著者
藤森 眞理子 山田 和人 原沢 英夫 西岡 秀三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地球環境シンポジウム講演集 (ISSN:18848400)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.267-272, 1997-07-03 (Released:2010-06-15)
参考文献数
16

The summer of 1994 and 1995 in Japan were extremely hot and a lot of impact was observed in many fields of Japanese society. Such impact of extreme events will work as indicators to detect longer term changes and impact of global warming. In this paper, information and reports about the impact of hot summers were reviewed to find the characteristics of social impacts, especially in the fields of water resources, nature, agriculture, energy and health. More detailed quantitative research are required to assess future vulnerability and mitigation options for the impact of global warming.
著者
丸岡 秀一郎 村上 正人
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.130-135, 2013-02-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
28

アレルギー疾患の代表的疾患である気管支喘息は,さまざまな環境因子の影響を受けている.ハウスダストダニ抗原やゴキブリ抗原などに代表されるアレルゲンだけではなく,抗原性をもたない環境因子(細菌,オゾン,ディーゼル排気粒子,ウイルス感染,煙草など)も,その免疫賦活作用(アジュバント効果)により病態形成に関与していることが知られている.環境因子を介するエピジェネティクスは心理社会的ストレスも加味されてアレルギー性気道炎症を惹起して気管支喘息の発症に関与しているとされる.心身医学的側面については過去に多くの研究がなされてきたが,いまだその詳細なメカニズムについては不明な点が多い.本稿では,最新の文献をもとに環境ストレスと気管支喘息発症のメカニズムについて心身医学的側面から考察する.
著者
行岡 秀和 田勢 長一郎 黒田 泰弘 谷川 攻一 村川 德昭 中川 隆
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.85-89, 2016-08-01 (Released:2016-08-23)
参考文献数
8

心肺蘇生(CPR)の合併症の部位や頻度に関する検討はほとんど行われていない。日本蘇生学会医師会員923名に対して,CPR実施数(指導数を含む),合併症の部位・頻度,防止策などについてアンケート調査を実施した(回答率46%)。回答者は,40歳以上が84%,男性が84%で,ほとんどが麻酔科,救急科の専門医であった。CPR実施数は,20回以下26%,21~100回33%,101回以上41%で,85%が合併症を経験しており,肋骨骨折,気胸・血胸,胸骨骨折,皮下気腫・縦隔気腫,胃内容逆流,誤嚥性肺炎,肺損傷,肝損傷の順であった。合併症防止の注意点としては,胸骨圧迫の部位,強さ,気管挿管の手技が多かった。心停止において迅速なCPRが予後を改善することは明白だが,今回の調査で,合併症は熟練した医師でも発生することがわかった。合併症を最小にするCPR法や予後に及ぼす影響を検討する必要がある。
著者
岡 秀宏 河島 雅到 清水 曉 宇津木 聡 大澤 成之 佐藤 公俊 藤井 清孝 Albert L. Jr. Rhoton
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.418-423, 2011-06-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

本稿では,側脳室病変に必要な微小外科解剖と種々の手術アプローチについて解説した.側脳室の部分は前角,体部,三角部,後角,下角に大別され,それらの構造とともにvelum interpositumの微小解剖についても解説した.主な側脳室各部への手術アプローチは以下のとおりである.前角部および体部への手術アプローチは経前頭皮質到達法と前方経脳梁到達法である.三角部へのアプローチは主に4種類あり,lower posterior parietal lobe approach,high superior parietal lobe approach,occipital transcortical approach,そしてtranssylvian approachである.これらの中で優位半球の高次脳機能障害を防ぐために最も推奨されるアプローチは,high superior parietal lobe approachである.下角へのアプローチには経脳溝到達法や経脳回到達法がある.以上,側脳室病変に必要な微小外科解剖と各部への種々の手術アプローチについて解説した.この知識は顕微鏡手術のみでなく最近進歩している神経内視鏡手術にも重要である.
著者
石原 咲子 石井 一洋 片岡 秀文
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.56, no.178, pp.355-363, 2014 (Released:2018-01-26)
参考文献数
18

