著者
尾崎 康子 小林 真 水内 豊和 阿部 美穂子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.335-345, 2013 (Released:2015-03-19)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

保育者が発達障害児や発達が気になる子どもを評価するスクリーニング尺度として、幼児用発達障害チェックリスト(CHEDY)を作成した。CHEDYは、広汎性発達障害(PDD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、知的障害を測定する3尺度で構成されている。PDDはADHDや知的障害との合併が認められることがあるが、CHEDYはこれら3つの障害を一度に調べることにより、子どもの様子を的確に把握し、保育指導に生かすために開発された。PDD群(682名)、ADHD群(48名)、知的障害群(267名)、定型発達群(897名)について調べたところ、これら3尺度には十分な内部一貫性が示され、また群間の有意な区別がなされたことから、信頼性と妥当性をもったスクリーニング尺度であることが示された。さらに、定型発達群との識別性を調べたところ、各障害の識別に有用であることが示された。
著者
谷山 紘太郎 上園 保仁 林 日出喜 貝原 宗重
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

消化管におけるGABAの作用を生体位(丸ごと)イヌの小腸で検討したところ、摘出小腸を用いて得られた結果と同様にGABA-B受容体を介した反応に加えてGABA-A受容体を介した反応も見られたが、総合的にはGABA-B受容体を介した反応が優勢で、結果としてGABAは消化管のコリン作動性神経からのアセチルコリン(ACh)の遊離を抑制して腸管運動を低下させた。GABA-B受容体拮抗物質でACh遊離の促進して腸管運動が亢進した結果も得られ、生体では、GABA-B受容体が優勢に作動していることが明らかになった(論文1と2)。GABA受容体のうちGABA-B受容体はG蛋白質と共役する受容体である。他のG蛋白質共役型受容体とは異なり、ヘテロ二量体(GABA-B1サブユニットとGABA-B2サブユニット)を形成してはじめて受容体機能を発揮する。GABA-B1サブユニットにはGABAの結合部位が存在し、7種類のタイプがある。GABA-B2サブユニットはG蛋白質との共役部が存在し、1種類のみである。腸管におけるGABA-B受容体の形態を検討した。RT-PCR法でこれらサブユニットのメッセンジャーの存在を調べたところ、GABA-B1とGABA-B2の両サブユニットともにイヌ、ヒトの腸管に存在し、GABA-B1サブユニットではGABA-B1dをのぞくGABA-B1aからGABA-B1gまでの6種類のサブタイプが存在していることが明らかになった(論文3)。かくして、腸管においてGABA-B受容体はヘテロ二量体として存在するものと想定される。GABA-B2受容体がヘテロ二量体を形成し、存在しているのか否かを、二つの発現系、すなわちアフリカツメガエルの卵母細胞とハムスター腎細胞(BHK細胞)を用いて検討した。(1)GABA-B1あるいはGABA-B2のサブユニットをそれぞれ単独に発現した卵母細胞ではGABA-B受容体としての機能を表現することがなかったが、両サブユニットが共発現した卵母細胞ではGABA-B受容体としての機能を表現した(論文4)。(2)2種類の蛍光蛋白標識とそれぞれのサブユニットとの複合体を作成し、BHK細胞に導入、発現させ、共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、GABA-B2サブユニットにG蛋白質が共役していること、GABA-B1aサブユニットはGABA-B2サブユニットと複合体を形成していることを形態学的にも証明できた(論文4)。GABA-B2サブユニットと組み合わせた7種類のGABA-B1サブユニットの性質を検討したところ、GABA-B受容体機能の強さは、1a=1b>1c>1dの順であった(論文投稿中)。また、ヒト食道下部括約筋においても、GABA-B1とGABA-B2の両サブユニットが蛋白質として存在することが判った。二重免疫染色法で食道下部括約筋に分布する神経細胞膜上に両サブユニットが二量体として存在することを見出した(論文投稿中)ので、GABA-B受容体作用薬を逆流性食道炎の治療薬として応用できるものと考えられる。以上の成果から、GABA-B受容体作用薬の消化管運動機能改善薬への用途について、その可能性大であることが明らかになった。GABA-B1サブユニットの組織特異性の解析によって、消化管選択的GABA-B受容体作用薬の創製が可能になる。
著者
兵頭 政光 小林 丈二 山形 和彦 森 敏裕
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部腫瘍 (ISSN:09114335)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.671-677, 2001-11-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

