著者
小林 正裕 中山 英久 Ansari Nirwan 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.221, pp.131-136, 2007-09-13
参考文献数
17

IPマルチキャストに代わるストリーム配信技術として,各ノードのストリーミングアプリケーションに依存してマルチキャストツリーを構成するApplication Layer Multicast(ALM)技術に注目が集まっている.ALMでは配信ツリーを構成し,そのツリー構造に従ってストリームを配信する.そのため,ツリーの上位に位置するノードの離脱により,そのノードよりも下位に位置するノードヘストリームが配信されない場合が生じる.そのような問題点に対して,Topology-aware Hierarchical Arrangement Graph(THAG)を利用してALMを実現するストリーム配信手法が提案されている.THAGでは,Multiple Description Coding(MDC)により,ストリームを複数の部分ストリームに分割しそれぞれの部分ストリームに対して,Arrangement Graph(AG)から独立にツリーを構成して配送する.しかし,THAGではすべて同じサイズのAGを用いるため,ネットワーク帯域が不均一な環境では帯域に適したストリームを配信できない可能性がある.本稿では,ネットワークの利用可能帯域に応じてAGのサイズを動的に変更する方法を提案する.提案手法は,THAGをネットワーク帯域が不均一な環境に適応させた手法である.ns-2を用いたシミュレーションにおいて,トータルスループットとBandwidth Satisfaction Rate(BSR)による評価では,THAGよりも提案手法が優れていることを示す.
著者
小林 正
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1243-1247, 1991-08-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
4

インスリンの構造異常によりそのインスリン作用が低下するため,代償的にインスリン分泌が亢進し,このため高インスリン血症をきたす異常症は世界で12家系発見されているが,糖尿病は軽症であることが多い.最近の遺伝子解析の手法の進歩により簡単に構造決定されるようになり,インスリンの構造と作用, NIDDM発症の機序などこれらの症例から学ぶことが多い.
著者
小林 正弥 コバヤシ マサヤ Kobayashi Masaya
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
公共研究 (ISSN:18814859)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.8-56, 2006-03-28

千葉大学公共研究センター21世紀COEプログラム「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」
著者
佐倉 まり 安藤 一人 高 眉揚 中林 正雄 武田 佳彦
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.585-586, 1994-07-25

第13回東京女子医科大学血栓止血研究会 平成6年3月4日 第一臨床講堂
著者
小林 正泰
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.21-30, 2007-03-10

This paper analyzes the whole plan of "Reconstructed Elementary Schools", the views of City of Tokyo Construction Bureau on education, and the structure of the schools actually build after the Great Kanto Earthquake. The plan was well-designed how children, teachers and the neighborhood use their school and matched Toshitaka Sano and Kougorou Komota's policy that an elementary school building should function educationally and as a center of community. And then, their ideal was achieved as special classrooms and gymnasiums build in all of the "Reconstructed Elementary Schools".
著者
入江 忠信 金古 善明 中島 忠 斉藤 章宏 太田 昌樹 加藤 寿光 飯島 貴史 八木 宏明 富田 智之 間仁田 守 伊藤 敏夫 倉林 正彦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.239-244, 2010 (Released:2011-12-20)
参考文献数
9

症例は73歳, 女性. 2008年11月から, 息苦しさ, 顔面, 下肢の浮腫が出現した. 入院時心電図は心拍数42/分, 2対1房室ブロック, QRS幅90ms, 胸部写真にてCTR 55%, 肺血管陰影の増強あり, 正常冠動脈, 左室収縮能は良好で, 徐脈によるうっ血性不全と診断した. 血清カリウム値2.6mEq/Lと低下していたため, カリウム製剤の投与を開始した. 入院直後のホルター心電図では, 完全房室ブロック, Mobitz II型第2度房室ブロックも認めた. 第2病日には第2度以上の房室ブロックは消失した. 第5病日には血清カリウム値は正常化し, 以後低カリウム血症の再燃はなかった. 低カリウム血症をきたす内分泌・腎疾患を認めず, 原因は不明であった. 電気生理学的検査にて洞調律時に分裂ヒス電位を認め, ピルジカイニド25mg投与後に2対1ヒス束内ブロックとなり, ヒス束内伝導障害を認めた. 房室結節伝導は正常であった, ペースメーカーの適応については, 房室ブロックに対する低カリウム血症の関与の有無にかかわらず, ヒス束内伝導障害があるためclass IIaの適応と考え, 永久的ペースメーカーの植え込みを行った. 本例は, もともとヒス束内伝導障害があるうえに, 低カリウム血症によりヒス束の不応期の延長あるいは第4相の過分極をきたし房室ブロックをきたしたと推測した.
著者
小林 昌樹 小林 正人 染野 竜也 内山 弘実 小野 祐樹
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.1314-1319, 2011-10-20 (Released:2011-10-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

