著者
住谷 賢治 馬場 泰行 猪股 伸一 豊岡 秀訓 幸田 幸直
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.120, no.7, pp.652-656, 2000-07-01
参考文献数
17
被引用文献数
8

Orally-disintegrating tablets of clonidine hydrochloride, an α_2-adrenergic agonist, were prepared by the method of drying an aqueous suspension. The suspension was prepared using powdered lactose, and the composition ratio was 2 : 1 (powdered lactose : 0.048% clonidine hydrochloride solution). The suspension was dried under 4±1℃(72±15% R.H.). We obtained tablets containing clonidine hydrochloride (40μg/tablet). Physical properties of the tablets were as follows : hardness was 4.0 kgf, and disintegration time was 41.7 s (in vitro). In the clinical use, 8 patients, aged 1-2 year and weighing 9-11 kg, received approximately 4μg/kg body weight as clonidine hydrochloride. The tablet was administered 90 min before entering the operating room. All patients were willing to accept the tablet. The quality of separation from parents, sedation and a mask acceptance were excellent on all patients. These results suggest that the orally-disintegrating tablet of clonidine hydrochloride was useful in a clinical situation for the preanesthetic medication of pediatric patients aged 1-2 year.
著者
岩瀬 豪 稲岡 秀陽 尾木 敦子 友澤 明徳 國仲 加世子 高安 郁代 中村 真紀 北川 一智
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.1377-1380, 2012 (Released:2012-12-17)
参考文献数
7

【目的】摂食嚥下障害をもつ高齢者の機能的自立度評価法 (Functional Independence Measure ; 以下, FIMと略) の点数がどの程度であれば, 経皮内視鏡的胃瘻造設術 (Percutaneous Endoscopic Gastrostomy; 以下, PEGと略) による経腸栄養管理後に日常生活動作 (Activities of Daily Living; 以下, ADLと略) の向上が期待できるかを検討する. 【対象及び方法】PEGを施行した30例について, その背景とPEG前後のFIMの点数を調べ, 後ろ向きの検討を行った. 【結果】PEG前の認知FIMの点数が10点以上の症例は, 胃瘻による経腸栄養管理の3ケ月後に運動ないし認知FIMの有意な改善を認めた. 【結論】PEG前のFIMのうち, 認知FIMの点数が良い症例は, 胃瘻による経腸栄養管理後にADL向上が期待できる可能性が示唆された.
著者
田中 聡 小林 郁夫 岡 秀宏 宇津木 聡 安井 美江 藤井 清孝 渡辺 高志 堀 智勝 竹内 正弘
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.694-700, 2004-10-20

難治性の悪性グリオーマに関しては高レベルの治療上のevidenceは少ない.1997年より,広義のグリオーマ90例(low grade glioma 12 例, GradeIII glioma 30 例, glioblastoma multiforme 42 例,medulloblastoma 6例)に対してACNU耐性遺伝子であるMGMTのRT-PCRによる検出に基づいた103回の個別化補助療法(individual adjuvant therapy ; IAT)を行った.手術により摘出した-70°C凍結検体よりtotal RNA を抽出し,最初の51回は通常のRT-PCR,最近の52回はreal-time RT-PCRに代表される定量的RT-PCRによるMGMTmRNAの検出・定量を行った.MGMTの発現量が少なかった68回はACNUを,MGMTが高発現であった35回は白金製剤を治療の中心に用いた.ACNUを用いた治療群と白金製剤を用いた治療群との問に治療成績の有意差は認められなかった.全体の有効率(partial response + complete response率)は53.3%, glioblastoma 42例の2年生存率は51.1%であった.2002年4月以降にreal-time RT-PCRの結果に基づいてACNU-vincristin-interferon-β-radiationまたはcis-platinum-etoposide-interferon-β-radiationによる補助療法を行ったGradeIIIとglioblastomaで,年齢3歳以上70歳未満, Karnofsky's performance scale が50以上の初発20症例の有効率は60.0%であった.IATが高レベルのevidenceを獲得するためには,症例を選択し,統一された治療法によるrandomized controlled trialを行う必要がある.
著者
西岡 秀一 高田 智規 山本 隆二 阿部 剛仁 川村 春美 大村 弘之 有澤 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.63, pp.33-40, 1989-07-20
被引用文献数
3

