著者
後藤 真孝 平田 圭二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.75, pp.33-38, 1996-07-27
被引用文献数
14

本稿では,入力された単調なコード進行をジャズらしいコード進行にリハーモナイズするシステム「ハービー君」の設計方針,内部構成,実装について報告する.本研究では,演繹オブジェクト指向(O)の枠組と音楽知識処理との袈和性が高いことを実証し,DOOに基づく音楽応用システム構築法を確立するために,DOOに基づくジャズピアノ知識ベースシステムを応用してハービー君を構築する.リハーモナイズ前後のコード進行の関係をDOOにおけるオブジェクト間の包摂関係で合理的かつ自然に表現することで,ハービー君はリハーモナイズ後のコード進行を推論できる.我々は,拡張性の高い汎用的なシステムであることを考慮しながら,ネットワーク上の分散システムとしてハービー君を実現した.This paper presents the design principles, the system structure and the implementation of a reharmonization system, Herbie-kun, which accepts a simple chord progression and generates a jazzy chord progression. The purpose of this research is to exhibit high affinity of a deductive object-oriented (DOO) framework with music knowledge processing, and to establish an implementation methodology of music application systems in the D00 framework. We hence develop Herbie-kun as an application system of a jazz piano knowledge base system employing the D00 framework. Herbie-kun can infer a reharmonized chord with using a subsumption relation of the DOO framework that rationally and naturally associates original and reharmonized chord progressions. We have implemented Herbie-kun as a distributed system on a LAN, keeping high expandability and availability.
著者
佐々木 浩 中野 鐵兵 緒方 淳 後藤 真孝 小林 哲則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.10, pp.57-62, 2009-01-30
被引用文献数
3

ポッドキャストの音声認識における言語モデルの適応手法を提案する.ポッドキャストは,幅広い話題,タスクの音声データが日々増え続けるという特徴を持っているため,言語モデルをいかにして学習,構築するかが認識性能を左右する大きなポイントとなる.本稿では,言語モデリングにおいて,あらかじめポッドキャストが持つメタ情報と「語彙情報サービス」を活用することで,ポッドキャスト音声認識の性能向上をはかる.具体的には,あらかじめ用意された言語モデリング用学習テキストを各テキスト毎に特徴語を抽出し,ポッドキャストのタイトルや概要などに記載された語との共起を基準にテキストの選択を行い,ポッドキャスト毎に特化された言語モデルの学習を行う.加えて,学習テキストやポッドキャストのメタ情報上の語の不足から生じる,テキスト選択の精度低下の問題を解決するため,語彙情報サービスのタグ情報を活用する.本手法で適応された言語モデルを実際に用いて,その性能を単語パープレキシティと未知語率で評価した結果,単語パープレキシティがベースラインの86%,未知語率もベースラインの80%となり,言語モデルの性能が改善されたことが確認された.This paper presents a language model adaptation method for automatic transcription of podcasts. Since podcasts include speech data that contains a variety of topics and many newly created words, well designed language models are indispensable to achieve sufficient speech recognition rate. In this paper, we propose a new topic dependent language modeling method by using meta information of podcasts and vocabulary information service. In this method, a large amount of training data are collected from the Internet such as web news and blogs on a daily basis. By using RSS texts of podcasts, topic dependent texts are selected from these training data, and proper language models are created for each podcast. In addition, we utilize the tag information of the vocabulary information service to solve the problem of the precision fall of the text choice that the lack of the word in a learning text and a meta information of Podcast cause. The assessment result showed that the performance of the language model using this method is improved because the word perplexity of the result using this method is 86% of that of the baseline and the out-of-vocabraly rate of the result using this method is 80% of that of the baseline.
著者
後藤 真孝 伊藤 克亘 速水 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.2330-2340, 2000-11-25
被引用文献数
29

本論文では, 代表的ないいよどみ現象である有声休止(音節の引き延ばしも含む)を自動的に検出する手法を提案する.有声休止は音声対話において発語権の保持等の大切な役割を果たしており, その検出は音声対話システムを実現する上で重要である.従来, サブワード単位に基づく連続音声認識やワードスポッティングの枠組みで有声休止に対処する研究事例はあったが, いいよどみ現象として個々に検出しておらず, その役割を把握して適切に扱うことはできなかった.本手法は, 有声休止中は調音器官の変化が小さいことに着目し, 音韻的に変化が少ない持続した有声音(有声休止音)を検出する.その際, ボトムアップな信号処理によって, 有声休止音がもつ二つの音響的特徴(基本周波数の変動が小さくスペクトル包絡の変形が小さい)を検出することで, トップダウン情報を使わない言語非依存な検出を可能とする.本手法をリアルタイムに実行するシステムを実装し, 有声休止箇所のマーク付け作業を施した日本語の音声対話コーパスを用意して, 評価実験を行った.その結果, 30名の話者の自然発話に対し, F値0.726の精度で有声休止を検出できることが確認された.
著者
後藤 真孝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.661-668, 2010-06-15
著者
後藤 真宏 西谷 弘信 宮川 浩臣 柳川 恭広
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.54, no.499, pp.497-502, 1988-03-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