口腔および中咽頭癌切除再建後の嚥下および構音機能に関し、嚥下圧検査および発語明瞭度から検討を行った。嚥下圧は口蓋切除後には軟口蓋圧がわずかに低下したが、義顎を装用することでほぼ正常に回復した。中咽頭側壁切除では軟口蓋から中咽頭の圧が低下した。舌半側切除および亜全摘では、術後早期には正常の嚥下圧が得られる例が多かったが、経時的には術後の皮弁萎縮により嚥下圧が低下した。また、中咽頭と下咽頭での圧の同時発生や嚥下反射に先立つ口腔内の小刻みな舌運動を示す所見も認められたが、経過とともに改善傾向を示した。構音機能では口蓋切除後には発語明瞭度は著しく低下したが、口蓋欠損部を義顎により閉鎖すると改善した。中咽頭側壁切除後には軟口蓋音の障害が認められた。舌半側切除後には構音機能はあまり障害されないのに対し、亜全摘では声門音以外のすべての音の障害が高度であった。
著者
徳永 由太 高林 知也 稲井 卓真 中村 絵美 神田 賢 久保 雅義
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.I-106_2-I-106_2, 2019

<p>【はじめに】膝関節周囲の悪性腫瘍による大腿四頭筋の広範囲切除によって膝関節伸展筋力は大幅に低下し,椅子からの立ち上がりや歩行などの日常生活動作に影響を及ぼすことが報告されている.一般的には,大腿四頭筋が膝関節伸展作用を発揮すると考えられているが,一部の先行研究ではハムストリングス(HAM)が膝関節伸展作用を発揮する可能性が提示されている.しかし,どのような姿勢でHAMが膝関節伸展作用を発揮するのかは明らかとなっていない.そこで本研究は,数理モデルを用いてHAMが膝関節伸展作用を発揮できる姿勢を明らかすることを目的とした.</p><p> </p><p>【方法】身長1.8 m,体重80 kgの対象者を仮定し,体幹,大腿,下腿から構成される矢状面リンクモデルを構築した. HAMの膝関節屈曲および股関節伸展モーメントアーム(MA)はOpenSimのGait2392モデルで報告されており,HAMの筋張力を決定すれば,HAMによる膝関節屈曲および股関節伸展モーメントは一意に決定できる.本研究では10Nmの膝関節屈曲モーメントが発揮されるようにHAMの筋張力を設定した.膝関節を屈曲0度~90度,股関節を伸展30度~屈曲90度の範囲内で変位させ,順動力学シミュレーションを実施した.なお,純粋なHAMの作用を確認するため重力の影響がない姿勢を仮定した.HAM機能の判定には,シミュレーション開始時と終了時の膝関節屈曲角度の差を用いた.先行研究において,HAMが膝関節伸展作用を発揮するためには,HAMの股関節伸展MAが膝関節屈曲MAに比較して大きい必要があると報告されている.そのため,股関節伸展MAを膝関節屈曲MAで除した値(MA比)も算出した.上記の解析はScilab 6.0.0によって実施した.</p><p> </p><p>【結果】HAMは膝関節屈曲7~0度かつ股関節屈曲2~62度(条件1),膝関節屈曲44~90度かつ股関節伸展30~屈曲50度(条件2),の2つの条件下で膝関節伸展作用を発揮した.条件1では膝関節角度が小さいほど,条件2では膝関節屈曲角度が大きいほど膝関節伸展作用が強くなる傾向にあった.また,MA比が大きい場合でも,HAMが膝関節伸展作用を発揮しないこともあった.</p><p> </p><p>【考察】本研究の結果より,HAMの膝関節伸展作用の発揮はMA比の大小だけでは説明できないことが明らかとなった.先行研究において,筋の力学的作用はリンクシステムの姿勢により変化することが報告されている.本研究においても,姿勢の影響によりHAMの力学的な作用が修飾されている可能性が考えられた.</p><p> </p><p>【結論】本研究は2つの条件下においてHAMが膝関節伸展作用を発揮する可能性を提示した.この結果から考えると,条件1・2におけるHAMの膝関節伸展作用をうまく活用することが出来れば,大腿四頭筋の機能不全を有する者であっても,椅子からの立ち上がりや歩行などの日常生活動作を円滑に遂行できる可能性が考えられた.</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究は数理モデルを用いた順動力学シミュレーションによる検証のため,倫理的配慮および説明と同意に該当する内容は含んでない.数理モデルに必要なパラメータは先行研究で報告されたものや既存のモデルを参照しているため,個人を特定する内容は含まれていない.</p>
著者
高 永煥 四方 卓磨 中嶋 敏宏 三宅 宗隆 林 鐘声
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.987-993, 1989-08-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
11