In Japan, various types of MRI equipment, having varying magnetic field strengths, are widely used. However, the biggest problem encountered while utilizing an MRI is the scarcity of information and guidelines pertaining to implants, internal, and external metallic objects. This leads to uncertainty when an unspecified object is encountered during an examination andcreates the possibility of performing an ambiguous MRI. Therefore, this study classified a range of objects into 12 categories using database management software. An attempt was made to create an environment where reference and comparison of products could be performed. This study also investigated the ways and extent to which medical equipment package inserts reference the MRI. With the co-operation of various corporations and the use of information such as medical equipment package inserts, product information was collected and an environment for the reference and comparison of products became available. In addition, it became apparent while examining these package inserts that orthopedic products had the least information available. It is likely that this information will be useful in medical settings and this kind of database will become increasingly necessary in the future.
著者
栗林 正俊
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (環境学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6151号)
著者
半藤 保 小林 正子 久保田 美雪
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.21-28, 2007-04

大学生381人(男子100人,女子281人)に無記名アンケート方式により,性行動,性感染症に対する現況と知識,および意識について調査した。その結果,以下の点を明らかにした。1)初交年齢のピーク:男子16歳,女子17歳。2)18歳までの性交経験率:男子78.9%,女子76.1%。3)複数人の性パートナーをもつ割合:男子52.7%,女子56.4%。4)性感染症(STI)の種類について回答者の50%以下しか知らなかったもの:性器ヘルペス,淋病,B型肝炎,C型肝炎,尖形コンジローマ。5)性交時,必ずコンドームを装着するもの:約2/3しかなく,1/3は「ときどき」あるいは「全く」装着しなかった。しかも,装着は避妊目的であって,STI予防を目的としたものは約20%にしか過ぎなった。6)STI予防のためコンドーム装着の必要性を自覚するもの:男子55%,女子80%。7)STI罹患疑いのとき,性パートナーともども病院を受診するとしたもの:39%。
著者
小林 正佳 今西 義宜 石川 雅子 西田 幸平 足立 光朗 大石 真綾 中村 哲 坂井田 寛 間島 雄一
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.986-995, 2005-10-20
被引用文献数
5 9 3

嗅覚障害の治療としてステロイド薬の点鼻療法が一般的に行われているが, 治療が長期にわたる症例も多くその副作用が懸念される. ステロイド薬点鼻療法長期連用に関してその安全性を有用性と比較して検討した報告はない. そこで今回は当科嗅覚味覚外来で同療法を施行した患者を対象にこの比較検討を施行した.<BR>0.1%リン酸ベタメタゾンナトリウム液 (リンデロン液®) の点鼻療法を施行した62例中42例 (68%) に点鼻開始後1~2カ月で血清ACTHまたはコルチゾール値の低下が出現したが, 異常な理学的所見や自覚的症状は認められなかった. 点鼻療法を中止した8例は全例1カ月後にそれらの値が正常範囲内に回復した. 一方, 同療法を継続した34例中4例で開始後2~5カ月で自覚的な顔面腫脹感, 顔面の濃毛化というステロイド薬のminor side effectが出現したが, 中止後1カ月ですべての症状が消失した. 同療法のみを3カ月以上継続した23例の治療効果は, 自覚的嗅覚障害度, 基準嗅力検査上ともに統計学的に有意な改善がみられ, 日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会制定の嗅覚改善評価法でも78%例で何らかの改善判定が得られた.<BR>ステロイド薬点鼻療法の長期連用は軽度で可逆的な副作用を生じ得る. 一方, 嗅覚障害の治療効果は高い. よって同療法は有用な嗅覚障害の治療法であり, 臨床的必要性に応じて十分な注意の下に長期連用することは可能と考えられる.
著者
中尾 周 清水 美希 松本 英樹 千村 収一 小林 正行 町田 登
出版者
獣医循環器研究会
雑誌
動物の循環器 = Advances in animal cardiology (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-10, 2007-06-01
被引用文献数
1

