著者
丸山 秀幸 村山 敏 中山 利明 矢ノ口 幸夫 松永 啓 岡本 潔
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.78-81, 2010

耐倒伏性に優れた秋ソバ品種「タチアカネ」を長野県内の在来種から選抜育成した.「タチアカネ」は「信濃1号」,「常陸秋そば」,「階上早生」といった本州の主要なソバ品種と比較し倒伏が少なく,折損抵抗や引き抜き抵抗が高い.草丈,節数,花房数は「信濃1号」と同等で,分枝数は0.3本少ない.子実重は「信濃1号」と同等で,容積重,千粒重はそれぞれ21g,1.3g重い.ゆで麺の食味は「信濃1号」と同等で,色の評価が優れる.花色は白,果皮色は乳熟期に赤色で成熟期には黒褐色となる.本品種は農林水産省そば育種指定試験事業により育成した.
著者
村山 眞維
出版者
千葉大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

1.今回東京で行った質問票調査によれば、我国の法律業務は個人の不動産や相続・離婚など主に個人を顧客とする仕事と、中小企業を主な顧客とする仕事とが中心となっている。渉外関係などを突出した部分とする大企業関係の法律業務は、増えてきているように見えるが、まだ法律業務の基本構造を変えるには至っていないように思われる。2.刑事弁護の担手は徐々に減少してきているようである。少なくとも国選受任者の割合は2割に満たない。国選弁護の主な担手は、登録後十年未満の弁護士と老令の弁護士、および刑事弁護を続ける意志のある比較的少数の中堅弁護士である。これに対し、私選弁護はより広い弁護士層によって受任されており、いわゆる一般民事案件と同様なものとして受任されているように見える。3.以上の状況は、今世紀初頭の米国と比較し、国選弁護に類似の問題をもつ反面、弁護士会について大きな相違いがある。ビジネスロイヤ-が主導権をもった米国と異なり、東京では一般民事案件を扱う個人経営弁護士が運営の中心となっている。これは、法律業務の構造と、法律専門職の理念の相違とも関連しているのかもしれない。4.国選弁護活動は、私選弁護活動に比べ余り活発に行なわれているとは言えない。ただし、それは国選事件の内容が活発な弁護活動を必要としないようなものであるからかもしれず、その点の今後の検討が必要である。5.法律業務の構造変化がもたらし得る影響をより明確にするためには、刑事事件の受任がいかなる業務環境の下で、どのような動機によってなされているかを、面接調査などの方法により明らかにすることが必要であろう。
著者
村山 恭朗 伊藤 大幸 高柳 伸哉 松本 かおり 田中 善大 野田 航 望月 直人 中島 俊思 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.477-488, 2014

反応スタイルは抑うつの維持もしくは悪化を引き起こす要因である。本研究は小学4年生から中学3年生の5,217名を対象とし小学高学年・中学生用反応スタイル尺度を開発することを目的とした。既存の反応スタイル尺度を参考に,「反すう」,「問題解決」,「思考逃避」,「気晴らし」の4因子を想定した原案16項目を作成した。探索的因子分析の結果,想定された通り小学高学年・中学生用反応スタイル尺度は4因子(「反すう」,「問題解決」,「思考逃避」,「気晴らし」)で構成されることが示された。さらに各因子間に認められた相関は先行研究の知見に沿うものであった。また信頼性に関して,各下位尺度のα係数は概ね基準以上の値であることが確認された。外在基準とした抑うつおよび攻撃性との相関を検討したところ,「反すう」は正の相関,「問題解決」および「気晴らし」は負の相関を示した。これらの結果は先行研究に沿うものであり,小学高学年・中学生用反応スタイル尺度の構成概念妥当性が確認された。

1 0 0 0 OA 槐多画集

著者
村山槐多 画
出版者
アルス
巻号頁・発行日
1921
著者
村山 慶隆
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.E3P3172-E3P3172, 2009

