著者
小林 美亜 竹林 洋一 柴田 健一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.568-577, 2018-11-15

診療報酬による「身体拘束最小化」への誘導 高齢化の進展と共に認知症高齢者の入院が増加している。急性期病院(看護配置7対1及び10対1)では、認知症をもつ患者の入院割合は約2割を占め、そのうち、半数以上がBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:行動・心理症状)を有しており*1、身体合併症の治療だけでなく、認知症高齢者の中核症状およびBPSDへの対応能力を高め、身体拘束を防止し、認知症高齢者の尊厳を保障することが急務の課題となっている。 診療報酬でも、医療機関は身体拘束を減らす方向に誘導がなされている。2016年の診療報酬改定では「認知症ケア加算」が新設され、身体的拘束を実施した日は、当該点数が40%減額となるペナルティが課せられるようになった。また、2018年の診療報酬改定では、看護補助加算や夜間看護加算の算定において、「入院患者に対し、日頃より身体的拘束を必要としない状態となるよう環境を整えること」「また身体的拘束を実施するかどうかは、職員個々の判断ではなく、当該患者に関わる医師、看護師等、当該患者に関わる複数の職員で検討すること」といった身体拘束などの行動制限を最小化する取り組みを行うことが要件となっている。
著者
松林 洋一
出版者
日本国際経済学会
雑誌
国際経済 (ISSN:03873943)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.65-90, 2015-07-30 (Released:2016-02-03)
参考文献数
14

本論文では, 1980年から2014年までの我が国経常収支の長期的変動と短期的変動を, 多面的なアングルから俯瞰, 展望する。およそ30年近くの経常収支の変動には, 構造的な要因, 循環的な要因, その他要因が重層的に作用している。特に現下の経常収支減少には, これらすべての要因が影響しており, それゆえ変動の解明を困難なものにしている。計量分析に基づけば, 我が国の経常収支は2020年代半ばには赤字化する可能性もある。
著者
吾郷 美奈恵 高橋 恵美子 岡安 誠子 小田 美紀子 小林 洋貴 山下 一也 Minae AGO Emiko TAKAHASHI Masako OKAYASU Mikiko ODA Hiroki KOBAYASHI Kazuya YAMASHITA
雑誌
島根県立大学出雲キャンパス紀要 (ISSN:2187199X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.35-43, 2019-12-25

A大学では,大学IRコンソーシアムの正会員となり,ベンチマーク可能な標準調査として位置づけられた学生生活調査を全学生に行い,教学IR(Institutional Research)の取組を推進している。今回の目的は、学生の授業経験・学習態度や能力・知識の獲得状況からA大学における看護教育の現状を明らかにすることを目的とした。また,その結果をIRコンソーシアムの基礎集計結果と比較し,A大学の特徴について検討する。回答のあった307票(協力率91.4%)について分析した結果,A大学看護学科の現状や大学IRコンソーシアム結果の比較から,次のことが特徴と考えられた。■全ての学年で主体的に学び,看護に役立つ知識やスキルを学ぶ授業を経験している。■ TAやSAの活用は難しい現状にあるが,教員が添削やコメントなど丁寧な授業運営を行っている。■授業態度は悪くはないが,各学年に一定程度の欠席,遅刻,居眠りはある。■能力・知識の多くを学年進行に伴って獲得しているが,外国語や数理的な能力・知識は増えていない。■授業態度が良く,能力・知識が増えた者は成績順位上位者である。我が国においては,看護教育の質評価・質保証に必要な資源(人・設備・費用)等,これから体制整備がされていく状況にあるが,IR機能に着目し,教育の質を客観的に保証するとともに,更なる教育改善の方策を見出すことが重要である。
著者
眞鍋 博明 遠藤 佐緒里 門田 奈実 赤木 洋介 馬場 三和 小林 洋二
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.542-545, 2016 (Released:2016-11-04)
参考文献数
13