犬における心房細動(AF)の発生にかかる形態学的基盤について明らかにする目的で,生前にAFを示した犬5例の心臓について,心房筋および洞結節を中心に組織学的検索を実施した。症例1は雑種,10歳,僧帽弁および三尖弁閉鎖不全症例であり,AFは死亡前の4カ月間持続した。症例2はマルチーズ,14歳,僧帽弁および三尖弁閉鎖不全症例であり,AFは死亡前の10日間認められた。 症例3はゴールデン・レトリーバー,雌,2歳,右室二腔症および三尖弁異形成を有しており,AFは死亡時まで6カ月間持続した。症例4はゴールデン・レトリーバー,5歳,孤立性AFであり,交通事故により死亡するまで4週間持続した。症例5はゴールデン・レトリーバー,10歳,孤立性AFであり,心不全により死亡するまで36カ月間持続した。肉眼的に,症例1および2では左心房の重度拡張ならびに右心房の中等度拡張,症例3では右心房の重度拡張がみられたが,症例4および5の心房に著変は認められなかった。心房の組織学的変化は,顕著な変化が認められなかった症例4を除く4例に見いだされた。心房病変はいずれの例においても間質性心筋線維化に総括されるものであり,種々の程度に心筋線維の伸長・萎縮・脱落を伴っていた。間質性線維化の程度(ごく軽微±~重度+++)は,症例1:左心房(+++)/右心房(++),症例2:左心房(+++)/右心房(++),症例3:左心房(±)/右心房(+++),症例5:左心房(+)/右心房(+)であった。なお,全例において洞結節に著変は認められなかった。以上の検索結果から,小型~中型犬では心房の拡張がAFの発生要因になるが,心房が一定以上の容積を有している大型犬の場合は心房に器質的変化がなくてもAFは発生しうること;AF症例の心房にみられる間質性心筋線維化はAFの結果として生ずるものではないこと;AFの発生に洞結節の器質的変化は必須要件ではないことなどが示された。
著者
小林 正和 吉村 允孝 西脇 眞二 泉井 一浩
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
設計工学・システム部門講演会講演論文集 (ISSN:13480286)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.13, pp.271-272, 2003-10-30

Collaborative product design implies that multiple designers will cooperate during the design of a product, by sharing knowledge and information. For practical design teams, expertise in a wide area is needed, but the area that a single designer can proficiently handle is usually quite narrow. Therefore, facilitated collaboration is indispensable to achieve efficient results from a practical design team. In recent years, customer requirements have become increasingly diversified, and companies have focused upon developing unique or increasingly sophisticated products to maintain their market share. As a result, achieving especially creative designs has become more important than ever. An additional aim of collaboration is to maximally assist this type of creative design process. This paper discusses an advanced collaborative system supporting creative design processes that depend on interactive communication among a number of designers. To implement such a system, this paper proposes a method for structurizing and visualizing communication processes.
著者
Chandra Bobby 小泉 達也 林 正博 山本 尚生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.278, pp.85-90, 2011-11-03

