著者
佐竹 利子 福森 武 劉 厚清 河野 元信 佐々木 泰弘
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.115-121, 2004-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2

玄米の水浸漬条件が, 米粒内のGABA (γ-アミノ酪酸) と遊離必須アミノ酸の生成量, 並びにビタミンB1とミネラルMgの含有量に及ぼす影響を明らかにし, 高い機能性を有する主食用米の調製加工技術の開発を図る。本報では浸漬工程における処理条件を解明することに主眼を置き, 続く蒸熱, 加湿熱風, 通風冷却, 精米, 通風乾燥の一連の工程については同一条件で処理した。試験の結果, GABAと遊離必須アミノ酸の生成量は浸漬条件によって大きく異なり, ビタミンB1とミネラルMgについては, 粒内各部位の含有率に変化が生じた。試験条件の範囲では, 水温30℃で2時間浸漬後に水切りし, 吸水玄米が乾かないようにして雰囲気温度30℃で22時間放置した場合に, GABAと遊離必須アミノ酸が最も顕著に増加し, ビタミンB1とミネラルMgと同様に胚乳部に移行することを認めた。
著者
森 武夫
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.31-41, 2019

<p>日本では古くから文学作品の中では心や魂のいろいろな面が書かれてきたが,心を科学的な目で見ることはなかった。明治維新以後,海外で心理学を学び帰国した教師たちによって心理学の研究や教育がなされるようになった。日本の大学で心理学を学んだ寺田精一は,刑務所にいる囚人の調査,研究により,多くの犯罪心理学の著書や論文を発表した。こうしたきっかけから内務省では多くの心理職員を嘱託として採用していたが,やがて正式の職員として採用するようになった。心理テストは精神科医による鑑定書に用いられた。</p>
著者
高橋 聡明 新谷 結衣 村山 陵子 野口 博史 阿部 麻里 Koudounas Sofoklis 仲上 豪二朗 森 武俊 真田 弘美
出版者
Japanese Society of Wound, Ostomy and Continense Management
雑誌
日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌 (ISSN:1884233X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.576-584, 2021 (Released:2021-11-10)
参考文献数
28

背景:末梢静脈点滴の合併症は、時には潰瘍化にいたる重要な問題である。血流の多い血管を使用することにより、合併症予防の可能性が示されてきたが、末梢静脈の血流測定方法は確立されていない。そこで本研究では健常者における超音波検査装置による上肢静脈血流量測定の信頼性妥当性検証を行い、血流量測定を行うこととした。 方法:対象は健常成人8人、上肢12本とした。上肢主要静脈である上腕尺側静脈、前腕橈側皮静脈、前腕尺側皮静脈、前腕正中皮静脈を測定部位とし、訓練を受けた看護師が測定を行った。並存妥当性の検証を行うため、従来手技である手動による測定とAuto Volume Flow(AVF)機能を用いて測定を行い、ピアソンの相関係数を計算した。評価者内信頼性検証として級内相関係数(ICC)を、既知集団妥当性として豊富な血流量が予測される上腕尺側静脈と前腕に位置する静脈を比較した。 結果:測定者内信頼性について、従来手技では、すべての測定の平均は25.5 ml/minで、ICC(1,1)(1,3)はそれぞれ0.91 (p<0.01)、0.97(p<0.01)であった。並存妥当性については、従来手技、AVF による測定との相関はr = 0.96(p<0.01)であった。既知集団妥当性として、前腕の主要静脈の血流量はいずれも上腕尺側静脈と有意な差を示した(p<0.01)。 結論:上肢末梢静脈の超音波検査装置による血流測定の信頼性および妥当性が示された。
著者
森 武夫
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.12-22, 1966

