著者
西村 雄一 紙名 哲生 丸山 勝久
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1120-1136, 2018-04-15

ソフトウェアの並行開発において,異なる開発者が同一のソースコードを独立に変更した場合,それらの変更のマージが競合を引き起こすことがある.このような競合を解決するためには,版管理システムに残された過去の変更を細かく調査し,競合の原因やその解決策を見つけ出す必要があるが,これは面倒で時間のかかる作業である.本論文では,開発者がどのようにJavaソースコードを編集してきたかという情報を表現した細粒度の編集操作の履歴を用いて,競合解決を支援するツールを提案する.このツールは,競合するクラスメンバに関係する編集操作だけを抽出し,それらを再演することで,競合がどのように発生したのかの理解を助ける.また,過去の編集において競合を発生させずにマージ可能な時点を検出し,自動的にマージを適用した結果を開発者に提示する.簡単な被験者実験を通して,提案ツールが開発者の競合原因の把握や競合解決作業の支援に有用であることを確認した.
著者
矢儀 真也 中村 雄一 山内 利宏
雑誌
コンピュータシステム・シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.84-94, 2011-11-23

SELinux のセキュリティポリシは設定が難しいため,汎用的なポリシを利用することが多い.しかし,汎用的なポリシは,個々のシステムに必要のない権限を許可している可能性がある.また,ポリシが占有するメモリ使用量が多く,組み込み機器には適していない.これらの問題への対処として,不要なポリシを自動で検出し,削減する手法を提案する.提案手法は,SELinux が出力するログを利用して不要なポリシを検出する.また,システム管理者にポリシの修正を提案し,システムのセキュリティを向上させ,ポリシのメモリ使用量を削減できる.本論文では,SELinux のポリシの問題点と対処方法を示し,設計と評価について報告する.
著者
上杉 康登 山崎 由大 金子 成彦 疋田 孝幸 津村 雄一郎 水野 沙織
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.850, pp.16-00537-16-00537, 2017 (Released:2017-06-25)
参考文献数
15

To predict the combustion characteristic of auto ignition combustion in internal combustion engines, it is necessary to consider the inhomogeneity of the fuel, EGR and air in the mixture. In this research, a PDF (Probability Density Function) combustion model considering the influence of the inhomogeneity of mixture on the auto ignition combustion is developed. In our approach, the PDF of the injected fuel and the EGR gas is predicted by two-zone turbulent mixing model and only the PDF at the top dead center of the combustion stroke is used to calculate combustion characteristic to realize the reasonable calculation time for the control system design tool. The prediction model was validated by comparing with the experimental result for various injection timings and EGR ratios. It found that the model can qualitatively predict the combustion characteristics with reasonable calculation time.
著者
大浦 靖典 栗田 裕 松村 雄一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.73, no.731, pp.1985-1991, 2007-07-25
被引用文献数
5

This study examines the influence of dynamic stiffness in the contact region on disk brake squeal. The frequency of squeal becomes higher as the thrust pressure grows larger. We think the cause of this phenomenon is that the stiffness of the pad depends on thrust pressure, because the vibration characteristics of the disk and the caliper are not change by thrust pressure. Therefore, we measure the contact stiffness of the pad. The results show that the stiffness of the pad has pressure dependency. To clarify the influence of the pad stiffness on squeal, we analyze the disk-pad-caliper system as the surface contact analysis model, which combines the disk with the pad-caliper by distributed springs.
著者
木村 雄一 増田 宏司 土田 あさみ 大石 孝雄
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.270-274, 2011-03-15