【はじめに】パーキンソン病では、自宅でのトイレ動作が日中は自立しているが、夜間は時間を要する、また、介助になるケースも少なくない.そこで今回、夜間のポーダブルトイレ(以下、Pトイレ)動作が困難な利用者に対して、その手順や動線のプロセスで必要な環境調整を行ったので報告する.<BR><BR>【症例と評価】52歳・男性.疾患はパーキンソン病・腸閉塞.ADL・基本動作は、夜間はトイレ要介助、屋外歩行軽介助以外は自立.Yahr2であり、歩行時に小刻み・突進現象がある.自宅での生活状況は、冬場は夜間のトイレ回数増加、同居の母親は高齢認知症のため、介護力は不十分である.居室は段差などのバリアはなく、電動ベッド上にリモコン・ブザー・枕・電気毛布などがあるため、ベッド機能が発揮しづらい状況にある.Pトイレはベッドの近くにあり、移乗用のベストポジションバーを設置している.これら本人と環境の双方を評価した結果、内服薬の効果が少ない夜間、プロセスの開始であるベッドからの起き上がり動作が困難であることが判明した.時間帯・家族・トイレのタイミングなどから、人による介助は困難であり、起き上がりも含めた一連の動作自立を目標とした.<BR><BR>【方法と結果】無駄な手順の回避や安全を考慮し、電動ベッドの機能を利用した起き上がりが自立できるような環境調整を行った.1.リモコンの位置設定、2.ベッドアップ角度設定、3.ベッドアップ時にブザーが落ちないように固定、4.3同様に枕の固定、5.端座位時に電気毛布のコードが足に引っ掛からないように固定、6.端座位時に両足が下ろしやすく、掛布団が落ちないように柵の選定を行い、動作練習の結果、一連の動作が自立した.<BR><BR>【考察】生活習慣や家族・住宅・季節・時間など、環境の影響を受けやすい個別の生活動作は、心身機能だけでなく、本人に関連する生活・介護状況も十分に評価すべきである.また、生活動作は1つの動作を切り取らず、リモコンを探してから布団を掛けて寝るまでなど、動作手順と動線の2つの流れ評価が必要である.さらに、身体機能の低下を身体機能そのものの向上で補うこともできるが、環境の機能も利用することで、より実用的な自立が実現できる.生活動作の一連の流れは、理学療法士(以下、PT)の専門性である起居・移乗・移動によって1つ1つの動作がつなげられていることが多い.PTが生活動作の自立への手段として、環境の機能を活かす利点は、1.身体機能を熟知している、2.残存機能を効果的に発揮できる、3.生活動作の基礎となる具体的アプローチができる、4.相乗効果での自立度向上・介護量軽減、などが挙げられる.本人と本人を取り巻く環境を含めた生活機能全般を見渡すこと、そして、その中にある課題と課題をつなげ、環境の機能を利用することで、これまでよりPTの専門性に深みが増すと思わ
著者
嶋田 雅子 小林 陽子 坂口 寄子 岡田 加奈子 村山 伸子 佐々木 敏 武見 ゆかり
出版者
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.94-109, 2008
被引用文献数
1 1

目的: 小学生を対象に「弁当箱ダイエット法」を用いたランチバイキング学習を実施した.このランチバイキング学習を通して, 児童の食物選択内容が改善するかを検討した.<BR>方法: 東京都世田谷区の小学6年の児童61名 (男子30名, 女子31名) が2003年秋にこの研究に参加した.ランチバイキング学習は, 年間を通じた食に関する学習プログラムの最初と後半の2回実施された.児童の食物選択内容の変化を, 栄養素, 食品, 料理レベルで検討した.さらに, 児童自身の選択内容の変化の気づきについてワークシートを分析した.<BR>結果: 栄養素では, 脂肪エネルギー比が男子は41%から33%, 女子は42%から29%へと有意に減少した.一方, 炭水化物エネルギー比は男子は40%から51%, 女子は40%から55%へと有意に増加した.食品では, 白飯が男子は108gから192g, 女子は82gから186gへと有意に増加し, 緑黄色野菜, 及び野菜の総重量も有意に増加した.料理では, 「食事バランスガイド」のサービング (SV) 数に基づき評価した結果, 主食と副菜の平均SV数が増え, 主菜のサービング数が減少した.学習時に児童が記入したワークシートの記述内容の分析では, 多くの児童がバランスの良い食物選択について正しい認識をしていた.<BR>結論: このランチバイキング学習を通して, 児童がバランスのよい食物選択のための知識とスキルを獲得したと示唆された.
著者
村山 恭朗
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.61-72, 2013
被引用文献数
1