<p>Y-G test was performed to 224 adolescent boys between 14 and 19 years old. The results were analysed by ages and 4 criminal types, that is, larceny (L), bodily injury and violencies (V), extortion (E) and sexual misconducts (S). (Table 2)</p><p>We made "A" and "B" scales for discriminating the 4 types. "A" scales made of responses of over 50 % to every type. (Table 3) "B" scale made of the responses statistically significant to every type. (Table 4) Each scale gives 4 scores; L-score, V-score, E-score, and S-score per a delinquent.</p><p>Both scales discriminated the types with fairly good level, namely, the highest score tended to point out his misdeed. (Table 5 & 7)</p><p>This suggests that there is a new type of criminal theory which depends on the idea of vector.</p><p>In the future, the other types of criminal behaivor, as vectors, will be added to this study.</p>
著者
佐野 賢治 森 武麿 小熊 誠 内田 青蔵 安室 知 泉水 英計 森 幸一
出版者
神奈川大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

日系南米移民の生活世界の形成において本国の文化はどのような役割を果たし、また、新たな環境のもとでどのような変化を遂げたのか。本研究は、このような問いに対し、日本民俗学が東アジアで蓄積してきた知見と調査法をもって答える可能性を探求したものである。具体的な研究活動は、移民資料の現状確認に赴いたブラジル国サンパウロ州での2度の現地調査である。諸機関が収蔵する生活用具の保管状態を検分して登録記録を収集し、また、日系入植地を巡見して初期の入植者家屋や工場、宗教施設を見学しつつ古老の記憶の聞き書きをすすめた。その結果、本格的な調査研究を展開する適地としてレジストロ植民地が見出され、次期事業が策定された。
著者
西田 佳史 武田 正資 森 武俊 溝口 博 佐藤 知正
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.705-711, 1998-07-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
18 28

This paper proposes a monitoring system for a human respiration and posture in sleep using pressure sensor array. The proposed system consists of 221 pressure sensors (Force Sensing Resistors: FSRs) attached to the surface of the bed. Each sensor of the pressure sensor array is set 5 [cm] apart. The novel features of the proposed system lie in non-invasive and unrestrained monitoring of the human respiration and posture. Non-invasive monitoring eliminates the need for monitoring needles or catheters to invade the human body, sensors thus do not impose a physiological burden such as pain on him or her. In unrestrained monitoring, sensors and their electrical cords do not limit degrees of freedom of his or her movement. Unrestrained sensing therefore does not impose a psychological burden caused by the limitations on him or her. Experimental results demonstrate that the proposed system is feasible for monitoring a human respiration and posture for over 6 hours.
著者
佐竹 利子 福森 武 劉 厚清 目崎 孝昌 河野 元信 佐々木 泰弘 石渡 健一
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.117-124, 2004-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

玄米を微量加水 (玄米水分約17%以下までは加水速度約0.5%/h, 17%以上では0.5~1.2%/h) で水分23%程度まで調質し, その後約12h放置すると, GABA (γ-アミノ酪酸) 含有量が15~20mg/100gにまで増加し, しかも重胴割れ率が低いために搗精にはほとんど支障がなかった。この玄米を搗精した精白米 (精米歩留り約90%) と胚芽米 (精米歩留り約95%) のGABA含有量は, それぞれ玄米の約83%と約91%を示し, 高い含有量であった。これより, GABA成分が高くてしかも発芽玄米に比べて食べやすい高機能性米を調製加工できる新たな方法が見出された。
著者
目崎 孝昌 佐竹 利子 福森 武 池田 善郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.61-71, 2005-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

米粒における短時間の水の移動に関する研究は, 洗い仕上げ無洗米のような精米後の処理技術を開発するために重要である。米粒内への吸水速度は, 乾燥や精米後の表面処理状態によって大きく影響を受けることが予測される。しかしながら, 微視的な穀粒構造の中で水移動を観察することは困難であった。本研究では, 液体窒素による急速冷却効果を利用して, 浸透水の氷結晶化による微細構造の変化をとらえ, 精白米中の吸水現象を可視化することを試みた。その結果, 精白米のデンプン胚乳 (デンプン貯蔵組織) では, まず水は複粒デンプンを通過し, 二次的に単粒デンプンを通って浸透した。さらに, 白米表面に糊粉層を残すと穀粒への吸水が妨害されることが確認され, アリューロン層を残すことは水浸入の防止策となるものと考えられる。
著者
森 絵美 細谷 弓子 今井 靖 大橋 俊則 田澤 英克 馬渡 和真 森田 啓行 北森 武彦
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.461-468, 2015-06-05 (Released:2015-07-07)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

