著者
藤田 翔平 村山 愛 林 豊彦 中村 康雄 小島 英敏 道見 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.80, pp.25-28, 2006-05-19

これまで我々は,嚥下機能を無侵襲かつ定量的に測定・評価するために,喉頭運動,嚥下音,舌骨上筋群筋電図を同時計測する嚥下機能評価システムSFN-1を開発し,本システムをビール飲み込み時の嚥下動態の定量評価にも応用してきた.本研究では,まず解析の効率化のために測定波形の自動解析システムを開発し,次にそのシステムを用いてビールの苦味の違いが嚥下動態に及ぼす影響について調べた.被検飲料は,苦味の程度が異なる2種類のビールとし,上記のシステムで連続的な飲み込み動作を測定した.実験から次の結果が得られた:1)自動解析システムにより筋電図波形から活動区間を自動抽出し,分析パラメータを得ることができた;2)比較的苦味の強いビール嚥下時には,筋活動量が多い;3)苦味の弱いピール嚥下時には,嚥下音が小さい傾向が認められた.
著者
岡﨑 敬之介 渡邊 徹 齋藤 勲 村山 純一郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.2, pp.231-236, 2012 (Released:2012-02-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

Our aim was to clarify the side effects of irinotecan which occurred in patients admitted to Showa University Hospital to investigate whether the UGT1A1 genetic polymorphism status was reflected in the discontinuation or dose reduction of irinotecan. We retrospectively investigated UGT1A1 genetic polymorphisms, irinotecan dosage, dose discontinuance or reduction, and laboratory results from May 1 2009 to April 30 2010. The analysis of UGT1A1 genetic polymorphisms in 23 patients showed that frequencies of the UGT1A1*6 and UGT1A1*28 polymorphisms were 35% (eight patients) and 22% (five patients), respectively, and 17% (three patients) were UGT1A1*6/UGT1A1*28 compound heterozygotes. Of all patients who received irinotecan, dose reduction occurred in six patients (38%) and discontinuance in two patients (13%) due to neutropenia and other factors. Of these eight patients, seven (88%) had the UGT1A1*6 and/or *28 polymorphism. The most common irinotecan dose reduction was about 25% of the initial dose. Grade 4 neutropenia was observed in two patients who had the UGT1A1*6 and/or *28 mutation (13%), and one patient was a compound heterozygote. Our investigation confirmed that the UGT1A1 genetic polymorphism status of the patients was reflected in the discontinuance or dose reduction of irinotecan. Our results suggest that Grade 4 neutropenia may occur in patients who are compound heterozygotes and that these patients may need careful selection of treatment regimens possibly involving discontinuance or reduction in irinotecan dosage.
著者
朝倉 慎悟 村山 研一 蔀 拓也 斉藤 知弘 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.39, pp.9-12, 2013-09-06

NHKでは,スーパーハイビジョンなどの大容量コンテンツのサービスを次世代の地上放送で実現するために,大容量無線伝送技術の研究を進めている.これまでに,偏波MIMO伝送の誤り訂正にLDPCブロック符号を適用するとともに,伝送システムの所要C/Nを低減する復号方法を検討・報告してきた.1024QAM, 4096QAMといった超多値QAMでの伝送において信号を安定して受信する為には,誤り訂正符号の高性能化を行い,伝送システムにおける所要C/Nの更なる低減が求められる.そこで,LDPCブロック符号の誤り訂正能力を凌駕することが知られている空間結合LDPC符号の検査行列を新たに試作し,偏波MIMO-超多値OFDM伝送への適用を計算機シミュレーションによって検討したので報告する.
著者
村山 信雄 榊原 一夫 永田 雅彦
出版者
Japanese Society of Veterinary Dermatology
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.239-241, 2006
被引用文献数
1