本稿では特定の構造化を行っていない意味データベースから構造化されたオブジェクトを作り出すためのオペレータを定義する。このオペレータによりデータベースから利用者の求める構造化されたデータを取り出せるだけでなく、新たにデータを導出することができる。This paper proposes a framework of AIS semantic data model. The model is based on entity concept and "association", which maps an entity to a stream of entities in another set. The new operators listed here can generate structural "objects" from "flat" database.
著者
森長 誠 月岡 秀文
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

屋外を伝搬する環境音を1年間など長期にわたってモニタリングする場合,様々な不確実性によって音源の識別が困難なケースがある。例えば,自衛隊の航空機騒音の場合,運用の違いによるエンジンスラストの変化やその日の気象条件の違いなどにより,音源識別の主要因である音のスペクトル情報が大きく変化する。今回,基地の騒音の音源識別問題などをはじめとして,環境音の音源識別の現状を報告しシーズ側との課題共有をしたい。
著者
新矢 博美 芳田 哲也 高橋 英一 常岡 秀行 中井 誠一
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.75-88, 2003-02-01
被引用文献数
7 5

The effects of fencing uniforms (U) on thermoregulatory responses were analyzed in both practical field investigation (PFI) and laboratory experiment (LE). In PFI, six fencers (college-aged) performed regular fencing practice wearing U and wearing a short-sleeved shirt and pants (T) in summer. Rectal temperature (Tr), chest skin temperature (Tch), mask temperature (Tmk), heart rate (HR) and sweat rate (SR) were measured during fencing practice. In LE, seven male college-aged subjects performed three sessions of 20-min cycling at light intensity (250 W/m^2) in a room temperature maintained at 28 WBGT (wet bulb globe temperature). Esophageal temperature (Tes), mean skin temperature (Tsk), mean body temperature (Tb), HR, and SR were measured during exercise wearing U and in a semi-nude condition (N). In both PFI and LE, increases in Tch, Tsk, Tb, Tes, Tr and SR were significantly (p<0.001) greater when wearing U than when wearing T and N. In PFI, the maximal value of Tr correlated significantly with the maximal values of Tch (r=0.513, p<0.001) and SR (r=0.635, p<0.001) during practice wearing U and T. In LE, positive correlations between Tsk and Tes (r=0.797, p<0.001), and between Tb and SR (r=0.658, p<0.02) were found at the end of exercise wearing U and N. In PFI, although the Tsk decreased within a few minutes of a decrease in Tmk, a significant relationship between the decrease in Tmk and Tsk or Tr was not observed during fencing practice. These results demonstrate that when wearing U, a higher skin temperature induces core temperature elevation, and higher skin and core temperatures are associated with increases in SR and HR during exercise in a hot environment. Thus, wearing light clothing during exercise, and taking off the fencing jacket and mask during rest periods would be recommended to reduce the heat stress during fencing practice in hot environments.
著者
菅野 洋光 岡 秀一 前島 郁雄
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.181-187, 1991
被引用文献数
1

1989年7月25日に下北丘陵で小気候観測を行なった。係留気球を用いた観測により, 高さ約200m以下で気温約20℃の海風が捉えられた。海風の鉛直構造を解析したところ, 高さ約100m以下の海からの風に対応した層 (水蒸気量が相対的に小さいことで特徴づけられる) と, 100~200mの反流が認められた。アメダスデータから, この海風は, 太平洋側に局限されたものであることがわかった。
著者
北 徹 濱口 洋 若月 芳雄 久米 典昭 横出 正之 土井 俊夫 吉岡 秀幸
出版者
京都大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

