著者
沢畑 敏洋 松井 大輔
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1199-1205, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
6

全国各地でパチンコ店の建設に対して反対運動が起きている。パチンコ店に関しては、各自治体が自主条例などを策定し、立地を規制することができるが、その全国的実態は明らかではない。そこで本研究では、パチンコ店の立地規制に関して、全国における自主条例等の策定状況と委任条例の規制内容、京阪神都市圏における自主条例等の規制内容について明らかにし、自主条例と委任条例の規制対象と規制値の差異を明らかにすることを目的とする。結論は以下の通りである。(1)自主条例の策定状況は、全国では6箇所であったが、京阪神都市圏では29箇所になっており、奈良・大阪・兵庫の3府県に集中している。(2)委任条例では自治体ごとの規制内容が類似している。(3)自主条例等では、商工業系用途地域が規制対象に加えられている。(4)景観や都市イメージの保護を目的に、文化財や駅関連施設などから一定の範囲内が規制対象に追加され、特定施設の種類が多くなっている。(5)特定施設からの規制範囲が20-500mの間で設定され、規制範囲の種類も多い。同じ施設に対する規制範囲は、委任条例より自主条例等の方が広く設定される場合もある。
著者
松井 茂之
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.127-139, 2018-03-01 (Released:2018-05-18)
参考文献数
32

In this article, we discuss the role of P values in multiple testing to associate a large number of genetic or molecular features with a phenotypic variable of interest in biomedical omics studies. For multiple tests in such association analyses, we distinguish those conducted for confirmatory purpose, as seen in genome-wide association studies to determine disease-associated variants, from those for exploratory screening of associated features. For the latter, exploratory analysis, we discuss application of the ROC curve analysis used in diagnostic medicine, as an alternative, but more relevant framework, rather than the standard framework based on multiple testing that controls false positives only. Finally, partly based on arguments made in the field of omics studies, we make some comments on future endeavors by statisticians to disseminate discussions given in the ASA’s Statement on P-Values (Wasserstein and Lazar, 2016, The American Statistician, 70, 129-133) to improve statistical practice in various scientific fields.
著者
大津 健聖 松井 敏幸 西村 拓 平井 郁仁 池田 圭祐 岩下 明徳 頼岡 誠 畠山 定宗 帆足 俊男 古賀 有希 櫻井 俊弘 宮岡 正喜
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.111, no.1, pp.61-68, 2014 (Released:2014-01-05)
参考文献数
26

(背景)腸間膜静脈硬化症(以下MP)は比較的まれな大腸疾患である.その原因として,近年漢方薬との関連が注目されている.(対象と方法)本検討では,自験例と報告例を合わせた42例を対象に,MPと漢方薬の関連を検討した.(結果)自験例の約9割の症例に漢方薬内服歴を認めた.特に,加味逍遥散と黄連解毒湯が多数例で内服されていた.生薬成分では,大部分の症例が山梔子を含む漢方薬を内服していた.(考察)MP症例の多くは漢方薬の内服歴があり,MP発症後も漢方薬の継続内服により症状増悪をきたした症例が存在し,同じ漢方薬の長期内服を行った夫婦にMPを発症したことから,漢方薬成分山梔子がMP発症に強く関与すると推測した.
著者
松井 富美男
出版者
西日本応用倫理学研究会
雑誌
HABITUS (ISSN:21867909)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.17-34, 2015-03-20