マイクロフルイディクス(微小流体工学)と熱レンズ顕微鏡を応用して酵素結合免疫測定(enzyme-linked immunosorbent assay: ELISA)をシステム化した新しい機能デバイス(μELISA)を開発した.μELISAは,これまでの研究成果で,ヒト血清でも優れた性能を発揮してきた.しかしながら,様々な患者検体でマイクロリットルオーダーの微量分析を行う場合には,患者ごとに異なる検体の成分組成や粘度の違いによる影響などが課題となる可能性がある.本研究では,測定対象とするマーカーをC反対性タンパク(CRP)として,実際の患者血清に対して考慮すべき測定条件を検討した.その結果,マイクロ流体系では検体に由来する影響があることが分かり,信頼性のある測定値を得るためには,緩衝液にて希釈をする必要があることが分かった.
著者
福井 類 勝代 雅行 森下 広 森 武俊 佐藤 知正
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.841-852, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

This paper proposes a system configuration method to realize a robot system which can perform daily-use object storage and management service in a living space. In the method, compliant mechanisms are utilized proactively to overcome position/posture errors and deviations in measurement or control phases. To validate the proposed system configuration method, we developed a home-use container transfer robot that is installed with (1) robust container handling mechanisms implemented by crank shafts and (2) passive compliant mechanisms for horizontal and inclination misalignment. The robot was integrated with a container position measurement system to perform experiments. Experiments confirmed that a robust container transfer motion can be realized without complex feedback measurement and control processes. Several key design points are also described to leverage mechanical compliance.
著者
森 武宏 小亀 英己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.898-901, 1993-06-25

カリトノフの定理は,70年代末に初めて報告された,どちらかと言えば古典的な内容の多項式の安定定理である.80年代半ばに至って,ロバスト制御理論の隆盛を背景に改めてその価値が見直され,ロバスト安定解析に関連したさまざまな研究の動機を与えてきた.また,その意味するところの大きさに比して定理自身は至って簡潔であるが故に,定理そのものが研究の対象となり多くの別途証明が提示されている.それらは,おおむね,周波数領域における議論に基づくものである.定理は多項式のフルヴィッツ安定性に関するものであるから,フルヴィッツの安定規範との関連が探られてしかるべきと思われるが,筆者らの知る限りこの線に沿った検討はいまだ報告されていない.本論文は,この課題に取り組んだ結果を報告するものである.すなわち,フルヴィッツ安定判別法を主要な道具にして,カリトノフの定理を証明する.フルヴィッツ規範のほかに,従前の多くの結果と異なり多項式の根とこの根における他の多項式の値の符号をもとにして求める結果が導かれてる.
著者
峰松 健夫 真田 弘美 森 武俊 仲上 豪二朗 野口 博史 玉井 奈緒
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

(1)スキンブロッティングの原理:角質細胞間脂質のラメラ構造の電子顕微鏡観察が必要であるが、従来の試料作製法では不可能である。そこで新たな試料作製法を考案し、通常電顕で観察ができることを明らかにした。また、タイトジャンクションについては、Claudin1の組織染色性が変化することからスキンブロッティングによる一時的な開裂が示唆された。(2)褥瘡の超早期発見を実現するためのスキンブロッティングに用いるバイオマーカーの選択を動物実験で行い、虚血・リンパ還流障害・虚血再灌流障害・組織変形を示すバイオマーカーとしてそれぞれPAI1、VEGF-C、IL1α、HSP90αを同定した。
著者
山本 雅一 森 武生 高橋 孝
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.941-941, 1991-09-25

第22回消化器病センター例会 平成3年1月27日 東京女子医科大学弥生記念講堂