著者
若林 上総 中野 聡 加藤 哲文
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.145-156, 2016-03-25 (Released:2017-06-22)
参考文献数
15

研究の目的 定時制課程の高等学校において、生徒の課題遂行を高めることを目的とした行動コンサルテーションを実施し、介入厳密性(treatment integrity)を保つのに必要となる支援の検討を行った。研究計画 2学級を対象としてA-B-C-CD-CDEデザインで実施した。場面 定時制高等学校の数学Iの授業に介入した。参加者 コンサルタントとして特別支援教育コーディネーター、コンサルティとして教職経験4年目の数学Iの教科担当、クライエントとして教科担当が指導する2つの学級に在籍する生徒35名が参加した。介入 教科担当の介入厳密性を高めるために、2度の打ち合わせ、遂行する教授行動の毎朝の確認、パフォーマンス・フィードバック、台本の提示を行った。行動の指標 授業ごとの生徒の課題遂行率および教師の教授行動の遂行率を測定した。結果 介入とともに発達障害の生徒を含む各学級の生徒の期間ごとの課題遂行率が上昇の傾向を示した。それに応じて教師の介入厳密性も高まった。結論 コーディネーターの働きかけが教師の教授行動に与えた影響が示唆された。考察 コンサルテーションで生じた教師の教授行動の変容の要因、生徒の課題遂行率の上昇との関連を議論した。研究の限界として厳密な場面の統制ができなかった。
著者
斎籐 邦行 小林 智宏 下田 博之
出版者
日本作物学会関東支部
雑誌
日本作物学会関東支部会報 6 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
pp.31-32, 1991-12-05 (Released:2017-08-24)

今日の水稲栽培において、農薬(除草剤、殺虫剤、殺菌剤)の施用は慣行化しており、農薬の予防的、対処的施用による雑草・病害虫の防除は水稲収量の安定性を支えている。農薬の施用は、水田生態系をより単純化、均一化することを通じて、水稲の生産力を高く維持していると考えられるが、農薬の散布が日常化している現在では、農薬が水稲の生育、収量、そして水田生態系におよぼす影響を量的、質的に評価することが難しくなっている。そこで、この素朴な疑問に答えるため、隣接する2枚の水田(各24a)を用いて、慣行に従って農薬を施用した区、農薬を全く使用しなかった区(それぞれ+P、-P区と呼ぶ)を設けて1990年に水稲を栽培し、水稲の生育、収量ならびに雑草、病害虫の発生状況を調査した。
著者
小林 英男 川久保 隆
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.757-765, 1988-10-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
34
被引用文献数
1 6
著者
松林 弘智
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.283-295, 2007 (Released:2010-06-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

時系列解析に用いられる一般的なウェーブレット変換は,変換結果を定量的に解釈するには不適当な性質を含んでいる。例えば連続ウェーブレットでは,ごく短い時間幅の波形データがその前後の変換結果に繰り返し反映される。また離散ウェーブレットでは,同じ時系列データであっても変換の開始サンプルが異なるだけで,変換結果が大きく変化する。 マッチング追跡法(Mallat, 1993)やその拡張である高速マッチング追跡法(戸田, 2001)はこれらの欠点を解決した変換方法であった。しかしこの手法にも欠点がある。マッチング追跡法では,計算資源への負荷と周波数領域での変換結果の偏りの問題が,また高速マッチング追跡法では,変換する波群の処理順の決定方法や,使用するウェーブレットとデータの波形形状との相違による変換結果への影響という問題が存在する。 本研究ではメイエ(Meyer)ウェーブレットの定義より複素メイエウェーブレットを開発した。このウェーブレットにより周波数領域での偏りと,使用するウェーブレットとデータの波形形状との相違の問題に対処した。さらにこのウェーブレット関数と新たに考案したアルゴリズムより,複素メイエマッチング追跡法を開発した。処理順や計算資源の問題に対処したのみならず,波形形状を数値化するパラメータである位相を出力することが可能となった。例えば時期をずらして同じ観測点で同種の地震波について位相を比較した場合,震源の時間変化を反映する情報となる。 本研究では,阿蘇火山南方の防災科学技術研究所広帯域地震観測網の砥用観測点での波形データへ複素メイエマッチング追跡法を適用することで,阿蘇火山の地下活動に伴う超長周期地震波(Kaneshima et al., 1996)が記録されていることを明らかにした。また,期間ごとの波形形状情報である位相の比較を行い,期間によって地震波の震源の状態の変化していることを示唆する結果をえた。
著者
河村 隆 野内 知樹 降旗 克行 栗林 直樹 青柳 匡尚 中﨑 滉平 北橋 尚浩 鈴木 智 飯塚 浩二郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2016 (ISSN:24329509)
巻号頁・発行日
pp.C-20, 2016 (Released:2017-06-19)

