著者
佐賀 朝 松井 洋子 小野沢 あかね 人見 佐知子 横山 百合子 吉田 伸之 金 富子 吉田 ゆり子 塚田 孝 神田 由築 浅野 秀剛 米谷 博 杉森 哲也 初田 香成 松田 法子 本康 宏史 齊藤 俊江 松田 有紀子 屋久 健二 吉元 加奈美 武林 弘恵 ボツマン ダニエル
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、日本近世~近代における国内各地や植民地の遊廓の調査を進め、遊廓の開発や社会=空間構造を分析するとともに、一次史料を用いて、遊女屋・貸座敷の経営内部における女性たちへの抑圧と搾取の構造の解明も進めた。その結果、近世後期以降の遊廓の大衆化と全国的普及の過程で女性たちに対する搾取が強化される一方、明治維新に伴う公娼制度の改革を経て、女性たちが多様な手段を用いて搾取や暴力に直接・間接に抵抗し、それが遊廓社会の変容を促していくことも明らかになってきた。継続的な現地調査や研究会と研究者のネットワーク化、「遊廓・遊所研究データベース」の充実により、新しい遊廓研究が現れてきた点も重要な成果である。
著者
澤井 秀次郎 坂井 真一郎 坂東 信尚 丸 祐介 永田 晴紀 後藤 健 小林 弘明 吉光 徹雄
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-05-31

空気吸込式エンジンを用いるスペースプレーンの実現に向けて,飛行実証を通して基盤となる技術を獲得するために,気球による高高度からの落下と小型ロケットブースターによる加速を組み合わせた高速飛行実証システムの構築を目指した.飛行軌道検討を主としたシステム概念検討を行った.その結果を踏まえ,飛行実験機の試作研究を行った.試作研究を通して,システム統合および飛行制御系技術の実践研究を行った.さらに,スペースプレーンに必要な技術として,空力設計技術の研究を行った.実験オペレーションまで想定した実験計画を検討し,本システムのメリットに加え,課題も整理した.
著者
本多 ゆみえ 李 慶湖 小林 弘幸
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.847-856, 2013-10-15 (Released:2013-12-30)
参考文献数
15

【はじめに】近年,医療界全体にわたり,医事紛争件数が増加している。これは救急領域においても同様であり,この領域での医師不足の誘因になっている可能性がある。しかし,救急領域の医療訴訟を詳しくみると,ある特定の疾患やその処置内容などいくつかの特徴があることがわかってきた。そこで今回,その点を検証するために救急領域の裁判例の実態を検討し分析した。【方法と症例】救急領域に関する裁判例を抽出するためTKC法律情報データベース,第一法規株式会社の法律情報総合データベース「D1-Law.com」を利用し,キーワード検索条件として「医療訴訟」または「医療過誤」を充足し,かつ,「救急外来」あるいは「救急センター」をも充足する裁判例を1965年から2011年まで検索した。そのなかで純粋に医師が当事者となり急性期の医療行為が対象となっている裁判例は50例であった。以下,疾患・年齢・性別・争点・転帰・認容率・認容額,原告側の過失主張と裁判所の判断につき検討した。【結果】全50例の内訳は,男性40例(80%),女性10例(20%),平均年齢46歳(4歳から84歳)で15歳以下の小児は6例(12%)であった。疾患は,外傷が11例で最も多く全例死亡。続いて,イレウス7例(死亡6例と後遺症1例),急性喉頭蓋炎6例(死亡3例と重度脳機能障害3例),くも膜下出血4例(死亡3例と重度脳機能障害1例),急性心筋梗塞3例(全例死亡),急性大動脈解離3例(全例死亡)であった。また賠償が命じられるパーセンテージ(認容率)は76%であり,その額(認容額)は,棄却12例を除くと平均3911万円で,1億円以上も4件あった。【結語】救急領域で訴訟になりやすい疾患は,外傷,くも膜下出血,急性大動脈解離,急性喉頭蓋炎,イレウスで,いずれも誤診が最大の問題である。
著者
梶本 まどか 松重 武志 山田 健治 小林 弘典 山口 清次 市山 高志
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.150-152, 2013 (Released:2014-10-11)
参考文献数
10

