著者
龍田 希 仲井 邦彦 鈴木 恵太 黒川 修行 島田 美幸 柳沼 梢 佐藤 洋 細川 徹
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.516-523, 2010 (Released:2010-09-25)
参考文献数
25
被引用文献数
4

Objectives: To evaluate child development, social competence, like intellectual ability, is an important aspect. The social competence of a child is prescribed by behaviors suitable for the society (adaptive behaviors) and behaviors not suitable for the society (maladaptive behaviors). The Vineland Adaptive Behavior Scales (VABS) have been widely administered to children in a semi-structural interview to evaluate social competence. The Social Competence test (S-M test) widely used in Japan is a translated version of the Vineland Social Maturity Scale for adaptive behaviors. Since only the region of adaptive behaviors was translated into Japanese, we attempted to develop a Maladaptive Behavior Scale in Japanese based on the VABS to evaluate the social competence of children. Methods: The Maladaptive Behavior Scale of the VABS was translated into Japanese and back-translated to ensure appropriate translation. It was administered to children belonging to the birth cohort of the Tohoku Study of Child Development at the age of 66 months. The subjects for analysis in this study were 451 children (230 boys, 221 girls). Results: To assess internal consistency, we used the standardized Cronbach alpha coefficient and the result was 0.81. The correlation coefficient between the scores of the S-M test and those of the Maladaptive Behavior Scale was −0.15. The correlation coefficient between the scores of the Child Behavior Checklist at 30 months and those of the Maladaptive Behavior Scale was 0.44. Conclusion: These results suggest that the Maladaptive Behavior Scale may be a reliable instrument for assessing maladaptive behavior in Japanese children.
著者
島田 武彦 土師 岳 山口 正己 武田 敏秀 野村 啓一 吉田 雅夫
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.543-551, 1994
被引用文献数
14 20

95種類の10m erのオペロンプライマーを用いて, RAPD分析法により59品種•系統のウメの品種分類を行った. ウメを小梅•台湾梅品種群, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群に分け, 各々の品種群について分類を行った. 小梅と台湾梅のグループは遺伝的変異が小さく, アンズの形質をほとんど含んでいなかった. 台湾野生梅は中梅品種群とは遠縁で, 明らかに異なっていた. '室谷'と'藤之梅', '小向'と'古城', '鈴木白'と'太平'では相互の識別ができず, これらは異名同品種である可能性が高いと考えられる'豊後'はウメとアンズの雑種であることが証明された. '高田梅'はアンズにかなり近縁であることが確かめられた.RAPD分析法は近縁な品種問でもDNA多型を十分に検出できるので, 従来の方法では識別できなかった異名同品種や同名異品種を識別することも可能であると推察される.<BR>RAPD分析の結果, 実ウメは次の7つのグループに分類できた. 1) 台湾梅品種群, 2) 小梅品種群, 3) 中梅品種群, 4) 大梅 (白花) 品種群, 5) 大梅 (桃花) 品種群, 6) 杏梅品種群, 7) 李梅品種群. 花ウメは実ウメと遺伝的特性は近いものと考えられ, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群のいずれかに属するものと推察される.
著者
風間 武 小池 透 島田 享久 川上 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.334, pp.1-6, 1997-10-23

スポーツのなかで衝突により、プレーを行う競技が数多くある。卓球もボールをラケットに衝突させ、プレーを行う競技である。選手は、相手の打ち返したボールの軌道を予測し、ラケットを振り、目的の球種及び軌道で打ち返す。使用するラケットの評価は、打ち返したときの打撃感やボールとラケットの発生音により行っている。さらに、これにより自分にあったラケットの選定や試合中の動作の確認を行っている。そこで、ラケットの衝突時の現象を把握し、これがラケットの振動及び音響特性を解析し、さらに、ラケットの設計手法を提案する。
著者
鈴木 英二 島田 静雄 近藤 邦雄 佐藤 尚
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.185-186, 1995-03-15
被引用文献数
3