6歳齢,避妊雌のメイン・クーンの両耳介と外耳道に暗青色を呈した丘疹と結節を多数認め,耳道は狭窄していた。これら皮疹は幼少よりみられ,徐々に拡大した。病理組織学的検査で耳垢腺の拡張と内腔分泌物の貯留を認めた。全身症状はなく,血液検査の異常も認められなかった。以上よりFeline ceruminous cystomatosisと診断した。0.05%クロルヘキシジン液による洗浄とオフロキサシン・ケトコナゾール・トリアムシノロンアセトニド配合薬の点耳により,1年後に明らかな改善を認めた。<br>
著者
村山 定男
出版者
国立科学博物館
雑誌
自然科学と博物館 (ISSN:03857727)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.63-66, 1959-06
著者
橋本 仁 五十嵐 秀平 行松 健一 村山 秀胤 宮村 崇 塩本 公平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.645-654, 2008-06-01
被引用文献数
2

MPLSにおけるトラヒックエンジニアリング(MPLS-TE)では,与えられたトラヒックを収容する際,各リンクの利用率に注目してその最大値が最小になるパス設定を考える.実際の動的なネットワーク環境下では,トラヒックの変動に応じて最適化を行いネットワークを再構成するのが望ましい.しかし,この再最適化は多くのトラヒックに対するLSPの再設定につながりかねず,切換時にパケット欠落や順序逆転などの転送品質の劣化の原因となり得る.本論文では,動的にMPLS-TEを行う際,全トラヒックの中からいくつかのトラヒックを選択し,選択トラヒックに対してのみLSP再設定を行う部分的な最適化手法を提案する.線形計画法による定式化では再設定トラヒック本数,したがってトラヒック量を明示的に限定することができるため,パス切換に伴う品質劣化リスクも限定可能と考えられる.また再設定トラヒックはトラヒック量から定め,イングレスルータでの測定量から決定可能なものである.この結果,明示的に対象トラヒック量を制限した場合であってもグローバル再最適化に近い効果が得られることが分かった.またシミュレーションの結果から,ほとんどの場合,再最適化対象のトラヒック量を約25%に制限した場合であっても,グローバル再最適化時の1.1倍程度の最大リンク利用率を実現できる結果を得た.これらのことから,パス再設定時のトラヒックヘの影響であるネットワーク品質劣化のリスクを限定あるいは低減する手法として有効であることを明らかにした.
著者
浜田 恵 伊藤 大幸 片桐 正敏 上宮 愛 中島 俊思 髙柳 伸哉 村山 恭朗 明翫 光宜 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.137-147, 2016

<p>本研究では,小学生および中学生における性別違和感を測定するための尺度を開発し,性別違和感が示す,内在化問題および外在化問題との関連について検討することを目的として調査を行った。小学校4年生から中学校3年生までの5,204名(男子2,669名,女子2,535名)を対象として質問紙を実施し,独自に作成した性別違和感に関する13項目と,抑うつおよび攻撃性を測定した。因子分析を行った結果,12項目を含む1因子が見出され,十分な内的整合性が得られた。妥当性に関して,保護者評定および教員評定による異性的行動様式と性別違和感との関連では,比較的弱い正の相関が得られたが,男子の本人評定による性別違和感と教員評定の関連には有意差が見られなかった。重回帰分析の結果では,性別違和感と抑うつおよび攻撃性には中程度の正の相関が示された。特に,中学生男子において性別違和感が高い場合には,中学生女子・小学生男子・小学生女子と比較して抑うつが高いことが明らかになった。</p>
著者
野田 航 辻井 正次 伊藤 大幸 浜田 恵 上宮 愛 片桐 正敏 髙柳 伸哉 中島 俊思 村山 恭朗 明翫 光宜
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.158-166, 2016

