著者
小林 信之 菅原 佳城 鳥阪 綾子
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,大変形と大回転を伴う極めて非線形性の強い極柔軟体の制御系設計のために,高精度,かつ,低次元のモデル化手法を開発することを目的に,【1】曲げ捩りせん断および軸変形を考慮した非線形梁および非線形板へモード合成法を適用する自由度低減モデルの開発とその検証,【2】開発したモデルを用いた大変形と大回転を伴う極柔軟体の制御系の試設計,を行った.その結果,【3】非線形性の強い極柔軟梁と板に対する低次元モデルが計算精度を保持しながら,システムの自由度を低減できること,【4】提案した自由度低減モデルが床体操のように大回転と大変形を伴いながら移動するロボットの制御に適用可能であることを示した.
著者
杉山 博之 小林 信之
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.66, no.642, pp.398-405, 2000-02-25
被引用文献数
3

This paper establishes a new formulation strategy of the flexible beam with large rotation motion. The finite element based formulation, that is previously presented for the analysis of the 'Spaghetti Problem' by authors, is extended to realize the low order and high accuracy beam model using a kind of Component Mode Synthesis Method. The deformation of the flexible beam is modeled by the combination of static mode represented by the shape function and the analytically evaluated both end clamed dynamic mode with respect to the local coordinate system. Body attached local coordinate system satisfies that x-axis of it connects both-ends of the beam. To demonstrate the efficiency and the validity of the flexible beam model in Multibody Dynamics, a 2-link flexible robot arm is modeled as the flexible multibody system consists of some rigid bodies and two flexible beams. The validity can be indicated by good agreements between the numerical simulation and the experimental results.
著者
小林 文男 柴田 巌
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
広島平和科学 (ISSN:03863565)
巻号頁・発行日
no.14, pp.p23-46, 1991

The purpose of this paper is to throw light on the tragic life of a Chinese. His name is 'Zhu Zao-huo'(朱造火). On May 3rd, 1992, the authors who agreed to some volunteers' request of Nagasaki managed to find out his bereaved family (who live in an agricultural district in Hebei Province of China) and had an interview with them for some hours. Mr. Zhu Zao-huo was born in Hebei Province in 1925, and he passed away in Nagasaki City of Japan ini945. It goes without saying that Japan and China had been at war since 1931. That is the case, why was Mr. Zhu in the hostile country -Japan-, 1945 ? After 1942, in order to make up the lack of the work force, the then Japanese Government took up over 40,000 Chinese people to Japan, and compelled them to do muscular labor like a slave in colliery, harbor and building site. Mr. Zhu was taken over to the colliery in the north of Nagasaki Prefecture in November 1944. In Nagasaki, the Atomic Bomb dropping of the 9th of August, 1945 destroyed human lives in countless numbers. The victims are not only Japanese but also foreigners including prisoners of the Allied Forces, Korean, and Chinese. In Uragami branch of Nagasaki Prison, 33 members of Chinese were killed instantly at that time, Mr. Zhu was one of them. He was sent to this prison just two days befor the bombing. However, it can safely be said that he was innocent. If he was in the colliery without being falsely charged, he would not be sacrificed of the Atomic Bomb. Because the colliery was about sixty kilometers away from Nagasaki city. Nevertheless 47 years have passed since Mr. Zhu was dead, his bereaved family didn't know the time, the place and the cause of thier father's death until1 the authors met them. Unfortunately, Mr. Zhu's wife has already been dead without knowing self husband's last moment, in April 1992. Mr. Zhu Zao-huo is a victim not only of the Atomic Bomb by USA but also of Japanese Imperialism.
著者
小林 和彦 園山 繁樹 戸村 成男 柳 久子
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.93-105, 2003-09-30

本研究においては、行動分析学の枠組みとその基本的な技法を応用したベッドから車椅子へのトランスファー介助の方法を、老人保健施設に勤務する経験の浅い介護スタッフに指導し、指導効果の検証を行った。対象は、施設介護職員として勤務する女性2名で、両介護者が介助するのは脳梗塞左片麻痺で痴呆を有する78歳の女性であった。指導は机上での講義形式による行動分析の枠組み、およびそれに基づく対象者へのかかわり方に関する基本的な説明を行った後、実際場面において実践的な指導を行い、適切介助回数および身体接触時間を評価した。その結果、両介護者とも実践指導後において大幅な適切介助の増加および身体接触時間の減少が認められた。しかしながら、講義形式による説明のみではほとんど指導効果が得られなかったことから、実際場面における実践的な指導の重要性が示唆された。

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著者
揚名舎伯林 口演
出版者
日吉堂
巻号頁・発行日
1901
著者
松浦 康隆 入月 俊明 林 広樹
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.4, pp.312-320, 2013-04-15 (Released:2013-08-28)
参考文献数
51
被引用文献数
4 6

島根県松江市宍道町宍道高校付近に分布する中期中新世布志名層下部よりタコブネ類化石Mizuhobaris izumoensis(Yokoyama)が連続的に比較的多く産出した.これらの産出層準の堆積環境を明らかにするために,微化石を検討した結果,20種の貝形虫化石と12種の浮遊性有孔虫化石が産出した.これらの保存良好な微化石群集は,調査地点の環境が冷温~中間温帯のやや閉鎖的な環境であったことを示す.以上のことから,M. izumoensisの産出は,その産出地点が当時必ずしも暖流の影響を強く受けていた証拠にはならないことを示唆する.
著者
林 和弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.436-442, 2013-11-01

