著者
香西 みどり 山本 文子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.283-287, 1998-03-15
被引用文献数
1

ダイコンの硬化現象に及ぼす圧力および温度効果を比較検討した.1cm角のダイコンに室温で400MPa, 2hの高圧処理あるいは60℃, 2hの加熱処理を行った.加熱処理の方が破断荷重, 破断距離のいずれも変化が大きかった.処理後の加熱による軟化の99.5℃における速度定数は加圧処理では未処理の約52%, 加熱処理では約24%に低下した.ペクチンのエステル化度の低下はいずれの処理においてもほぼ同程度であった.いずれの前処理によっても水溶性ペクチンおよび水溶性カルシウムイオンは減少し, ヘキサメタリン酸可溶性ペクチンは増加した.食塩可溶性カルシウムイオンは加圧処理によってわずかに増加しただけであったが, 加熱処理では有意に増加がみられた.
著者
田中 弘美 平井 慎一 陳 延偉 田中 覚 島田 伸敬 森川 茂廣 来見 良誠 山口 哲 小森 優
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

触覚情報が重要な遠隔協働タスクとして医療分野における低侵襲手術訓練を想定し,触覚フィードバックによる遠隔実地訓練を可能にする遠隔協働型超臨場感仮想環境を実現した.そのために,(1) マイクロセンサを用いた内部センシングに基づく,生体軟組織等の非一様変形パラメータ群推定法,(2) オンラインリメッシュ型インタラクティブ柔軟物シミュレーションの実装と高速化法,(3) 腫瘍や血管などの微細構造の変形と連動させた大規模ボリュームデータの可視化法を確立し,(4)遠隔3地点間で低侵襲胆嚢摘出手術と穿刺手術訓練が可能となるボリュームベース遠隔触覚協働環境システムのプロトタイプの実現し,検証実験により有効性を実証した.
著者
村田 吉平 白井 滋久 藤田 正平 島田 尚典 Shrestha Bhushan Wangchuk Tenzin
出版者
日本育種学会・日本作物学会北海道談話会
雑誌
日本育種学会・日本作物学会北海道談話会会報
巻号頁・発行日
vol.36, pp.120-121, 1995

十勝農試では、小豆の品種改良の母本として、国内(33府県)、国外(韓国、台湾)の小豆遺伝資源を1984年から、現在まで約2300点を収集している。今回、小豆栽培の西端と推定されるネパール、ブータンで収集したものが、従来と異なった特性を有していることが明らかになったので報告する。
著者
島田 茂孝 後藤 昇 島田 和幸 保阪 善昭
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.322-332, 2001-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

成人の顔面表情筋とそれらの筋に分布する顔面神経についての詳細な報告は多い.しかし新生児や乳児期における報告は少ない.この研究の目的は, 高胎齢児の顔面表情筋の発達分化とそれに伴う顔面神経の発達と分布を観察し, 各胎齢ごとに肉眼解剖的な観察により出生直後の新生児や乳児期の形態的な特徴をとらえることにある.表情筋の分化発達をみると, 27胎週齢頃からは, 閉瞼する際に働く筋や口唇周囲の筋の分化発達はよく, 眉毛や眉間, 鼻部に付く筋の分化発達は弱い.また同時期になると顔面神経本幹から分岐した末梢の枝である側頭枝, 頬骨枝, 頬筋枝, 下顎縁枝, 頸枝の各枝の識別は容易となり, 各枝の末梢分布は頬骨枝, 頬筋枝, 下顎縁枝, 頸枝では, それぞれの各表情筋群に分布することが容易に観察できたが, 側頭枝, 特に後方枝の末梢分布を肉眼で観察するのは困難だった.すなわち前頭部, 鼻部周辺の筋とその神経は分化発達が弱く, 閉瞼する際に働く眼輪筋や口唇周囲につく筋とそれらの筋に分布する神経は各部に細かく分化発達して, 表情筋の分化発達はその支配する顔面神経の発達と関係が深い.
著者
金 憲経 鈴木 隆雄 吉田 英世 島田 裕之 齋藤 京子 古名 丈人 大渕 修一
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

