著者
桑原 司
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集- (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, 2013-03

本論は、「シンボリック相互作用論の方法論的立場」鹿児島大学法文学部紀要『経済学論集』第79号iに対する査読の結果、『九州地区国立大学教育系・文系研究論文集』Vol.6 no.2に掲載されたものである。
著者
桑原 岳 桑原 和江 桑原 光一
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.65-68, 2013-06-20 (Released:2014-12-06)
参考文献数
7

症例は日本猫,16歳,避妊雌で進行性の呼吸困難を主訴に来院した。一般身体検査では喉頭部にマスが触知された。一般的に,猫の喉頭部腫瘍の予後は悪いといわれている。その理由として,腫瘍特異的な治療法が確立されていないこと,また全喉頭切除術により深刻な合併症を伴い得ることが挙げられる。本症例では永久気管切開による対症療法を実施し,喉頭部の腫瘍に対して部分切除生検を行った。病理学的検査を実施した結果,咽頭喉頭腺癌と診断された。症例は順調に麻酔から覚醒し,手術3日目に退院した。術後,飼い主による主観的なQOLは改善されたようであったが,手術54日目に嚥下困難による食欲廃絶が認められ,その後に死亡した。死亡直前まで呼吸状態は良好であった。咽頭喉頭腺癌により重度の呼吸器症状を呈する猫では,低侵襲な部分切除生検と永久気管切開術を実施して気道を確保することが,動物のQOLを改善し,なおかつ飼い主の満足度を得るための選択肢のひとつとなり得ることが示された。
著者
鳴岩 伸生 桑原 知子 川部 哲也 佐々木 玲仁 加藤 奈奈子 佐々木 麻子 渡邉 研太郎 大野 義一朗 重田 智
出版者
京都光華女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

長期閉鎖環境におけるストレスの実際と有効な対処を明らかにするために,南極地域観測隊の越冬隊員に対し,出発前の日本および現地での質問紙調査と帰国後の面接調査を実施した。その結果,越冬後半の白夜の時期に,怒り・敵意の感情が高まる者が現れる一方で,高まらない者も多くおり,隊内に感情の溝が存在することが明らかになった。また,越冬中の肯定的感情が積極的なストレス対処に影響を与え,否定的感情が非建設的なストレス対処に影響することが明らかになった。
著者
"桑原 季雄"
出版者
鹿児島大学
雑誌
南太平洋海域調査研究報告=Occasional papers (ISSN:13450441)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.90-96,

与論島では昭和54年をピークに観光客が減少していくなかで、様々なイベントを企画することによって、シーズンオフ期の冬場の観光客の開拓と誘致を積極的にはかってきた。従来の若者中心のビーチ観光やマスツーリズムから、ブーム後は様々なイベントの企画によって幅広い年齢層、多様な観光客の誘致を目指して大きく方向転換した。また、ブーム期は兼業農家が激増したが、ブーム後は兼業農家が減少し専業農家が増え、脱観光産業化と農業重視の方向性が顕著である。特に、切り花や輸送野菜への多角化と畜産の比重が増大した。観光も、受動的観光から能動的観光へ、量から質の観光へ、自然依存型から自然利用型観光へ、娯楽型から健康・癒しの観光へ、農業と観光の分離から連携へ、個人から島民全体の観光へ、夏型から通年型観光へとシフトし、「健康・癒し」を軸にセルフイメージの構築と差別化の過程にある。"Tourism in Yoron had its peak in 1979 and after that the number of tourists decreased markedly. After the boom, Yoron islanders have ever been trying to bring tourists back again by creating various kinds of events and attractions not only in summer but also in off-seasons. During the boom, farmers were more depending on tourist industries. A fter the boom, they are more depending on agriculture and stock breeding. Tourism in Yoron also sifted from passive to active, from quantitative to qualitative, from amusement to health oriented, and from summer to all year round type tourism. Yoron island seems to be still in the process of constructing self-image to differentiate her from other touristic sites by focusing on 'health and healing'."
著者
松岡 喜久次 桑原 希世子
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.119-124, 2021-04-25 (Released:2021-06-30)
参考文献数
28

The Capitanian (Permian) radiolarians were found from a siliceous tuff block within volcaniclastic rocks in the Sumaizuku Unit of the Northern Chichibu Belt in the Kanto Mountains. The Sumaizuku Unit is composed of chaotic rocks consisting of exotic blocks of chert and mafic rocks in Jurassic clastic matrix. The rocks of studied area consist of limestone-basalt conglomerate, lime-sandstone, volcaniclastic rocks and chert. The volcaniclastic rocks are composed of clasts of basalt lava and volcanic glass accompanied with clasts of limestone, siliceous tuff and fragment of plagioclase. The clasts of siliceous tuff containing radiolarian tests are angular pebble to boulder. The siliceous tuff is regarded as blocks which were mixed in volcaniclastic rocks by slumping. We consider that the volcaniclastic rocks deposited immediately after Capitanian age, and this deposition formed on the lower flank of a seamount.
著者
西村浩樹 桑原 教彰
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.59-66, 2017 (Released:2017-06-30)