本研究の目的は句読点、特に読点の最適な配置ルールを提案し、それを計算機上で実現することである。わかち書きをしない日本語文章にとって、句読点の役割は大きい。しかし、句読点の用法、特に読点の用法は著者に一任されているのが現状である。熊野らは、英日機械翻訳システムで自然な日本語を生成するための句読点の挿入基準を提案した。しかし、この方法では英文中の単語数を利用するため、基本となる英文が必要である。本研究では、従来の句読点の用法を改めて調査した。そして、読点と読点で区切られる文字列の長さに注目した読点の挿入規則を提案する。なお研究対象を漢字仮名混じりの科学技術論文に限定した。また、なるべく簡単な形態素解析で処理を進めていくことを目標としている。
著者
島田 忠人
出版者
独協医科大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1995

(研究目的)ヒト胃粘膜におけるヘリコバクター・ピロリ(Hp)感染は、慢性胃炎、消化性潰瘍のみならず胃発がんとも関連すると考えられている。本研究ではHp除菌前後の胃粘膜における発がんと関連した諸因子の変化について検討することを目的としており、今年度はその予備的検討を行った。(方法と結果)Hp除菌判定法に関する検討:除菌治療後の判定にHpのureAをターゲットとしたPCR法を併用し、治療1カ月後の時点で通常の方法でHp陰性と判断された症例の中にもPCR法ではHp陽性と判断される症例が少なくないことが明かとなった。これらの症例の少なくとも一部が臨床的にHp感染の再燃を来すものと考えられた。医原性Hp感染に関する検討:内視鏡を介する医原的なHp感染の可能性を検討するため内視鏡検査前にHp陰性であった症例を経過観察し、内視鏡検査後自覚症状的にも、また血清学的にもHp感染が起こっていないことを確認した。Hpサイトトキシン遺伝子の解析:Hpの菌体側の病原因子として重要なサイトトキシン遺伝子vacAの多型性についてPCR-RFLP法で解析し、各臨床分離株の間で著しい多様性があることが明かとなった。胃粘膜におけるケモカイン発現の解析:Hp感染胃粘膜における炎症反応の解析のため、胃粘膜でのケモカインの発現をRT-PCR法などで検討した。IL-8などのCXC型ケモカインだけでなく、MCP-1、RANTESなどのCC型ケモカインも高頻度に発現していることが明かとなった。(考案)本研究によってHp除菌治療評価に関する有用な情報が得られ、また胃内視鏡検査に伴うHp感染の危険性はほとんどないことが確認された。また、Hpの菌体側因子、Hp感染胃粘膜における慢性炎症病態の解析も進んできたので、これらの情報をもとに、実際に慢性胃炎でHp除菌を希望する患者の胃粘膜における諸因子の治療前後における変化についての検討に着手している。
著者
竹田 靖史 檜作 進 島田 順子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.367-371, 1972 (Released:2008-11-21)
参考文献数
13
被引用文献数
1

甘藷β-アミラーゼをSDSで変性すると,失活と同時に高次構造がこわれ,解離した単量体は互いに重合する性質のあることが分かった.この重合体は,メルカプトエタノールの存在下で, SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって,単量体に解重合することが認められた.透析,ゲル濾過によるSDS除去操作を行なっても,可逆的な活性の回復は認められなかった.
著者
島田 淳子 関本 美貴
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.113-119, 2010-04-05

明治時代初期からの日本の法律を,食文化との関連で解析した。明治時代から平成時代までに制定された全法律数は,日本で民主主義が確立された昭和20年(1945年)以降に激増した。食に関するキーワードを含む法律数も同様の傾向を示した。これらの法律を食文化との関連性の有無で解析した。「食文化」という表現は平成17年(2005年)に公布された食育基本法に初めて登場した。次にそれ以前に公布された法律について食文化との関連について調査したところ,食文化に関する表現は昭和29年(1954年)に公布された学校給食法に認められた。
著者
阿部 和時 黒川 潮 浅野 志穂 岡本 隆 松山 康治 落合 博貴 寺嶋 智巳 島田 和則 野口 宏典 大丸 裕武 宮縁 育夫 小川 泰浩
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.91-96, 2002-08-31
被引用文献数
6 4