近年,ウイルス性心筋炎後に拡張型心筋症病態を呈する症例が散見される.今回,うっ血性心不全として発症し,拡張型心筋症様病態を呈するも,2年後には改善し,その約5年後に再びうっ血性心不全の型で発症した再発性ウイルス性心筋炎と思われる症例を経験し,ウイルス性心筋炎と拡張型心筋症の関連について考える上で,興味ある症例と思われ報告する.症例は18歳,男性10歳時,感冒症状を前駆症状としてうっ血性心不全の型で発症.心エコー上著明な左室腔の拡大と左室駆出率の低下を認めた.心不全症状改善後の左心機能の低下は続き,発症後3カ月目に行った右室心内膜心筋生検では著明な間質の線維化を認めた.また,ペア血清にて,コクサッキーB4ウイルスの有意の上昇を認めた.2年後,左心機能は回復,順調に経過していたが,約5年後(昭和62年4月)再び感冒症状を前駆症状として,うっ血性心不全の型で発症.前回同様著明な左室腔の拡大,左室駆出率の低下を認めた.右室心内膜心筋生検ではリンパ球の浸潤が主体で,問質の線維化は軽度であった.左心機能の回復は緩徐であったが,徐々に回復し,1年2カ月後の現在,左室駆出率の軽度の低下を残すのみとなった.免疫学的には,OKT 8の低下,OKT 4/OKT 8の上昇を認めた.
著者
Thi Thi Zin 小林 郁雄 椎屋 和久 Pyke Tin 堀井 洋一郎 濱 裕光
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 2020年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第73回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.254-255, 2020-09-18 (Released:2021-01-20)

高齢化、大規模化する現代の畜産で、24時間365日にわたり家畜の健康管理を適切に行い、異常や変化に留意し続けながら経営を継続することは容易ではない。本研究開発では、家畜生産性の改善と地域活性化の実現を目的とする牛のモニタリングシステム構築に必要な要素技術の開発を行った。ここでは、牛の栄養状態の指標となるBody Condition Score (BCS)を自動評価できる画像解析システムおよび定期的に牛のBCS評価のため経時変化モニタリングシステムの開発について発表する。
著者
蛭田 玲子 栗林 均 清水 了典 須藤 孝一 中村 純 岩崎 裕
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学講演大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.75, 2007

シリコンに深い穴の配列を形成し、水素雰囲気アニールによる構造変化をSEM、AFMにより観察した。適当な円開口面積と深さ及び間隔の配列の場合、熱変形により穴の上端部が閉じ、中空の縦に細長い空洞が球に変形する過程で空洞同士がつながりSON(Si on nothing)が形成される。構造によっては、新たな円柱が取り残された構造などが形成される。構造緩和による新たな構造の形成について考察する。
著者
小林 博行
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.53, no.269, pp.85-98, 2014

