著者
南 英城 笹岡 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.728-737, 1996-11-25
被引用文献数
1

ブロック符号の軟判定復号法には種々のものがあるが,線形符号および非線形符号の区別なしに適用可能で,所要の計算量が少なく特性の優れた方式は少ない.本論文では,受信信号の2値判定系列でユークリッド距離比較を行う符号語の候補をテーブルを参照することによって限定し,最ゆう復号法に近い特性を維持しながら計算量を削減する方式を提案した.非線形符号であるβ符号を対象に提案方式の有効性を確認するため加法的ガウス雑音伝送路およびフェージング伝送路におけるブロック誤り率特性と計算量を計算機シミュレーションで検討した.その結果,加法的ガウス雑音伝送路における提案方式のブロック誤り率特性は,チェイスの第2アルゴリズムの特性とほぼ等しく,最ゆう復号法からの劣化は微小であった.計算量については,最ゆう復号法に比べて大幅に(約1%に)削減が可能であり,チェイスの第2アルゴリズムよりも削減できることがわかった.一方,フェージング伝送路では,提案方式のブロック誤り率特性は,最ゆう復号法の特性に比較してE_b/N_0で1dB程度劣化したが,チェイスの第2アルゴリズムに比較して良好な特性であることが確かめられた.また,BCH符号への適用や4値判定系列に対する候補語のテーブルを用いた擬巡回符号/4値ASKへの適用も検討し,良好な結果が得られた.
著者
深野 義人 宮澤 由妃 見越 大樹 井上 寿男 丸岡 秀一郎 黒田 和道 権 寧博 橋本 修 山岸 賢司
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.332-334, 2015

To establish a system for the early diagnosis of respiratory diseases, we developed a method for analyzing RNA sequence data obtained by next-generation sequencer identify genes showing altered expression as biomarkers of respiratory tract infection. The respiratory tracts of mice were exposed to lipopolysaccharide to establish a model of respiratory disease. Twenty-five genes exhibited significantly altered RNA expression following exposure. We identified non-coding RNAs in five regions that could be candidate biomarkers of respiratory diseases.
著者
片岡 秀雄 吉田 佑一郎 田口 敏彦
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.102-105, 2008

【はじめに】我々は胸髄レベルでの脊髄損傷の治療を想定して,ラットを用い脊椎・脊髄短縮モデルを作成した.開発の途中ではあるが,今までの成果を報告する.【対象と方法】生後13~16週のWistarラットを使用した.第8胸椎椎体レベルの脊髄を切断後に除去し,第8胸椎椎体の切除を行った.第6と第10胸椎椎弓根に挿入したmini screwに糸をかけ,脊髄が吻合する様に引き寄せて固定した.【結果】当初は術後の長期生存は困難であったが,術中の出血量の減少や術後管理の工夫などで術後2カ月以上の生存がほぼ可能となった.術後の運動機能はBBBスコアを用い評価し最大で5であった.組織学的に吻合部は連続していたが,間には瘢痕が形成されていた.【考察】今後,モデルに改良を加え,脊髄の吻合部を越えた神経軸索の接合が起きれば,脊椎・脊髄短縮術は脊髄損傷後の完全麻痺に対して臨床応用できる可能性があると考えられる.
著者
品川 森一 金子 健二 古岡 秀文 石黒 直隆
出版者
帯広畜産大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

伝達性海綿状脳症の病原体プリオンは従来の微生物不活化処理に高い抵抗性を示し、その不活化には132℃1時間、1-2Nの苛性ソーダ或いは数%の次亜塩素酸ソーダへの浸漬などの厳しい処理が要求される。しかし、精密医療機器のほとんどはそのような処理には耐えられえない。医療器機のプリオン汚染は、比較的低濃度或いは,洗浄により低濃度とすることが可能と考えられる。本研究は、このような低濃度の汚染プリオンを除くための、温和な処理によるプリオン不活化法の開発を目的とした。液化酸化エチレン(LEO)は2%程度で完全ではないが目的にあった程度にプリオンを不活化する。その作用機構は、プリオン蛋白のリジンを始め5種のアミノ酸と反応して比較的特異性を持って切断されるため,不活化がおきることが判った。しかし、処理に数十時間と長時間を要することと、沸点が10□と低く爆発性であり、取り扱いが難しい難点があった。LEOに代る化合物のスクリーニングを目的として、3種のエポキシ化合物、6-プロピオラクトン、プロピレンオキサイド及びグリシドール(GLD)のスクレイピープリオンに対する影響を抗体の反応性を指標に調べたところ、GLDが有望であった。GLDはやはりプリオン蛋白と結合して、LEOの場合より速やかに低分子に断片化することが判った。3及び5%GLDによりPBS中で室温処理のマウスを用いたバイオアッセイにより、プリオンの感染性が、千分の一以下に低下することが判ったが十分とは言えなかった。より有効に処理する条件を見いだすために、GLDの効果に及ぼすGLDの濃度、温度、塩、pHの影響を抗体との反応性により調べた。抗原としての反応性は短時間に減少するが、なお僅か残存し、残りは時間と共に徐々に消失した。調べた範囲のGLD5%、50℃、pH7.8まででは高い方がより効果的であった。マウスを用いたバイオアッセイに長時間を要するため、これらを合わせた条件で処理した試料の成績を本研究期間内で終えることはできなかった。

