著者
松田 尚樹 工藤 崇 中山 守雄 井原 誠 岡市 協生 吉田 正博
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

放射性ヨウ素による内部被ばくの影響を検出する新しい評価系の開発をin vitro、in vivoの両面から試み、その結果を住民とのリスクコミュニケーションを通して不安緩和に随時応用した。In vitroではI-131を取り込んだラット甲状腺培養細胞の生存率、DNA損傷、シグナル系が急性照射とは異なる応答を示す結果を得た。In vivoでは、I-131を用いるSPECTの実現可能性は確認されたものの、内部被ばく検出とその健康リスク評価については、さらに複数の核種、プローブを駆使して開発を進める必要が残された。このような実験結果は、リスクコミュニケーションを進める上での重要な素材となった。
著者
不破 茂 熊沢 泰生 工藤 嵩 平山 完 木下 弘実
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.119-128, 2010-11-15
被引用文献数
4

底びき網の性能を多面的かつ定量的に評価するために、拡網装置に一般的に使用されているビームを使用した小型トロール漁具と、海底環境保全を目的として網口水平方向の拡網装置として開発されたキャンパス製のカイト(12-14)(以下、ウイングカイトと呼ぶ)を使用した小型トロール漁具の操業実験を行い、漁具特性、漁獲性能並びに、操作性と作業者への身体負荷を定量的に評価し、トロール漁具の性能を多面的に比較する
著者
工藤 博幸
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
中田 秀基 井上 辰彦 工藤 智宏
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.94-94, 2011-06-29

Sawzallは,Google が 2006 年に発表した大容量データの並列バッチ処理に適した言語である.Sawzall の計算モデルは MapReduce 型の分散演算であるが,リダクション操作を組み込みの Aggregator に限定することで,エンドユーザによる容易な記述を可能にしている.我々は現在開発中の並列データ処理機構上の言語処理系を開発するための 1 ステップとして,Scala 言語による Sawzall 言語のサブセット処理系を実装した.文法やセマンティクスに関しては明確な定義がなかったため,2006 年の論文をベースに推測した.その結果,最近公開された Sawzall 処理系とは機能的に若干の相違がある.構文解析にScala言語の Parser Combinator を用いることで,処理系の記述量が削減できた.現在の実行対象処理系は Hadoop である. Hadoop の Mapper 上で言語インタプリタを動作させ,Reducer 上では我々の提供する Aggregater を動作させる.Scala は Java VM 上で動作することから,Java で記述される Hadoop 上での実行は容易である.本発表では,本処理系の実装について詳しく述べる.さらに,Hadoop で直接記述した場合と,プログラム量および実行速度の点で比較を行う.比較の結果,プログラム量は大幅に小さくなる一方,実行速度の面でも一定のオーバヘッドがあることが確認された.Sawzall is a script language designed for batch processing of large amount of data, which is introduced by Google in 2006. The processing model of Sawzall is the MapReduce. Sawzall allows programmers only to program 'mappers' to ease the burden. Sawzall provides a set of 'built-in aggregaters', from which programmer choose mapping function. We are developing distributed data processing system for large scaled data. As a part of the project, we have iplemented an interpreter for Sawzall subset in Scala language. We employed paser combinator for lexical parsing. Currently, the system is running on Hadoop. In the paper, we provide detailed implementation of the system. We also evaluated the system with naked Hadoop in terms of program size and execution speed. We confirmed that, with Sawzall, program size is much smaller, while there are certain overhead in terms of execution speed.
著者
長田 裕子 上村 佑也 坂 智秀 吉田 睦子 西塔 正孝 工藤 秀機 國崎 直道 五明 紀春
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.625-631, 2008-12-15
被引用文献数
8 7

<I>Lactobacillus plantarum</I> No. 14株を被験者28人に二重盲検法により摂取させ,そのスギ花粉症に対する効果を調べた.実施期間は2005年1~3月とし,No. 14株の凍結乾燥菌体を1日2.0×10<SUP>10</SUP>CFU, 3週間連続摂取させた.その結果,血液成分において群間に有意な差はなかったが,No. 14株摂取により総IgEの有意な減少が見られた.また摂取を終了した後でも総IgE, 好酸球数の上昇を抑制した.アレルギー症状に関しては鼻回数が摂取3週間目と後観察1週目で試験群がプラセボ群に対して有意に少なくなった.また,体脂肪率が摂取前後でプラセボ群は有意に上昇したのに対し,試験群は有意に減少した.このことからNo. 14株の摂取により花粉症が抑制され,体脂肪率が低減する可能性が示唆された.
著者
春日井 博志 大崎 往夫 岡 博子 工藤 正俊 関 寿人 大阪肝穿刺生検治療研究会
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.632-640, 2003-12-25
被引用文献数
15 22

