1 0 0 0 OA 本草図譜

著者
岩崎常正
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻5-96,

岩崎灌園(名は常正、1786-1842)は文化4年(1807)頃に起筆した『本草図説』を土台に、本書92冊(巻5~96:巻1~4は存在しない)を予約制で制作・配布した。最初は全巻を木版本として刊行する計画で、最初の4冊(巻5~8)を天保元年(1830)に刊行したが、費用調達が無理だったらしく、5年間の空白の後、筆写・手彩本とする方針に切り替え、天保6年に次の4冊(巻9~12)を配布した。以後は完結までこの方式を続け、天保13年(1842)に灌園が没した後は子息信正が継ぎ、弘化元年(1844)に配布を完了した。全体で草木2920品を取り上げるが、動物・鉱物は扱わない。『本草図譜』には出来栄えが劣ったり、絵の一部(枝の数など)を省略した本も見受けられるが、本資料は田安家への配布本で、全面的に優れている。当館には、幕府献上本を含めて、配布の巻数・日付を記録した『本草図譜記』(特1-2972)も残る。灌園は幕府の徒士(かち)という小身だったが、若年寄堀田正敦(『観文禽譜』解題参照)に見出されて、『古今要覧稿』の草木部の執筆を担当したり、薬園の設置を許されたりと、活躍の場を与えられた。(磯野直秀)

1 0 0 0 OA 川崎芳太郎

著者
岩崎虔 著
出版者
岡部五峰
巻号頁・発行日
1921
著者
大内田 久 西岡 章夫 岩崎 勤
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.12, no.117, pp.451-456, 1963-06-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
6
被引用文献数
1

The present investigation has been made in order to determine the influence of induction-hardening on the fatigue strength of shrink-fitted specimens. Cyclic direct stress fatigue tests were made on shrink-fitted specimens 20mm in diameter of NiCrMo steel.The results obtained were summarized as follows:1. The reduction ratio 2.3 was obtained by comparing the endurance limit for a shrink-fitted specimen with that of a plain specimen.2. The endurance limit of a shrink-fitted specimen was increased by about 2.1 times by induction-hardening.3. The fatigue strength of the induction-hardened specimen with a shink-fitted member may be estimated approximately from the modified Goodman diagram, in which the residual compressive stress on the surface layer of specimen is assumed to be mean stress.
著者
岩崎 稔 DRISCOLL M.W.
出版者
東京外国語大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

昨年度に引き続き、岩崎稔とマーク・ドリスコルが、総動員システムと植民地支配というふたつの政治文化システムの連関や相互作用を、具体的な文化的表象を用いて分析する作業を続けた。関連する文献を収集し、適宜読解するとともに、認識を共有するための研究会も重ねた。具体的には、岩崎が特に植民地支配における身体と文化の問題に取り組み、コロニアリズムにおける物質的な暴力の思想的な含意についていくどか報告した。とくに性的な身体をめぐって、レイシズムの支配が、統合と排除、包摂と異物化というふたつの作用としてせめぎあすことの動態とその理由を解明することに先進した。他方ドリスコルは、岩崎と認識を共有しつつ、謝金によって翻訳通訳業務を担当してくれるアルバイト学生を伴って国立国会図書館にひきつづき通い、必要な図版、図録を調査してきた。また収集した身体をめぐる表象や図像を具体的にもちいて図像学的読解の実践を試みた。このトレーニングを通じて、図像を分析する際の基本的な枠組みや概念を鍛えることができた。また、とくに新しい視座として、ドリスコルは、コロニアリズム研究の一環である沖縄研究にも研究対象を拡大することができ、複数の研究者や民間の研究者との共同作業をこころみた。これらの作業を通じて、身体や空間をめぐるポリティクスについて、プロジェクト参加者の認識は、初発の時点に比べて格段に深化し、多くの素材を処理可能になった。また、研究のための図像の読解作業を通じて、今後の研究に必要な研究者ネットワークを構築した。
著者
窪田 香織 野上 愛 高崎 浩太郎 桂林 秀太郎 三島 健一 藤原 道弘 岩崎 克典
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.3, pp.110-114, 2014 (Released:2014-03-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1

