著者
本江 昭夫 喜多 富美治 岩下 有宏 工藤 麻紀子
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 自然科学 (ISSN:09193359)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.197-201, 1996-06-26
被引用文献数
1

ムラサキモメンズル倍数体とそれらの雑種の形態の特徴を調査した。植物体を1993年には圃場で,1994年には温室で育成した。野生集団に比べて,栽培集団の方が,草丈,茎の直径,茎あたりの乾物重はあきらかに高かった。1葉あたりの小葉数は野生集団で13〜15枚であったが,それ以外の集団では20〜23枚であった。野生集団の2倍体より,それらの雑種の方が長い花序を持っていた。また,花の長さ,旗弁の幅,翼弁の長さ,小葉の長さ,花粉粒の体積において,5倍体の方があきらかに大きい値を示した。中国の2倍体と日本の4倍体について,同一の種として分類すべきと思われるが,今後さらに研究する必要があろう。
著者
平山 貴博 松本 和将 入江 啓 岩村 正嗣 工藤 治 岩淵 啓一 青 輝昭 内田 豊昭 馬場 志郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.179-182, 2007-03

66歳女。膀胱鏡検査で頂部に最大径4.0cmの多発乳頭状広基性腫瘍を認め経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を施行し, 病理組織診断はtransitional cell carcinoma(TCC), G1, pT1であった。その後, 再発を頻回くり返しTURBTを施行し, THP-ADM膀胱内注入療法を12回施行したが頂部に単発乳頭状腫瘍の再発を認めTURBTを施行した。この術前検査で右肺野単発結節状陰影を認め尿細胞診はclassII, 肺胞線状細胞診はclassVを認め, CTより右S3に約1cmの結節状陰影を認めたが遠隔転移巣は認めず胸腔鏡下右肺部分切除術を施行した。病理組織診断はTCC, G1で膀胱癌の肺転移と診断した。3ヵ月後に頂部に約5mmの乳頭状腫瘍を4ヶ所認め, BCG膀胱注入療法6回施行し, 同部位に残存を1ヶ所認めTHP-ADM膀胱内注入療法を6回施行したが, 腫瘍増大のためTURBTを施行した。病理診断はTCC, G1, pTaで術後BCG膀胱内注入療法を6回施行し, 現在に至るまで胸部も含め再発を認めていない。
著者
山添 和明 日比野 千里 工藤 忠明 柳井 徳磨
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.739-745, 1994-08-15
被引用文献数
2

ハトに実験的上腕骨骨幹骨折を作製し, 骨セメント注入法とプレート固定法の併用が骨折の治癒機転に及ほす影響を検討するとともに, 飛翔能力の回復についての観察も行った. その結果, 骨セメント注入法あるいはプレート固定法単独では術後2週目以内に単純X線所見で全例再骨折を認めたが, 併用法では全例に再骨折を認めず, 術後6週目以降ほぼ正常な飛翔が可能であった. マイクロアンギオグラムおよび組織学的検査から骨セメントによる内仮骨形成の阻害が観察されたが, 血液供給は術後2週目ですでに回復しており皮質壊死像も認められなかった. また骨セメントが皮質骨折端間に高度に残存した場合皮質がつながらず, 海綿骨様化が認められた. しかし飛翔能力が早期に回復したことからプレートと骨セメントが骨折部の変位を防止する良好な支持体になると考えられた.
著者
工藤 天志 正野 隆文 棟安 実治 花田 良子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.284, pp.37-40, 2010-11-11
被引用文献数
1

携帯電話を用いた印刷画像からの情報検出が注目されている.本稿では,携帯電話で画像を撮影する際に起こるレンズ歪みの補正法の改善について述べる.従来手法では,あらかじめ決められた範囲の離散値を歪み係数の候補として,各値に対する回帰直線の誤差を求めて歪み係数を決定していたが,多数の候補点について探索を行うため処理に時間がかかっていた.そこで,歪み係数の推定に黄金分割による直接探査法を用いることで,処理速度の向上を図る.また,歪み係数の推定を高速化できたため,より歪み係数の推定精度を向上するため,補正に利用する辺を従来手法の上辺,左辺のみから,すべての辺を考慮する手法を提案する.
著者
國土 典宏 幕内 雅敏 中山 健夫 有井 滋樹 小俣 政男 工藤 正俊 神代 正道 坂元 亨宇 高安 賢一 林 紀夫 門田 守人
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.562-570, 2007-11-25
参考文献数
7

