著者
太田 勝巳 森下 進也 須田 浩平 小林 伸雄 細木 高志
出版者
園藝學會
雑誌
園藝學會雜誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.66-68, 2004-01-15
参考文献数
10
被引用文献数
1 34

8種の花卉(トレニア,エキザカム,ベゴニア,グロキシニア,ロベリア,ミムラス,カルセオラリアおよびカンパニュラ)において1.0%キトサンの土壌混和処理および水溶性無機肥料(1.0%キトサンと同量の窒素量となるよう施用)の施与を行い,栽培試験により成長量と開花について調査した.その結果,定植時(種により播種6週間後から13週間後)において,いずれの花卉においても1.0%キトサン土壌混和処理は対照区(肥料,キトサンとも無施与)および無機肥料区に比べて有意に高い成長量を示した.また,1番花開花日については,トレニア,エキザカム,ベゴニア,グロキシニア,ロベリアおよびミムラスにおいて,1.0%キトサン土壌混和処理は他の処理区に比べ,1番花の開花が有意に促進されたことが認められたが,カルセオラリアおよびカンパニュラにおいては促進効果はみられなかった.これはキトサンによるエリシター効果,土壌中微生物相の変化あるいは有機物として直接植物に吸収利用されることによると推察される.
著者
堤林 剣
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.1-40, 2012-06

一 はじめに二 ルソーの曲解とその政治的含意三 現在的・明示的同意の特権化について : バーク型合意からルソー型合意へ四 現在主義のジレンマと「自由の強制」五 東アジアのデモクラシーの未来論説
著者
清水 貴夫 中尾 世治 伊東 未来 小林 広英 亀井 哲也
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.90, pp.97-107, 2016-12-31 (Released:2017-12-31)
参考文献数
21

報告1 フォーラムの趣旨とカッセーナの屋敷地の構造 清水貴夫/報告2 村長の屋敷の不均衡な変容 中尾世治/報告3 家屋の装飾と住まいかたの変遷 伊東未来/報告4 伝統住居の在来建築技術とその継承 小林広英/コメント 亀井哲也
著者
林 紀行
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
no.6, pp.153-160, 2012

Local government in Japan employs the Board of Education system, which has rested on the basis of layman control and professional leadership. This system ensures a political neutrality in education. Recently, some governors and mayors, for example Osaka Mayor, Toru Hashimoto, insist it is necessary to reform the Board of Education system because of its irresponsibility. This paper has an awareness of such issues and examines the role of the Board of Education.
著者
林 徹 翠川 美穂
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.471-475, 2011-10-15
参考文献数
8
被引用文献数
2

3月11日の東日本大震災に伴う原子力発電所の事故以降、われわれが口にする食品や水などの放射能汚染が次々と明らかになっている.3月中旬の水素爆発直後はホウレンソウ、しいたけ、牛乳、水道水などの汚染、汚染水の海洋放出が始まるとコウナゴをはじめとする魚介類の汚染、そして7月中旬にはセシウムで汚染した牛肉の販売が明らかになった.また、母乳や子供の尿からは放射性元素が検出されている.その結果、国民の間に健康への不安が広がり、科学的な情報提供が求められている.そこで、放射能や放射線の基礎から放射能汚染した食品、飲料、大地が健康に及ぼす影響について解説する.
著者
小林 卓也 川村 英之 印 貞治 島 茂樹
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.965, 2010

海洋中における放射性物質等の移行過程を詳細にモデル化するため、海水中放射性核種移行予測コードに排水拡散過程を追加し、青森県六ヶ所村沖における流動場の再解析値と、再処理施設からの放出情報を用いて適用計算を実施した。
著者
小林 美恵子
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.3-20, 2020-12-31 (Released:2020-12-31)
参考文献数
16

映画『何者』などにみられた若い女性のことばの中性化の傾向が、自然談話ではどのように現れているのかを比較検討した。その結果、若い世代のことばの中性化は『何者』ほど極端ではないものの同様に進んでいること、高年代では女性形式、中性形式、男性形式にまたがる多様な形式を使用する話者がいることが分かった。高年代の多様化については、「女性語」話者の高齢化、役割語としての「おばあさん」語の影響などが考えられる。
著者
洪蘭淑著 林四郎訳
出版者
文藝春秋
巻号頁・発行日
1998
著者
岩野 健蔵 小林 正義
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.403-409, 2018-08-15