For deflagration to detonation transition (DDT), several explanations on initiation have been given. Nevertheless, the knowledge on DDT is still insufficient for predicting where and when detonation occurs. In order to improve the reproducibility, an ethylene oxygen mixture was ignited forcibly by spark discharge behind an incident shock wave near the wall. The process of flame development was visualized by Schlieren imaging and analyzed by drawing several wave element trajectories on the shock waves ahead of the flame. As a result of varying the timing of spark discharge, detonation initiation was promoted as the boundary layer Reynolds number Reign increases. For Reign of more than 5.0 × 106, DDT was caused at 45 ± 10 μs. The processes of flame development were classified as Mode 1 and 2, which denote Reign of less than transition Reynolds number and more than it, respectively. Although the times for detonation initiation were markedly different in Mode 1 and 2, it was found that the both flame developments were similar. The accelerated flame near the wall propagates in upstream direction along the wall, resulting in approaching the shock wave front. This makes the shock stronger by coalescing of numerous compression waves. As the strengthened shock compresses the unburned gas, the flame was more accelerated, so that at the position where the flame front reached the shock front detonation initiation occurred. The difference of flame development between Mode 1 and 2 was observed in the initial stage in particular in the early 20 μs. Detonation initiation was caused at the position where following three conditions were satisfied: (1) A local Mach number reaches 2.4. (2) The flame front approaches and reaches the shock front ahead of it. (3) A concavity is generated on the flame/shock front, compressing the unburned gas coming into the point.
著者
鈴木 文武 岡本 友好 船水 尚武 伊藤 隆介 藤岡 秀一 矢永 勝彦
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.906-910, 2014 (Released:2015-10-30)
参考文献数
16

症例は70歳男性.繰り返す胃潰瘍で近医加療中,腹部CT検査にて膵体部に58mm大の腫瘤を指摘され,当院紹介受診となった.潰瘍部より2度の生検が行われたが,いずれも良性の診断であった.血液生化学検査では,CEA14.1ng/ml,CA19-9 45U/ml,AFP 507ng/mlと腫瘍マーカーの上昇を認めた.当院の腹部超音波検査では,膵体部に内部不均一で比較的境界明瞭な等~低エコーの腫瘤として描出された.超音波内視鏡下穿刺吸引生検の結果,低分化腺癌を認めた.膵悪性腫瘍の診断にて膵体尾部切除,リンパ節郭清を行った.術中に胃前庭部に漿膜側へ突出する腫瘍を認めたため,幽門側胃切除術を併施した.術後病理組織診断では,胃はAFP産生腫瘍であり,膵の腫瘤は胃癌の転移リンパ節であった.以上,膵腫瘤が発見契機となったAFP産生胃癌膵周囲リンパ節転移の切除例を経験した.膵腫瘤性病変にAFPの上昇を伴った場合は,胃の十分な精査が肝要と考えられた.
著者
松岡 秀明
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.173-183, 2009 (Released:2022-07-15)
参考文献数
8

本稿では,近年政府による所得税収の見積もりが不確実になっている背景を政府経済見通し,税収予算,決算を用いて分析した。個人所得に占める配当の割合が高まっており,企業収益の影響が家計所得に影響しやすくなっている。このため,所得税収も変動の大きな企業収益の影響を受け不安定になっている。その上,政府経済見通しに注目すると,配当を含む財産所得の予測誤差が大きく,配当などの予測は難しい。政府は予測精度を改善させ大きな予算割れを防ぐために,「人々の税の納め方が変わってくるにつれて,どういった統計を作ればよいのか」ということを年頭に置かなければならない。GDP統計では英国,米国に比べて課税ベースである分配面の情報が不足している。社会保障財源をどのように確保していくのかが課題となっている今,税収見通しの不確実性を認識する必要がある。
著者
難波 義郎 保野 健治郎 室崎 益輝 北後 明彦 藤原 正弘 粕谷 明博 松岡 秀男
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.57-66, 2005 (Released:2011-03-16)
参考文献数
5

神戸市消防局は,平常時の火災で消火栓の機能(水量・水圧)を評価するため,昭和61年6月9日に「消防ポンプ自動車の連成圧力調査」(神戸市星和台2丁目で放水実験)を行っている。この実際の街区における上水道管網での放水実験より,配水管の口径,放水消火栓数の条件に応じた放水量と水圧の関係を解析した。(オンラインのみ掲載)
著者
橋本 和幸 吉岡 秀晃 長谷川 龍成 上岡 尚代 田辺 達磨
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bullentin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.14, pp.33-44, 2020

本研究は,先行研究で開発した保育園で行う運動遊びを,保育園を変えて追試を行ったものである.対象となる保育園は,先行研究と比べて,施設が手狭で,運動担当の保育士が不在という条件であった.運動遊びを保育園で継続して実施してもらい,3か月後に再度運動能力調査6種目を行って効果測定を行った.この結果,評点が有意に上昇した種目,有意に下降した種目,変化がなかった種目が2種目ずつに三分された.運動遊びが筋出力の調整とバランスに影響する2種目は成績が向上したと考える.一方,大きく強くジャンプしたり,全速力で走るなどの動きをしたりすることが影響する2種目は,園の施設の手狭さにより,成績が低下したと考える.
著者
新垣 正美 横井 良彦 東 隆 遊佐 裕明 外川 正海 笹生 正樹 大森 一史 冨岡 秀行 青見 茂之 山崎 健二
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.675-680, 2014 (Released:2014-04-29)
参考文献数
8

