著者
酒井 志延 中西 千春 久村 研 清田 洋一 山内 真理 間中 和歌江 合田 美子 河内山 晶子 森永 弘司 浅野 享三 城一 道子
出版者
日本リメディアル教育学会
雑誌
リメディアル教育研究 (ISSN:18810470)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.9-20, 2010-03-31

In this paper, 3587 college students from 13 universities were divided into three groups depending on their English proficiency, and their perceptions of language study were investigated through seven scales adapted from past literature studies. The result shows that one of the major factors which differentiate the upper from the middle and lower percentile groups is the use of meta-cognitive strategies: the lower English proficiency the learners have, the less often their use of meta-cognitive strategies becomes. It is assumed that this phenomenon is caused by learners' stages of development of meta-cognition. Accordingly, in order to improve English proficiency of the middle and lower percentile groups, it is crucial to nurture their meta-cognition.
著者
杉山 芙美子 長谷中 利昭 安田 敦 外西 奈津美 森 康
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

阿蘇-4巨大噴火(89 ka)と阿蘇-3噴火(123 ka)の間には,何枚かのテフラ(A, B, C, D, , , M, N, α,β,,,η)が記載されている(小野ほか,1977).このうちAso-ABCDテフラは最上位に位置し,一連の噴火の産物だと考えられている.長橋ほか(2007)はAso-ABCDテフラ年代を97.7 kaと見積もっている.テフラの等層厚線から給源は阿蘇カルデラ内・中央火口丘群の南側に推定され(小野ほか,1977),噴出物の体積は3.5km3と見積もられている(町田・新井,1992).阿蘇-4火砕噴火の直前には大峰火砕丘の噴火とそれに伴う高遊原溶岩の流出が起こった.溶岩とそれを覆う阿蘇-4テフラの間に土壌を挟まないので,大きな時間間隙は考えられない.噴出物の体積は2 km3である.阿蘇-4後の中央火口丘群の活動中,最大の珪長質マグマの噴火は3万年前の草千里ヶ浜火山の軽石噴出で,体積は1.4km3(宮縁ほか,2003)に過ぎないので,阿蘇-4噴火前にある程度の大きさの噴火が続いたことがわかる.阿蘇カルデラ東方約20 kmの大分県竹田市荻町野鹿の露頭で阿蘇-4火砕流堆積物直下に層厚3mの降下軽石層と降下火山灰層の互層として露出するAso-ABCDテフラの軽石および火山灰を採集し,岩石記載および全岩XRF分析,鉱物のEPMA分析および鉱物中のメルト包有物のFT-IR分析をした.斑晶鉱物組合せは斜長石,斜方輝石,単斜輝石,マグネタイトで,阿蘇-4に普通にみられる普通角閃石は含まれなかった.軽石の全岩化学組成(SiO2= 63-66 wt.%)はKaneko et al. (2007, 2015) の阿蘇-4ではなく阿蘇-3組成トレンド上にプロットするものが多かった.斜長石や輝石に含まれるメルト包有物組成はSiO2=70-72 wt.%に集中し,Aso-3の組成とほぼ一致した.斑晶鉱物のコアの組成は,斜長石An40-64,斜方輝石Mg# =70-74,単斜輝石Mg#= 74-81であった.ホストの鉱物組成がAn40-61,斜方輝石Mg#=73-76,単斜輝石Mg#=76-79に対応するメルト包有物の含水量は1.0-4.8 wt.%と見積もられた.ホスト単斜輝石組成と含水量から見積もられる温度は860-950℃,圧力は1.1-2.7 kbar(Putirka,2008)であった.マグマ溜りの深度は地表から約3-9 km下となり,この深度は須藤ほか(2006)の草千里マグマ溜り深度6kmと一致する. 古川ほか(2006)は阿蘇-3,阿蘇-4間のテフラ組成,推定温度,推定含水量,推定酸素分圧が漸次変化していくことを示したが,本研究ではAso-ABCD組成はAso-3の組成に近いことが分かった.阿蘇-4噴火の9千年前にはAso-4組成のマグマ溜りはまだ存在していなかったか,あるいはAso-ABCDとは独立して相互作用なく成長していたことが考えられる.
著者
堀江 祐範 神原 辰徳 黒田 悦史 三木 猛生 本間 善之 青木 滋 森本 泰夫
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.237-243, 2012-09-01