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著者
平岡 秀一 塩谷 光彦 狩野 直和 川島 隆幸 川上 厚志 牧野 淳一郎 中村 栄一 磯部 寛之 尾中 敬 岡 良隆 上野 啓司 島田 敏宏 小間 篤 東山 哲也 濱口 宏夫 清水 裕子
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.4-12, 2002-09-17

金属イオンを自在に並べる/有機ケイ素化合物におけるケイ素の配位数の制御/小型熱帯魚ゼブラフィッシュの変異体を用いた遺伝子ハンティング/GRAPE-6とゴードン・ベル賞/フラーレンの基礎n学て妬くナノバイオテクノロジー/赤外線衛星観測と衛星冷却望遠鏡/やる気を起こさせる神経メカニズム/有機分子ナノ構造のシリコン基板上への自己組織化形成/植物の受精のしくみを解き明かす/酵母生細胞の時空間分解ラマン分光/マカク細胞の加齢に関する研究
著者
品川 森一 久保 正法 山田 明夫 古岡 秀文 中川 迪夫 堀内 基広
出版者
帯広畜産大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

本研究では、従来から行われているウエスタンブロット(WB)法の試料調整法の改良を行った。その結果、マウスモデルでは、腹腔内接種1週目から脾臓にプリオン蛋白が検出できるようになった。多数検体を検査するためには、より簡便なプリオン検出法が必要であり、マウスモデルを用いてELISA法を開発した。検出感度はウエスタンブロット法のおよそ2倍であった。中枢神経系組織からの試料調整を簡便化し、実際に羊材料に応用可能なことを確かめた上で、この方法の有用性を北海道のと蓄場から分与を受けた羊材料を用いて検証した。また、さらに検出感度を高めるために、ELISAの検出系に光化学反応試薬を導入したところ、およそ20倍ほど検出感度が上昇した。まさらに、コラーゲン中のプリオン検出のための試料調整法も検討し、前処理法としてコラーゲンの粘性を低下させ、大容量から比較的選択的にプリオン蛋白を濃縮することが可能となり、プリオン汚染の検出法に目処がついた。一方、プリオン病は宿主のプリオン蛋白の遺伝子に多型があり、その型によって感受性が異なる。国内の羊プリオン遺伝子型の出現頻度とスクレイピ-との関連を検討した。またプリオンの蓄積は主として中枢神経系であり、少量であるが細網内皮系の組織にも起きる。診断に有用な組織採取部位を決定するためにも、詳細なプリオン蛋白発現の違いを明かにする必要があり、羊体内のプリオン蛋白発現を調べた。さらに伝達性海綿状脳症のプリオン以外の危険因子の検討を人海綿状脳症に倣い、アポ蛋白Eを標的として検討した。
著者
諸岡 卓也 平岡 秀雄
出版者
東海大学体育学部
雑誌
東海大学紀要 体育学部 (ISSN:03892026)
巻号頁・発行日
no.7, pp.p173-178, 1977-11