まず、本研究の目的である血管内皮細胞への接着及びその阻害効果を判定する方法として、ヒト臍帯静脈から採取した内皮細胞を培養し、あらかじめ常法にて採取した単球の接着を行う。24時間培養を行い、dishを洗浄した後、ギムザ染色にて、その後着量を判定する。この際、あらかじめマロチラート(Diisoprophyl-1、3-dithiol-2-ylidenemalonate)、あるいは抗単球接着分子抗体を添加した群との間で比較検討を行う。マロチラート(diisoprophyl-1、3-dithiol-2-ylidenemalonate)の単球接着阻害効果については繰り返し実験を行ったが、際立った効果をあげるに至らなかった。単球接着分子については、invivoの判定を考慮に入れると、ウサギの系が最も扱いやすく、その場合にはVCAM-1が最もよい接着分子と考えられた。。VCAM-1と単球接着の関係を観察する目的で、まず、遺伝的に動脈硬化を引き起こすWHHLウサギを用いて、それぞれに動態を検討したところ、1ヶ月令ですでに動脈硬化の起こりやすい場合にVCAM-1の発現を抗VCAM-1抗体を用いて確認することができた。この際、第1肋間動脈では、その入口のみに接着分子の発現が観察されたが、2ヶ月令では、その付近の動脈では全周にわたって観察されることが明らかにされた。1ヶ月令ではすでに単球-マイクロファージの存在も確認された。約3ヶ月令ではTリンパ球の存在も同部位に確認された。この事実は始めての結果であり、学会発表予定であり、論文も準備中である。この間、接着分子のノックアウトマウスの研究が米国において行われ、単独の単球の接着が単球接着分子のみにて起こる現象ではないことが判明し、今回の研究テーマも方向転換せざるをえなくなった。
著者
吉島 茂 岡 秀夫 近藤 安月子 杉谷 眞佐子 北村 弘明
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本年度の重点は、外国語としての英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語および日本語に焦点を絞り、各言語圏を代表するInstitutesと研究者、また現場での実践者を一同に集め、冠テーマ『21世紀、グローカル時代の外国語教育』のもとにそれぞれの立場を表明し、直面する課題を議論することであった。2011年11月25日から27日までの3日間、東京ドイツ文化会館の講堂を借りて、シンポジウムを行った。のべ150人ほどの参加者を得た。詳細はHP www.fleeg.jpで見ることができる。その時のpresentationは加筆の上同HPに載せる予定である。この議論の中で浮かび上がったのはGlobal化した英語と、世界的に広がって、英語と並ぶcommunication言語となっているスペイン語、およびその他の言語、ドイツ語、フランス語、日本語の間の言語教育上の差違である。しかしコミュニケーション達成を根底の課題として、学習過程を構築していくことに共通の地盤を見出すことができた。Global Englishでは従来のform中心主義の教育はcommunication達成の大目標の前で影が薄くなっているが、言語能力の向上を目指すなら、そのdiversityの中で、標準化を目指す必要がある。スペイン語の場合はその地域的広がりの割に形式面でも均一性が見られ、英語の持っているような課題はないと言える。その他の言語については、その文化との関係がより大きな問題になってくる。Communicationを第一目標とすると、全ての言語において、特にpragmaticのレベルでその文化的影響が大きく出ると考えられる。これをどう標準化するか、その必要性、またdiversityに対応する能力の育成も今後の課題として認識された。CEFRの受容に関してはまさに落差が大きく理念を理解しての受容とはまだほど遠いというのが現状であり、ヨーロッパでのその取り組みには差がおおきくみられる。アメリカのSFLLについても同様である。
著者
鶴岡 秀子 治部 れんげ
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.58-62, 2010-03-02

新卒で入社した婦人服店で平均的な販売員の20倍の売り上げを記録し、翌年経営企画部門に抜擢された。その後、外資系コンサルティング会社を経てネットベンチャーを設立、日本と中国に150万人のモニターを擁するマーケティング会社に育て、現在は"伝説のホテル"事業に取り組む。天性の起業家だ。
著者
翠 輝久 大竹 清敬 堀 智織 河井 恒 柏岡 秀紀 中村 哲
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-6, 2011-07-14