Es ist dafür bekannt, daß Hermann Cohen als Schulhaupt des Marburger Neukantianismus zur Kant Studien viel beigetragen hat. Er war auch als Lehrer bei Akademie für die Wissenschaft des Judentums in seinen letzten Lebensjahren tätig, um die Juden auf tiefere Aufklärung zu bringen und das Judentum mit dem Deutschtum sich versöhnen zu lassen. Die Absicht der vorliegenden Abhandlung ist seiner Auslegung gemäß es klar zu machen, in welchen Punkten Philosophie Kants mit dem Judetum verwandt ist, und zu untersuchen, ob sie für richtig zu halten ist.Nach der Religionslehre Kants macht das Christentum „ethisches Gemeinwesen" nach Tugendgesetzen aus, während das Judentum ,,juridisches Gemeinwesen" unter den Bedingungen ausmacht, daß die Freiheit eines jeden mit derselben jedes anderen nach einem allgemeine Gesetze zusammen bestehen kann. Also Kant stellt es fest, daß das letztere keine Religion ist, indem es als „Kirchlichenglaube" nicht charakterisiert wird. Dagegen behauptet Cohen, daß Kant von Spinoza und Moses Mendelssohn zum Misverstandnis verleitet wurde. In der Tat einigen sich Philosphie Kants und das Judentum über die Grundgedanken wie „Idealisierung Gottes", „Geschichte der Menschheit", „Reinheit des Hezens", „ewigenFrieden" usw. , obschon es von Kant selbst weder beabsichtigt noch eingesehen worden ist.Man kann die Einigung nicht allseitig glauben. Zurn Beispiel, Kant nimmt zur Wirklichkeit des „höchsten Guts" das Dasein Gottes an, der die Sittlichkeit angemessene Glückseligkeit verteilt. Cohen sieht jedoch solchen Gott als irrational an und erkennt nur einzigen Gott als moralisches Wesen an. Hier kann es die absichtliche Verdrehung geben. Dadurch ermöglicht er geradezu die Verwandtschaft zwischen Philosophie Kants und Judentum.
著者
松井 孝道
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.164-173, 2017-09-30 (Released:2017-11-05)
参考文献数
16

骨と結合し軟組織とも生体親和性の高いチタンは耐食性にも優れ,現在インプラントに使用される主な材料となっている.しかし,口腔内である一定の条件下におかれると腐食するとの報告がある.チタン腐食の原因となる因子としてチタン表面におけるpH,溶存酸素濃度,フッ素の存在などが挙げられる.インプラントの周囲環境となる口腔内は種々の細菌による有機酸,pHの低い食品・飲料物,炎症に伴うpH の低下,深いインプラント周囲ポケット内における溶存酸素濃度の低下,フッ素入り歯磨剤の使用など過酷な環境下にある.臨床においても,インプラント周囲肉芽組織からのチタン元素の検出やチタン表面において腐食孔が多数観察されている.チタンの組織内溶出はインプラント周囲炎において骨吸収を加速させるという報告もあり,さらには粘膜貫通部の鏡面研磨面における多数の腐食孔の形成はインプラントのメインテナンスに不利となる.基礎研究において歯磨剤レベルでのフッ素のチタンに対する腐食の影響が指摘される中,臨床でもチタンの腐食が観察される以上,現時点ではその原因となりえるフッ素入り歯磨剤のインプラントへの使用はインプラントの長期安定を維持するうえで注意を要すると思われる.
著者
松井一乃 金髙一 池部実 吉田和幸
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.772-778, 2013-07-03 (Released:2013-12-24)

現在広く利用されているspam対策技術のひとつにgreylistingがある.greylistingは「spam発信MTAは再送をしない」との仮説に基づき送信者に対して一時エラーのレスポンスコードを返し,再送をうながす対策手法である.greylistingはspam排除の効果は高いが,適用する全てのメールに再送要求をするため,通常メールにも大きな遅延が生じる.そこで大分大学ではmilter managerを導入し,S25R,SPFの判定結果によってメールをgreylistingに適用するかを決定している.SPF,S25Rを用いて通常メールとspamを判断することで, SPF,S25Rによる検査のみで受信できるメールが増え,greylistingによる再送遅延を軽減できる.また,SPF,S25Rによって誤検知された通常メールはgreylistingによって救済することが可能となる.milter manager導入後,通常メールのうち約70%はSPF及びS25Rが処理しているため,greylistingを適用せずに受信できるようになった.また,受信した通常メールに対するgreylistingの再送要求割合を比較すると,milter manager導入前と導入後では43.1%から12.4%まで減少していた.このことから,milter managerを導入することで配送遅延がかかる通常メールが減少したといえる.
著者
松井 一乃 金高 一 加来 麻友美 池部 実 吉田 和幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.2498-2510, 2014-12-15