Using a series of base oils of different viscosity grades, rotating bending fatigue tests of 0.34 % C steel plain specimens were carried out to examine the effect of oil environments on the fatigue behavior. Although the effect of oil is hardly observed in one grain size crack initiation process, its effect appears in the crack propagation process. As the main effects of oil, two actions are considered ; that is, the isolation of the atmosphere and the oil wedging action. The propagation of a crack smaller than 0.1mm is controlled mainly by the former effect. For a crack larger than 0.1mm, its behavior is controlled mainly by the latter effect. On the other hand, the effect of oil on the fatigue limit is very small.
著者
飯島 渉 橋本 雄太 市川 智生 五月女 賢司 中澤 港 井上 弘樹 高橋 そよ 後藤 真
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2023-04-01

COVID-19のパンデミックの歴史化をめぐっては、個人的な記録や記憶など、感染症対策への反応を示す資料群の整理・保全が必要である。そのための仕組みとして、国立歴史民俗博物館が運用しているクラウドソーシング・デジタル・プラットフォームを援用し、「コロナ関係資料アーカイブズ」(仮称)を構築・運用する。COVID-19のパンデミックの感染状況などの基本的な状況を示すデータを組み込む。中澤港(神戸大学)が整理・公表してきた時系列的な感染の推移データを基本とし、国別の状況も組み込む。持田誠(浦幌町立博物館)、五月女賢司(大阪国際大学)、高橋そよ(琉球大学)の収集資料などを、デジタル化して組み込む。
著者
鈴木 翔太 渋澤 雅貴 加藤 大悟 宇賀 大祐 髙川 啓太 後藤 真衣 和田 直也 笛木 直人 笛木 真 土橋 邦生
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.23-31, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
27

【目的】慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)において,増悪予防は重要な疾病管理目標である.COPD増悪予防には呼吸リハビリテーションが推奨されているが,社会的背景などにより頻回な外来呼吸リハビリテーションが困難な実情がある.本研究では低頻度外来呼吸リハビリテーションのCOPD増悪予防効果を検証することとした.【対象と方法】外来呼吸リハビリテーションを継続して実施していたCOPD患者(以下,リハビリテーション実施群)と,外来通院のみのCOPD患者(以下,リハビリテーション未実施群)を対象とし,12ヶ月間を診療録より後方視的に調査した.主要評価項目としてCOPD増悪の有無,COPD増悪回数,初回増悪日までの日数を収集した.統計学的解析には基準点の比較は群間比較を実施し,COPD増悪回数,COPD初回増悪までの日数はカプランマイヤー曲線およびログランク検定を実施した.【結果】12ヶ月間のCOPD増悪者数,COPD増悪回数は群間で有意差を認めなかったが,初回増悪日までの日数はリハビリテーション実施群で有意に延長した.【考察】増悪は実施頻度や運動強度,リハビリテーションプログラムに影響を受けると考えられることからCOPD増悪者数,COPD増悪回数減少には効果が得られなかったが,活動的な生活や行動変容を促すことができた可能性があり,COPD増悪までの期間を引き延ばす効果があることが示された.
著者
後藤 真孝 吉井 和佳 藤原弘将 Matthias Mauch 中野 倫靖
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1363-1372, 2013-04-15

本論文では,音楽音響信号理解技術によって音楽の聴き方をより豊かにするための能動的音楽鑑賞サービスSongleについて述べる.従来,研究開発段階の音楽インタフェースや技術を,日常生活で人々に使ってもらうのは容易でなかった.Songleでは,Web上で人々に能動的音楽鑑賞インタフェースを体験してもらうことで,音楽鑑賞がより能動的で豊かになる質的な変化を日常生活で起こすことを目指す.そして,Web上の任意の楽曲に対して楽曲構造,階層的なビート構造,メロディライン,コードの4種類の音楽情景記述を自動推定して可視化することで,それを見て再生したユーザの音楽理解が深まることを可能にする.しかし,自動推定では誤りが不可避である.そこで効率的な誤り訂正インタフェースをWeb上で提供し,誤りを人手で自発的に訂正する貢献を促す.そうした不特定多数による訂正がユーザ体験の改善に結び付くことで,Songleのさらなる利用を促していく.
著者
佃 洸摂 石田 啓介 濱崎 雅弘 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-132, no.15, pp.1-10, 2021-09-09