都市部在住後期高齢者におけるサルコペニア有症率は22.1%であった。サルコペニア高齢者の特徴を調べるために、サルコペニアと判定された304名とサルコペニアと判定されなかった正常者1,073 名の調査項目を比較した。その結果、サルコペニア群は正常群に比べて、年齢が高く、下腿三頭筋周囲、骨密度、BMI、筋肉量は有意に低値を、健康度自己評価で健康だと回答した者の割合、定期的な運動習慣を持っている者の割合は低かったが、外出頻度が少ない者の割合は高値を示した。既往歴においては、高血圧症、高脂血症は正常群より低い割合を示したが、骨粗鬆症の既往はサルコペニア群38.2%、正常群30.7%、60歳以降の骨折歴はサルコペニア群28.6%、正常群22.9%、過去1年間の転倒率はサルコペニア群26.5%、正常群16.4%といずれの項目においてもサルコペニア群が有意に高い割合を示した。以上のことから、サルコペニア高齢者は、転倒のみならず骨粗鬆症に伴う骨折危険性が高いことが示唆され、その予防策の早期確立が重要なポイントであることが強く示唆された。サルコペニアの早期予防を目的とした運動、栄養補充の効果を調べるために、介入参加者155名をRCTにより運動+栄養群38名、運動群39名、栄養群39名、対照群39名に分け、運動群には週2回、1回当たり60分間の筋力強化と歩行機能の改善を目的とした包括的運動指導を、栄養群にはロイシン高配合の必須アミノ酸3gを1日2回補充する指導を、3ヶ月間実施した。その結果、四肢の骨格筋量および通常歩行速度は運動群、栄養群、運動+栄養群の3群で有意な増加が観察された。しかし、下肢筋力を評価する膝伸展力は運動+栄養群のみで有意な向上が観察された。これらの結果より、サルコペニア予防のためには、運動指導に必須アミノ酸を含んだ栄養を補充する複合介入がより効果的であることを検証した。
著者
居村 暁 島田 光生 森根 裕二
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

肝移植後の再発はcirculating cancercellあるいは肝移植時すでに存在するmicrometastasisによる再発であり制御困難である。今回、脾注肝転移(経門脈的)モデルを作成して癌細胞の肝転移メカニズムを検討した。MH134マウス肝癌細胞脾注1週間後、IFN投与群ではコントロールと比較し著明に肝転移個数が減少した。また、IFN投与群の転移腫瘍内MVDはコントロールと比較し有意に減少した。非癌部肝組織における接着因子発現の程度による肝転移促進効果は認めなかった。今後、肝切除+虚血再灌流を施行し、肝移植後の脾注肝転移による肝転移増強の有無につき研究を継続する。
著者
佐保 美奈子(井端美奈子) 古山 美穂 工藤 里香 島田 憲次
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

性分化疾患や総排泄腔遺残症などにより、膣形成術予定の思春期以後の女性と家族が、恋愛・結婚へと夢をつなぐためのセクシュアリティ支援について、検討した。毎月のストーマ・セクシュアリティ外来において性に関するカウンセリングをし、カンファレンスに参加し、意見を述べた。国内学会での情報収集・情報発信を活発に行ない、韓国の大学病院にて性別適合手術を見学した。障がい者用衣服についての講演会・排泄障がい者の女子会を開催した。研究成果物として、『こころとからだBook』『おつきあいのマナーかるた』『膣拡張用樹脂製ダイレーター』『女性オストメイト用おしゃれ下着』各種パンフレット・小冊子などがある。
著者
佐藤 健哉 坂本 陽 三原 進也 島田 秀輝
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.30, pp.1-6, 2011-03-11