フェンタニルクエン酸塩経皮吸収型製剤(フェントス®テープ)が難治性慢性腰痛に対して奏効した症例を経験したので報告する.症例は44歳,女性.数年来の腰痛(NRSで9)でNSAIDsおよび物理療法などでは症状の改善が得られず当科外来を受診した.下肢症状は認めず,腰椎CT,MRIではL3/4椎間板の変性を認め,椎間板ブロックが著効したことから椎間板由来の腰痛と診断した.プレガバリン,トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェンでは十分な鎮痛効果が得られなかったため,フェントス®テープ1 mg/dayを開始した.腰痛はNRSで4と軽減し十分な鎮痛効果が得られたが,長期のオピオイド使用は仕事に支障が生じるとの理由で最終的に脊椎固定術を行いフェントス®テープから離脱した.腰痛に関してはNRSで2程度にコントロールできている.強オピオイドであるフェントス®テープは椎間板由来と思われる慢性腰痛に有用であった.他の鎮痛薬でコントロール困難な難治性腰痛に対するオプションの一つとなると考えられた.
著者
菊嶋 修示 小林 洋一 蔵野 康造 矢澤 卓 馬場 隆男 向井 英之
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.249-260, 1991-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
27
被引用文献数
3

Adenosine三リン酸 (ATP) は上室性頻拍 (PSVT) の停止薬として用いられるが心停止, 灼熱感などの副作用が多い.ATPの刺激伝導系への作用はATP自身とadenosineに基づき, 副作用もATP自身とadenosineに基づくと思われる.ATP使用に際し, dipyridamole (DIP) (adenosineの細胞内吸収阻害薬) を併用しATP作用のadenosineに依る作用のみ増強させることで, ATPの副作用を軽減し得るか検討した.対象は32例, 内20例がPSVT例である. ATPの半減期は短いため, ATPは漸増注入 (0.025-0.5mg/kg) した.前処置薬としてDIP, aminophylline (adenosineの競合的阻害薬) , atropine, propranolol, isoproterenolを用いた.前研究として洞調律時にATPを注入し, 前後での洞周期と房室伝導時間を経時的に求め, ATP注入前後でcyclic-AMP (c-AMP) , epinephrine, norepinephrine血中濃度を測定した.ATPを洞調律時に注入すると, 一過性の陰性変時作用と陰性変伝導作用が出現, その後陽性変時作用がみられた.陰性変時作用と陰性変伝導作用はDIPで増強, aminophyllineで減弱, atropineでは不変であった.陽性変時作用はaminophyllineで増強された.陰性変時作用はisoproterenolで増強, propranololで抑制された.血中epinephrine, norepinephrine, c-AMPはほぼ全例でATP注入後上昇した.以上より, 陰性変時作用, 陰性変伝導作用は主にadenosineに基づき, 陽性変時作用は自覚症状などに基づく二次的作用と考えられた.少量のATP投与時には陰性変時作用が陰性変伝導作用より早期に出現したことより, ATPでのPSVT停止に際し, 少量のATPほど停止時に洞停止が短かかった.PSVT停止に関しては心房内回帰性頻拍以外のすべてのPSVTで停止が得られ, 停止量は房室ブロック量の約半量であった {ATP単独 (停止量vs房室ブロック量: 0.16±0.07mg/kgvs0.30±0.12mg/kg, p<0.01) , DIP=0.1mg/kg併用 (0.09±0.06mg/kgvs0.15±0.07mg/kg, p<0.05) } .停止量はDIP=0.1mg/kg併用でATP単独投与時の約半量となった (p<0.01) .停止時に房室ブロックを回避でき, ATP量が小であるDIP=0.1mg/kg併用が最適と考えられる.灼熱感, 嘔気などがATP単独投与時には全例にみられたが, DIP併用時には2例で消失, 他の全例で減弱した.ATP-DIP (0.1mg/kg) 併用療法は副作用を軽減し, 有効であると考えられた.
著者
小林 洋子 湯淺 洋子 新堀 多賀子 伊藤 由加里 明渡 陽子
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.120-124, 2014 (Released:2014-07-25)
参考文献数
5

子宮頸がん発症が20歳代からと低年齢化しており,また乳がんの高い罹患率などから,若い世代から女性特有のがんに関する知識を持ち,健康への意識を高めることは重要である.そこで,本学女子大生で同意の得られた164名に子宮頸がん,乳がんについての知識調査を実施し,知識の普及啓発と自己管理能力の向上を目的とした.子宮頸がん,乳がんの知識調査では,子宮頸がんの知識がある学生は,有意に乳がんの知識もあり,また子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受けていた.HPVワクチン接種の有無別による子宮頸がんの知識の平均正解数は,ワクチン接種ありの正解数が有意に高かった.全体でHPVワクチンの接種率は25.0%で,接種理由は家族や友人などの勧めが58.5%と最も多かった.子宮頸がん検診の受診率は8.5%と低く,HPVワクチンを接種した学生においても9.8%と同様に低い結果であった.乳がんの知識のある学生は,自己触診法の経験があるものが有意に多かった.また,自己触診法の認知度は高かったが,実際に自己触診法の経験のある学生は全体のわずか14.7%に過ぎなかった.しかし,自己触診法の具体的な方法を知りたいと希望する学生は81.6%と多かったことから,今後乳がん自己触診法の指導と女性のがんについての啓蒙教育を実施していきたい.
著者
沖林 洋平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.133-136, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
6