Boxing, though it is done through the medium of a pair of gloves, is a sport which fights to the extremity by fisting, and it remains, so to speak, the most primitive form. According to the boxing game, about 3000 B. C., on Aegean Crete island, the boxers rolled soft thongs in order to protect their fists. After that, by fitting out small iron tacks or boards, they were changed from the protection of boxers' fists to a murderous weapon and arm (in Greece from 400 B. C. to A. D. 390). In modern boxing, all the boxers roll bandages as the protiction of their fists and wrists. and at the same time, so as to soften the damage given their rivals, they wear a pair of gloves. Though rolling bandages purposes the protection of boxers' fists, there is sometimes a boxing leader who insists that how to roll them makes their punching force harder, and also there is a boxer who supports the opinion. In this study, we investigated the differences of punching force in a right straight blow and a left hook in the way of two kinds of rolling bandages. We used the punching measure which is developed by Ishiyama surgery at Surugadai Hospital of Nihon University and as testees, some members of our boxing club at he University of Tokai helped us. As the result of the investigation, we could not realize the difference of punching force from the way of rolling handages, that is, no significant difference. We can say, after all, punching force is much depended on the skills of their speed, timing, angle, power and so forth. Judging from the facts that they, in spite of rolling bandages, sometimes fracture their hand bones or sprain their wrists, as the original purpose of rolling bandages is the protection of the fist and wrist, we should devise how to roll bandages.
著者
宮澤 由妃 深野 義人 見越 大樹 井上 寿男 丸岡 秀一郎 黒田 和道 権 寧博 橋本 修 山岸 賢司
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.310-311, 2014 (Released:2014-12-31)
参考文献数
4

Next-generation sequencers (NGS) have made it possible to analyze entire genome sequence. NGS can be used for the identification of genes associated with a wide variety of diseases. We investigate RNAs encoded by intergenic regions to identify novel genes that are involved in respiratory diseases. The respiratory tracts of mice were exposed to lipopolysaccharide to establish a model of respiratory disease. RNA expression levels in the mouse exosome were analyzed by NGS to identify genes involved in the development of respiratory diseases. Several disease-related regions exhibited altered expression levels of intergenic RNAs.
著者
安岡 秀敏 丸山 秀樹 古謝 亜紀子 飯田 智広
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.111, no.1, pp.92-97, 2014

症例は69歳,男性.車を運転中に電信柱のワイヤーに乗り上げ横転.シートベルトは装着しており,表面的外傷や疼痛なくそのまま帰宅した.事故後6時間経過して嘔気・黒色便・吐血があり来院.CTで胃内に造影剤の漏出と思われる所見があり,緊急内視鏡検査を施行.噴門直下小彎に粘膜裂傷および活動性出血を認め,内視鏡的止血術を行った.鈍的外傷による胃損傷の頻度は少なく,内視鏡的止血術を行った症例はまれであり,報告する.<br>
著者
丹羽 篤朗 三井 敬盛 森山 悟 石黒 秀行 柳瀬 周枝 大和 俊信 柴田 和男 佐々木 信義 角岡 秀彦
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1962-1966, 1997-09-01
被引用文献数
13 10

中結腸動脈瘤の破裂により腹腔内出血をきたした症例を報告する. 症例は60歳の男性. 既往に高血圧. 突然の腹痛と背部痛で発症し, 疼痛が増強するため当院を受診した. 腹部理学所見, 血液検査で腹膜炎を疑ったが, 超音波検査では大量の腹水を認め, 腹腔穿刺にて腹腔内出血と診断した. 造影CTでは脾動脈瘤と胃裏面から股間膜左側に広がる血腫を認めた. 緊急手術を施行し, 中結腸動脈左枝の破裂による出血で破裂部を切除し止血した. 病理組織検査では中膜壊死に伴う隔離性動脈瘤と診断された. 術後経過は順調で16病日に退院した. 術後の血管造影で腹腔動脈起始部は閉塞し, 上腸間膜動脈根部, 下膵十二指腸動脈, 膵十二指腸動脈弓, 背側膵動脈, 脾動脈, 胃十二指腸動脈, 中結腸動脈根部に嚢状, 紡錘状の動脈瘤が多発したきわめてまれな症例であった. 術後18か月が経過したが, これらの動脈瘤による症状はない.
著者
上田 城久朗 能丸 真司 永田 夏織 梶井 信洋 大村 良介 原田 俊則 鈴木 伸明 鈴木 道成 森岡 秀之
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.33-37, 2000-01-05
被引用文献数
17 13

症例は73歳女性.朝食2時間後より突然,上腹部痛出現.腹部CT検査と小腸造影検査より空腸憩室を合併した小腸軸捻転症と診断した.入院約1カ月後,手術を施行したが,小腸全体が反時計回りに720°捻転しており,空腸憩室はTreitz靱帯から約25cmの部位の腸間膜よりに存在した,原発性小腸軸捻転症は,本邦ではまれな疾患で術前診断されることは少ないが,本症例では典型的なCT像より術前診断が可能であった.
著者
前田 太佳夫 鎌田 泰成 藤岡 秀康 鈴木 潤
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2007, no.2, pp.357-358, 2007-09-07