学術情報流通の革新は新しい段階に入り,17世紀から続いた,紙,印刷と物流を基盤として電子化対応を含めて発展してきた情報流通基盤の骨格がいよいよ崩れ,新しいフレームワークが形成され始める,あるいはその変化がこれまで以上に加速されることが推察される。東京の都市交通の一時代を作った馬車鉄道の歴史を参照しながら,学術情報流通における変革を連続的変化と不連続的変化に分けて論じた。また,情報や関係者のリンクとネットワークが生み出す信頼性が新しいフレームワーク構築のキーワードであり,既存の関係者の保守化のリスクを指摘しながら,新しい情報流通基盤のデザインに繋がるポイントを考察した。
著者
小島 崇嗣 谷内 昇一郎 青木 孝夫 小野 厚 蓮井 正史 高屋 淳二 小林 陽之助
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.184-192, 2004-06-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
7

アレルギー疾患合併小児162例 (A群) (男/女: 92/70) とアレルギー疾患非合併小児47例 (B群) (男/女: 25/22) を対象としてインフルエンザワクチンの副反応を検討すると同時に, フマル酸ケトチフェンによる予防内服の有用性を調べた. A群のうち即時型の卵アレルギーを有する症例は15例であった. A群の79例とB群の15例 (計94例) ではワクチンの100倍希釈液で皮内テストを施行した. また, 全209例中44例でフマル酸ケトチフェンの予防内服を施行しその有効性を検討した. その結果, 皮内テスト施行例のうち皮膚スコア2 (発赤径20-39mm) を示した症例は, A群24% (卵アレルギー群での検討では13%), B群20%と差を認めなかった. しかし, 両群とも約10%に皮内テストから予測できない強い即時型局所反応がワクチン接種部位に認められた. 遅発型局所反応は209例中24例 (11%) に認められ, A群18例 (11%), B群6例 (11%) であった. 即時型局所反応ろコアとワクチン接種回数との関係では, 即時型局所反応スコアが2以上を示した割合はそれぞれ, 初年度例の6%, 2年度例の23%, 3年度例の26%, 4年以上例の42%であり, 複数回接種により接種部位の即時型局所反応が出やすくなることが判明した. また, 遅延型局所反応でも同様の関係が認められた. フマル酸ケトチフェンによる予防内服の効果に関しては, 即時型局所反応, 遅延型局所反応ともに有効性が認められた.
著者
小寺 彰 伊藤 一頼 塚原 弓 玉田 大 林 美香
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本プロジェクトは、現代国際法学において流布し国家責任条文草案でも前提とされている、あらゆる義務違反は責任を生じさせるという「一般法としての国家責任法」を観念し得るのかという問題に、歴史的・分野横断的観点から迫ってきた。本年度は、プロジェクトの集大成として、国家責任法の歴史、実定法としての国家責任法の評価に関わる報告及び総括を行う研究会を行った。第一に、「第一次大戦以前の国際法・国際法学における『責任』―国際法における国家責任法成立」と題する報告が行われ、19世紀以前には、正戦論において戦争の正当原因の一つとして賠償義務の存在が想定されていたこと、また、正戦論を前提としなくとも、慣習法たる責任法が戦争回避の手段として否定されていたわけではないことが確認され、国際法の国家責任法が成立したのは19世紀後半以降であるという従来の理解に修正を迫ることが出来た。また、19世紀の学説、実行共に、その適用対象を外国人損害に限定していたわけではなく、そうした観念は、むしろ戦間期に成立した可能性が指摘された。第二に、「国際法における緊急避難の考察」と題する報告が行われ、国家責任条文草案成立以前の実行における緊急避難法理には、権利として存在する「自衛型」と義務違反の存在を否定する「不可抗力型」のものが存在し、一般法を志向し二次規範として機能する条文草案上の緊急避難とは異なり、事案に応じて一次規範のレベルで機能していたことが指摘された。本プロジェクトによって、「一般法としての国家責任法」という観念が歴史的に一貫して採用されてきたわけではないこと、また、「責任」の意味や効果も個別の分野によって変わりうることが浮き彫りにされたことが大きな成果と言える。このことは、一般法としての国家責任法を想定すること自体検証を要することを意味し、条文草案の評価及び国家責任法の解釈論に大きな影響を与えるものである。
著者
垂水 浩幸 林 敏浩
出版者
香川大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、棋譜と局面単位のデータの組合せで構築される将棋データベースを開発して公開運用し、評価することが目的である。以下の成果を得た。(1)棋譜と局面の両方を基礎データとするデータベースとそれにアクセスするためのAPIを開発した。(2) データベースのコンテンツ収集を行い、2700万局面を超えるものになった。(3) 応用例として将棋感想戦支援システムを開発した。(4) 開発物について性能面と使いやすさの面から評価した。概ね妥当な評価が得られているが、より簡素で使いやすいものにしていくためさらに今後改善が必要である。(5) これらについて国内外で10回の発表を行った。