不適応な感情制御方略である抑制と反すうは抑うつへの脆弱性を高める要因である。先行研究において,思考抑制と反すうとの縦断的関係が議論されており,どちらのモデルも報告されている。そこで本研究は,抑うつへの脆弱性が高い女子大学生(55名,18.98歳)を対象として,ストレッサーとの相互作用を通じて,日常的な思考抑制傾向が反すうの強さに影響を及ぼすプロセスを検討するために縦断的調査を行った。その結果,思考抑制傾向が強い女子大学生では,ストレッサーを経験するほど反すうが強まったが,思考抑制傾向が低い女子学生ではストレッサーを経験しても反すうの強さは変化しなかった。本研究結果から,思考抑制傾向は反すうを強める要因である可能性が示唆される。
著者
押川 文子 日下部 達哉 佐々木 宏 牛尾 直行 伊藤 高弘 南出 和余 村山 真弓 黒崎 卓 柳澤 悠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

近年南アジア諸国では、多様な供給主体による教育の普及がみられる。本プロジェクトでは現地調査と統計分析に基づき、多様な教育供給が広範な人々の教育への期待を活性化させているものの、教育格差はむしろ再生産される傾向があり、雇用市場の制約のもとでとくに中等教育~非エリート高等教育のモビリティ拡大機能は限定的であること、教育改革では市場原理の導入とともに格差是正や子どもの権利が重要課題となっていること、を明らかにした。
著者
村山 伸子 石川 みどり 大内 妙子
出版者
新潟県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、現代日本において家庭の経済状況は、子どもの食生活と栄養状態に影響するかについて明らかにすることを目的とした。母子生活支援施設と連携し生活保護受給世帯、NPOフードバンクと連携し生活困窮世帯の子ともの食生活について3つの調査をおこなった。その結果、家庭の経済状態は、子ども食生活に影響することが明らかになった。特に低所得(生活困窮)世帯の子どもの食事について、欠食が多く、主食に偏り、たんぱく質やビタミン、ミネラル等の栄養素摂取量が少ないという課題があることが示された。
著者
村山 美穂 ARNAUD Coline ARNAUD Coline
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、長期にわたる観察により母系の血縁が判明している野生ニホンザル集団を対象として、性格の進化過程の解明を目指した。本年度は、前年度までに蓄積した幸島ニホンザル集団における 1.新奇性探求の行動テスト、2.質問紙による性格評定、3.血縁関係のデータの相互の関連性を解析した。新奇物体テストでは58%、新奇食物テストでは19%の個体が全く接近しなかった。新奇物体テスト項目は1主成分、新奇食物テスト項目は2主成分に分かれた。新奇物体や新奇食物への接近が遅い個体は、接近後に食物を調べたり味をみる時間が短かった。性別、年齢、給餌、指向数、時間、季節、他個体の有無などの影響は見られなかった。メスの順位の高い個体は中・低順位と比較して、新奇物体への興味が弱い傾向にあった。母子を除く近縁個体は、遠縁個体に比べ、新奇食物への興味(調べたり味を見る行動)のスコアが似ていた。このことから新奇食物への興味は、母親から社会的に伝わる影響に加え、遺伝的な影響も大きいことがわかった。性格評定の質問20項目中、評定者間の一致度が高かった12項目を用いて因子分析を行った結果、“Loneliness”,“Subordination”, “Emotionality”の3因子が抽出された。これらの結果をまとめて国際学会で発表し、学術雑誌に投稿した。
著者
村山 尊司 沼田 憲治 高杉 潤 宮本 晴見
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.182-188, 2004-06-20