本稿では,人々が Web 上で集まって同じ瞬間に同じ楽曲を聴きながら,リアルタイムにコミュニケーションが取れる音楽発掘カフェ「Kiite Cafe」を提案する.この Web サービスでユーザが楽曲を聴取する体験は,(i)各ユーザの楽曲に対する「好き」という反応が可視化される,(ii)Kiite Cafe で再生される楽曲はユーザの好みの楽曲から選択される,という 2 つのアーキテクチャによって特徴づけられる.これらのアーキテクチャによって,ユーザは対面で一緒に楽曲を聴いているかのように,他のユーザとの社会的繋がりを感じたり,自分の好きな楽曲を他者に紹介する喜びを感じたりできる.さらに,Kiite Cafe のアーキテクチャによって(1)再生中の楽曲に対して「好き」を伝えることの動機づけ,(2)多様な楽曲を好きになる機会の獲得,(3)キュレータとしての貢献,という 3 つの体験がユーザにもたらされる.1,760 名の Kiite Cafe ユーザによる約 5 ヶ月間の行動を分析することで,これらの体験を通して生まれる,ユーザにとってポジティブな影響を定量的に示す.
著者
齊藤 正和 佐藤 智秋 後藤 真希 坂本 薫 宮本 みづ江 田畑 陽一郎 伊東 春樹
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.421-426, 2014 (Released:2014-08-02)
参考文献数
26

【目的】外来血液透析 (HD) 患者の身体活動量に関連する因子を検討するとともに, HD施設までの通院方法と身体活動量および身体機能との関連について検討した. 【方法】外来HD患者53例 (男性34例, 女性19例, 平均年齢62±13歳) を対象とし, 基本情報, 合併症の重症度指標であるComorbidity Index, 栄養状態の指標であるGeriatric Nutrition Risk Index (GNRI), 身体機能の指標であるHD患者移動動作評価表, 身体活動量の指標であるLife Space Assessment (LSA) を調査した. 各調査項目とLSA得点との相関係数を算出し, LSA得点と有意な相関関係を示した因子を独立変数, LSA得点を従属変数とした重回帰分析を実施した. また, HD施設までの通院方法により通院自立, 送迎 (歩行) および送迎 (車いす) に分類し, HD施設まで通院が自立しているか否かを予測するLSA得点ならびに移動動作得点のカットオフ値をROC曲線より決定した. 【結果】LAS得点と有意な相関を認めた因子は年齢, GNRI, 透析期間, Comorbidity Index, 移動動作得点であり (p<0.05), LSA得点の規定因子として身体機能および年齢が抽出された (R2=0.54, p<0.01). また, 通院自立, 送迎 (歩行), 送迎 (車いす) の順で移動動作得点およびLSA得点は有意に低値を示し (p<0.05), HD施設までの通院方法が自立か否かを規定するLSA得点は, 63点 (ACU : 0.861, p<0.01, 95%CI 0.760-0.962), 移動動作得点は, 44点であった (ACU : 0.912, p<0.01, 95%CI 0.835-0.990). 【結語】HD血液透析患者の身体活動量の規定因子として, 年齢ならびに移動動作能力が抽出された.
著者
福田 恵子 後藤 真理
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会誌 (ISSN:03862666)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.150-161, 2012-11-01 (Released:2017-11-17)

The purpose of this study was to investigate effective teaching methods for problem-solving in home economics of senior high school. For this purpose, home project employing problem-solving with practical reasoning was conducted, and the effectiveness of learning and incidence of employments of learning strategies was evaluated afterward. Our subjects were 220 students in a senior high school. Relationships among learning motives, mastery levels of tasks and learning strategy in the problem-solving were analyzed by the multiple regression analysis. The results were summarized as follows; (1) Before the home project, the cognitive strategies were mainly used, and they were improved among approximately 45% of students by the home project employing problem-solving with practical reasoning. This project improved the metacognitive strategies and the external resource strategies which were used among only 25-35% of students before the home project. (2) Multiple regression analysis suggested that the mastery level of task was elevated by increasing the cognitive motivation of attainment value which was elevated by ascending the metacognitive strategies. Learning strategy was increased by raising incidence of imitating strategies from another students and the mastery level of practice.
著者
渡邉 研斗 松林 優一郎 深山 覚 中野 倫靖 後藤 真孝 乾 健太郎
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2017-SLP-116, no.16, pp.1-12, 2017-05-08