The Seki Teisyo (関訂書), a manuscript compiled by Seki Takakazu (関孝和) in 1686, is known to consist of 15 treatises which Seki extracted from an early Qing astronomical and astrological corpus, the Tianwen Dacheng Guankui Jiyao (天文大成管窺輯要). Containing a detailed account of the Shoushi Li (授時暦) as well as a comparative study of Chinese and Islamic calendrical systems, these treatises have drawn the attention not only of Seki but of modern historians. In this paper, I show that 14 of the 15 treatises Seki selected had been composed by a late Ming scholar, Zhou Shuxue (周述学), who discussed issues with Tang Shunzhi (唐順之). Their time predates the era in which the mathematical basis of the Shoushi Li was scrutinized and a new Chinese calendrical system was invented incorporating Western astronomical knowledge. I also mention some earlier works that Tang and Zhou could have consulted. Although Seki never knew the author of the treatises nor their background, his concern centered on themes that seem to have derived from one of those earlier works: the Liyuan (暦源).
著者
藤堂 浩明 齋藤 美幸 鈴木 宏宙 井上 裕 高山 幸三 杉林 堅次
出版者
日本薬剤学会
雑誌
Journal of Pharmaceutical Science and Technology, Japan (ISSN:03727629)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.111-120, 2021-01

It is important when developing effective and safe pharmaceutical products to select adequate active components and formulations as well as to design their containers and devices. Minoxidil was developed as a direct over-the-counter (OTC) drug in 1999 and has long been marketed only by one original company. Recently, many generic products have been marketed. However, the shape and type of the containers for these generic products differ from that of the original product, leading to a possibility that the amount of minoxidil applied by patients may differ. In the present study, the original and three typical generic products with 5% minoxidil external formulations were evaluated for their filling amounts, single application amounts, extent of distribution on application, ability to reach the scalp, and dripping properties. As a result, statistically significant differences were found in the filling amounts and ability to reach to the scalp between the products due to differences in the nozzle shape of the container. In addition, a large variation was observed in some of the generic products in terms of the drug liberation. These results indicate that it is important to suitably design and adequately evaluate the container for OTC products such as minoxidil formulations, which can exhibit toxicity from overuse, and that are easily purchased by consumers.
著者
中林 隆之
出版者
大阪市立大学日本史学会
雑誌
市大日本史 (ISSN:13484508)
巻号頁・発行日
no.10, pp.83-112, 2007-05

はじめに : 嵯峨天皇は、即位後勃発した平城太上天皇の乱を平定した後、即位直後に妃とした桓武天皇の娘で異母兄弟の高津親王を廃し、弘仁六年(八一五)七月壬午、橘朝臣を皇后に立てた。……
著者
林 雅秀
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.328-336, 2019-12-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
12

本研究は岩手県北部地方のウルシ所有者への聞き取り調査に基づいて,過去のウルシ植栽時にウルシとそれ以外の作物をどのように選択したかを,ウルシを植栽した際の収益性に着目して明らかにすることを目的とした。調査の結果,ウルシ植栽という選択は,雑穀・タバコ・果樹などの跡地になされる場合が多かったこと,ウルシとそれらの作物を比べると少ない労力で収益を得られる点でウルシが優れていたこと,ウルシとスギを比較した場合には収益までの期間が短い点でウルシが優れていたことなどから,土地所有者たちがウルシを選択してきたことが明らかとなった。また,ウルシ立木生産の収益性に関しては,下刈り回数が少ない場合には高い収益率を実現できることなどが明らかとなった。

1 0 0 0 OA 森蘭丸

著者
林勇 編
出版者
盛林堂書店
巻号頁・発行日
1927
著者
長谷川 真由美 林 一也 津久井 亜紀夫
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.300-304, 2010-03-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
13