In the actual wind turbine operated in the field, the wind direction changes with time. So, the turbine is operated with yaw miss alignment in most of time. To grasp the flow around wind turbine is important for evaluating the rotor performance. This paper shows the results of the velocity field measurement around a horizontal axis wind turbine in case various yawed operation. The experiments are carried out in a wind tunnel with 2.4m-diameter test rotor with 2-dimensional laser Doppler velocimeter. In the measurements the power curve and velocity distribution are measured for each yaw angle. Increasing of yaw angle, the power coefficient of the rotor decreases. The flow around turbine under yawed condition expands as non-yaw operation, but the flow pattern is not asymmetry with rotational axis. There is a large low-speed wake area in downstream of the blade placed upward. And flow around the blade placed downward has a large radial velocity component.
著者
木村 康則 Matthew DEPETRO 谷岡 秀昭
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.311-317, 2011-04-01 (Released:2011-04-01)
参考文献数
27

米国で医療制度改革法案が成立したことにより,医療現場の効率化や健康保険制度の改革などが進んでいる.本稿では,これらを推進するための有効な手段と考えるmHealthと呼ばれる考えを紹介し,それを実現するための生体情報を取得するためのセンサ技術特に血圧と血糖値の測定手法に関して現状を紹介する.また,このアプローチが真に実現されるための課題も述べる.
著者
森長 誠 松井 孝典 月岡 秀文
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

2013年の報告で,複数の測定点におけるジェット戦闘機騒音の録音データを基に, F-15, F-4, T-4 の分類をニューラルネットワークおよびSVMによるモデルで行った.本稿では,特徴ベクトルの精査に力点を置き,具体的には周波数特性の時間変化情報のパラメータ化,主成分分析を用いた高次元データの圧縮を行った。さらに,最適学習機械の選定を行った。
著者
水越 文和 出島 健司 竹中 洋 齊藤 憲治 河田 了 高木 伸夫 安田 範夫 村上 泰 松岡 秀樹 日向 美知 立本 圭吾 任 書熹 大島 渉 寺薗 富朗 日向 誠 松本 真吏子 竹上 永佑 土井 玲子 三牧 三郎 西嶋 信雄 牛島 千久 伊達 敬一 園田 隆朗 大槻 晃直 木村 隆保 八木 正人 中井 茂 昌子 均 豊田 健司
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床. 補冊 = Practica otologica. Suppl. (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.56-66, 1995-03-20
被引用文献数
6 2

The effect of Oxatomide in the initial treatment of Japanese cedar pollinosis was examined in 11facilities in Kyoto prefecture. This study examined the most appropriate starting time and period of administration for the highest effect of the initial treatment. The following results were confirmed by administre ring Oxatomide during the initial treatment for Japanese cedar pollinosis on 1991.<BR>The effect of Oxatomide was obtained after administering for one week or more, including the highest effect after two weeks for sneezing and three weeks for nasal discharge. However, no effect on sniffling. These results suggest that two to three weeks is the best administration period for Oxatomide in the treatment of Japanese cedar pollinosis.<BR>In addition, a close relation between pollen information facilities and practical medicine in the region, is necessary for the initial treatment of pollinosis.
著者
杉岡 秀紀 久保 友美
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.129-158, 2007

大学(学生)ボランティアセンター(以下、大学VC)が大学に出来たのは、1987年の大阪キリスト教短期大学がその起源とされているが、(1)「大学生への教育効果」、(2)「社会・地域とのインターミディアリ機能」、(3)「大学の社会貢献」の3つをその存在意義として、1995年の阪神・淡路大震災以降一気に増えた感がある。しかし、同時にここ数年で見ると,量質ともに少し伸び悩んでいる印象がぬぐいされない。そこで,本研究では,大学VCの意義・役割,類型,事業内容などの概要を整理する中で、昨今注目されつつあるサービス・ラーニング(「学生達が人々とコミュニティのニーズに対応した活動に従事する中で学ぶ、経験的学習のひとつの形のこと。以下、「SL」)という概念に注目し、その大学VCへの導入の可能性を、関西を中心とする大学VCからのヒアリングの中から探ってみた。結論から言えば、大学ごとに多少の差異はあるものの、今後の大学VCには、「SL」の視点を導入することが、センターの存続のためにも必要不可欠な視点であるという事である。なお、この視点というのは地域と大学との連携協働のまちづくりを進める上でも重要なファクターになると筆者らは考える。