テレビや DVD レコーダなど多様な家電機器がホームネットワークに接続され,自宅内のどこでも映像が視聴可能な相互接続のための仕様が登場している.ネットワークに接続される機器が増加し多様化する状況において,一般的な赤外線リモコンと異なり機器操作をネットワーク経由で実施するため,複数の操作対象となる機器の中から操作したい機器を特定することが困難になる.本研究では,カメラ,タッチパネル,ネットワーク機能を搭載したスマートフォン上の拡張現実感技術の利用により,ネットワークに接続された機器を直感的に特定し,ホームネットワーク上にあるコンテンツ検索や再生表示などの操作を行う方式を提案するとともに,その実現可能性を示す.また,家電機器操作のたの現在の拡張現実感技術の問題点の考察と,LED 点滅による可視光マーカを利用した解決方法も提案する.Many kinds of networked home appliances connected to each other with standardized control functions are recently appeared. As the number of appliances in a home increases, unlike general infrared remote control, it would be difficult to specify a certain device to be controlled because a user can simultaneously operate all devices with a wireless controller in a home. In this paper, we propose a network-connected home appliance cooperation method to control appliances (e.g. search and play contents on a home network) effectively with augmented reality technology using a smart phone that includes a camera, touch panel, and network functions, and verify its effectiveness. In addition, we discuss the current augmented reality technology issues, and propose a new visible marker method with blinking LED to address the issues.
著者
池野 旬 島田 周平 荒木 茂 池上 甲一 半澤 和夫 児玉谷 史朗 上田 元 高根 務 武内 進一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

東南部アフリカの農村においては、多様な生業が同時並行的に展開されて、究極的な目的である安定的な食糧確保が目指されてきた。1980年代以降の国家の政治・経済・行政改革に伴うマクロ・レベルの社会経済変動に対して、生計戦略を変容させながら農村世帯は巧みに対応してきた。本研究では、主として農村での実態調査に基づき、多様な生計戦略と食糧確保の方策、ならびにそれらの背景にある規定要因について、実証的に分析した。成果の内容は、数冊の単行書(和文)、英文論文等として公表している。
著者
孫田 信一 小野 教夫 武藤 宣博 島田 厚良
出版者
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
2000

相互転座などの均衡型染色体構造異常を有し、そのホモ接合体やヘテロ接合体で各種疾患、発生異常、器官形成異常などを呈する系統を多数開発し、各種異常にそれぞれ関与する切断点遺伝子を探索するシステムの確立を目指した。まず、4.5シーベルトのX線照射雄との交配で得られる子獣では29.8%に染色体構造異常が見られ、そのホモ(またはヘテロ)接合体の中からこれまで種々の症状(発育障害、四肢形成異常、腎異形成、痙撃発作、行動異常、高発癌、早発老化、学習記憶障害など)を呈する12系統を分離した。構造異常を有する他の系統の約20.8%はホモ接合体で致死となり、2〜8細胞期を含む初期段階での発生停止、着床後早期の発生異常、器官形成異常などを示した。一方、マウス(およびチャイニーズハムスター)のDNAを用いて、定法によりゲノムライブラリーを作製し、マウスおよびハムスターゲノム由来の500以上のBAC及びコスミドクローンをFISH法で染色体上にマッピングした。さらに、相互転座ホモ接合体で発育障害と学習記憶障害を示す2系統、及び染色体13と16の相互転座ホモ接合体で特有の発生異常、器官形成異常を示す1系統のマウスを用いて、切断点遺伝子の解析を試みた。後者の切断点におけるBAC contigのFISH解析の結果、特定クローンが染色体16の切断点を挟むことが判明したので、遺伝子の分離と解析を図った。ホモ接合体で発育障害と学習記憶障害を示す2系統の遺伝子はかなり狭い範囲に特定したが、遺伝子決定には至っていない。マウス遺伝子から相同性を利用して同一機能のヒト遺伝子を特定することが容易になっている。染色体構造異常と各種症状や発生異常等を伴う動物系統について胚バンクとして系統的に保存していくならば、未知の遺伝子を含む多数の遺伝子の構造・機能の解析の有用な研究材料になるものと考える。
著者
島田 淳子 中津川 研一 大橋 きょう子 小田 きく子
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