本研究では,知的好奇心と授業に対する興味および授業内容の定着度の関係について検討した.本研究では,学習者が主体的に考える活動として,動画視聴や関連する課題を行った後,グループでの意見交流を行った.受講者を対象として,知的好奇心尺度と大学生用興味尺度および授業内容定着度調査を実施した.その結果,特殊的好奇心と興味対象関連の知識が内容定着と関連が見られることが明らかとなった.また,特殊的好奇心と授業内容定着度の関係について,興味対象関連の知識の調整効果がみられた.本研究により,興味対象関連の知識は特殊的好奇心と授業内容の定着に関連することが示された.
著者
宗形 初枝 原 寿夫 石川 翔吾 菊池 拓也 エーニン プインアウン 本田 美和子 盛 真知子 伊東 美緒 Gineste Yves 竹林 洋一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2M4NFC04b4, 2015 (Released:2018-07-30)

本発表では,全国に先駆けて認知症ケア技法ユマニチュードを全病棟に導入した経験を下に,認知症の人とのコミュニケーションが改善した結果について述べる.多段階でコミュニケーションを表現できるマルチモーダル行動観察ツールを活用し,介護・看護におけるユマニチュードの有効性について考察する.
著者
林 洋子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.13-37, 2006-03-31

両大戦間の日本とフランスの間を移動しながら活躍した画家・藤田嗣治(一八八六―一九六八)は、一九二〇年代のパリで描いた裸婦や猫をモティーフとするタブローや太平洋戦争中に描いた「戦争画」で広く知られる。しかしながら、一九二〇年代末から一九三〇年代に壁画の大作をパリと日本で複数手がけている。なかでも一九二九年にパリの日本館のために描いた《欧人日本へ到来の図》は、画家がはじめて本格的に取り組んだ壁画であり、彼にとって最大級のサイズだっただけでなく、注文画ながら異国で初めて取り組んだ「日本表象」であった。近年、この作品は日本とフランスの共同プロジェクトにより修復されたが、その前後の調査により、当時の藤田としては例外的にも作品の完成までに約二年を要しており、相当数のドローイングと複数のヴァリエーション作品が存在することが確認できた。本稿では、この対策の製作プロセスをたどることにより、一九二〇年代の静謐な裸婦表現から一九三〇年代以降の群像表現に移行していくこの画家の転換点を考える。
著者
小林 洋行 宍戸 宏行 加瀬 正人 景山 倫也 﨑尾 浩由 大口 真寿 池野 義彦 福島 史哉 佐藤 隆 阿久津 郁夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.295-302, 2017-02-10 (Released:2018-02-10)
参考文献数
10

既往歴のない45歳,男性.貧血・白血球減少の精査目的に骨髄検査を施行.明瞭な骨髄芽球,赤芽球異形成により骨髄異形成症候群も考慮されたが,骨髄球の細胞質空胞化を認め,血清銅・セルロプラスミンが低値であったため,銅欠乏性造血障害と診断した.銅の含有が豊富なココアの摂取を励行した結果,貧血・白血球減少とも回復し,骨髄の異形成も消失した.なお,偏食や亜鉛サプリメント摂取歴はなく,銅欠乏の原因は不明である.
著者
中川 由紀子 神田 真軌 林 洋 松島 陽子 大場 由実 小池 裕 永野 智恵子 関村 光太郎 大塚 健治 笹本 剛生 橋本 常生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.52-60, 2019-06-25 (Released:2019-08-07)
参考文献数
16
被引用文献数
1