肝細胞癌に対するラジオ波治療 (RFA) の現状と, RFAに伴う合併症および死亡例の内容と頻度を明らかにすることを目的として, 大阪肝穿刺生検治療研究会の会員を中心に38施設, 43診療科のアンケート結果について解析を行った. 1999年1月より2002年5月までにRFAは, 経皮的に2542例, 腹腔鏡的に23例, 開腹下に49例, 計2614例に対して3891回の治療が施行された. 合併症は, 2614例中207例 (7.9%) に見られ, 3カ月以内の死亡例は9例(0.3%) に見られた. 死亡例は, 肝不全3例, 急性増悪・肉腫化3例, 胆管損傷・消化管出血・急性心筋梗塞が各1例であった. 1カ月あたりの症例数が多い診療科での合併症・死亡が少なかった. RFAの合併症は, 経験を重ねることにより減らすことができる可能性がある.
著者
松岡 茂 工藤 慈
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.149-155, 2009-06

2007年2月15日,北海道札幌市の落葉広葉樹林で,入り口が氷とざらめ雪に覆われたねぐら樹洞内で,ハシブトガラの死体を発見した。氷は透明で,その上をざらめ雪が覆っていたことから,最初に雨氷が降って木に氷が付着し,後にざらめ雪が降ったものと考えられた。ねぐら穴の入り口の方向と,氷の付着方向から,南から南南西の方向の風による着氷,着雪と考えられた。調査地近くで観測された気象データからは,着氷雪の発生は2月14-15日にかけての真夜中ごろと推察された。また,鳥類病院の検査部門に委託した病理解剖の結果は,ハシブトガラは消耗による死亡ではなく,内臓器官の状態からみて,窒息による死亡所見と矛盾しないことを示した。これらの状況証拠から,ハシブトガラが14日の夕方にねぐらに入った後に着氷雪が発生し,入り口を塞いだために通気がとまり,窒息死に至ったと推察された。
著者
馬場 謙介 星子 奈美 工藤 絵理子 吉松 直美 伊東 栄典
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.1-4, 2011-08 (Released:2011-10-19)

本稿は機関リポジトリへの文献登録をサポートするシステムを紹介している.機関リポジトリは学術情報への オープンアクセスを実現する重要なサービスであるが,登録されている文献数は十分とは言えない.本稿の著者らは,機関リポジトリへの文献登録作業のうち,文献の著者とリポジトリの管理者による作業を部分的に自動化するシステムを開発した.このシステムは,論文誌や学術会議等で発表された文献についての外部データベースを利用し,該当する著者へ本文の登録を促す.また,各文献の出版社等の著作権ポリシーについても,外部データベースを参照し自動的に確認を行う.本稿は,現行の機関リポジトリの問題点を挙げ,その解決方法として開発されたシステムの詳細を述べている.このシステムにより,文献著者とリポジトリ管理者の文献登録の手間を省くことができ,機関リポジトリの登録文献数の増加が期待できる.
著者
工藤 栄 田邊 優貴子 内田 雅己 掘 克博
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.226-235, 2010-11-30

南極湖沼中に設置し,湖底の植物群落の1年にわたる映像記録を捉える目的で水中ビデオシステムの開発を行った. システムはビデオカメラ,制御部,レンズ汚濁防止ワイパー(水中モーター),照明用LEDとリチウム電池から構成されたものである. 市販のハイビジョン方式のビデオを採用し,レンズ汚濁防止ワイパーの動作を簡潔化して,以前試作したビデオシステムよりも消費電力を増やすことなく記録感度を向上させることができた. この機材を第51次日本南極地域観測隊夏行動期間中に,宗谷海岸のスカルブスネス「長池(仮称)」湖底に潜水作業により設置し,一年間の湖底のインターバル撮影を開始した.
著者
工藤 栄 田邊 優貴子 井上 武史 伊村 智 神田 啓史
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.114-122, 2009-03-30
被引用文献数
1