ジアシルグリセロール(DAG)の調理上の特徴を把握するために、脇方酸組成、トコフェロール含量等を可能な限り揃えたDAGとトリアシルグリセロール(TAG)を調製し、試料とした。試料油と脱イオン水を、(1)油相体積分率を変えて、(2)水相として各種塩類溶液を用いて、(3)HLB3から14までのポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて、混合撹伴し、乳化の型および保存による安定性を評価した。その結果、DAGは乳化剤無添加でかなり安定なW/O型エマルションを形成すること、抱水性が大きいこと、および一般にO/Wエマルションになる条件でW/Oエマルションとなる条件あることが見出された。塩類はいずれもDAGの乳化安定性を高めた。次にマヨネーズを模した組成の濃厚エマルションを調整した。DAGから調製したエマルションの平均粒子径はTAGのそれより小さく、粘度は高かった。しかも平均粒子径をほぼ同じにしてもDAGエマルションの粘度はTAGのそれより高く、これよりDAGと卵黄成分の間に何らかの相互作用のある事が示唆された。食塩はDAGの粘度に大きく影響した。最後にDAGの自動酸化および熱酸化に対する安定性および揚げ加熱に対する安定性を検討した。試料油を紫外線照射有り・無しで、40℃で自動酸化および180℃で熱酸化させた。また、モデル揚げ材料として、アルブミン及びα-コーンスターチを用いて一定条件下で揚げ加熱を行い検討した。その結果,DAGの酸化安定性および家庭レベルにおける揚げ加熱に対する安定性はTAGとほぼ同等とみなせた。しかし強制フライ条件においては、AVの上昇および色差計による明度の低下が、DAGにおいてTAGより顕著であった揚げ加熱中にDAGの中に溶出した水分がTAGのそれより高かったことがその原因と考えられた。以上より、DAG調理上の特性は通常の食用油脂とほぼ同等と考えられる。
著者
境 隆二 高山 征大 加藤 宣弘 島田 智文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.405, pp.45-49, 2010-01-21

CELL REGZA^<TM>は、東芝がCell Broadband Engine^<TM>向けに開発してきたソフトウェア技術の集大成となるデジタルテレビである。CELL REGZAでは、Cell Broadband Engineの計算パワーを余すところなく引きだし、地デジ8チャンネル同時視聴、高速ザッピング、TIMESHIFT MACHINE^<TM>、超解像やノイズリダクションなどの高画質化機能をソフトウェアで実現している。高性能なソフトウェアを実現するには、アルゴリズムを最適化しプロセッサの演算器の利用効率が高くなるようにプログラミングする必要がある。本稿では、CELL REGZAの上記の機能を実現したマルチコアプログラミングの実際について説明する。
著者
本城 凡夫 島田 秀昭 大嶋 雄治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究では、有明海の有機スズ(TBT)等化学物質の汚染、および二枚貝の繁殖に及ぼすTBTの影響について実施した結果、以下の点が明らかとなり、化学物質が貝類の激減に関与していることが示唆された。1)有明海の化学物質汚染:1998年と2001年に有明海で採取した二枚貝のサンプルについてTBT濃度を調べたところ,すべての試料からTBTが検出され,アサリでは1998年が0.062-0.125μg/gおよび2001年が0.008-0.033μg/gであった。さらにタイラギでは2001年採取分が0.009-0.095μg/gであった。本研究よりTBTの使用規制後も,沿岸域においてTBT汚染が続いていることが明らかになった。また、重金属(水銀、銅、カドミウム)については顕著な汚染は認められなかったが、農薬については2003年8月に有明海筑後川河口3地点より海水を採取して,567種農薬の一斉分析を行った結果、3地点から計12種類の農薬が検出され、有明海の生物に影響を与えている可能性が考えられた。2)二枚貝繁殖試験:TBTをアコヤガイおよびアサリの親貝に暴露し、繁殖への影響を調べた結果、アコヤガイでは、生殖腺のTBT濃度が0.088μg/gで次世代の初期発生が阻害され、アサリでは体内TBT濃度が0.099μg/gで卵の発生が20%阻害されることが明らかになった。よって、有明海における貝類激減の原因のひとつとしてTBTの関与が推定された。また、本研究室で単離した付着珪藻(Cylindrotheca closterium)-海産自由生活性線虫(Prochromadorella sp.1)のバイオアッセイ系に対してTBTを暴露した結果、3.26μg/Lの濃度では線虫の成長が若干阻害され、32.6μg/Lで付着珪藻および線虫が斃死した。
著者
武田 珠美 青野 寛子 福田 靖子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.1115-1125, 2000-12-15
参考文献数
27
被引用文献数
4