要旨:本研究の目的は,統合失調症長期入院患者の認知機能障害を,外来(デイケア)患者との比較によって明らかにすることである.入院群(n=33)は外来群(n=30)より,年齢,累積入院期間,服薬量,簡易版陽性・陰性症状評価尺度(Brief PANSS)の妄想が有意に高く,機能の全体的評定尺度(GAF)と統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS)の言語性記憶,ワーキングメモリ,運動機能,注意と処理速度,遂行機能,総合点が有意に低かった.入院群の認知機能障害には,長期入院や慢性経過を背景とする全般的な心理社会的機能の低下や抗精神病薬服用量などが,関連している可能性が推測された.
著者
立林 和夫
出版者
一般社団法人 品質工学会
雑誌
品質工学 (ISSN:2189633X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.14-21, 1994-02-15 (Released:2016-03-24)
参考文献数
7
被引用文献数
2

There are several things interfering with the implementation of Quality Engineering in R&D and production departments. I am in charge of promoting implementation of Quality Engineering in Fuji Xerox Co., Ltd. Therefore, I have heard many criticisms about Quality Engineering by engineers and managers. I would like to talk about "things interfering with the implementation of Quality Engineering". The reason I chose it as the last theme for my series is because it is important to organize and analyze them in order to spread Quality Engineering.
著者
久保田 雅史 小久保 安朗 佐々木 伸一 嶋田 誠一郎 北出 一平 松村 真裕美 亀井 健太 北野 真弓 野々山 忠芳 鯉江 祐介 松尾 英明 成瀬 廣亮 小林 茂 馬場 久敏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.873-878, 2009 (Released:2010-01-28)
参考文献数
37

〔目的〕本研究の目的は,術後早期から股関節内外転筋力強化運動を重点的に行うことで,退院時の歩容に影響があるかを明らかにすることとした。〔方法〕対象は2005年1月から2007年12月までの期間で骨盤骨折を受傷し,当院にて骨接合術を施行した12例とした。術後2週目より骨折側の筋力強化を開始した6例を標準リハ群,術後2-3日後より筋力強化を開始した6例を早期リハ群とした。全荷重可能となった退院時に三次元動作解析装置を用いて歩行解析を行い,群間における歩行速度,歩幅,ケイデンス,股関節外転モーメントを比較した。〔結果〕歩行速度,歩幅,ケイデンスは群間に有意差は見られなかったが,早期リハ群の立脚期股関節外転モーメントは標準リハ群と比較して有意に高値を示していた。〔結語〕本研究の結果より,術後早期からの股関節内外転筋力強化運動によって退院時の歩行能力が改善される可能性が示された。
著者
若林 邦彦
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.8, no.12, pp.35-54, 2001

弥生時代中~後期の大規模集落については,拠点集落・城砦集落・都市など様々な名称が与えられてきた。特に,大阪府池上曽根遺跡の調査成果を初端とした弥生都市論は注目を集めている。本稿では,大規模集落の実態を分析し,複雑化した集落遺跡に関する新たな位置づけを試みた。<BR>分析対象地域としては,大阪平野中部を取り上げ,このうち弥生時代中期に連続的に集落遺跡が形成される,河内湖南岸遺跡群,平野川・長瀬川流域遺跡群・河内湖東岸遺跡群の3領域について,各時期の居住域・墓域の平面分布の変化を検討した。その結果,大規模集落・拠点集落と言われてきた領域では,径100~200m程度の平面規模の居住域に方形周溝墓群が付随した構造が複数近接存在し,小規模集落といわれていた部分はそのセットの粗分布域と認識できた。<BR>この居住域は竪穴住居・建物が20~50棟程度の規模と推測され,単位集団・世帯共同体論で想定された集団の数倍以上となる。本稿では,これを「基礎集団」と仮称した。基礎集団は,小児棺を含む複数埋葬という家族墓的属性をもつ方形周溝墓群形成の母体と推定されることから,血縁関係を結合原理としていたと考えられる。また,この集団は水田域形成の基盤ともみられる。本稿では,基礎集団を,集落占地・耕作・利害調整上の重要な機能を果たす人間集団と位置づけた。<BR>基礎集団概念にもとづけば大規模集落はその複合体と考えられ,近畿地方平野部において環濠と呼ばれている大溝群も集落全体を囲むものとは考えられない。また,大規模集落内では,近接する基礎集団間関係が複雑化し,それが方形周溝墓群内外にみられる不均等傾向をもたらしたと考えられる。さらに,池上曽根遺跡における既往の分析によれば,近接する各基礎集団間には一定程度の機能分化傾向も読み取れ,大規模集落内外に基礎集団相互の経済的依存関係が醸成されていたことが注目される。また,同様の特徴は西日本における他地域の大規模集落にも認められる。<BR>以上の特徴を前提とすれば,大規模集落に対し,経済的外部依存率の低い自給的農村としての城砦集落と定義するのは難しい。また,基礎集団が血縁集団的性格をもつことは,都市と定義づけるにはそぐわない居住原理の内在を大規模集落に想定せざるを得ない。このことから,本稿では弥生時代の大規模集落を農村でも都市でもない「複合型集落」という概念でとらえ,社会複雑化のプロセスを考察することを提案する。