平成14-15年度の厚生労働省診療ガイドライン支援事業により「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン研究班」(班長:幕内雅敏)が組織され,ガイドラインを作成し,2005年2月に書籍として刊行した.発刊後ほぼ1年を経て,臨床現場でガイドラインを用いるより多くの医師による評価を目的として,日本肝癌研究会全会員に対するアンケート調査を実施した.ガイドライン内容の妥当性だけではなく,普及・利用の現状と可能性に関する評価のために16項目からなる質問票を作成し2006年3月,質問票を本研究会個人会員2,279名に送付し,843名(37.0%)から回答を得た.回答者年齢の中央値は47歳,卒後年数は93.9%が10年以上であり,中央値は20年であった.専門領域は内科系55.6%,外科系37.8%,放射線科系4.4%,病理2.0%であった.最近3カ月で診療した患者数は外来で20名以上が45.7%,入院で10名以上が44.8%であり,現在activeに肝癌診療に関わっているベテラン医師からの回答がほとんどであった.ガイドライン認知度についての質問では,「ガイドラインをみたことがある」が72%であり,日常診療に役立つかどうかの質問では,「大いに役立つ」,「役立つ」を併せて78.8%であった.ガイドラインのどの部分をよく利用するかを尋ねたところ,「治療のアルゴリズム」が77%と最も多く利用されており,次いで「診断・サーベイランス」39%,「経皮的局所療法」38%,「手術」34%と続いた.「ガイドラインを使用して治療方針に変化がありましたか」という質問には「変化した」という回答は20.8%とむしろ少なく,「変化はないがガイドラインが自分の推奨に近いことを確認し自信が持てた」が40.3%と多くを占めた.「変化した」内容については,「治療選択に時間がかからなくなった」が50%で,「時間がかかるようになった」の8%を大きく上回っていた.一方,「ガイドラインは医師の裁量を拘束すると思いますか」との質問には43.9%が拘束されると回答した.解答率が37%と高くないという問題はあるものの,本調査によって肝癌診療ガイドラインがわが国の肝癌専門医に広く認知され利用されていることが明らかになった.本アンケート調査の結果は2006年度から開始されているガイドライン改訂作業の参考資料になると期待される.<br>
著者
川内 道子 工藤 博幸 斎藤 恒雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.228, pp.73-80, 1993-09-16
被引用文献数
1

近年、統計的手法に基づくエッジ抽出が研究されており、特に画像モデルとして複合ガウス・マルコフ確率場(CGMRF)を用いた手法は優れた成果を挙げている。MAP推定では、弛緩法としてICM(Iterated Conditional Mode)やSA(Simulated Annealing)などが知られているが、それぞれ「最適解に収束しない」「膨大な計算量を必要とする」などの短所をもつ。そこで、本研究ではこれらの短所を改善する手法としてMFA(Mean Field Annealing)を提案する。また、エッジの形状を決定するモデルパラメータは一般に未知であるので、パラメータ推定が重要な課題となる。このため、観測画像のみを用いて、エッジ抽出を行いながらパラメータの自動推定を行う手法を提案する。
著者
工藤 元男
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