本研究ではイヌのメラノコルチン2受容体(MC2R)遺伝子に存在する一塩基多型(SNPs ; 600G>C, 858G>A)と,「訓練能スコア」との関連性をゴールデンレトリーバー,ラブラドールレトリーバー,ミニチュアシュナウザー,マルチーズ,柴の5犬種,計77個体のゲノムDNAを用いて調査した。77個体のゲノムDNAについて遺伝子型判別を行った結果,ラブラドールレトリーバー,マルチーズ,柴の3犬種において600G>Cの遺伝子型およびアレル頻度に犬種差が認められた。また,600G>C多型によって判別される遺伝子型と訓練能スコアとの間に有意な関連が認められた。
著者
中村 雄一 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.467-472, 2010-03-02

フィードフォワードネットワークを適当に構築すれば,与えられた連続関数を十分な精度で近似できることが関数近似定理として証明されている.しかし,この定理では関数を近似した場合の具体的な構造についての情報は扱われていない.本報告では,近似対象となる関数を多項式に限定し,それを近似する3層ネットワークのーつの具体的な構造を求める.ネットワークの構造はシステムパラメータで決定する.活性化関数が十分に滑らかな場合,システムパラメータは活性化関数のテイラー展開および行列演算から系統的に導かれる.提案方法から得られる3層ネットワーク構造は,学習則に対しても有効な情報を与えるものと期待できる.
著者
松本 博之 内田 忠賢 高田 将志 吉田 容子 帯谷 博明 西村 雄一郎 相馬 秀廣
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,グローバル化と地域景観・地域環境の変容について、特に紀伊半島における近現代を中心に検討した。その結果以下の諸点があきらかとなった。(1)1960年代後半からの外材供給の増大にともなう国内材供給量の低下は、十津川流域における植林地の変化に大きな影響を及ぼし、植林地伐採後の落葉広葉二次林景観の出現をもたらしている。(2)生活基盤が脆弱な紀伊半島和歌山県沿岸部では、近代を通じてグローバル化の2度の波があることが明らかとなった.このうち2度目は最近10年ほどの動きであり,明治期以降第2次大戦前までの1度目のグローバル化を基盤とした歴史的な地域性を引き継いでいる。(3)経済的な面でグローバル化の進行が顕著な日本社会ではあるが、高齢者個々の「生きられた世界」の構築には、地理的要素や地域の特殊性といった地域間の差異が大きく影響している。
著者
栗田 裕 松村 雄一 神田 真一 絹笠 裕直
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.74, no.741, pp.1333-1339, 2008-05-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Quadruped animals switch gait patterns with walking frequency for energy-effective walking. This is similar to the phenomenon that excited natural vibration modes are switched with vibration frequency in a MDOFs system. Therefore, in this paper, it is assumed that quadruped animals walk by using the natural vibration of their own musculoskeletal systems. In the simplest rigid-body-link model consisting of a body and four legs, there are the natural vibration modes similar to the gait patterns (trot, pace and gallop) of quadruped animals. However, all the natural frequencies in the model exist near the natural frequency in the free leg, and are accordingly different from the walking frequencies of actual quadruped animals. In the rigid-body-link model added a scapular and a pelvic on observations of quadrupted walking, the natural frequency of the gallop mode corresponding to high speed walking raises greatly and approaches the walking frequency. If the physical characteristics of horses were applied to the rigid-body-link model added the leg's joints, the natural vibration in the model is close to the gait patterns of horses.
著者
道正 泰弘 近藤 学 村 雄一 金子 雄一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.23, pp.33-38, 2006-06-20
被引用文献数
1

In order to build the recycling system of concrete waste, a primary study for applicability of recycled fine aggregate concrete to the precast concrete products has been carried out. The study results have confirmed that a) the properties of recycled fine aggregate can be improved by the wet grinding treatment, b) the properties of recycled fine aggregate concrete can be improved by steam curing, c) reuse of recycled fine aggregate concrete is highly applicable through property improvement, and d) reuse of recycled fine aggregate concrete is highly effective in view of cost and environment influence. The study results have also proven that the material design of recycled fine aggregate concrete for the precast concrete products can be made by applying the relative quality value method.
著者
木村 雄一
出版者
埼玉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

