著者
矢田 晋 大野 将樹 森田 和宏 泓田 正雄 吉成 友子 青江 順一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1894-1902, 2006-06-15
被引用文献数
3

接頭辞ダブル配列はトライを高速かつコンパクトに実現するデータ構造である.しかし,キーの削除によって配列中に未使用の要素が蓄積し,空間効率が低下するという欠点がある.また,更新時間が未使用要素の数に依存するため,削除による空間効率の低下は更新時間の悪化にもつながる.本稿では,未使用要素を増加させることなく接頭辞ダブル配列からキーを削除する手法を提案する.EDR電子化辞書の日英単語各10 万件に対する実験により,提案法は従来法と比べて約17?460 倍高速であり,高い空間効率を維持することが実証された.Minimal Prefix (MP) double-array represents a trie with two advantages 窶髏 a fast retrieval and a compact dictionary. However, a key deletion produces empty elements and degrades the space efficiency of MP double-array. In addition, the deletion speed of MP double-array is degraded by the key deletion because the deletion time depends on the number of empty elements. This paper presents an efficient deletion method for MP double-array. The method dynamically removes keys from MP double-array without increasing empty elements. From experimental results for the key set which consists of 100,000 keys, it turned out that the presented method is about 17窶骭460 times faster than the conventional method and maintains high space efficiency.
著者
榊原 保志 森田 昭範
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.901-911, 2002-11-30
参考文献数
13
被引用文献数
5

長野県白馬村において,ヒートアイランドの時間的な変化を検討するために,自動車による全73地点の移動観測を83回行った.ヒートアイランド強度は全測定地点のうち市街地気温の上位3地点の観測値の平均と郊外気温の下位3つの平均の差として求めた.さらに約1年間にわたり郊外の水田域中央部に臨時に設置した定点観測を実施し,市街地にある白馬アメダスの観測値との差をとることにより,都市と郊外の気温差を求めた.その結果,次のことが明らかになった.積雪期のヒートアイランド強度は他の時期よりも大きく,その変動も大きい.都市と郊外の気温差が大きくなる月は夜間(20時)においては1月,3月,4月と9月であり,日中では7月・8月が大きい.積雪期の気温差の日変化パターンはその他の期間と類似し,日の出後急激に小さくなり2〜3時間後には上昇に転じ,その後日の入り前後まで急激な増加は続く.灌水期の特徴は14時から15時において極大になる時間帯がある.気温差が最大になる時刻は日の出前ではなく,19時から22時が多い.
著者
酒井 悠輔 坂本 信介 加藤 悟郎 岩本 直治郎 尾崎 良介 江藤 毅 篠原 明男 森田 哲夫 越本 知大
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-65, 2013-06-30

飼育下でアカネズミ(<i>Apodemus speciosus</i>)の自然交配による繁殖を誘導できる飼育交配手法を検討した.巣穴環境を擬似的に再現することで繁殖が誘導できるとの作業仮説のもと,ケージ内の床敷きを覆うように板を設置した中蓋あり飼育ケージを考案した.季節的な環境要因の影響を考慮するため,自然環境温度・自然光周期条件である半野外飼育施設において中蓋あり条件と中蓋なし条件で交配実験を行った.さらに環境条件が一定の室内飼育施設においても中蓋あり条件で交配実験を行った.その結果,半野外飼育施設の中蓋なし条件で雌個体の妊娠が確認されたのは11個体中1個体で1例のみだったのに対し,同施設での中蓋あり条件では9個体中4個体で6例の繁殖が誘導された.さらに室内飼育施設での中蓋あり条件では10個体中4個体で12例の繁殖が誘導でき,繁殖したペアの多くが複数回の繁殖を行った.半野外飼育施設の結果から,飼育ケージに中蓋を設置し疑似巣穴環境を再現することで,飼育下においてアカネズミの繁殖が誘導できることが示唆された.さらに繁殖の誘導が困難とされてきた室内飼育条件においても,繁殖に適した物理環境条件下であれば中蓋を用いることで繁殖を誘導できることが明らかとなった.これらのことから,飼育下における本種の繁殖誘導には飼育ケージに中蓋を設置するという簡便な手法が有効であると考えられる.<br>
著者
漁淵 弘樹 軽部 紘典 鈴木 篤人 小森谷 哲哉 森田 登 上野 貴博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.57-60, 2009-02-27

