著者
小野田 正利 小林 正幸 近藤 博之 平沢 安政 藤岡 淳子 山下 晃一 近藤 博之 平沢 安政 藤岡 淳子 志水 宏吉 井村 修 木村 涼子 中村 高康 野田 正人 岩永 定 山下 晃一 田中 規久雄 古川 治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

学校の教職員と保護者の間に、いま時として鋭い対立関係が生じてしまい、教育活動に大きな影響が出ていることが、わが国の学校問題の一つに急浮上してきた。本研究では、質的調査と量的調査を組み合わせ、同時に教育学の観点からだけでなく、心理学、精神医学、福祉学、法律学などの多様な分野の専門研究者を交えて、これらの問題の原因究明とともに、良好な関係性の構築の方向性を明らかにした。
著者
伊藤 実和 才藤 栄一 岡田 誠 岩田 絵美 水野 元実 坂田 三貴 寺西 利生 林 正康
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, 2005-04-20

【目的】短下肢装具(AFO)は最も使用されている装具である.しかし,機能的には優れていても外観に欠点があったり,逆に外観が良好でも機能的に問題があったり,さらに患者の状態変化に対応しにくいなど,外観性,機能性,調整性を同時に満たすものは現存しない.我々は,この問題を解決すべく調節機能付き後方平板支柱型AFO(Adjustable Posterior Strut AFO:APS)の開発を進めている.APSは理論上,効果的な内外反(ねじれ)防止機能が期待できる.今回,健常人と片麻痺患者を対象に本装具と従来型AFOの歩行時の下腿・足部分の底背屈と内外反(ねじれ)を比較検討した.<BR>【方法】対象は健常人1名,左片麻痺患者2名とした.症例の歩行レベルは,両名ともT字杖を使用しShoehorn Brace(SHB)で修正自立であった.健常人では,評価用APSを用い,4種類のカーボン支柱(No1:硬ーNo4:軟)を使用した.APSの足関節角度条件は,背屈0度固定と背屈域0~35度遊動の2設定とした.比較する従来型AFOは可撓性の異なる3種類のSHBを使用した.片麻痺患者では,APSを個別に採型,作製した.カーボン支柱には症例に最も適した軟タイプ(No4)とした.足関節角度設定はそれぞれ背屈域5~35度遊動,背屈域5~30度遊動とした.比較には症例が従来から使用していたSHBを用いた.運動計測にはゴニオメーターと3次元動作解析装置を使用した.APSとSHBを装着してトレッドミル歩行を20秒間行ない,歩行中の足関節底背屈角度と下腿部のねじれ角度を計測した.<BR>【結果】健常人においては,APSの支柱が軟らかい程,SHBでは最狭部トリミングが小さい程,底背屈角度とねじれが大きくなった.両装具を比較すると,底背屈運動範囲は,大きい順にAPS背屈遊動,APS固定,SHBとなり,逆にねじれの大きさは,SHB,APS固定,APS背屈遊動の順となった.運動の軌跡をみるとAPSではSHBに比べ底背屈がスムーズで,踵接地後の底屈と立脚後期の十分な背屈が得られた.2症例の検討でも,SHBに比してAPSでより底背屈角度が大きく,ねじれが小さい傾向にあった.APSでは立脚後期に十分な背屈が得られ,立脚期に起こるねじれも緩やかであった.2例ともAPS歩行ではSHB歩行より歩行速度上昇,ストライド増加,ケイデンス減少が得られた.<BR>【考察】健常者と片麻痺患者の両者において,APS(固定,背屈遊動)では,SHBに比べ,踵接地後の足関節底屈や立脚後期の背屈など歩行時の底背屈がスムーズで,足関節の底背屈が十分に得られる際にもねじれは少ないという良好な機能性を示した.片麻痺患者では,この機能性が時間因子や距離因子にも影響を与えていたと考えられた.今後は症例数を追加し,APSの機能性を確認したい.
著者
大窪 健之 小林 正美 土岐 憲三 益田 兼房 寺田 佳高 石井 隆之 岡崎 風時
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

全国の木造の重伝建地区(国指定の町並み保存地区)は、地震火災による同時多発火災に弱い。しかし災害時に最も重要な役割を果たす住民が参加し、地区防災計画を定めた例は少数であった。このため、防災水利の整備事業の実施前、中、後、の段階別に地区を選定して住民ワークショップを実施し、図上防災訓練による想定と、発災対応型防災訓練による実践を試みた。得られた結果を総合することで、住民ワークショップの手法とその有効性を明らかにした。
著者
林 正裕
出版者
長崎大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