我が国は超高齢社会を迎え,認知症患者数の増加は深刻な問題である.しかし認知症の根治的治療法は確立しておらず,患者の日常生活動作(activity of daily living:ADL)を低下させない新しい認知症治療薬が求められている.その中で,ADLを低下させずに認知症の症状を改善する漢方薬・抑肝散が脚光を浴び,主に幻覚,妄想,抑うつ,攻撃行動,徘徊などの行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)に使われている.しかし,その作用機序はよく分かっていない.そこで漢方薬である抑肝散の認知症治療薬としての科学的背景を明らかにすることが必要となった.我々は,抑肝散がメタンフェタミン投与による興奮モデル動物において自発運動の異常増加を抑制すること,単独隔離ストレスによる攻撃行動,幻覚モデルとしてのDOI投与による首振り運動,不安様行動,ペントバルビタール誘発睡眠の短縮や夜間徘徊モデルの明期の行動量増加のようなBPSD様の異常行動を有意に抑制することを明らかにした.また,8方向放射状迷路課題において,認知症モデル動物の空間記憶障害を改善することを見出した.記憶保持に重要な海馬において神経細胞死の抑制やアセチルコリン遊離作用が認められ,これらの作用によって抑肝散の中核症状に対する改善効果も期待できることが示唆された.さらに,中核症状,BPSDいずれにもNGFやBDNFなどの神経栄養因子の関与が注目されているが,抑肝散には神経栄養因子様作用や神経栄養因子増加作用があることが分かり,この作用も中核症状・BPSDの改善効果に寄与するものと考えられる.以上のことから,抑肝散は,認知症患者のBPSDならびに中核症状にも有効で,さらに他の神経変性疾患や精神神経疾患の治療薬としても応用が期待できることが示唆された.
著者
岩崎 博之 中井 専人
出版者
群馬大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

測定原理の異なる二つの雨量計で得られた10秒降水量データを用いて,発達した積乱雲群を構成する対流セルの微細構造を調べた.二つの雨量計で得られた10秒降水量の時間変化には,明瞭な1-2分周期の変動が認められ,多くの場合,その二つの位相は一致していた.この事実は,1-2分周期の変動は測器の測定誤差ではなく,実在の現象であることを意味している.つまり,一般に積乱雲の構成単位と考えられている対流セルの内部には,更に小さな複数の降水コアがおおよそ1km間隔で分布していると考えることができる.しかし,降水コアには周期性が認められるが,降水コア通過に伴い地上気象要素が変動する事実は認められなかった.
著者
佐藤 毅彦 熊野 善介 石井 雅幸 五島 政一 坪田 幸政 松本 榮次 福田 章人 丸山 修 岩崎 泰久 木村 かおる
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

実験・観察を重視する新学習指導要領理科「天体」分野の教育を現場レベルで向上させることを目的に、教材・カリキュラムの開発を行った。昼間に星空を見るためには、インターネットを経由した遠隔天体観察ツールを活用した。新設単元「月と太陽」における「満ち欠け」指導方法には特に力を入れ、学習教材BaMoonを開発するとともに、視点共有のためのカメラ活用を考案し、教員研修会等で広める活動をした。
著者
岩崎 鋼 菊池 昭夫
出版者
独立行政法人国立病院機構西多賀病院
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

抑肝散のハンチントン病(HD)における不随意運動などに対する効果を検証するため、two-way crssover studyを行った。Total UHDRS(p=0.067)及びMaximalChorea(p=0.055)及びMaximal Dystonia(p=0.073)について投与により有意な変化を示す傾向が認められた。本研究に於いて抑肝散はHD患者におけるUHDRS、とりわけChorea並びにDystoniaを改善する可能性が示唆された。
著者
岩崎 弥生 張 平平 浮ヶ谷 幸代
出版者
千葉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、精神保健医療福祉資源の乏しい地域におけるメンタルヘルスの関連要因を、個人的資源および社会文化的資源の視点から明らかにして、資源の乏しい地域におけるメンタルヘルス支援の開発を検討したものである。メンタルヘルスの関連要因として、身体的健康状態、対処スキル、農業生産性、地域の世代内・世代間交流、共同体の信頼・結束などが示され、メンタルヘルス支援の開発において、コーピングスキルや地域の世代内・世代間交流などを活用・強化する対象者との協働による対話型のアプローチの重要性が示唆された。
著者
德吉 陽河 岩崎 祥一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.178-187, 2014
被引用文献数
7