電気摺動接触機構は,静止物体から移動物体(回転物体)への電流通電を行なう機構である.そこには機械的に接触する真実接触面が存在し,例えば,モーターの整流子とブラシ間に存在している.しかし,現在においても接触点の解明はされていないのが現状である.そこで本研究では,接触面の発熱および応力による変形に着目し静止状態における実験と解析を行なうことで接触現象解明のアプローチを目的とした.
著者
白石 成二 森田 克也
出版者
独立行政法人国立がん研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、がん患者のオピオイドに対する感受性の低下とmiRNAの変化の関係を明らかにすることである。乳がん骨転移痛モデルラットを作製し、miRNAの変化を解析した。対照と比較して2倍以上増加したmiRNAは56個で、1/2以下に減少したのは9個であった。この異常miRNAのうちlet-7についてμオピオイド受容体をDAMGOで刺激した時の活性と細胞膜での発現に対する影響を検討したが、ばらつきが多く一定の結果に至っていない。他の異常miRNAにはmiR-20a、miR-21、 miR-23b、 miR-133a、 miR-133bなどが含まれていた。
著者
森田 健太郎
出版者
産業医科大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

1型糖尿病患者は現在増大しており、その原因の1つに環境因子が考えられている。日本では2000年以降黄砂の飛来が急増している。黄砂は浮遊粒子状物質であり、大気環境基準物質に指定されているが、糖尿病発症の環境因子になりえるかどうかは未だに不明である。そこで、本研究では、発症機序の異なる2種類の1型糖尿病モデルマウスの系を用いて黄砂が1型糖尿病に及ぼす影響を検討した。その結果、黄砂は1型糖尿病モデルマウスの系に依存して増悪因子とも抑制因子ともなりえることが示唆された。しかし、どのようなメカニズムによってこのような相反する結果が生じたのかは不明であり、今後さらなる検討が必要である。
著者
田中 雅一 江田 憲治 小池 郁子 高嶋 航 上杉 妙子 金 柄徹 田辺 明生 福浦 厚子 森田 真也
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究プロジェクトの目的は、ナショナリズムや国民国家創出との関係で論じられてきた軍隊をトランスナショナルな視点から分析することにある。対象は、在日・在韓米軍を含むアジアの軍隊に限り、歴史・人類学的なアプローチをとる。自衛隊のイラク派兵の影響から在韓米軍の再編による地域への影響に至るまで、その研究成果は多岐にわたる。基地反対運動や平和運動もまたトランスナショナル化していることが明らかになった。
著者
森田 ひろみ
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2010-2012
著者
森田 喬
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は地図学分野に大きな影響を与えてきたフランスの地図学者ジャック・ベルタン氏(2010年没)の地図学理論を系統的に整理することにより、デジタル化による地図制作という今日的なコンテクストの中で再評価しようというものである。地図学理論の文献収集については一般的な文献検索および研究所の年次活動報告書によった。体系化については、英国の地図学会誌に論文を掲載した。再評価については、ベルタン理論が強調する地図記号の一義性・多義性の区別の重要性を古代の岩絵地図まで遡って確認した。また、近年開発された作図システムによりベルタン理論のデジタル処理への親和性を確認した。ベルタン理論は一般化に向かっている。
著者
森田 寛二
出版者
判例時報社
雑誌
判例時報 (ISSN:04385888)
巻号頁・発行日
no.1183, pp.p172-178, 1986-05-01
著者
森田 一 奥村 学 東中 竜一郎 松尾 義博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 自然言語処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.1-6, 2012-11-15

Twitter 上の対話はチャットのログ等とは異なり,発話にはリプライやリツイートといった明示的な形で他の発話と関連していることを示す情報が含まれる場合がある.そのため,これらの情報を積極的に利用することが Twitter 上の発話間の関係を同定する際には重要となる.関係の同定によく用いられている Markov Logic Network (MLN) 上で Twitter 特有の情報を利用し,発話間の関係の有無とその種類の同定を行うモデルを提案する.一方,発話系列には長さに制限がなく非常に長い対話となることもしばしば存在する.このような長い発話に MLN を適用する際に, MLN が大きな問題に対しては計算が困難であることが問題となる.本稿では MLN に対して SVM における動的素性に対応する動的述語を導入することにより,分割した系列に対して近似的に推論が行えるように MLN に対して拡張を行う.