日本において、1980年代に提唱された「ゆとり教育」により、学習内容の削減や指導時間の大幅な削減が行われ、学校は、週5日制授業が導入された。OECD(経済協力開発機構)が、2000年から3年ごとに実施している学習到達度調査(PISA)では、読解力において2003年に8位から14位、2006年には15位に順位を大幅にさげ、数学的リテラシーにおいても、2003年には1位から6位、2006年に6位から10位に下げる結果になるなど、「ゆとり教育」におる削減された学習指導要領での指導の影響から日本の学力低下問題が指摘されるようになった。ゆとり教育を取り入れた背景として、それまでの「詰め込み教育」と呼ばれ、1970年代までに実施されていた知識重視の増大した学習量が、創造力の欠如やテストが終わると忘れてしまう剥落学力と言われる問題があるとされたこと、また、学習内容を理解し、知識として取り入れていくことができず、授業についていけないことが原因で生徒間の学力格差が広がり、不登校や落ちこぼれなどの問題があったことが要因としてある。このため、2008年の「脱ゆとり教育」と称された学習指導要領では、「生きる力」を育むとし、学習面では、主に「基礎的な知識・技能の習得」を目的に改訂され、授業時間数は増加し、学習内容も増加させるなど大きく方向転換が図られた。また、基礎学力以外にも思考力、表現力を身につける必要性が指摘されている。この学習指導要領の改訂により、読解力では、2012年には15位から7位、数学的リテラシーでは、10位から7位に順位を上げる結果となった。つまり、基礎学力を習得することは、思考力・応用力・表現力を育成する上で必要な力であると言える。そこで本研究は、学習者が、学習をする際の認知過程に焦点をあて、学習材料と自身の知識を関連づける学習方法を検討するため、文字に着色することによる視覚的効果によって学習効果を向上させる目的に使用される蛍光マーカーペンを用いた学習方法が、学習時の認知過程、特に視線移動回数や視線停留時間にどのような影響を及ぼすかを検証し、その評価システムの開発を目的とした。
著者
清田 洋正 五十嵐 渉 齋藤 亜紀 古川 博之 星川 浩輝 桑原 重文
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, 2015

<p> Enacyloxin (ENX)類(Fig. 1)は、赤パンカビNeurospora crassaの培養上清で培養した酢酸菌の一種Frateuria sp. W-315株の生産する、珍しい鎖状ポリエン-ポリオール型の抗生物質である[1]。そのポリエン構造のため光に不安定であり、渡邉敏彦博士による発見報告以来、当研究室での全立体構造決定まで25年を要した[2]。中でもENX IIa (2) は抗グラム陽性・陰性細菌活性を示し、その作用機構はリボソームelongation factor-Tuに作用するタンパク質合成阻害によることが知られている[3]。酵母やカビには抗菌活性を示さないことからも選択的な抗菌剤としての開発が期待される。ENX IIaの他、ENX oxidaseによる酸化の前駆体であるENX IVa (1) やdecarbamoyl ENX IIa など様々な類縁体が単離されている。</p><p>Fig. 1. エナシロキシン (ENX) 類の構造と逆合成解析</p><p> 我々はENX類の創薬への展開を目指して全合成研究を行っている[4]。ENX IIa (2) の逆合成解析をFig. 1に示す。全体をポリオールC16'-C23'部A、C9'-C15'部B、 ポリエンC1'-C8'部C及びシクロヘキサンカルボン酸部Dに分けた。Aの3箇所の不斉点についてはd-アラビノースを利用し、Bはd-グリセルアルデヒド=アセトニドからクロチルホウ素化で導くことにした。ポリエン部C はWittig反応で調製し、シクロヘキサンカルボン酸部Dについては、d-キナ酸の立体化学と位置選択的なアシル化反応を利用する。AとBの連結では、ジアニオン型求核試薬と酸クロリドとのカップリング反応を計画した。BCD間についてはHorner-Wadsworth-Emmons反応を用いることにした。</p><p>1)ポリオールC16'-C23'部の合成(Scheme 1)</p><p> d-アラビノースをラクトン誘導体3に導き、Wittig-Horner反応により4を経てE-アルケニル部分を増炭した5を得た。4のカルボニル基の還元は非選択的であったが、塩基処理で生じたオレフィンはE-体のみであった。トシラート6を経てエポキシド7を調製後、C16'-C23'部となるスルホンA1を合成した[4b]。また、相当するブロミドA2、ホスホニウム塩A3も調製した。</p><p>Scheme 1. C16'-C23'部の合成</p><p>2)ポリオールC9'-C15'部の合成(Scheme 2)</p><p> d-グリセルアルデヒド=アセトニド9からクロチルホウ素により4炭素増炭してアルコール10を得、酸触媒を用いて1,2-アセトニド部分を2,3-位に掛け替えて11とした[5]。11から相当する酸クロリドB1を調製した。一方、11の二重結合をオゾン分解した後、LiCHCl<sub>2</sub>を用いて増炭[6]、アルキノール12及び酸クロリドB2に導いた。また、12のアルキン部分をRed-Al/NCSを用いて塩素化し、酸クロリドB3を得た。</p><p>Scheme 2. C9'-C15'部の合成</p><p>3)C9'-C15'部とC16'-C23'部のカップリング反応(Scheme 3)</p><p> 予備実験において、相当するスルホン(O-EE-A1)由来のモノアニオンでは、アルデヒド、酸クロリド何れともカップリング体は得られなかった。そこで求核性の向上を狙い、ヒドロキシスルホンA1からジアニオンを調製、酸クロリドB2を加えたところ、目的物A1-B2が10%の収率で得られた。一方、ホスホニウム塩A3を用いても目的物は得られなかった。更に求核性を向上させるため、共鳴安定化していないヒドロキシアルキ</p><p>(View PDFfor the rest of the abstract.)</p>
著者
桑原 慶紀 吉田 幸洋 中村 清 伊藤 茂
出版者
The Society for Reproduction and Development
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.j55-j60, 1995 (Released:2010-10-20)