We conducted two studies to develop a Japanese version of the Personal Growth Initiative Scale-II (PGIS-II), and examined its reliability and validity. PGIS-II was developed as a multidimensional measure of the multiple processes of the Personal Growth Initiative (PGI). The PGI describes an active, intentional engagement in the process of personal growth for self-improvement of life experiences. Study 1 (<i>N</i> = 204) reports the confirmatory factor analysis (CFA) of the Japanese version of the PGIS-II. The CFA confirmed that 4-factor model showed acceptable fit indices, with reliability coefficients ranging from .67 to .84. Concurrent validity of the PGIS-II was indicated by the correlation with happiness, the positive score for automatic thoughts. Study 2 (<i>N</i> = 101) reports the concurrent validity of the PGIS-II using scales for locus of control, self-esteem and coping. Results suggested significant correlations between scores on the PGIS-II and locus of control, self-esteem and some coping subscales. The overall results suggest that the Japanese version of the PGIS-II has satisfactory statistical reliability and validity.
著者
岩崎 基 片岡 洋行
出版者
国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ブラジル在住日系人のヘテロサイクリックアミン摂取量を把握するための質問票を開発し、加熱食品中のヘテロサイクリックアミン含有量データベースを作成するために、ブラジルでよく用いられる調理法を用いて肉・魚類を調理しヘテロサイクリックアミンの分析を行った。その結果、食材、調理法、焼き具合(3-4 段階)、マリネの有無、皮の有無などの条件別のデータベースが整備され、質問票により摂取量推定が可能となった。
著者
入江 英嗣 森田 光貴 岩崎 央 千竃 航平 放地 宏佳 小木 真人 樫原 裕大 芝 星帆 眞島 一貴 吉永 努
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.1415-1427, 2014-04-15

本論文では,光学シースルー方式HMD向けのユーザインタフェースとして,仮想オブジェクトや現実オブジェクトを指で直接指定することのできる"AirTarget"システムを提案する.AirTargetはHMDに取り付けたカメラからユーザの指の位置を検出し,カメラと視線のずれを補正する新規アルゴリズムにより,指先にカーソルを重畳表示する.軽量なアルゴリズムにより指先はマーカレスで検出され,特定の入力デバイスや外部計算機を必要としない.簡単なジェスチャによってコンピュータにコマンドを送ることができ,プログラムの入力インタフェースとして機能する.ユーザは仮想平面上のデスクトップを指差して操作することや,視界に入った現実オブジェクトを指で切り出して画像検索のクエリとすることができる.このような可搬性と操作感から,外出先を含む日常生活のあらゆるシーンにコンピューティングを浸透させるインタフェースとして有効である.Android端末として機能するHMD上に提案システムを実装し,システムのリアルタイム性,検出精度,操作感の評価を行った.提案システムは18フレーム以上のリアルタイム動作を実現し,また,クリックジェスチャ操作を高い認識率および精度で実現した.In this paper, a system "AirTarget", which can point virtual and real object directly with user's finger is proposed for optic see-through HMD devices. The camera attached to the HMD device detects the position of user's fingertip, calibrates the gap between the sight of the camera and eye, and displays the cursor overlapped to the finger on the virtual plain. Finger detection is done in markerless image processing, so that it does not require specific input devices or external computer. This system enables to send control commands by simple gesture, working as a self-contained interface. The user is able to point a virtual object with their finger, and able to cut out an object of the real sight which can be used as a query of the image searching. Such portability and operability enforces AirTarget as an effective interface to be attached to every scene of daily life including outdoors. We implemented the proposal system on the HMD as an Android device and evaluated its real-time properties, detection accuracy, and operability. The algorithm achieved more than 18fps which is sufficient to real time operation. Also, the quick gesture operation was achieved in high accuracy and recognition rate.
著者
楠本 良延 稲垣 栄洋 平舘 俊太郎 岩崎 亘典
出版者
独立行政法人農業環境技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

静岡県の茶産地では茶畑にススキを主とした刈敷を行う農法が広く実施されている。この刈敷の供給源となっている半自然草原を茶草場という。空中写真とGISの解析から掛川市東山地区では茶畑の65%に相当する半自然草地が維持されていた。わが国の半自然草地が減少しているなかで茶草場は重要で貴重な草原性植物の生息地として評価できる。茶草場は伝統的な里山景観と農業活動によって維持される生物多様性保全の良い事例だと考えられるため、その成立・維持機構を明らかにする。