ユーザがシステムから情報提示を受けながら候補を選択する意志決定型の音声対話システム構築と被験者実験の結果を報告する.これまで我々は,意志決定対話を部分観測マルコフ過程 (POMDP) としてモデル化し,ユーザの意志決定の良さを最大化するための対話戦略の最適化を行ってきた.本稿では,提案モデルを用いた対話制御手法と複数のベースライン手法とを被験者実験により評価した結果を報告し,ユーザシミュレーション環境で有効性を確認した提案手法が,実ユーザを対象とした場合でも有効であることを示す.This paper presents the results of the user evaluation of spoken decision support dialogue systems, which help users select from a set of alternatives. Thus far, we have modeled this decision support dialogue as a partially observable Markov decision process (POMDP), and optimized its dialogue strategy to maximize the value of the user's decision. In this paper, we present a comparative evaluation of the optimized dialogue strategy with several baseline strategies, and demonstrate that the optimized dialogue strategy that was effective in user simulation experiments works well in an evaluation by real users.
著者
石橋 賢一 城 謙輔 作部 保次 影山 幸雄 鶴岡 秀一
出版者
独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター)
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

アクアポリン11(AQP11)ノックアウトマウスの解析と、線虫のアクアポリン(AQP-CE1~AQP-CE11)の解析を中心におこなった。AQP11がないと嚢胞腎になって腎不全で生後1ヶ月で死ぬ。嚢胞ができる前に近位尿細管に空胞ができるがこれが小胞体を中心とした拡張であることが電顕でわかっていたが、その原因として細胞内オルアネラのpH異常が関与している可能性があきらかになった。これは近位尿細管細胞の初代培養でノックアウトマウス由来のはエンドソームのpHの低下がよわくなっていたことからの類推である。また、ノックアウトマウスの異常がAQP11の直接作用によることが、抗体による組織染色で近位尿細管細胞のみが染まり、また細胞膜ではなく細胞内が染色されることから類推される。まだ空胞変性から嚢胞形成に至る過程が不明である。また培養株細胞(HEK細胞))にGFPでラベルしたAQP11を一過性に発現させると、やはり細胞膜には発現せず、細胞内にとどまっているが、小胞体マーカーと一致して発現しており、in vivoの発現様式に類似していた。空胞ができる1週令の腎臓のRNAのマイクロアレイを行い2倍以上変化する遺伝子を10同定し解析中である。腎臓皮質に限局した嚢胞腎の症例はみあたらなかった。生き延びた稀なノックアウトマスは子孫をつくれるが、精巣の萎縮、とくに精細管上皮の細胞数の減少がみられた。線虫のアクアポリンすべてについてプロモーターの下流にGFPをつけて発現細胞の同定をおこなった。オーバーラップした発現が観察された。また11個のアクアポリンすべてについてRNAiによる遺伝子破壊をおこなったところフェノタイプの異常は認められなかった。オーバーラップしたアクアポリンによる代償で異常が認められなかった可能性もあるので2重。3重の遺伝子破壊を計画している。
著者
平井 清子 岡 秀夫 鈴木 広子 河野 円 金丸 芙美 飯田 深雪
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本の英語教育が海外の言語教育から学べる点をバイリンガリズムの視点で分析した。その結果、言語を介して新しい概念を習得させ、考えていることや理解したことを言語で「話す」、「書く」ことを通して表現させるCALPを養成することが重要であり、思考を伴う言語教育が高いコミュニケーション能力を育成する上で重要であることが示唆された。その方法として、認知的に深い思考を要求し、比較・評価・判断という活動を可能にする、内容重視の教授法(content-based instruction)やイマージョン教育など、学習内容を中心とした学習者主体の授業の有効性が実証された。