Cefditoren pivoxil (CDTR-PI) の長期投与中に二相性けいれんの経過をたどった急性脳症を発症し, 低血糖の関与が疑われ, 後遺症を残した1例を経験した. 症例は1歳2カ月女児. 1カ月前より感冒症状があり近医でCDTR-PIを約25日間投与した. 全身強直性けいれんを認め, 当科へ救急搬送され, 低血糖, 血中遊離カルニチン低下, C5アシルカルニチン上昇を認めた. 二次的なカルニチン欠乏症による低血糖が原因と考えた. 3病日に再びけいれんが群発し, 二相性けいれんの経過をたどった急性脳症と診断した. 症候性てんかんを発症し, 左片麻痺, 軽度発達遅滞を合併した.
著者
森川 嘉之 水上 純一 田端 竹千穂 平林 弘
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集 第39回地盤工学研究発表会
巻号頁・発行日
pp.983-984, 2004-03-05 (Released:2007-01-18)

関西国際空港二期事業においては、平均層厚25mの沖積粘性土層が存在し、埋立部では2.5mピッチの正方形配置されたサンドドレーン工法により沖積粘性土地盤が改良されている。埋立工事の進捗に伴い、途中2回のチェックボーリングを実施し、埋立載荷重による地盤強度の発現が設計強度に達しているかを確認しながら施工を行っている。チェックボーリング結果から、埋立荷重載荷前後の強度増加量の深度分布に顕著な特徴が見られた。この強度増加量の深度分布について、圧密特性の応力レベルによる変化を考慮して考察した。
著者
高野 安紀子 鬼久保 平 会田 泰明 清村 多 山口 賢 林 弘明 武山 治雄 清村 寛
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.353-359, 1999
参考文献数
15
被引用文献数
14

明海大学病院(旧城西歯科大学病院)矯正歯科において, 1989年8月から1995年8月にかけて来院した患者について統計学的分類を行い, 本院における以前の調査報告と比較し以下の結果を得た.1. 年度別新来患者数では, 大きな変動はみられず, 年間平均307.8人が来院していた.2. 初診月分類では, 7月, 8月の夏休みの時期に26.0%が, 3月, 4月の春休み前後の時期に20.9%が来院していた.3. 性別分類では, 男性 : 女性が1 : 1.8と女性患者が多かった.4. 年齢別分類では, 7∿12歳の患者で61.0%を占めていた.また, 成人患者が2割を超えて増加(26.7%)し, 特に女性の成人患者が増え, 女性患者全体の32.5%で, 成人男女比は1 : 2.5であった.5. 居住地域別分類では, 近隣の市町村からの来院が多く, そのほとんどは当院を中心として半径20km以内で, 全体の77.0%を占めていた.6. 主訴別分類では, 乱杭歯が最も多く, 次いで受け口, 出っ歯, 噛み合わせが悪い, その他, 歯が生えない, 検診で言われた, 顎が痛いの順であった.その他の項目も多く, 患者の訴えの多様化が示された.7. 現在の歯並びに気付いた時期としては, 「乳歯が抜けて生え変わるとき」が圧倒的に多く, 「全部永久歯にはえかわってから」, 「だんだん悪くなりました」, 「乳歯の時」, 「他人から言われて気が付きました」, 「急に悪くなりました」の順であった.8. Hellman's developmental stage分類ではIVA, IIIBが多く次いでIIIC, IIIA, IVC, VA, IIC, IIA, Iの順であった.9. 初診時に保険が適用となった患者数は, 全体の6.5%であった.10. 1998年4月現在の治療経過では, 保定終了, 保定観察中, 動的治療中がほぼ同率で, 次に中断, 経過観察中, 転医の順であった.
著者
森下 雄太 宮地 利明 上田 丞政 清水 満 濱口 隆史 藤原 康博 林 弘之
出版者
日本放射線技術学会 = Japanese Society of Radiological Technology
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 = RADIOLOGICAL TECHNOLOGY (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.587-590, 2008-05-20
参考文献数
13
被引用文献数
2