著者らは独自に開発した装置を用いてヤギ胎仔の長時間子宮外保育を試みてきた.すなわち,帝王切開で娩出したヤギ胎仔の臍帯血管にカテーテルを挿入し,ECMO(Extracorporeal Membrane Oxygenation)回路に接続する.胎仔は人工羊水中に置かれ,胎児循環を保持し,低酸素環境下で保育される.これまでの著者らの成績では10日間の保育が限度で,慢性循環不全を主たる原因として死亡しており,保育状況・期間ともに不満足であった.最近著者らは胎仔の体内環境の変動をできるだけ少なくし,水分貯留傾向と関係すると思われる飲水行動を抑制する目的で子宮外保育期間中,胎仔にminor tranquilizerと筋弛緩剤を投与した.その結果,保育期間中,胎仔の状態は極めて安定しており,水分貯留傾向も認められず,約20日間というこれまでにない長期間保育に成功した.さらに,子宮外保育からの離脱を試みたところ,レスピレーターによる人工換気は必要としたものの良好な換気が得られ,保育期間中に肺の機能的成熟が進行したことも確認できた.以上により,臍帯動静脈A-VEC MOが未熟動物の長期にわたる保育法として有効であることが証明されたが,長期間の体動抑制による未熟動物の筋力の発達成熟におよぼす影響などの解決すべき問題があり,正常新生仔への移行にはさらなる改善が必要である.
著者
桑原 聡 金井 数明
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1109-1115, 2007-10-01

はじめに 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は進行性に,上位および下位運動ニューロンに系統変性を来す代表的な神経難病である。その臨床症状の特徴として,筋萎縮とともに線維束性収縮(fasciculation)が挙げられる。線維束性収縮は古典的に下位運動ニューロン徴候とされてきたが,多くの神経原性筋萎縮性疾患の中で実際に広範な線維束性収縮を認めるものはALSのみであり,脊髄性筋萎縮症,頸椎症性筋萎縮症や軸索変性型ニューロパチーにおいて,線維束性収縮は稀にしかみられない。このことは線維束性収縮が筋萎縮性疾患の中でALSにかなり特異的に生じており,ALSにおける運動ニューロン死に関与している可能性を示唆している。 線維束性収縮は運動単位(運動神経軸索)の自発発射により生じる1)。したがって,ALSにおける軸索興奮性は増大していることが推定される。ほかに線維束性収縮を特徴とする代表的疾患として,Isaacs症候群と多巣性運動ニューロパチーが挙げられる。Isaacs症候群は軸索の電位依存性Kチャネルに対する自己抗体が原因であることが確立されており,この疾患でみられる線維束性収縮やミオキミアは,Kチャネルの機能低下に起因する軸索の自発あるいは反復発射である2)。K電流は基本的に外向き(outward)の電流であり,陽イオン(K+)が軸索外に出ることにより膜電位は過分極側に偏位する。すなわちK電流は,軸索興奮性にとって抑制性のコンダクタンスであるといえる。多巣性運動ニューロパチーにおける線維束性収縮のメカニズムは明らかではないが,病変部軸索の静止膜電位が脱分極側に偏位していることが仮説として提唱されている3)。軸索の自発発射を来す興奮性増大のメカニズムとして,①Naチャネル(特に持続性Naチャネル;下記参照)の活性化,②Kチャネルの機能低下,③静止膜電位の脱分極側への偏位,などが挙げられ,ALSにおける軸索興奮性にどのメカニズムが関与しているかが注目されてきた。 1990年代に英国国立神経研究所のHugh Bostockにより開発された,threshold tracking法を用いた軸索機能検査法は,1990年代後半から臨床応用が広まり,NaあるいはKチャネル機能を含めた軸索特性を非侵襲的に評価することが可能になった4,5)。この手法は,これまでパッチクランプなどの観血的な方法でしか得られなかった軸索イオンチャネルに関する情報を,簡便に得ることができる画期的な手法として普及しつつあり,英国,日本,豪州などの研究グループにより多くの報告がなされるようになっている6)。本稿ではこの方法を用いてALSにおける軸索興奮性の変化について,これまでに得られた知見について概説する。結論を先に述べると,ALSでは持続性Na電流の増大と,K電流の減少という2つの軸索特性の変化が存在し,相乗的に軸索興奮性を増大させて線維束性収縮の発生に関与していると考えられる。
著者
桑原 陽子
出版者
福井大学
雑誌
福井大学留学生センター紀要 (ISSN:18805876)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.11-19, 2011-03