深海生物を供試材料として深海環境を模した装置を用いて、高CO_2環境が深海生物に及ぼす影響を室内実験で把握する手法を開発し、その手法を用いて生物影響を調査することを主目的として実験を行い、今年度は以下の成果を得ることができた。1、深海魚のCO_2耐性を把握するために、底生性深海魚ザラビクニンCareproctus trachysomaを用いて、数段階のCO_2レベルでの曝露実験(水温2℃)を実施した。ザラビクニンの急性(72時間)致死CO_2レベルは、2%CO_2(CO_2分圧≒2kPa)であることが分かった。そして、ザラビクニンのCO_2耐性は浅海魚(ヒラメ・イシガレイ)に比べて弱い可能性があった。2、深海魚の生理機能に対するCO_2影響を調査するために、高CO_2環境下でのザラビクニンの呼吸頻度の変化を調べた。2%CO_2曝露によって、ザラビクニンの呼吸頻度は、曝露開始後3時間で曝露前の値31.6±5.2(N=3)回/minから18.7±5.0回/min(3時間)まで低下し、その後試験終了時まで上昇し続けた(72時間;27.0回/min(N=2))。これまでの知見において、ザラビクニン以外の全ての魚類で、環境水のCO_2増加に伴い呼吸頻度は上昇しており、高CO_2環境下において、魚類の呼吸頻度が低下した前例はない。3、魚類において呼吸や酸排泄を担う鰓の形態計測をザラビクニンで実施した。ザラビクニンの一次鰓弁長は5.1±0.6mm(N=4)、一次鰓密度は17.5±1.3本/cm、二次鰓弁表面積は0.090mm^2、二次鰓弁密度は13.9±0.8枚/mm及び鰓表面積94±24mm^2/gであった。4、ザラビクニンを高圧実験装置に収容し、高水圧下における心拍数の変化を調査した。ザラビクニンの心拍数は、常圧時の22.2回/minから20atmで26回/minに増加した。さらに40atmで27回/minになり、最終的に100atmで25回/minとなった。
著者
新岡 祥平 香取 拓 坂田 洋一 林 隆久 井内 聖 小林 正智 太治 輝昭
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第52回日本植物生理学会年会要旨集
巻号頁・発行日
pp.0438, 2011 (Released:2011-12-02)

セシウム(Cs)はカリウム(K)と化学的に類似しており、同様の経路を通り植物体に吸収され、微量で植物体に毒性を示す事が知られている。モデル植物Arabidopsis thalianaは世界中で1000種以上のaccessions(エコタイプ)が存在する。accessions間では百塩基に一塩基しか違いがないにも関わらず、形態形成やストレス耐性等に大きなバリエーションがあることが知られている。そこで本研究では、354種のaccessionsを用いてCs耐性評価を行った。その結果、実験系統Col-0と比較して顕著な耐性を示すCs耐性系統と、逆に高感受性を示すCs高感受性系統を見出した。Csストレス下における地上部のCs蓄積量を測定した結果、Cs耐性系統のCvi-0がCsを低蓄積している事が明らかとなった。
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.453, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.
著者
刈間 文俊 若林 正丈 村田 雄二郎 クリスティーン ラマール 生越 直樹 伊藤 徳也 代田 智明 瀬地山 角 高橋 満 古田 元夫 若林 正丈 黒住 真 代田 智明 深川 由紀子 生越 直樹 クリスティーン ラマール 高見澤 磨 楊 凱栄 谷垣 真理子 伊藤 徳也 瀬地山 角 田原 史起 有田 伸 岩月 純一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

中国では、漢字が、簡略化や教育によって、血肉化され、作家達も、前近代的なものを凝視し続けた.戦前の日中関係では、日本の漢学者と漢字紙が大きな役割を果たした.戦後韓国は、漢字を駆逐する一方、伝統的な同姓不婚制度を再構築させ、台湾は、漢字を簡略化せず、80 年代以降には、多文化主義的な社会統合理念を形成した.それに対して、中国大陸では今や、漢字文化からも消費文化からも疎遠な農村が、自律と国家による制御の間で揺れ動いている.本研究は以上を実証的に解明した.
著者
小林 正裕 亀井 聡 斎藤 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.373, pp.25-30, 2011-01-13
被引用文献数
1

ビデオトラヒックの増加により,通信事業者では設備コスト削減に向け,キャッシュ技術に再び注目が集まっている.しかし,動画共有サイトにおけるUGC(User Generated Contents)の増加により,現在のビデオコンテンツは,大容量化に加え,人気度がロングテール化し,さらに短期的に人気コンテンツが変動するため,キャッシュ効果が得難い.本稿では,動画共有サイトにおけるコンテンツアクセス傾向情報を利用し,上記の特性を持つビデオコンテンツに対するキャッシュ連携方式の有効性評価を行う.そして,評価結果を基に,効率的なビデオコンテンツキャッシュシステムについて考察する.
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.454, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.
著者
小林 正法 松川 順子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.109-117, 2011-02-28 (Released:2011-06-28)
参考文献数
39
被引用文献数
1