開発途上国におけるバックボーンネットワーク(伝送路網)は、長い年月をかけて構築されることが多く、投資力や地域発展速度の違いによって、ネットワークの構成が変化していく.また、大小様々な島で構成されている国の場合、使われる伝送設備の信頼性も多様である.このようなネットワークの信頼性を、その計画推進状況を含めて評価するには、従来のエンド・エンド信頼性やネットワークの完成形を考慮した先進国型の設評価法では不十分であると考えられる.経済的な活性炭の分布や、ネットワーク設備の構築過程を考慮した評価法が必要であり、地域間の信頼性格差を把握でき、時間経過(年代経過)とともに低信頼な地域の減少、改善を確認できる評価法が望ましい.本稿では、ネットワーク全体の中での地域の信頼性を個々に評価できる新しい評価尺度として一対多信頼度を提案する.同時に、本信頼度の算出に必要となる地域間の相対的通信需要(交流トラヒック)を求めるために、地域ごとの通信貢献度を定義して算出する手法も示す.適用例として、インドネシアのネットワークを対象とした評価実験を行なった.発展途上にある同国は、様々な島で構成されているため、現状ではネットワーク信頼性の地域間格差も大きい.本稿では、現在国家プロジェクトとして構築が進んでいる次世代バックボーンネットワークプロジェクトを対象として、提案した信頼度に基づく評価を行なった結果を紹介する.
著者
林 正則
出版者
大阪大学
雑誌
大阪大学大学院文学研究科紀要 (ISSN:13453548)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.A73-A91, 2003-03-31

The goal of this paper is to explicate the true nature of split intransitives. To achieve this goal we explored the experiential basis of the unaccusative hypothesis and arrived at the following conclusions: 1. The passive, including the impersonal passive and adversative passive, is primarily based on the activity verbs (S_a=A) and undergoes generalization accommodating change of state verbs (S_p=P) verbs as well (Cf. Shibatani 1998). 2. The causative alternation is primarily based on change of state verbs (S_p=P) and undergoes generalization accommodating the activity verbs (S_a=A)(Cf.Shibatani & Pardeshi 2002). 3. The split intransitive system in active languages is based on at least two different semantic criteria (Cf. Mithun 1991). From the results mentioned above we propose the following claims: 4. The behaviour of the intransitives is not a dichotomy as envisaged by the unaccusative hypothesis. The groupings are non-homogeneous and form a continuum rather than a dichotomy. Further, the size of each group varies from one language to another. In order to capture these facts we propose the following terms: Semantic Nominative-accusative system and Semantic Ergative-absolutive system. These terms are precisely defined and introduced drawing a systematic parallel with the casemaking systems. 5. In relation to 3 above, developing the proposal of Mithun (1991), we propose a "speaker's viewpoint" parameter related to the origination of a state of affairs. Even in the active languages, we do not find the ideal active-inactive dichotomy pattern as envisaged by the unaccusative hypothesis. We claim that the "speaker's viewpoint" parameter proposed herein varies from one language to another and therefore the so-called universal, single parameter based unaccusative hypothesis is in fact not universal.
著者
高橋 夏子 小林 正紀 板垣 史郎 平野 剛 武隈 洋 菅原 満 井関 健
出版者
日本薬学会
雑誌
Yakugaku Zasshi (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.777-783, 2012-06-01

The most effective drugs based on the type of cancer are chosen for chemotherapy. Tumor cells can be targeted at the DNA, RNA or protein level, and most of the classical anticancer drugs interact with tumor DNA in a time-dependent manner or a concentration-dependent manner. However, it has been unclear to date whether a combination therapy is carried out by using exact classification. Thus it is necessary to reclassify a great number of anticancer drugs. We propose a new classification system based on pharmacological effects of anticancer drugs. Classification of four anticancer drugs (cisplatin, carboplatin, paclitaxel and gemcitabine) was performed by the 3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium bromide (MTT) assay. The four anticancer drugs were grouped by IC50 values (inhibitory concentration, 50%) in a time-dependent manner and a concentration-dependent manner. The present approach may be combined to enhance the chemosensitivity, improve the dose of cytotoxic drugs and evaluate the effects of novel anticancer drugs.
著者
田近 栄治 渡辺 智之 佐藤 主光 山重 慎二 國枝 繁樹 竹内 幹 別所 俊一郎 林 正義 小林 航 油井 雄二 河口 洋行 菊池 潤
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

長期にわたるデフレと進行する高齢化のなかで日本の財政は、厳しさを増している。同時に経済のグローバル化のなかで賃金は伸び悩み、非正規雇用の増大など雇用の流動化が生じている。そうした経済状況のもと、本研究は税と社会保障を一体でとらえ、受益と負担の実態分析を踏まえ、政策への貢献を目指した。研究成果は個別論文としてだけではなく、雑誌特集号として出版した。そのほか国家戦略相を招聘した政策シンポジウムや、財務省・財務総合研究所との共催事業および書籍出版などにより成果の公表を図った。
著者
秋山 朝子 今井 かおり 石田 幸子 伊藤 健司 小林 正志 中村 秀男 野瀬 和利 津田 孝雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.787-792, 2006 (Released:2006-11-17)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