Curling is one of the winter sports called chess on ice. Athletes are required high level skill and smart strategy. This paper deals with curling phenomenon of rotation stone on the ice.To Understand this phenomenon, polypropylene and Teflon sheet makes low friction environment, and curling stone experiment was carried out. Then curling stone phenomenon was reproduced on force plate instead of ice.
著者
小林 俊一 中村 八束 不破 泰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.96, no.593, pp.7-14, 1997-03-18
参考文献数
10
被引用文献数
3

本稿では、新しい一般言語「関数形言語」を提案する。この言語は、人工言語のみでなく、自然言語をモデル化することが可能である。自然言語は表現能力は高いが、曖昧であるという欠点を持つ。しかし、自然言語を関数形言語を使ってモデル化した場合には、曖味性がなく論理的な文章を表現することが可能になる。関数形言語は、自然言語に比べて理解しにくく、入力しにくいという欠点を持つ。この欠点を克服するため、ライティングエイドと呼ぶツールを作成した。ライティングエイドは、自然言語を使う形で関数形言語を入力することができる。また、入力した関数形言語から、数ヵ国語の自然言語に翻訳することが可能である。
著者
小林 弘祐
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.6, pp.1590-1598, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
16

ALI/ARDSの予後は改善してきており,その主因は肺保護的換気モードの周知による.現在,死因は呼吸不全ではなく,多臓器不全がほとんどである.ICU重症患者の予後予測法で普及しているのは,米国ではAPACHE IVであるが,本邦ではSOFAとAPACHE IIである.現在,ヨーロッパを中心にSAPS 3を用いた研究が進行中である.生物学的マーカーは複合した方が予後予測精度はよく,単独ではIL-8とSP-Dが比較的有用である.重症度スコアリングはベンチマークを通して医療の質向上に役立つ.

1 0 0 0 横浜市歌

著者
森 林太郎[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1929-11
著者
森田 俊博 海浪 裕子 林原 正和 大坪 健司
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.237-242, 1998-06-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

We developed safe and simple closed system for preparing ointments containing cytotoxic drugs using a polyethylene bag.β-Carotene (β-C) and fluorescein sodium (FL) were used as model drugs in the present study. All preparation procedures were carried out in a polyethylene bag. The uniformity of drug content in the ointment was obtained by rolling the contents more than 20 times with a roller in both model drugs. The contents of each model drug in the ointment prepared by a closed system were consistent with those by the conventional method using a glass mortar. The time required to prepare the ointment in a closed system was much shorter than that using the conventional method. In addition, no contamination was observed in the closed system, whereas some contamination of the cyto-safe sheet and gloves with FL were observed with the conventional method. Based on the present findings, a closed system using a polyethylen bag is thus considered to be a useful method for preparing ointments containing cytotoxic drugs.
著者
小林 裕一郎
出版者
広島国際学院大学現代社会学部
雑誌
現代社会学 (ISSN:13453289)
巻号頁・発行日
no.13, pp.63-77, 2012