「両大戦間期のLSEにおける経済学の生成と発展」について、(1)LSEにおける大陸経済学の受容と展開-「ロビンズ・サークル」の役割、(2)LSEとケンブリッジ-対立と協調、LSEのケンブリッジ疎開(3)LSEにおける「ケインズ革命」の群像-カルドア、ヒックス、ラーナー、(4)「プラント・グループ」(プラント、コース)による企業組織・企業理論の研究(5)国際的な経済学研究機関-講義科目、LSEの施設拡張、招待講演、特別講義の調査、(6)Academic Assistance Councilの創設-ベヴァリッジ、ロビンズ、ミーゼスによるユダヤ学者救出、(7)LSEの知性史-ドールトン、キャナン、ロビンズ、ラスキ、カルドア、ヒックスらの知的交流、の観点から明らかにした。
著者
木村 雄一
出版者
埼玉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究の成果は、ポスト・ケインジアンの一人として、現代経済学の形成、イギリス労働党の政策実施、開発経済学等に多大な影響を与えたニコラス・カルドア(1908-1986)の経済思想を、以下の諸点から明らかにしたことである。(1)LSEにおける理論形成、(2)第二次世界大戦後の福祉国家構想、(3)発展途上国の開発経済理論・政策、(4)EC加盟論争とポンド切り下げ、(5)支出税構想や選択的雇用税に関する政策、(6)ケンブリッジ学派の経済成長・所得分配に関する理論的貢献と政策、(7)成熟化したイギリス経済への処方箋、(8)フリードマンのマネタリズムや均衡経済学批判、(9)社会民主主義のヴィジョン。
著者
四戸 雄介 羽石 操 木村 雄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.1063-1073, 2005-12-01
参考文献数
15
被引用文献数
5

本論文では, ひし形マイクロストリップアンテナ素子(以後, RH-MSA)に逆V字型のスリット素子を複数個装荷し, マルチバンド特性を実現させるマルチバンド平面アンテナ, すなわち, スリット装荷RH-MSA素子の構成法と放射特性について述べる.電磁界シミュレータを用いこれらのアンテナ系の特性を求めたところ, リターンロス特性及び放射パターンなどの特性がC-バンド及びX-バンドにおいて良好なマルチバンド特性を示すことが明らかにされた.また, 本アンテナ系のマルチバンド特性を検証するため, スリット装荷RH-MSA素子が試作された.リターンロス特性などの実測値はシミュレーション結果と設計上有意な範囲で良い一致を見た.これらのことより, 本アンテナ系がマルチバンド用の平面アンテナとして有用な一形式となり得ることが明らかにされた.
著者
道正 泰弘 貫井 章 齋藤 好久 近藤 学 村 雄一 原田 修輔 山下 雄三 尾崎 雅敏
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.21, pp.15-20, 2005-06-20
参考文献数
10
被引用文献数
1

In order to apply recycled aggregate concrete produced by the aggregate replacing method to a real structure, the quality control method was investigated, and this paper describes various qualities of the recycled coarse aggregate and recycled aggregate concrete produced by the actual plant. Specifically, the control method of an alkali-silica-reaction and chloride content for recycled coarse aggregate, and the control method of a length change and neutralization for recycled aggregate concrete were considered. Results confirmed that the demand quality of recycled aggregate concrete could be maintained according to the part to be used by the shown quality control method.
著者
若林 芳樹 岡本 耕平 今井 修 山下 潤 大西 宏治 西村 雄一郎 池口 明子
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,日本で本格的にPPGIS(参加型GIS)を実践していくための方法論的基礎を確立することを目的として,内外での既存の実践例を調査した上で,日本の実情に即したPPGIS の応用の仕方を検討した。研究にあたっては,課題を次の四つのサブテーマに分けて取り組んだ:(1) PPGISの理論的・方法論的枠組み(2) PPGIS のための技術開発(3) PPGIS の実践例の調査(4) PPGISの実践的応用。