<p>本研究では,単一市内の全公立小・中学校の児童・生徒(小学3年生から中学3年生)を対象とした縦断データの分析を行うことで,攻撃性の安定性に関して検討した。3つの学年コホート(合計約2,500名)の小・中学生の5年間の縦断データを対象に,潜在特性–状態モデル(Cole & Maxwell, 2009)を用いた多母集団同時分析を行った。攻撃性の測定には,小学生用攻撃性質問紙(坂井ほか,2000)を用いた。分析の結果,攻撃性は特性–状態モデルの適合が最も良好であり,特性変数と自己回帰的な状況変数の双方が攻撃性の程度を規定していることが明らかとなった。また,性差が見られるものの,攻撃性は中程度の安定性をもつことも明らかとなった。さらに,特性変数による説明率は,学年段階が上がるにつれて上昇することが明らかとなり,小学校中学年頃までは攻撃性の個人差はまだそれほど安定的ではないが,思春期に移行する小学校高学年頃から中学校にかけて個人差が固定化していくことが示された。</p>
著者
伊藤 大幸 村山 恭朗 片桐 正敏 中島 俊思 浜田 恵 田中 善大 野田 航 高柳 伸哉 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.170-183, 2016
被引用文献数
8

一般小中学生における食行動異常の実態について, 性別・学年による差異, 併存症状としてのメンタルヘルス指標との関連, リスク要因としての社会的不適応との関連という3つの観点から検討した。一般小中学生を対象に質問紙調査を実施し, 4,952名(男子2,511名, 女子2,441名)から有効回答を得た。独自に作成した小中学生用食行動異常尺度について確認的因子分析を行った結果, "やせ願望・体型不満"と"過食"の2因子構造が支持されるとともに, 性別, 学年段階, 体型による因子構造の不変性が確認された。"やせ願望・体型不満"は, 全体に女子が男子より高い得点を示したが, 特に中2, 中3で女子の得点が顕著に高くなっていた。"過食"では顕著な男女差や学年差が見られなかったが, 女子では, 学年とともにやや得点の上昇が見られた。メンタルヘルスとの関連では, "やせ願望・体型不満"が抑うつと比較的強い相関を示したのに対し, "過食"は攻撃性と比較的強い相関を示した。社会的不適応との関連では, "学業", "家族関係"に加え, 男子では"友人関係", 女子では"教師関係"が食行動異常と有意な関連を示した。
著者
村山 航
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.262-268, 2004-08-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
13
被引用文献数
3 1

This study investigated effects of test format on use of different learning strategies and their perceived utility. It was conducted in a classroom setting. Sixty seven (67) eighth grade students participated in the study, and were randomly assigned to one of two experimental conditions: fill-in test or essay test conditions. They took a history class for five days, and at the end of each session, took a test about the lecture with the format of their conditions. Results showed that in comparison with fill-in format, essay format facilitated use of deep-processing learning strategy, and decreased use of such strategies as rote memory. No significant effect was found for perceived utility of learning strategies, suggesting that it did not mediate the format effect. Underlying mechanism of the format effect and practical value of the current research were discussed.
著者
村山 満明
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.121-124, 2011-10

強姦致傷被告事件について行った外傷性記憶に関する専門家証言ならびに被害者供述の供述分析の結果について報告した。専門家証言においては、文献に基づいて、外傷的体験の記憶であるということのみで、その記憶は正確であるというように一般化することはできないこと、また、外傷的体験を想起することは記憶の断片をつなぎ合わせて受け入れられるストーリーを構成することであり、その過程では記憶が歪曲を受ける可能性があることなどを述べた。次に供述分析では、被害者供述には加害者の特定、犯行内容、加害者特定の手がかりとなる情報に関して種々の変遷がある、加害者について被告人には当てはまらない事柄を述べている、重要な物証の存在について述べながらその証拠が提出されていない、一時期「rapeは嘘だった」と述べているなどのことを指摘した。そのうえで、被告人が真犯人であると考えると、被害者の一連の供述には理解が困難となる点が認められるのに対し、被告人が真犯人ではないと考えると、偽りの記憶が生まれる可能性さえ考慮すれば、その一貫した理解が可能であると結論した。