The purpose of our study was to assess the mechanical effect on tattoo seals and eye makeup caused by a spatial magnetic gradient in the magnetic resonance imaging (MRI) system. Seven kinds of tattoo seals and three kinds of eye makeup, i.e., mascara, eye shadow, and eyeliner were used. On a 3.0-Tesla MRI, we determined these deflection angles according to a method established by the American Society for Testing and Materials (ASTM) at the position that produced the greatest magnetically induced deflection. Eighty-five percent of the tattoo seals showed deflection angles greater than 45 degrees of the ASTM guidelines, and the mascara and eye shadow showed over 40 degrees. This was because these contained ferromagnetic pigments such as an iron oxide, but those translational forces were very small owing to slight mass. However, it is desirable that these should be removed before MRI examination to prevent secondary problems.
著者
浅野 彰之 石田 亮 森上 裕子 大橋 朋悦 山内 裕士 山田 浩史 錦見 俊徳 小林 弘明
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.111, no.4, pp.130-133, 2020-10-20 (Released:2021-10-20)
参考文献数
9

症例は50歳,男性.尿閉を主訴に当院受診.CTでは膀胱内に直径1.7cmの円形の膀胱異物を認めたため,膀胱鏡を施行.膀胱内にガラス玉を認めた.異物が球状であり,自己挿入が可能であった事から経尿道的手術を予定した.機器は軟性膀胱鏡,異物鉗子,滅菌経腟用エコープローブカバー等を用い,異物鉗子でプローブカバーの開口部をつかんだ状態で,タモ網を使用する要領でガラス玉をプローブカバー内に入れ,そのまま牽引し用手的に摘出した.術中出血はなく良好な視野のまま摘出可能であった.術後排尿は問題なく,以後一年間の外来フォローでは再発を認めていない.
著者
林 弘正
出版者
関西法政治学研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:24330795)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.115-152, 2009-12-22 (Released:2018-01-10)

In this article, I have referred to the current state of child abuse in Japan and listed serious problems in solving from the viewpoint of the criminal law. The prevention of child abuse is indispensable to constructing of social systems and it needs multidisciplinary corporation with the other organizations and various occupations like the Multidisciplinary Team. We have to continuously study and share experience that leads to protect child from abusing and prevent child abuse. The childhood sexual abuse is one of child abuses that victims are forced to be imposed a lot of emotional burden and the most of victims has frequently suffered from PTSD. Especially in the case that perpetrators are father by birth or teacher. In such case the victims are forced more difficulties in recovery due to self-reproach. So childhood sexual abuse should be considered this status and take measures to prevent from the viewpoint of the public health. I would like to propose three new provisions for childhood sexual abuse in order to prevent childhood sexual abuse and regain the victim's self-esteem. 【Proposal 1】Make a new provision that the age of object raises from 13 to 14 in case of crimes of rape and forcible indecency. 【Proposal 2】Make a new provision to forbid childhood sexual abuse by a person who is at a certain position like a person being relatives, the one living with a child obliged to care for, or the one obliged to teach or guide.
著者
森下 雄太 宮地 利明 上田 丞政 清水 満 濱口 隆史 藤原 康博 林 弘之
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.587-590, 2008-05-20 (Released:2008-05-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