左頭頂栗皮質下出血後,起居動作や立ち上がり動作が拙劣となり,垂直位での立位保持に障害を来した症例について,病巣および臨床所見を検討し,その要因について考察した。頭部画像所見では左上・下頭頂小栗の皮質下に出血巣を認め,臨床所見は視覚性運動失調,関節定位覚障害などの頭頂連合領域の損傷に関わる所見を呈していた。動作や姿勢保持では自己の姿勢や身体状況を的確に定位できず曖昧な内観を示していた。頭頂連今野は高次の体性感覚情報,運動に関連した視覚や体性感覚,平衡機能を統合する機能を有し,姿勢の識別や自己運動の知覚に関わると考えられていることから,動作場面での曖昧な内観及び拙劣な行為は頭頂連合野の機能障害に起因したものと推察された。立位保持では,視覚的な垂直軸判断に問題はなく,自己の主観的な判断(姿勢及び内観)で誤りが認められたが,左頭頂栗皮質下損傷により,姿勢制御に必要な身体情報入力の頭頂連合野での統合過程でdisconnection(離断)が生じたためと推察された。本症例が示した所見は,基本的な動作や立位保持など,半ば自動的に実行される全身的運動における頭頂連今野の役割を示唆するもので,その障害は体性知覚,視覚,前庭系など,多感覚の統合過程の障害に起因したものと考えられた。
著者
村山 美穂 中村 美知夫 幸島 司郎 伊谷 原一 井上 英治 田中 正之 杉浦 秀樹 森村 成樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本課題では、絶滅の危機に瀕した野生動物の保全遺伝学を目指して、動物園や国内の野外ステーションとの連携を活用して、非侵襲的な DNA 採取法の開発に取り組むとともに、血縁や亜種判定の基礎となる多様性データを集積し、多数種、多数試料からなる詳細情報つきの DNA Zoo を整備した。またストレスや行動との関連が予想される遺伝子と性格評定などのデータとの比較により、ゲノム情報による野生動物の行動や繁殖の予測システムを構築した。
著者
村山 修一 吉阪 道雄
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, 1959

Aus Formosa war bisher Erynnis montanus BREMER noch nicht gefunden. Diesmal haben wir 2♂♂ in Sammel materialien, die von M. WATANABE in Sakai uns gegeben wurden, entdeckt. Weil diese Exemplars sich in folgenden Punkte von typischer Form unterscheiden, schlagen wir neuen subspezifischen Name vor.
著者
近藤 裕昭 村山 昌平 玉川 一郎 斎藤 琢 菅原 広史 石戸谷 重之 髙根 雄也
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)などによる宇宙からの二酸化炭素(CO2)の監視の究極的な目標は各発生源からの発生量を正確に求めることである。これを逆問題解法により推定するには衛星モニタリングに加えて空間分解能の高い局所CO2輸送モデルの開発が不可欠である。このためのモデル開発とそのために必要なCO2フラックス観測を山間部(岐阜県高山市)と都市(東京)において行った。これらの結果をふまえて改良した局所CO2輸送モデルを用いて観測との比較を行った結果、濃度の日変化の振幅はおおむね一致した。
著者
日野 正輝 富田 和暁 伊東 理 西原 純 村山 祐司 津川 康雄 山崎 健 伊藤 悟 藤井 正 松田 隆典 根田 克彦 千葉 昭彦 寺谷 亮司 山下 宗利 由井 義通 石丸 哲史 香川 貴志 大塚 俊幸 古賀 慎二 豊田 哲也 橋本 雄一 松井 圭介 山田 浩久 山下 博樹 藤塚 吉浩 山下 潤 芳賀 博文 杜 国慶 須田 昌弥 朴 チョン玄 堤 純 伊藤 健司 宮澤 仁 兼子 純 土屋 純 磯田 弦 山神 達也 稲垣 稜 小原 直人 矢部 直人 久保 倫子 小泉 諒 阿部 隆 阿部 和俊 谷 謙二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代後半が日本の都市化において時代を画する時期と位置づけられる。これを「ポスト成長都市」の到来と捉えて、持続可能な都市空間の形成に向けた都市地理学の課題を検討した。その結果、 大都市圏における人口の都心回帰、通勤圏の縮小、ライフサイクルからライフスタイルに対応した居住地移動へのシフト、空き家の増大と都心周辺部でのジェントリフィケーションの併進、中心市街地における住環境整備の在り方、市町村合併と地域自治の在り方、今後の都市研究の方向性などが取組むべき課題として特定された。