spam対策技術の1つであるgreylistingは「spam発信MTAは再送をしない」との仮説に基づき送信者に対して一時エラーのレスポンスコードを返し,再送をうながす対策手法である.greylistingはspam排除の効果は高いが,適用するすべてのメールに再送要求をするため,通常メールにも大きな配送遅延が生じる.我々が運用しているメールサーバにおいても通常メールを受信するまでに平均1時間15分の遅延が生じていた.通常メール送信者をwhitelistに登録すれば,そこからのメールの配送遅延は回避できる.しかしすべての通常メール送信者をwhitelistに登録するのは不可能である.そこで2012年2月にmilter managerを導入し,SPF,S25Rの判定結果を用いてgreylistingを適用するかを決定するメールシステムを構築した.SPF,S25Rを用いて通常メールとspamを分類することで,SPF,S25Rによる検査のみで受信できるメールが増え,greylistingによる再送を抑制できる.milter manager導入前と導入後の通常メールに対するgreylistingの再送要求割合を比較し,43.1%から17.0%まで減少していたことを確認した.このことから,milter managerを用いてmilterを組み合わせることで,通常メールに対する配送遅延を軽減することに成功した.Greylisting is a type of anti-spam measure. Greylisting works by assuming that contrary to legitimate MTA, a spam sender will not retry sending their junk mail after a temporary error. Greylisting is a low cost method with high detection rates, but it introduces a delay into legitimate mail delivery. In fact, the average delay of e-mail delivery was 1 hour and 15 minutes after sending in our mailing system. Although to put ham MTAs in whitelist reduces e-mail delivery delay, it seems impossible to register all ham MTAs. Therefore, we designed a new mail delivery system using milter manager in February 2012. The mail system uses the results of SPF and S25R in order to apply greylisting to mail classified as spam by either of those milters. As a result, legitimate mail is receivable without the delay from greylisting from before. We compared the retransmission request rates by greylisting before and after the introduction of the system. As a result, we have successfully reduced the retransmission request ratio of greylisting from 43.1% to 17.0% in our system. We succeeded in reducing the average delay of delivery of legitimate mail by the combination of the milters through milter manager.
著者
松井 彰彦
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.576-582, 2011-10-01
参考文献数
9

本稿では,筑波大学の金子守氏と筆者が創始した帰納論的ゲーム理論の枠組みを紹介し,その応用を考察する.まず第1節でゲーム理論のメタレベルでのアプローチ法について3類型を示したうえで,第2節では,具体的な社会問題に入る前に帰納論的ゲーム理論のエッセンスを「協調ゲーム」を用いてみる.第3節は障害者等の隔離と烙印の問題に帰納論的ゲーム理論を用いて切りこむ.第4節はいわれのないいじめの問題への応用を考える.第5節は帰納論の起源としてプラトンと仏陀に触れる.
著者
大井 学 神尾 陽子 松井 智子 藤野 博 田中 優子 高橋 和子
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

某市3公立小学校の全学年児童1,374人のうち、775人について、対人行動チェックリスト(SCDC)日本語版12項目のいずれかにあてはまった169人(21.8%)と、そうでない者のうち約1割にあたる78人について、対人応答性尺度(SRS)日本語版の得点をもとに86人について、CCC-2との関連を検討した。またPDD児10名を含む4歳1ヶ月から11歳6ヶ月(平均生活年齢6歳4ヶ月)の41名を対象としてCCC-2日本語試作版を実施した。田中・ビネー知能検査V、絵画語彙発達検査(PVT-R)、J.COSS第三版、親への調査などを同時に行った。PDD群とTD群の群間比較ではIQ値、CCC-2指標(正値、負値、GCC、SIDC)で有意差があったが、生活年齢、PVT-R、J.COSS、父母の年齢や教育歴などに有意差はなかった。通級指導教室に通級する知的障害のない発達障害の小学生約60名の保護者にCCC-2およびPARSを、対象児にPVTおよびJ.COSS(第三版)を実施した。PARSのスコアから広汎性発達障害の可能性が示唆された児童をASD群に、ASDの基準を満たさずPVTおよびJ.COSSのスコアから語彙および文法理解力に顕著な困難があると評価された児童をSLI群に分類した。ASDにもSLIにも該当しない場合、その他の発達障害群とした。CCC-2の語用に関する領域(場面に不適切な話し方、ステレオタイプ化さわた言語、コミュニケーション場面の利用、非言語コミュニケーション)のスコアを群間で比較し、発達障害児における語用の問題について、特にその障害がASDに固有のものかどうかに焦点を当て検討した。ASD小学生50名にCCCを実施しクラスター分析を行って、4クラスターを得た。
著者
上田 耕造 松井 久次 MALHOTORA Ripudaman 野村 正勝
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.62-70, 1991
被引用文献数
3