Mulberries were obtained from five cultivars, i. e., three cultivars for fruit (Ficus, Kataneo, Raraberi) and two cultivars for sericulture (Ichinose, Tagowase).   The anthocyanins, protein, liquid, sugar and minerals in these mulberries were then analyzed.   In addition, mulberries of the five cultivars were processed into jam to determine and compare the residual quantities of the total anthocyanins and the main anthocyanins. 1) The moisture content of the five mulberry cultivars did not significantly differ. However, the carbohydrate contents of the mulberries cultivars for sericulture were higher than those of the cultivars fruit. 2) The main anthocyanins were determined to be cyanidin 3-glucoside and cyanidin 3-rutinoside in all from five cultivars. The cyanidin 3-rutinoside content ranged from 68-78%. 3) The fruit and jam of the three cultivars for fruit contained larger quantities of the total anthocyanins than those of the cultivars for sericulture. 4) The mulberry jam made from the cultivars for fruit retained higher ratios of the total anthocyanins and the main anthocyanins than the mulberry jam made from the cultivars for sericulture. The anthocyanins in the jam made from the cultivars for fruit were more stable than those in the jam made from the cultivars for sericulture.
著者
小川 聡子 名田部 明子 中野 彩 鈴木 知子 倉林 志保 石野 啓子 岡村 紀宏 野口 百香 牧角 寛郎 丸山 泉
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.348-351, 2021-04-01

公益社団法人全日本病院協会(以下,全日病)は,2013年に「全日本病院協会プライマリ・ケア宣言2013」を発表した.少子高齢化が進む社会で,病院医療におけるプライマリ・ケアの重要性を認識し,新たな行動目標として「在宅医療,在宅介護対応,認知症対応へ積極的に取り組むこと」を宣言したのである.この宣言の下,プライマリ・ケア委員会を立ち上げ,「病院医療ソーシャルワーカー研修会」(2014年から),「認知症研修会」(2014年から),「総合医育成プログラム研修」(2018年から)を主催している. 「病院医療ソーシャルワーカー研修会」(以下,本研修会)は,日本医療社会福祉協会と協働して年2回開催し,1回目は病院医療ソーシャルワーカー(以下,病院MSW)対象,2回目は同じ施設からMSWと多職種の同時参加を原則としている.全国から医療機関に勤める多職種が一堂に会し,MSWだけではなく,病院経営者,多職種も共に学び,前進してきた7年間であった.
著者
白 林 藤原 篤 川崎 清
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.59, no.462, pp.215-224, 1994-08-30 (Released:2017-09-20)
参考文献数
9

Issues of the journal Shinkenchiku published between 1966 and 1992 and showing seventy-nine buildings in Kyoto were used to test the level of awareness towards architecture. The SD test was administered using a questionnaire and slides. The purpose of the experiment was to establish the factors determining the perception of the buildings and what caused some factors to become more important. The results show that the factors found relevant to most subjects were, the materials, the period of construction, the architect, and the exterior covering. The nature of the building has a relationship between these factors.
著者
林 和宏
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカ・レポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.71-84, 2020 (Released:2020-01-31)
参考文献数
10

2018年12月1日にロペス・オブラドールがメキシコ大統領について約1年が経過した。同大統領の公約の一つである治安対策として国家警備隊が創設され、組織犯罪や既存の警察組織における汚職や不効率の解決が目指された。中央高原バヒオ地区に集中する日系自動車関連企業もこうした治安問題を注視してきた。公的統計において、2019年は、これら企業の生産拠点、駐在地域となっているバヒオ地区グアナフアト州で国内最多の殺人件数が記録されるに至った。北米自由貿易協定再交渉において日系自動車産業のサプライチェーン再編が検討されているが、バヒオで展開するカルテル間の抗争など治安問題も新規投資に影響を与える重要案件であるため、今後の政権の治安政策の行方に注目が集まる。