と異なり,複数のサイトカインの細胞内シグナル伝達を阻害することにより,関節リウマチに対して有効性を示す.現在,我が国では5剤のJAK阻害薬が投与可能である.生物学的製剤と同等またはそれ以上の有効性を示すが,帯状疱疹等の副作用に注意を要する.今後,本邦における長期安全性の検証が重要である.
著者
和田 一成 臼井 伸之介 篠原 一光 神田 幸治 中村 隆宏 村上 幸史 太刀掛 俊之 山田 尚子
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.1-12, 2012-02-10 (Released:2013-09-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3

実験では,実験参加者(44名)が知覚判断課題を行うたびに常に試行数を確認するように言われ,半分の参加者には確認を省略すると10個の追加課題が課されるリスクが,もう半分には,省略により1個の追加課題が課されるリスクがあることが教示された。全8ブロック中4ブロックにおいて,半分の試行で試行数のメッセージが5秒遅れ(コスト大条件),残りの4ブロックでは半分の試行で2秒遅れた(コスト小条件)。実験参加者は,遅れて出るメッセージを確認しなくても次の試行に進むことができ,この行動を違反行動とした。結果は,コスト小条件よりもコスト大条件で確認の省略が多かった。この結果は,ルール違反における課題遂行コストの強い効果を示している。(表2,図7)
著者
山田 悟史
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究はドクターヘリ及びドクターカーの運用効果を算出し,基地病院とランデブーポイントの配置計画を検討したものである。運用効果の指標は,医師による医療行為開始時間,救命率,人口をもとにした4指標である。対象は関西広域連合とし,場外離着陸場のランデブーポイント化,三次救急病院を候補とした基地病院の追加の運用効果をGISと既往研究から算出した。これに基づき,場外離着陸場のランデブーポイント化,及び基地病院の追加の効果上昇が平坦化する施設数,効果が大きい適正配置を提示した。具合的な方法,数値や施設名称・位置については研究成果報告・発表済み原稿を参照して頂きたい。
著者
中川 善兵衛 小坂 丈予 浦部 和順 山田 久夫
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌 (ISSN:00214825)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.283-290, 1972-09-05 (Released:2008-08-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

The weathering process of quartz-diorite mass in Senmaya district, Iwate Prefecture, was studied from chemical and mineralogical angles. Especially the relationship between the compositional changes of the weathered rocks and their main constituent minerals was detailedly discussed. The non-altered quartz-diorite is chiefly composed of quartz, plagioclase, hornblende and biotite, together with few apatite and magnetite. As weathering proceeds, most of the primary minerals, plaigoclase, hornblende and biotite, are gradually eliminated and secondary minerals such as vermiculite, kaolin etc. appear in stead. The change in chemical composition of the weathered rocks is almost controlled by the solubility of each chemical component under netural conditions. Among the primary minerals, biotite is most sensitive for weathering, the sequence of the alteration being as follows:biotite-hydrobiotite-vermiculite-kaolin mineral In the earlier stage of the weathering, the alteration process of biotite was mostly affected by its original crystallographic structure, so that the change in chemical composition of that mineral differs markedly from that of the host rock. But it is also controlled by the solubility of each chemical component, thus the compositional change becomes to be similar to that of the host rock in the later stage.
著者
倉持 笑子 山田 洋輔 長谷川 久弥 丸田 沙也香
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.57-61, 2023-04-25 (Released:2023-04-25)
参考文献数
7

Background: Surfactants are produced sufficiently after 34 weeks of gestation as the fetal lungs mature. The stable microbubble test (SMT) evaluates fetal lung maturity. However, late preterm infants sometimes present with severe respiratory distress and require appropriate respiratory care.Methods: We reviewed 42 late preterm infants who underwent the SMT with gastric aspiration upon admission to our neonatal intensive care unit. The gestational age was 35.3 (34.6-36.0) weeks, and the birth body weight was 2,181 (1,971-2,527) g. We classified the patients into the premature and mature groups based on the results of the SMT. We investigated the results of the SMT in late preterm infants and compared lung maturity with the maternal and neonatal respiratory clinical courses.Results: There were 12 infants in preterm group (28.6%). The gestational age of the premature group was significantly longer, and the Apgar scores were lower in the premature group. Mothers of the premature group had significantly more cases of gestational diabetes mellitus. Respiratory distress syndrome was significantly more frequent, and infants in the premature group required invasive ventilation more frequently.Conclusions: We found that a small number of neonates produced sufficient surfactant, even in late preterm infants. It is suggested that the production of surfactants is related to gestational diabetes mellitus more than gestational age, and the SMT is useful in late preterm infants.