本研究はThink/No-Thinkパラダイム(Anderson & Green,2001)を用いて,ポジティブ画像記憶の意図的抑制が可能かを検討した.方法は学習段階,Think/No-Think段階,最終テスト段階の3段階から構成されていた.学習段階において,実験参加者(N=34)は手がかり(ニュートラル単語)とターゲット(ポジティブもしくはニュートラル画像)の刺激ペアを学習した.その後,正解率が80%を超えるまで手がかり再認テストを行った.Think/No-Think段階では,手がかりのみが反復して提示された(0回,6回,12回).0回反復のペアは記憶の促進と記憶の抑制を評価するためのベースラインとして使用された.赤色の手がかりに対して,実験参加者はペアとなっていたターゲットを思い出した.緑色の手がかりに対しては,ペアとなっていたターゲットを抑制した.最終テスト段階では,手がかり再生テストを行った.結果,ポジティブ,ニュートラル画像共に,抑制されたターゲットはベースラインのターゲットよりも記憶成績が低かった.画像記憶の抑制が頑健であること,そして感情価によって抑制中の主観的体験が異なることが示唆された.
著者
鈴木 義之 瀬崎 ひとみ 芥田 憲夫 鈴木 文孝 瀬古 裕也 今井 則博 平川 美晴 川村 祐介 保坂 哲也 小林 正宏 斎藤 聡 荒瀬 康司 池田 健次 小林 万利子 熊田 博光
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.147-149, 2011 (Released:2011-03-22)
参考文献数
4

To further improve therapeutic effect on chronic hepatitis C, we have administered NS3 inhibitor and NS5A inhibitor together, and examined effects of early antiviral agent therapy. The subjects were five cases where interferon is ineffective (null responders). The NS5A and NS3 inhibitors are oral drugs and were daily administered for 24 weeks. Figure 1 shows time-dependent change of the number of viruses after the therapy started, and rapid decrease of viruses is recognized. Within 12 hours, HCV-RNA decreased by more than 2 log IU/ml in every patient. Two patients became negative for the virus by the 15th day after the therapy started. Furthermore, 80% of cases by the 28th day and all the cases by the 56th day became negative. The new therapy has manifested excellent early antiviral effect.
著者
田村 元秀 林 正彦 周藤 浩士 西川 淳
出版者
国立天文台
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

すばる望遠鏡と高コントラスト観測装置などを用いた観測により、原始惑星系円盤と残骸円盤の観測を行い、その形態の多様性、氷の分布、偏光に基づく塵の性質を初めて空間的に分解し、直接的に明らかにした。若い星の比較的遠方に惑星質量(約10木星質量)に匹敵する伴星天体を発見した。マウナケア山頂群のファイバー干渉計実験(OHANA)にも成功した。また、次世代高コントラスト装置HiCIAOを開発した。
著者
小林 正則 國土 典宏 関 誠 高橋 孝 柳澤 昭夫 前川 勝治郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.2399-2403, 1999-10-01
参考文献数
17
被引用文献数
10

症例は66歳の女性. 他院にてS状結腸癌にて結腸切除術1年後, 肝転移を来たし当科にて肝左2区域切除, S6部分切除を施行した. 入院時血清AFP1,036.8ng/mlと異常高値を認めた. 肉眼的に根治であったが術後短期間に皮下組織内および残肝に再発し初回手術より1年4か月後(肝切除より94日後)死亡した. 病理組織像では, 原発巣および肝転移巣ともに通常の大腸癌に見られる腺腔形成部と明るい細胞質を持つ細胞がシート状に配列した部(hepatoid differentiation)よりなっていた. AFP産生性は免疫組織学的に原発巣および肝転移巣の両者で検出された. AFP産生大腸癌の報告はきわめてまれであるが, 予後不良なこのようなタイプの大腸癌の存在することを念頭に置き, 診療に当たる必要があると考えられた.
著者
上田 明良 小林 正秀
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.77-83, 2001-05-16
参考文献数
22
被引用文献数
3

生立木へのカシノナガキクイムシの飛来消長を樹幹に巻き付けた粘着紙による捕獲で調べたところ, 最初の穿孔が観察された直後に雌雄の飛来数がピークに達し, その後急速に減少した。衰弱または枯死した木に対してはこれ以後の飛来はほとんどなかったが, 健全木では飛来が継続し, 8月中・下旬から9月中旬にかけて再び増加した。飛来数の合計はコナラ健全木で多かった。しかし, 最初のピークにおける飛来数は, 同所で同時に穿孔を受け始め, その後生残したコナラと枯死したミズナラでは, 枯死したミズナラの方が多かった。飛来数は1.6m高よりも0.5m高の方がいずれの調査木でも多かった。ヨシブエナガキクイムシはカシノナガキクイムシよりも飛来が1〜2週間遅れた。捕獲数は全ての枯死木で多かったが, 健全木の中にも多いものがあった。捕獲された高さについては傾向がなかった。