戦国楚の地域文化の一つとして発生した「日書」が、秦漢帝国を媒介にして、ある意味で普遍的な占卜文化として流通してゆく歴史的過程を明らかにした。またその過程で「日書」が前漢武帝期頃から弛緩・解体し始め、他の占書の中に組み込まれてゆく状況も明らかにした。このような「日書」の歴史的性格は、戦国晩期以降の郡県制の発達と連動するものであり、出張が多かった地方の郡県少吏にとって「日書」が必要不可欠な占いであったことを明らかにした。
著者
花田 英輔 工藤 孝人
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度は、医療における総合的な電磁環境を構成するべき要素のうち、電源重畳ノイズ、接地および放射電磁界シミュレーションに重点を置いて研究をすすめた。また、これまでの研究成果を2つの国際学会を含む多くの学会で口頭もしくはポスターにて発表した。(医療現場における電磁環境の総合的な調査:電源ノイズ)IT化が進む医療機関における電源供給のあり方として、医療機器とその他という目的を明確にした供給体制と、JIS規格(JIS T 1022)に則ったコンセント区分および非常電源のあり方についてまとめ、解説論文として報告した。(医療現場における電磁環境の総合的な調査:接地)電気で駆動する医療機器は、接地が不良となった場合には動作が不安定となり、特に微小信号を取り扱う検査機器にあっては正しい検査結果が得られない場合がある。そこでJIS規格等で定められた病院接地(C種)を作成し、理想的接地(抵抗値10Ω内)および不良接地を人工的に作成し、その簡便な判別方法及び影響について調べた。この結果は平成20年度に報告の予定である。(電磁環境シミュレーションの開発と実証試験)これまで2次元空間で行ってきた放射電磁界の分布シミュレーションを3次元空間に拡張することを目指し、プログラムを改良した。応用例の1つとして、MRI室用電磁波シールドサッシの特性評価に関するシミュレーションを行った。この結果は平成20年度に発表の予定である。
著者
戸波 江二 古野 豊秋 畑尻 剛 小山 剛 栗城 壽夫 近藤 敦 實原 隆志 光田 督良 鈴木 秀美 小山 剛 藤井 康博 上村 都 丸山 敦裕 浮田 徹 古野 豊秋 押久保 倫夫 門田 孝 大森 貴弘 有澤 知子 赤坂 正浩 嶋崎 健太郎 渡辺 康行 根森 健 畑尻 剛 石村 修 中西 優美子 工藤 達朗
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

憲法および憲法学が現実の政治や社会に対して、また、他の法学・社会科学の分野に対してどのような規範的な力を発揮しているか、発揮すべきかについて、他分野の研究との交流、憲法の歴史的発展、外国との比較研究を通じて解明した。日本国憲法は、戦後の政治・社会において基本法としての規範力を発揮し、戦後日本の展開を支えてきたこと、民事法、刑事法の分野でも憲法が浸透し、憲法ないし憲法学との相互交流の動きがでてきている。
著者
成田 伸 大原 良子 鈴木 幸子 遠藤 俊子 齋藤 益子 吉沢 豊予子 野々山 未希子 水流 聡子 跡上 冨美 矢野 美紀 西岡 啓子 加藤 優子 森島 知子 齋藤 良子 角川 志穂 段ノ上 秀雄 黒田 裕子 工藤 里香
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

望まない妊娠や性感染症罹患の予防を専門的に支援する避妊・性感染症予防カウンセラー育成プログラムを構築した。プログラムは6日間の集合教育と専用のウエブサイトを活用した自己学習からなり、2008年度と2009年度の2回にわたって助産師を対象に開催した。育成プログラムの成果を評価するために、受講者と非受講の比較群で学習成果を比較した結果、受講者に知識の増加や態度の変容がみられた。また受講者のカウンセリング能力が向上した。今後は、育成されたカウンセラーの実践自体を評価する研究が必要である。
著者
鄭 仁星 工藤 雅之
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

オンライン協働学習は、議論を展開させ複雑で認知的にも活発な議論を行うことが判っており、対面式の協働に比べ、高い学習効果があることも判っている。しかし、この利点を活かすためには、綿密に設計され円滑に進行、サポートされなければならない。本研究では、4つのストレス要因が同定され、オンライン協働環境における教授方略として、異質グループの利用、学習者の相互理解を促す機会の提供、特に課題に対して自己効力の低いものには認知負荷量を増大させない課題の設定、ワークトエグザンプルの使用した課題の構成・難易度の調整が提案された。
著者
亀山 慶晃 工藤 岳
出版者
東京農業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

高山生態系では雪解け時期を反映した連続的な開花現象が認められ、傾度に沿って花粉媒介者や近縁他種との関係が変化する。北海道大雪山系におけるツガザクラ属植物では、雪解け傾度に沿って雑種第一代が優占する広大な交雑帯が形成されており、雑種と親種の間で花粉媒介者を巡る競争が生じていた。親種の受粉成功は開花時期や年によって大きく変動し、繁殖成功(他殖率)に多大な影響を及ぼしていた。