本稿は、日本においてノルベルト・エリアスの暴力論がどのように受容されたのかについて明らかにすることを目的とする。エリアスは、1969年まではほとんど知られることのなかった社会学者である。その彼が1970年代以降ヨーロッパをはじめ、日本においても受容されるようになったのはどうしてなのか。またその過程においてエリアスの暴力論はどのように受け取られたのか。本稿はこうした疑問に対して、日本におけるエリアスの暴力論についての論文等を参照しつつ、大まかな受容の流れを解釈しようとする試みである。 Diese Studie ist über den Akzeptanz in Japan für die Theorie von Norbert Elias. Norbert Elias, ein Soziologe in Europa, ist als Forscher der Gewalt und des Sportes. Sein Hauptwerk ist "Über den Prozeß der Zivilisation". Dies deutsch geshriebenes Buch wurde 1939 in der Schweiz gedrückt. Aber es erregte in der Nazizeit keine Aufmerksamkeit. Warum ist Norbert Elias jetzt in Japan bekannt? Und wie ist seine Theorie der Gewalt bekannt? Diese Frage zu lösen ist der Zweck dieser Studie.
著者
松林 賢司
出版者
金沢工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

①雪の輸送中の融解挙動の実験による評価:雪の長期輸送中の融解挙動は経済性の試算に必要なデータである為に独自の実験設備を製作してその評価を実施した。結果は良好で赤南半球の想定陸揚港であるシドニー付近まで輸送するのにかかる2週間の融解による損失は5%以内であり経済性の試算が可能な範囲であることが分かった。②雪資源の陸揚港と需要者の技術的、及び経済的な評価とその最適化:積出港の研究手法と同様に陸揚港としての適性が確認された3港に関してフィールド調査を実施した。バンコック港とシドニー港に関しては現地訪問の上、自治体、並びに前年度に予め協力先として選定された研究機関との意見交換を経て最適港候補の技術的、並びに経済的な評価(使用可能期間、雪置場面積、内陸への雪資源輸送利便性、陸揚設備、雪輸出に関する法規制、自治体の協力体制等)を実施した。本件に関しても関係する専門家として商社、船会社、港湾業務委託会社等に手続きと経済的な観点よりヒアリングを実施した。需要者に関しては大規模な雪資源の冷熱利用を前提として地域冷房施設である北海道ガスや新千歳空港も現地補門の上、調査研究した。並びに冷蔵倉庫を想定の上、陸揚港としての適性が高い地区の需要者候補を政府、及び自治体資料により調査の上、リストアップの後、有望先のフィールド調査を現地研究者の協力も得て実施した。
著者
野村 幸世 川瀬 和美 萬谷 京子 明石 定子 神林 智寿子 柴崎 郁子 葉梨 智子 竹下 恵美子 田口 智章 山下 啓子 島田 光生 安藤 久實 池田 正 前田 耕太郎 冨澤 康子
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.187-195, 2015

日本では外科を選択する医師は減少していますが,日本外科学会に新規入会する女性医師は年々増加しており,2008年新入会の22%が女性でした.ところが,日本の女性の年齢別就労人口をみると,M字カーブを描き,30,40代での離職が目立ち,医師も例外ではありません.この現状を打破するために必要な支援を探るため,日本外科学会女性外科医支援委員会と日本女性外科医会が中心となり,2011年6月下旬~8月末に日本医学会分科会に対し,専門医,認定医制度,評議員,役員,委員会委員,男女共同参画,女性医師支援に関しアンケートを行いました.その結果,多くの学会で女性医師支援の活動は行われつつあることがわかりました.しかし,役員,評議員,委員会委員といった意志決定機構における女性の割合は低いままにとどまっています.あらゆる意思決定機関に女性を参入させることが,女性外科医の活動を,ひいては我が国の外科医療そのものを加速させるのではないかと思われました.