畜水産食品中の抗真菌薬15剤,抗寄生虫薬2剤およびその他の動物用医薬品3剤のLC-MS/MSによる高感度な一斉分析法を開発した.薬剤の分解を抑制するため,対象食品に50%エタノールを加えてホモジナイズをした調製試料から,アセトニトリルを用いて薬剤を抽出した.抽出液をアルミナNカラムに通液して精製し,得られた試験溶液を全多孔性オクタデシルシリル化シリカゲルカラムで分離しMS/MS測定を行った.これらにより,食品由来成分の影響を受けやすく分析が困難とされる魚介類にも適用可能となった.畜水産物8食品において妥当性評価を実施した結果,選択性は十分で,真度70.2~109.3%,併行精度18.0%以下,室内精度18.7%以下となり,ガイドラインの基準に適合した.定量下限値は,3 ng/gに設定可能と考えられた.
著者
上林 洋二
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究. 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.51-57, 1988-02
著者
前田 憲多郎 岩井 克成 小林 洋介 辻 裕丈 吉田 誠克 小林 靖
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.198-201, 2018 (Released:2018-03-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は受診時51歳女性.6年前より頸部の重みを自覚.1年前から頸部伸展障害が増悪し,歩行障害が加わった.首下がりを主訴に当院を受診した.頸部伸展筋力低下,構音・嚥下障害,頻尿・便秘を認め,両側バビンスキー徴候陽性であった.歩行は小刻みかつ痙性様であった.頭頸部MRIで延髄・脊髄の萎縮を認めた.遺伝子検査でGFAPに本邦ではこれまで報告のない変異p.Leu123Pro(c.368T>C)を認め延髄・脊髄優位型アレキサンダー病(Alexander disease; AxD)(2型)と診断した.首下がりを呈する(AxD)の報告は散見されるものの,本例は首下がりを初発症状とした点が特徴であり,その機序に対する考察を加えて報告する.
著者
崔 舜翔 亀井 勉 小林 洋子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.82-83, 2013

【目的】薬物を一切使わずに、気功入静法、刺絡療法と催眠療法の三者の同時導入により、摂食障害の諸症状の著しい改善が見られた一症例を報告する。【材料と方法】35歳、女性、幼児ごろより周りからのいじめ、未成年時の家出により、14歳から現在まで21年間摂食障害を患う。主な症状として、食事に対する恐怖心と罪悪感、人との外食や出勤時の食事ができず、仕事から帰宅すると暴食し、その自覚もなく、過食と嘔吐を繰り返す。また、20年以上の不眠症、左腹部の鈍痛感、呼吸困難に陥いたりする。鍼灸、整体、マッサージ、催眠療法、瞑想等各種治療法を試みたが、改善は得られなかった。2012年11月から、当院で気功入静法、刺絡療法と催眠療法と3つの組合せ治療を受ける。気功入静法は、徐々に時間を初回の15分から最長150分まで延ばし、呼吸法を行わずに、「人天合一、物我両忘」の虚無境界に入る方法を指導した。気功入静法のみを通じて摂食障害の要因ときっかけを探ることにした。刺絡療法は3回目以降から12正経の井穴に、自宅で週2~3回程度に行うように指導した。催眠療法は、3回目から1回約20分行い、気功入静法を実践するにつれて健康意識が自然に高まるという一般的な暗示を入れた。【結果】治療開始から今までの2ヶ月間計9回の治療(1回治療3時間)を経って、現在嘔吐はまだ多少あるものの、食事量が過食時の三分の一まで減り、上記の諸症状すべてが消え、著しい改善が認められた。【考察及び結論】中医理論では、喜・怒・思・憂・悲・恐・驚などの感情が行き過ぎると、陰陽のバランスの崩れ、気血の運行の乱れと臓腑の機能失調をもたらし、疾病を起こすとされる。本人が5回の指導と治療によって気功入静法をマスターできたために、気功入静による心理的障害の除去と健康増進の効果が現れたと考えられる。また、全身12経絡への刺絡療法によって自律神経と体性神経の異常亢進を抑制でき、そして、催眠療法によって健康意識が高まった。この三つの療法の相乗効果によって行き過ぎた感情が調整されたことが陰陽と気血及び臓腑の機能の改善につながり、結果的に摂食障害の諸症状の顕著な改善につながったと考えられる。
著者
道券 一浩 桧垣 恵 東海林 洋子 嶋田 甚五郎 西岡 久寿樹 水島 裕
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.257-261, 1993-07-10 (Released:2009-02-23)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