石油精製の過程で副生する減圧残さ等の重質油を熱分解や水素化分解により使いやすい燃料に変換する接術開発において, 反応物の化学組成に関する情報は重要である。減圧残さは分子量の大きい複雑な炭化水素の集合体であり, 原産地が違えばその化学組成が大幅に違い, 熱分解や水素化分解に対する反応特性も異なったものとなる。減圧残さをキャラクタライズする方法としては組成分析法やNMRによる平均構造解析法があるが, プロセスの過程における化学組成の変動や得られる生成物の性状を理解するためには原料油の複雑なマトリックスの中から反応により大きく影響をうける化合物群を抽出し, その割合や同族体の炭素数分布といった化学組成について詳細で定量的な情報が必要である。石炭液化油についてはHPLC/FI-MSを組み合せた方法を用いてこれまで相当詳しく調べられているが, 石油系重質油については非常に複雑な化学組成をもつため研究例が少ない。HPLC/FI-MSによる分析で最も詳細な研究は Bodusznski1) が vacuum gas oil (650~1,000°F) を蒸留によりせまい範囲の留分にカットし, その各留分を更にHPLCで分離した後, FI-MSの測定により化合物群を同定したものがある。また減圧残さ (>1,000°F) については, 飽和成分2)やペンタン可溶分1)で試みた例があるが全成分についての詳細な分析例は見当たらない。<br>我々は既報3)で述べたHPLC/FI-MSによるコールタールの化学組成のルーチン分析システムをより複雑な化学組成をもつ減圧残さに適用できるようにHPLCの分離スキームの改良を行い, アラビア原油の減圧残さを対象に全成分の分析を行った。HPLCの分離では試料油をシリカゲルカラムにより予備的に4フラクションに極性分離した後, 飽和成分と芳香族成分はさらにシアノカラムで, 極性成分はイオン交換樹脂により22のサブフラクションに分離した。これらサブフラクションのFI-MSデータはMW (分子量)=14<i>n+U</i> (<i>n, U</i>: 整数, -11≦<i>U</i>≦2) として14カラムをもつパターンテーブルに整理した。同族化合物群がグルーピングされているパターンテーブルをもとに試料油の含有成分を帰属可能な75の化合物群に分類した。化合物群への帰属にはFT-IR, NMRおよびUVを補助的に使用した。本方法の有用性を確認するため, パターンテーブルに示されている各化合物群の分子量分布データから試料油中の各元素の存在割合 (wt%), %C<sub>ar</sub>, %H<sub>ar</sub>, 数平均分子量を計算し, 元素分析値や<sup>13</sup>C-NMRより求めたそれらの実測値を比較した。硫黄を除く各元素の含有割合および数平均分子量の計算値と実測値が比較的よく一致することがわかった。硫黄の量が少なかったのは試料油中に含まれている硫黄化合物をチオヘンタイプのみに注目したためであり, また%C<sub>ar</sub>値が計算値と比較して低いのは, 試料中にFI-MSによる分析が不可能な不揮発性の多環芳香族クラスターが含まれることによると推察される。
著者
和泉 潔 松井 藤五郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.70, pp.15-19, 2011-05-19

Web上の大量のテキスト情報から現在人々が経済状況に対して抱いている気分を抽出することが出来るかもしれない.近年,機械学習を用いたテキストマイニング手法によって,テキスト情報と市場変動の関係性を発見し市場分析に応用する研究が増えてきた,経済指標やマーケットのテクニカル指標等の数値情報には指標化されていないような情報を,テキスト情報から素早く自動的に抽出することが期待されている.本稿で具体的に研究事例を紹介する.
著者
川崎弘二 松井茂編
出版者
Engine books
巻号頁・発行日
2013