ゴマ種子を170℃, 200℃および230℃で5〜40分間焙煎し, 外観, 微細構造, テクスチヤー, 糖およびリグナン類への影響を検討した. 170℃で20分まで焙煎したゴマは表皮の着色や亀裂が少なく, 外観上優れていたが, 歯ざわりの評価が低かった. 230℃で5〜15分焙煎したゴマはいずれもよくふくらみ, 残存胚乳組織と子葉間に空間が観察され, 官能検査ではもろく, プチッと破断する感触が強く, 好ましい歯ざわりと評価された. しかし, 焙煎5分ですでに表皮の着色が濃く, 亀裂が目立った. セサモールは著しく生成した. 200℃で焙煎したゴマは, 230℃焙煎のゴマに類似していた. 遊離糖には, グルコース, フラクトース, スクロース, プランテオースおよびスタキオースが含まれ, スタキオースは比較的安定であったが, 他の糖は高温の焙煎ほど減少が速くみられ, これらの総量と表面色(L値)には高い相関がみられた.
著者
藤田 正範 島田 昌之
出版者
広島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

【目的】乳牛では乾乳の初期に古い乳腺細胞が脱離し、新しい細胞に更新される。しかし、暑熱の影響によりこの更新が進まないときには秋季における乳生産が抑制されることが知られている。本研究では、乳生産に及ぼす暑熱の影響を理解する研究の一環として、乳腺細胞の機能性に及ぼす暑熱の影響を解析することを目的とした。このために,夏季乾乳・夏季泌乳牛と秋季乾乳・秋季泌乳牛の生乳中乳腺細胞のプロラクチン負荷に対する乳腺細胞プロテインキナーゼ活性などの比較調査を行った。【方法】ホルスタイン種夏季泌乳牛8頭(試験期間内日平均気温;23。3℃)、秋季泌乳牛8頭(試験期間内日平均気温;10。9℃)を用いた。分娩1日と10日の14時に乳房静脈から採血し、分娩10日の8時に生乳を採取した。血漿中エストラジオール17-β濃度を高速液体クロマトグラフィーUV検出法で、血漿中プロラクチン濃度をEIA法で測定した。プロラクチン負荷に対する乳腺細胞のプロテインキナーゼ発現量の測定では、生乳から乳腺細胞を分離し、10^3個前後の乳腺細胞に100、500および1000ng/ml濃度のプロラクチンを添加培養後にプロテインキナーゼ活性を酵素法で測定した。【結果】夏季泌乳牛のTDN摂取量と泌乳量は、秋季泌乳牛よりも低い傾向にあった。分娩1日における血漿中エストラジオール17-β濃度は夏季泌乳牛で低い傾向にあり、分娩10日における血漿中プロラクチン濃度は夏季泌乳牛で低い傾向にあった。乳腺細胞のプロテインキナーゼ発現量は3段階のプロラクチン添加のいずれにおいても夏季泌乳牛で有意に高い値であった。以上の結果、プロラクチンの血中放出は暑熱により抑制される傾向にあるものの、乳腺細胞内のプロテインキナーゼ活性などの代謝機能性が亢進することにより、泌乳牛は暑さに対応して乳生産の機能性を維持するものと考えられた。
著者
島田 弦
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

強力な行政権と著しく限定された政治参加を特徴とする権威主義体制において、法による権力の制限を内容とする「法の支配」が、民主化運動とどのように結びついたのか、また1998 年に始まる民主化以降、「法の支配」を支える制度がどのように変化したのかについて研究を行った。そして、立憲主義を通じた行政権の制限を担保する制度として憲法裁判所に関する論文、および、市民社会の側からの「法の支配」を基礎とする民主化運動について、法律扶助運動に関する論文を発表した。また、関連研究として、東ティモールの平和構築における司法制度の役割に関する論文、災害復興行政に関する学会報告を行った。また、イスラム法に基づく統治と国家法制度の緊張関係に関する論文を執筆中である。