Antisense oligonucleotide hold great promise as potential therapeutic agents for inhibiting the expression of undesirable genes specifically. Whereas, interleukin-1β(IL-1β) play a key role in the inflammation and the developing of rheumatoid arthritis(RA). To block the IL-1β production by antisense DNA method, we synthesized antisense oligonucleot ides (20mers)with ph osphoroth ioate linkages targeting the human IL-1β mRNA. These antisense oligonucleotides were tested for inhibition of IL-1β production in LPS-stimulated human peripheral blood mononuclear cells from healthy volunteer and primary synobiocytes from patients with RA. These cells were cultured with each oligonucleotide and total IL-1β contents were measured by using ELISA system. Antisense oligonucleotides inhibited the production of IL-1β in both cells in a dose-dependent manner.
著者
奥富 幸 林 洋 松島 陽子 大場 由実 中川 由紀子 小池 裕 永野 智恵子 関村 光太郎 神田 真軌 橋本 常生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.206-212, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1

畜産食品中シロマジンの高精度な分析法を開発した.本法には3つの特徴があり,1つめは2種類の溶液(メタノールとマキルベン緩衝液(pH 3.0))を試料種によって用法を変えて抽出すること,2つめは逆相–強陽イオン交換ミックスモードカラム精製の際0.14%アンモニア水で洗浄すること,3つめは両イオン交換マルチモードODSカラムでLC分離を行いMS/MSで測定することである.これらにより,5種類の畜産食品由来の成分の影響が小さく,絶対検量線での定量が可能となった.添加回収実験の結果,真度77.2~92.1%,併行精度2.2%以下,室内精度6.1%以下となり,妥当性ガイドラインの基準に適合した.実態調査の結果,生乳および鶏卵からシロマジンの残留が認められた.
著者
佃 由晃 林 洋 上村 勝一郎 服部 年逸 金子 浩久 師岡 慎一 光武 徹 秋葉 美幸 安部 信明 藁科 正彦 増原 康博 木村 次郎 田辺 朗 西野 祐治 井坂 浩順 鈴木 理一郎
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.384-403, 2002
被引用文献数
5

Nuclear Power Engineering Corporation (NUPEC) has conducted a proving test for thermal-hydraulic performance of BWR fuel (high-burnup 8×8, 9×9) assemblies entrusted by the Ministry of Economy, Trade and Industry (NUPECTH-B Project). The high-burnup 8×8 fuel (average fuel assembly discharge burnup: about 39.5GWd/t), has been utilized from 1991. And the 9×9 fuel (average fuel assembly discharge burnup: about 45GWd/t), has started to be used since 1999. There are two types (A-type and B-type) of fuel design in 9×9 fuel assembly.<BR>Using an electrically heated test assembly which simulated a BWR fuel bundle on full scale, flow induced vibration, pressure drop, critical power under steady state condition and post-boiling transition (post-BT) tests were carried out in an out-of pile test facility that can simulate the high pressure and high temperature conditions of BWRs. This paper completed the results of 9×9 fuel combined with the previously reported results of high-burnup 8×8 fuel.<BR>As a result of NUPEC-TH-B Project, the validity of the current BWR thermal-hydraulic design method was confirmed and the reliability of BWR thermo-hydraulic fuel performance was demonstrated. Based on the test data, a new correlation of the estimation of fuel rod vibration amplitude, new post-BT heat transfer and rewet correlations for the estimation of fuel rod surface temperature were developed.
著者
飯野 美穂 井上 進 二上 由紀 小林 洋紀 加藤 尚美 森田 庄治 石島 あや子 柴田 洋一 溝口 秀昭 南 陸彦
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.508-514, 2010 (Released:2010-09-10)
参考文献数
18

日本血小板・顆粒球型ワークショップの参加施設の協力を得て2007年4月から2009年3月までの2年間に各依頼施設に検査依頼があり,血小板数が15×104/μl未満であった66症例を対象とし,集計調査を行った.新生児溶血性疾患と異なり,初回妊娠から発症した症例が多くみられた.母親の妊娠回数,輸血歴,既往歴における血小板抗体陽性率に有意差はみられなかった.患児の頭蓋内出血の有無別にみた在胎週数,出生時体重,患児血小板数に有意差はみられなかった.抗体特異性はHLA抗体単独例が33.3%,HPA抗体が21.2%,陰性が40.9%で,HPA抗体陽性例の血小板交差適合試験は全て陽性であった.HPA抗体の特異性はHPA-4b抗体が最も多く,次いでHPA-5b抗体が多かった.