要旨:【目的】ステントグラフト内挿術後には動脈瘤の急激な血栓化により凝固線溶系が亢進することが知られている.トラネキサム酸を投与することで術後の線溶系亢進およびtype 2 endoleak が抑制されるかについて検討を行った.【方法】腹部大動脈瘤51 例,胸部大動脈瘤38 例の計89 例を対象とし後方視的に検討を行った.周術期に凝固線溶系を測定,またtype 2 endoleak の評価は術後1 週間目および6 カ月目の造影CT にて行った.【結果】PT(INR),APTT,AT,血小板数においてはトラネキサム酸の投与に影響がなかった.Fibrinogen はトラネキサム酸投与群で有意に高値を示し消費の抑制が示唆された.FDP は非投与群で術後5 日目より再上昇を示し線溶系の亢進を認めたが,トラネキサム酸投与群ではその再上昇が有意に抑制されていた(43.8±36.6 vs 18.3±17.1 µg/ml: p=0.004).Type 2 endoleak は術後1 週間目において非投与群が22.0%であったのに対し投与群が6.3%と有意に抑制され(p=0.031),その傾向は6 カ月目でも持続した.【結論】トラネキサム酸を投与することでステントグラフト内挿術後の線溶系亢進およびtype 2 endoleak が抑制されることが示唆された.
著者
松岡 秀和 三觜 幸平 河田 真伸 高谷 雄太郎 所 千晴
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.138, no.2, pp.12-18, 2022-02-28 (Released:2022-02-10)
参考文献数
31

Copper sulfide minerals are the major raw materials for copper products. Copper sulfide minerals are mined at copper mines and concentrated by flotation process. In recent years, the mining of refractory copper ores, which is difficult to concentrate by flotation due to their fine grain size, presence of multiple copper mineral species, and fluctuation of the content ratio of these minerals in feed ore. In addition, the hydrophilization of copper mineral surfaces due to oxidation and the mineral content variation of ore result in poor and unpredictable performance of flotation operation. In this study, therefore, we focused on the activation of the copper mineral surfaces using sodium hydrosulfide (NaHS) to render the surfaces hydrophobic and tried to quantify the effect of the fluctuation of mineral content ratio by using a new flotation kinetic model. Two samples showing different content ratios of chalcocite, bornite, and chalcopyrite and having fully oxidized surface were used in the flotation tests. We established a new flotation kinetic model by considering the reaction between the copper mineral surface and NaHS and the depression of floatability by adsorption of hydrogen sulfide ions onto the copper mineral surface. As a result, a good relation was confirmed between the model and the flotation test results for both ore samples. This result showed that our model can accurately predict the flotation results of refractory copper ores and will encourage the further usage of these refractory copper ores in the future.
著者
林 勇朔 浜岡 秀勝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_653-I_663, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

単路部横断では,高齢者は横断時間が長いため,横断開始のタイミングを誤り,横断後半で車両との事故の危険性がある.そこで本研究では,安全島を用いた二段階横断が有効と考えている.安全島により,横断歩道を一度に横断せずにすみ,安全島で一時停止もできる.また,横断の前半部は右側,後半部は左側のみの確認で良いため,高齢者でも横断タイミングを誤らずに横断しやすくなる.以上より,二段階横断にすることで,歩行者の安全性が向上すると考えられる.仮説を検証するために,調査対象区間にてビデオを撮影し,歩行者,車両の到着時間を取得した.また,これらデータを用いてシミュレーションを行い,その場所に適した制御方法を明らかにした.シミュレーションの結果,5つの制御方法のうち,安全島の設置が有効であると明らかになった.
著者
寺畑 喜朔 石見 為信 田中 行雄 丸岡 秀憲
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.564-568, 1968 (Released:2011-10-19)
参考文献数
7

It has been reported as primary steps that the blood of corpses had been taken at the time of pathological and medicolegal post mortem examination, and the following results were obtained.1) Presently after death, values of potassium and phosphorus were high.2) It has been indicated that natrium and chloride decreased.3) Calcium decreased slightly, then increased.4) It has been indicated that glutamic oxaloacetic transaminase, glutamic pyruvic transaminase and lactic dehydrogenase increased presently after death.5) Addition of the solution of ACD did not show any clear change.6) when corpses were kept in the icebox, potassium level were unchanged.
著者
松岡 秀明
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.27-27, 2009

ブラジルで布教している日本の新宗教である世界救世教の非日系信者が、自らが信じる宗教をブラジルの諸宗教のなかでどのように位置づけているかを検討する。