2000年6月から始まった三宅島の火山活動による多量の降灰で雄山山腹の植生は壊滅的被害を受けた。この影響で泥流災害が島全域で発生し,現在も危険性は非常に高い状態にあると考えられる。本研究では,このような火山降灰地帯が形成された直後の激しい土壌侵食の実態を実証的に明らかにすることを目的とした土壌侵食の発生状況は降灰による森林被害の程度と相関性があると推察されるので,空中写真による森林被害区分を行い,それぞれの区分において現地水路侵食実験で侵食特性を検討した。その結果,降灰が堆積し形成された地表面は流速が20〜35cm/secと早く,浸透性が低いこと,しかし流出土砂量は降灰層中に枝葉が混入した地区よりも少ないこと等が示された。このデータをもとに汎用土壌侵食式(USLE)によって相対的な面状侵食の危険度を,火口を中心とした14.5km^2の範囲について示した。
著者
島田 一雄 若林 良二 鈴木 弘 武藤 憲司 田中 健二 浅井 紀久夫 結城 皖曠 近藤 喜美夫 渡辺 正子 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.486-495, 1998-05-25
参考文献数
13
被引用文献数
8

現在, 大学, 高専等の高等教育機関が教育・研究に利用しているディジタル衛星通信システムは, 二つに分けられる.文部省が大学間教育交流を主目的に推進しているSCS(Space Collaboration System)と研究を主目的として自主的に組織されたディジタル衛星通信の大学間高度共同利用研究協議会(UnSAT協議会:University's Joint Study Group for Digital Satellite Communications)である.本論文は, 平成9年5月30日に航空高専で開催された国立高等専門学校協会(以下, 国専協と略記)主催の「高等技術教育フォーラム'97」を上述のSCSとUnSATの異なる二つの衛星通信システム接続により, 終日, 6高専と3大学に配信する実験を行った結果を取りまとめたものである.最初にSCSとUnSATの概要を述べ, 続いてフォーラムの内容を紹介する.つぎに予備実験とフォーラム当日実施した本実験について述べる.更に, 予備実験と本実験に対する参加者へのアンケート調査に基づく主観評価結果の一部を示す.続いて, 1ホップと2ホップの場合の画像劣化の比較を行うために試みた画像の客観評価の結果について述べる.最後に考察を行い, 2衛星通信システム接続による教育・研究交流ネットワーク構築への手がかりが得られたことを示す.
著者
阿部 尚之 島田 敬士 長原 一 谷口 倫一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.194, pp.195-200, 2011-08-29

Webの集合知を活用し,未知の画像に対してその撮影内容に関するラベル付けを行う画像アノテーションという研究が盛んに行われている.従来の画像アノテーションは,収集した全ての訓練データセットから画像特徴とラベル特徴の関係を学習するものが多かった.しかし,それらのデータには人力である未知画像とまったく関係のない不要なデータも数多く含まれている.そこで本稿では,未知画像に付与されている位置情報と画像構図を利用して,そのような不要なデータを排除することで,画像アノテーションの精度を向上させる手法を提案する.実験では,提案手法と従来手法の比較実験を100シーンで行い,その得られた結果について報告をする.
著者
木村 靖子 島田 玲子 松田 賢一 宅見 央子
出版者
山脇学園短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03898814)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.16-26, 2004-03-10

近年,若年女性における食生活の乱れが問題になり,それとともに身体的症状を訴えることも多くなっている。本研究では,身体的症状で訴えの多い便秘と食生活,生活状況との関連性を検討するために,本学短大生47名を対象に連続した1週間の食事調査と生活状況,排便状況の調査を行った。47名のうち,1週間の排便日数が4日以下の22名を便秘傾向群,5日以上の25名を非便秘傾向群として統計的に比較した。その結果,便秘,非便秘にかかわらず本学短大生は食品の総摂取量が少なく,エネルギーおよび各栄養素の充足率がかなり低いのが特徴であり,予想以上に粗末な食事内容であることが示唆された。便秘傾向群と非便秘傾向群を比較すると,便秘傾向群は食品の総摂取量が有意に少なく,その結果としてエネルギー,たんぱく質,脂質,炭水化物,マグネシウム,亜鉛,ビタミン_B1,ビタミンB_6,食物繊維などの充足率が有意に低くなった。また,食事のとり方においても1日の喫食回数が有意に少なく,食事時間も不規則な傾向を示した。生活状況は起床時刻,就寝時刻ともに遅かった。以上の結果より,若年女性の便秘は食事の絶対量の不足と不規則な食事時間,夜型の生活パターンが起因していると考えられる。