The purpose of our study was to assess the mechanical effect on tattoo seals and eye makeup caused by a spatial magnetic gradient in the magnetic resonance imaging (MRI) system. Seven kinds of tattoo seals and three kinds of eye makeup, i.e., mascara, eye shadow, and eyeliner were used. On a 3.0-Tesla MRI, we determined these deflection angles according to a method established by the American Society for Testing and Materials (ASTM) at the position that produced the greatest magnetically induced deflection. Eighty-five percent of the tattoo seals showed deflection angles greater than 45 degrees of the ASTM guidelines, and the mascara and eye shadow showed over 40 degrees. This was because these contained ferromagnetic pigments such as an iron oxide, but those translational forces were very small owing to slight mass. However, it is desirable that these should be removed before MRI examination to prevent secondary problems.
著者
武林 弘恵
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本年度は、3つのテーマのうち2に重点的に取り組み、1・3にも一定程度の進展をみた。1、売春婦管理史料の史料学的分析を進めるために、長野県立歴史館所蔵の信濃国内の宿場・温泉場の飯盛女・湯女関係史料の調査や、長崎歴史文化博物館所蔵の肥前国長崎における幕府公認遊廓関係史料の調査を実施するなど、フィールドを広げて史料収集をおこない事例蓄積の進展をみた。2、幕府のみならず諸藩の政策動向もふまえて近世売買春の構造的特質を理解するという立場から、奥州二本松藩を中心に売買春政策の特質を検証した。この関連で、支配の様相を解明するために、郡山市歴史資料館が所蔵する同藩領郡山宿伝来の御用留帳およびそれに類する史料の悉皆調査をおこなった。その成果として、「近世後期の宿駅再建と売買春政策-二本松藩領郡山宿を中心に-」(東北近世史研究会夏のセミナー)・「近世後期二本松藩における都市振興政策と売春業-郡山宿を中心に-」(遊廓社会研究会)・「近世後期の都市振興政策と売春業-奥州二本松藩を事例に-」(千葉歴史学会例会)の3口頭報告をおこなった。また、近世期における全国の売春婦設置状況一覧、および売買春関連の幕府諸藩仕置例を悉皆的に収集・電子化したデータベースを作成した。これにより、幕府諸藩の売買春関連の通時的・全国的な政策傾向を把握することが可能になった。3、遊女屋奉公人の一類型である遣手奉公人の実態解明のため、肥前国長崎丸山町・寄合町遊廓における遊廓関係史料の収集を実施した。
著者
松本 拓己 伊藤 喜宏 松林 弘智
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.427-443, 2006-03-31 (Released:2010-03-11)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

The 2004 Mid Niigata Prefecture earthquake (MJ6.8) that occurred on October 23, 2004 is the 2nd largest intra-plate earthquake after F-net, the broadband seismograph network of the National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED) was established with a dense and homogeneous distribution all over Japan. We determined moment tensor solutions of the main shock, aftershocks, and earthquakes occurred around mid Niigata prefecture from January 1997 to October 22, 2004, using a surface wave with an extended method of the NIED F-net routine processing. The horizontal distance to the station is rounded to the nearest interval of 1km, and the variance reduction approach is applied to a focal depth from 2km with an interval of 1km. We obtain the moment tensors of 117 events with MJ exceeding 2.8 and spatial distribution of these moment tensors. The focal mechanism of main shock, aftershocks, earthquakes before main shock, is mainly of the reverse fault type with P axes trending WNW-ESE. But the focal mechanism of 15 percent aftershocks is the strike-slip type. There are high dip angle reverse faults, in deep part, and low dip angle reverse faults in shallow part.
著者
安斎 碕 小林 弘毅 吉橋 和江 中島 義雄 西山 實
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.90-100, 1997-03-25
被引用文献数
12

本研究は, フッ素徐放性の歯科材料の開発を目的としたもので, フッ素除放性のモノマー3種を合成し, 合成モノマーを分析した.モノマーの合成は, ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン(P_3N_3F_6)を用い, このフッ素の3〜5個をHEMAで置換して, 3種のP_3N_3(F)_<1-3>(EMA)_<5-3>を得た.IR, NMRおよび元素分析の結果, 目的物であった.3種のモノマーの屈折率は, 1.4662〜1.4718で, 粘度は1.3〜1.8Pa・sを示した.3種の合成モノマーをそれぞれMMAに30wt%配合し, これとPMMAとを混和し, 光重合してレジン重合体を作製した.フッ素徐放量および曲げ強さの測定は, レジンを水中に浸漬したのち, 経日的に測定した.レジン3種のフッ素徐放量は, 経日的に低下し, 水中浸漬1および360日で, それぞれ2.0〜3.3μg/mlおよび0.2〜0.8μg/mlを示した.レジン3種の曲げ強さは, 水中浸漬360日で74.0〜76.0MPaを示した.レジン3種のフッ素徐放量および曲げ強さの経日的変化は, 対照として用いた市販シーラントといずれも同じ傾向を示した.