An analytical method for the determination of aromatic compounds exhalated from hand skin has been proposed. The sampling of exhalated aromatic compounds was performed as follows: after the intake of aromatic compounds included in chewing gum or a capsule, exhalated skin gas was collected from a hand. The hand was covered with a sampling bag of poly vinyl fluoride (PVF) for 30 min. Then, the inner space of the sampling bag was sprayed with a 25% of ethanol aqueous solution. After removing the hand from the bag, the trapped solution containing skin gas was collected. The aromatic compounds in the trapped solution were extracted to the solid phase as Twister® (stir bar coated with poly dimethyl siloxane, Gerstel). Extracts were determined by gas-chromatograph mass spectrometry using a thermo desorption system and a selective ion mode. Linalool, citronellol and geraniol, which are the main components of rose essential oil, were detected from the skin of a hand after an oral intake of rose oil. The exhalated absolute amount of linalool, citronellol and geraniol increased in 30 to 60 min, and then decreased after intake. The recoveries of linalool, citronellol and geraniol were 53.5%, 66.7% and 55.1%, respectively. The correlation coefficient of the standard curves for linalool, citronellol and geraniol were 0.9977, 0.9994 and 0.9987, respectively. Each compound exahalated from the skin of a human body during 6 hours after intake was estimated to be, according to the amount of intake, 0.39%, 0.09% and 0.25%, respectively, for one subject. The absolute amount of geraniol exhalated from a hand increased significantly after oral intake for 8 subjects (P<0.025). This is the first report to present hard proof that an aromatic compound was exhalated from human skin after its intake as food.
著者
佐藤 文昭 見上 彪 林 正信 喜田 宏 桑原 幹典 小沼 操 遠藤 大二 児玉 洋 久保 周一郎
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1987

本研究の主眼は有用な動物用リコンビナント多価ワクチンの作出に必要な基磯実験の実施にある。リコンビナント多価ワクチンはベ-スとなるベクタ-ウイルスとワクチンの決定抗原遺伝子を結合することにより作出される。ベクタ-ウイルスとしてはマレック病ウイルス(MDV)と鶏痘ウイルスに着目し、それらのチミジンキナ-ゼ遺伝子中に挿入部位を設定した。また同時に、MDVの感染から発病の過程に関る種々の抗原遺伝子の解折とクロ-ニングを行った。すなわち、ワクシニアウイルスをベ-スとしてNDVのHN蛋白遺伝子を組み込んだリコンビナントワクシニアウイルスを作出し、NDV感染防御におけるHN蛋白に対する免疫応答が感染防御に重要な役割を果たすことを明かにした。加えて、インフルエンザウイルスおよびニュ-カッスル病ウイルスの感染防御に関る抗原遺伝子の解折により、抗原遺伝子群の変異を検討した。続けて上記のウイルスベクタ-に外来遺伝子を組み込み、リコンビナント多価ワクチン実用化への可能性を検討した。すなわち、ニュ-カッスル病ウイルス(NDV)のヘマグルチニンーノイラミニダ-ゼ蛋白(HN蛋白)とマレック病ウイルスのA抗原の遺伝子をバキュロウイルスベクタ-に組み込み、生物活性と抗原性をほぼ完全に保持した蛋白を得ることができ、ワクチンとしての使用に有望な結果を得た。MDVの単純ヘルペスウイルス(HSV)のB糖蛋白類以蛋白遺伝子をバキュロウイルスベクタ-へ組み込み、高純度の蛋白を得た。さらに、本研究では、将来非常に有用なワクチンを作出するための基磯的な知見とリコンビナント多価ワクチンの実用化を近年中に可能にする実験結果も含むといえる。これらの有用な知見により、本研究は初期の目的を達成したばかりではなく、リコンビナントワクチン実用化への次の目標である野外試験による効用の証明のためにも一助となったといえる。