本研究では楽曲のメロディを考慮した歌詞の自動生成手法を提案する.人間の作詞現場においては,予め作曲されたメロディに対して歌いやすい歌詞を創作する 「曲先」 と呼ばれる方法が広く行われている.しかしながら,自動歌詞生成の既存手法の多くは,韻やシラブルに基づく生成手法を提案しているものの,メロディと歌詞の関係を考慮しておらず,メロディの区切りと単語の区切りが一致しないような不自然な歌詞を生成してしまう問題がある.本研究では,メロディの音符と歌詞の読みが対応づいたデータを用いて,メロディの音の長さ ・ 休符の位置 ・ 繰り返し構造などの特徴と歌詞の相関を詳しく分析し,その結果をもとにした自動歌詞生成モデルを構築する.結果として作成されたモデルにより,休符や長い音符付近で行や段落 (連) が区切れている自然な歌詞が自動生成された.
著者
福岡 義之 近藤 徳彦 後藤 真二 池上 晴夫
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.60-73, 1991-02-01

Amplitude and phase response of ventilation (V_E), carbon dioxide output (VCO_2) and oxygen uptake (VO_2) during sinusoidally varying work load for periods (T) of 1〜16 min were studied in six healthy men. The relationships between these parameters and aerobic capacity (VO_2max, ATVO_2) were also examined.The results and conclusions obtained were as follows : (1)The relationship between the period (T) of exercise and amplitude response of VO_2,VCO_2 and V_E was well described by first-order exponential models.However,the relationship between the period of exercise and the phase shift (phase responses of VO_2,VCO_2,and V_E) was better described by complex models comprising a first-order exponential function and a linear equation.This can be explained by Karpman's threshold theory.(2)High negative correlations were observed between the steady-state amplitude (A) of phase response or the time constants (〓) of amplitude response and VO_2max,and ATVO_2.Significantly high negative correlations for all gas exchange parameters may be more rapid in individuals with greater aerobic capacity.(3)A close relationship between the response of VCO_2 and V_E was demonstrated by a higher correlation coefficient than that between VO_2 and VCO_2 or between VO_2 and V_E.This call be partly,but not completely,explained by the cardiodynamic theory.
著者
後藤 真理子
出版者
九州大学哲学会
雑誌
哲学論文集 (ISSN:0285774X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.19-39, 2020-12
著者
後藤 真孝 日高 伊佐夫 松本 英明 黒田 洋介 村岡 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1910-1921, 1999-04-15
被引用文献数
12

本論文では すべてのプレーヤーが対等な立場でインタラクションし 即興演奏するジャズセッションシステムについて述べる. 本研究の目的は 人間と計算機とが影響を与え合いながら演奏する新しい統合演奏環境を実現することである. ジャズではプレーヤー間のインタラクションが重要であるが 従来の多くのシステムでは 人間のソロ演奏に対して 計算機が他のプレーヤー全員の演奏を伴奏としてまとめて生成していた. 本論文では 計算機内のプレーヤー同士も 人間同様にお互いの演奏を聞き合ってインタラクションできるシステムを提案する. そして その発展形として 各プレーヤーがお互いの姿を見ることもできる仮想ジャズセッションシステムVirJa Sessionを提案する. 本システムでは 計算機プレーヤーの姿やジェスチャーがコンピュータグラフィックスで視覚化され 計算機プレーヤーが他のプレーヤーのジェスチャーをカメラ等を通いて認識できる. こうして 全プレーヤー間のマルチモーダルインタラクションを実現することで 従来の音だけのセッションシステムに比べ より臨場感のあるセッションが達成できる. 現在の実装では ジャズのピアノトリオを対象とし 人間がピアニスト 計算機がベーシストとドラマーを担当する. 両計算機プレーヤーを独立したプロセスとして複数の計算機上に実装し 実験を行った結果 提案したジャズセッションが実現できたことを確認した.This paper presents a jazz session system in which each player is in dependent and can interplay with all other players. The purpose of this research is to build a new performance environment that facilitates interplay among humans and computers. Although interaction among players is important in jazz, computer accompaniment parts of most of the previous systems were collectively generated as a single task and only reacted to the human soloist's performance. This paper proposes a system that enables computer players to listen to other computer players' performances as well as the human players' performances and to interact with each other. This paper moreover proposes an advanced virtual jazz session system called VirJa Session which also enables all players to see each others' gestures. In our system, the bodies and gestures of computer players are visualized on computer graphics and each computer player can recognize other players' gestures. Thus, we can achieve multimodal interaction among all players. In our current implementation, the system deals with a jazz piano trio consisting of a human pianist, a computer bassist, and a computer drummer. Both computer players have been implemented as separate processes on a distributed environment of multiple workstations. Through our experiments, we verified that our proposed objectives have been achieved.
著者
後藤 真琴
出版者
高知大学
雑誌
高知大学学術研究報告. 人文科学 (ISSN:03890457)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.155-170, 2002-12-25