南極の陸域環境の植物の分布と定着は,洪水をも含む環境の物理的撹乱による制限を強く受けていると考えられる.近年(第47次観測隊以降),日本南極地域観測隊の活動を通じ,東南極宗谷海岸のラングホブデ域にある氷河池(仮称)の多年性雪の堤防に大きな穴が開き決壊したことを確認した.同様の現象は約25年前にも報告されている.以前の穴はその後閉塞し,今回の決壊直前まで氷河融解水が涵養した湖沼となっていたが,現在ではその湖水のほとんどが失われ,湖の面積は著しく縮小している.ラングホブデ南部にある隣接したいくつかの渓谷及び湖沼は,土壌藻類・地衣類・蘚類や湖底藻類蘚類群落が発達した地域として知られている.これらの中で,氷河池内やこの雪の堤防の下流側の渓谷(やつで沢)にはごく乏しい植生しか見出すことはできない.この対照的に貧弱な植生の分布と定着状態は,繰り返し発生する堤防の決壊による物理的撹乱が湖沼内及びその下流側での植物の分布・定着を制限した結果であると考えられる.この報告を通じ,著者らはこの地域の氷床の融解量の変化の評価とともに,露岩域での生態学的研究及びこのエリアで今後とも行われる観測活動に際しての安全確保という観点から,この多年性雪堤防と氷河池の長期監視の重要性を訴えるものである.
著者
澤 一雅 工藤 孝也 山岡 耕作
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.999-1005, 2000-11-15
参考文献数
13
被引用文献数
4 2 2

2種類の人工生息場所への放流種苗マダイの蝟集状況を潜水調査した。Aタイプは幅50cm, 高さ15cmの黒色の長方形の網3枚から, BタイプはAタイプの長方形の網1枚と, 底を覆うように設置した50cm四方の網2枚より構成される。1998年7月21日に第一次放流として約3000個体(平均全長25.6mm)を, 7月28日に第二次放流として約1700個体(平均全長69.7mm)を放流した。放流個体は, 特に放流直後に人工生息場所周辺に蝟集し, BタイプをAタイプよりも多くの個体が利用した。これらの傾向は一次放流された小型個体で顕著であった。第二次放流個体に対しては, Bタイプはなわばり形成の基点の機能もはたした。
著者
工藤 真由美
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-5, 2012-05

経済協力開発機構(OECD)による「生徒の学習到達度調査」(PISA)により、日本の子どもの学力が低下していることが明らかにされた。従来の「ゆとり教育」を見直し、学力向上へと視点を移すきっかけになった。その後2010年12月、「PISA2009」の結果が公表された。3年ごとの実施を受け、毎回参加国が増え現在では65か国が参加するまでになり、PISAの世界に対する影響の大きさを窺い知ることができる。「PISA2009」の結果から日本の子どもの学力が読解リテラシーを中心に上昇に転じたことがわかる。しかし、PISAに対応した全国学力調査の実施等から、実はPISAもテスト形式であり、訓練成果が反映される様相がみられる。他方「高等教育における学習成果の評価」(Assessment of Higher Education Learning Outcomes)ーAHELOーいわゆる大学版PISA)の導入の動きがなされている。今後大学教育の成果の国際比較や、同じくDECECOのDeSeCo(「コンピテンシーの定義と選択:その論理的・概念的基礎」プロジェクト)が示す社会人としての能力(キー・コンピテンシー)との関係も考察しながら、学生を社会に送り出す大学教育のあり方が検討されるべきである。
著者
坂本 めぐみ 兼宗 美幸 工藤 里香 那須野 順子 鈴木 幸子 萱場 一則
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.73-77, 2010

【目的】県民の健康づくりの施策として大型ショッピングセンターで展開している埼玉県民の健康支援施設「埼玉県まちなか保健室」の認知度と活用方法と、大型ショッピングセンターを活用した女性の健康支援の方法を明らかにする。【方法】ショッピングセンターを利用する、成人女性および子育て世代の女性233名に対して、自記式質問紙調査を実施した。【結果】まちなか保健室は全体の7.6%が知っていたが今後の利用希望者は55.6%であった。女性の健康事業の希望内容は、マンモグラフィー、骨密度、婦人科疾患相談が多かった。また育児支援希望では、簡単な子ども向け朝食作り、子どもの病気の応急手当、母親のリラックスサービスへの希望が多かった。更年期以降の成人女性と子育て期の女性では希望に差がみられた。【結論】大型ショッピングセンターにおける女性の健康の支援サービスと子育て支援の可能性が示唆された。