This article shows the changes to a training syllabus for Japanese language volunteers for foreign residents in Fukui city from 2006 to 2010. The author was in charge of the conduct and evaluation of this course. The syllabus had been close to the training syllabus for "Japanese teachers" in 2006. However, the syllabus was revised because the course was re-envisioned as a guide training course for Japanese language "volunteers", who can participate in various supporting activities. Activities focusing on reflective-learning of languages were increased, instead of lectures on Japanese grammar and Japanese education. Furthermore opportunities for the attendants to have experiences of difficulties of communication with limited language proficiency were arranged in the course. Overall, the purpose of such activities is the study of how to communicate with foreign residents through supporting the learning of Japanese.
著者
桑原 弥寿雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1962, no.78, pp.16-41, 1962 (Released:2009-12-18)

著者は多年路線選定の業務および研究に従事し, 国鉄在職中, 選定を研究しまたは担当した路線の延長は, わが国の内外を通じて, 20000 km に近く, その後, 多少高速自動車道の路線選定にも関係した。本論文はこの経験にもとづき, 路線選定の主体をなす勾配の選定について, 基礎的理論の抽出ならびに選定技術の体系化を試みたものである。基礎理論として, まず最初に路線の価値を構成する要素と条件をあげ, ついで路線の価値比較に関する在来の諸方法について論じ, その批判にたって新たに線路運転抵抗図なるものを提案し, 選定技術に対する応用を論じた。勾配選定に関する基礎的な考察は路線の勾配を形成する要素の中から, 始終点間の高低差, 勾配の長さ, 強度および配列, 最高点, 最低点の高さなどに着目し, 経過地の地形に対する適合方法を述べたものである。また幹線経路の比較, 全国主要幹線の勾配改良について研究し, 勾配選定の具体的研究例を示した。なお, 以上の路線勾配選定に関する研究は, 理論的には, 道路, 特に高速自動車道の路線選定に応用し得るものである。
著者
桑原 章 檜尾 健二 山野 修司 苛原 稔
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.59-63, 2005 (Released:2005-06-04)
参考文献数
25

子宮外妊娠は補助生殖医療(ART)による妊娠の約5%に起こることから,その予防が重要な課題である.近年,胚盤胞移植により子宮外妊娠の頻度が減少する可能性が指摘されている.初期胚移植に比べて,胚盤胞移植では移植から着床までの期間が短いこと,また子宮の収縮が胚盤胞移植時期に少ないことから,移植胚が卵管へ輸送される可能性が低い胚盤胞移植は子宮外妊娠予防に有利とされる.一方,不妊原因である卵管因子の有無は子宮外妊娠の発生頻度に影響を与える.ART症例で卵管因子を有する症例の子宮外妊娠率は卵管因子の無い症例に比べて高い.胚盤胞移植と子宮外妊娠の関連を検討した報告では,卵管因子をもつ症例では初期胚移植に比べ胚盤胞移植で子宮外妊娠の発生が少ないが,卵管因子を持たない症例ではこの傾向は認められない.卵管因子をもつ症例にARTを行う場合,移植時期を胚盤胞期にすることで子宮外妊娠の予防が期待される.
著者
木原 綾香 桑原 司
出版者
鹿児島大学
雑誌
経済学論集 (ISSN:03890104)
巻号頁・発行日
no.77, pp.71-99, 2011-10

2 0 0 0 OA 中等東洋史

著者
桑原隲蔵 著
出版者
大日本図書
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1898