メキシコ(Mexico)がD. H. ロレンス(David Herbert Lawrence)とその文学に与えた影響を考える場合,メキシコを舞台とする小説『ケツァルコアトル』(Quetzalcoatl)の原稿とその改訂版『羽鱗の蛇』(The Plumed Serpent)の考察は欠かせない。本稿では,その考察のための準備として,『ケツァルコアトル』の書き直しを進めている合間に書かれたエッセイを基に考えてみたい。そのエッセイとは,『メキシコの朝J (Mornings in Mexico)の前半に収められている四篇のエッセイ,「コラスミンとオウム」('Corasmin and the Parrots'),「ワヤパヘの散歩」('Walk to Huayapa'),「モソ(召使いの若者)」('The Mozo')と「市の日」('Market day')である。 L. D. Clarkが指摘しているように,これらのエッセイはメキシコのアメリカ先住民の性格とコスモロジーに関して触れていて,『羽鱗の蛇』での同じテーマの扱い方と密接に関連しているのである。
著者
西保 岳 後藤 真二 鍋倉 賢治 池上 晴夫
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.195-201, 1987
被引用文献数
2

The purpose of this study was to investigate the effects of contraction force and the pooled blood volume in the calf on the pumping action of calf muscle contraction. Calf blood volume was controlled by lower body negative pressure (LBNP) and isometric contraction of calf extensor muscle was performed using a handmade dynamometer in recumbent position. The relative volume changes (&Delta;V/V%) of calf were determined using rubber straingage, when isometric contractions (5, 10, 20, 40 and 60 kg) of the calf muscle were repeated under LBNP of 0, -20, -40, and -60 mmHg.<BR>During resting condition, &Delta; V/V was increased by 1.04% under -20 mmHg LBNP, 1.88% under -40 mmHg, and 2.54% under -60 mmHg. These increases of &Delta;V/V were due to the increased blood pooling in the calf. It was shown that the increased blood volume was almost expelled by several bouts of muscle contractions of proper force. The optimum force of contractions for expelling pooled blood was 20 kg under -20mmHg LBNP, and 40 kg under -40 and -60 mmHg LBNP. And it was apparent that the effectiveness of muscle pump was accumulated with repeating contractions, arriving to a plateau after several bouts.<BR>It was shown that the effect of muscle pump in the given contraction force was more effective under the condition with more amount of blood contained in the calf, but the muscle pumping action by light contraction forces couldn't overcome the effect of severe LBNP.
著者
鎌田 佳伸 比嘉 紗希 亘 麻希 江端 美和 後藤 真由美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.210, 2008

目的:ミシン刺繍で重要な因子である光沢は、刺繍糸と縫い方により左右される。ミシン刺繍の光沢に関して、前報(第59回大会研究発表要旨集p.201)では、縫いパターンと光沢の関係、刺繍糸の繊維素材・糸の構造と光沢との関係を検討し、より高い光沢を得るには異形断面(三角断面)で、撚りは少なく、より細い繊維を利用して均整で平滑な刺繍糸を用いることであると結論した。本研究では、これらの結果の中で、縫いパターンと光沢の関係にのみ注目して、その関係を詳細に明らかにすることを試みた。方法:刺繍ミシンはジャノメメモリークラフト10001、設計用ソフトはデジタイザープロを使用。刺繍糸は#50ポリエステル(白)、縫い方はサテン縫いとたたみ縫いの2パターンとし、5_cm_×5_cm_の試料を作成し、光沢を測定した。測定パラメータは縫いパターン、ステッチの長さ、糸密度、刺繍方向に対する見る角度、受光角度の5つとした。結果:(1) 「サテン縫い」と「たたみ縫い」という縫い方の違いのみでは光沢値に大きな差異は認められなかった。(2)ステッチの長さが増大すると、8mmまでは光沢度は増大するが、それ以上になると変化が小さくなり、飽和状態に移行する。(3)「刺繍方向に対する見る角度」が変わると、光沢は受光角に依存して変化する。受光角45~60度では、刺繍方向で高い光沢度をもつが、その後急激に低下する。受光角75~85度でも類似の傾向を示すが光沢度は低くなる。しかし、受光角が20度のように小さい場合には、刺繍方向よりもそれに直交する方向で光沢は高くなり、受光角が大きい場合とは逆の結果となった。