日本や米国を含む諸外国の宇宙機関の国際協力のもと,月面に基地を造り宇宙飛行士が長期間滞在する計画を検討している.月表面には隕石の衝突や宇宙風化により生じた月レゴリスと呼ばれる微粒子が堆積しており,微小重力下の月面での作業においては,月面の粒子状物質の有害性評価が重要であるが,その報告は少なく,特にアレルギーとの関連についての報告はない.月レゴリスの化学組成は.SiO_2がほぼ半分を占め,その他Al_2O_3,CaO,FeOなどが含まれる.宇宙飛行士が月レゴリスの吸入により花粉症様の症状を呈したとの報告があるほか,地球上で類似の組成を持つ黄砂ではアレルギーの増悪効果が報告されており,月レゴリスはアレルギー増悪効果を示す可能性がある.月レゴリスと類似の組成を持つレゴリスシミュラントを卵白アルブミンと共にマウスの腹腔内に投与した試験では,アレルギー増悪効果は認められなかったが,今後吸入モデルなどによるさらなる検討によって,月レゴリスの安全性を確認することが重要である.
著者
永森 光晴
巻号頁・発行日
2014

科学研究費助成事業 研究成果報告書:基盤研究(C)2011-2013 課題番号:23500295
著者
森岡 俊介 上田 博唯
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.457, pp.37-41, 2011-02-28

カメラとプロジェクタをキッチンカウンタの上方に設置し、カメラにより得た、その食材の大きさや位置や傾きなどの情報を使って食材に対してプロジェクタから必要な情報を重畳表示するような新しい調理支援システムを提案する。本研究ではこのようなカメラとプロジェクタを使ったシステムではどのような調理支援システムを実現することができるかについて述べ、試作例を示して、その有効性を検証する。
著者
島森 哲男
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 = Bulletin of Miyagi University of Education (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.333-352, 2015-01-28

武田信玄は漢詩を17首残している。本稿はその校訂、注釈、現代語訳である。これらの注釈作業を通じて、我々は武田信玄の中国文学とりわけ宋詩に対する該博な知識と、日本の五山文学からの影響・継承関係、そして日本の王朝文学の流れを汲む伝統的な花鳥風月の美意識を窺い知ることができる。
著者
福山 佑樹 森田 裕介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.365-374, 2014

社会的ジレンマにおいて協力行動を取ろうとする「道徳意識」を獲得するためのカードゲーム教材である「The irreplaceable Gift」を開発した.ゲームは,参加者にこれまでのゲームでは体験できなかった「社会的ジレンマによる悪影響の時間的遅れ」を体験させ,協力行動を取ろうとする道徳意識を獲得することができるようにデザインされた.「The irreplaceable Gift」を用いた実験群と,「時間的遅れ」の要素を除いたゲームを用いた統制群との比較実験の結果,本ゲームの参加者は「道徳意識」を獲得しており,その獲得はゲーム終了時のリフレクションを通して「未来への世代」への影響を参加者が判断した結果によることが示唆された.
著者
倉田 和夫 島森 功
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement2, pp.5-10, 2006 (Released:2010-08-25)
参考文献数
1

本稿は、CG、Webデザイン、映像編集などコンピュータを使うデジタルデザイン分野において共通するスキルとしてプログラミング能力が要求されるようになってきていることから、情報系の短期大学でデザインを専攻する学生へのプログラミング入門教育の新しい試みとしてCGソフトPOV-Rayを使ってプログラミングの思考法を理解させる教育事例を報告する。
著者
太田 裕也 金岡 晃 森 達哉
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT) (ISSN:21888671)
巻号頁・発行日
vol.2016-SPT-17, no.19, pp.1-6, 2016-02-25

視覚障害者や高齢者は今日の情報社会における基本ツールであるパソコンやウェブの利用においてハンディキャップを抱えている.このようなハンディキャップを技術的手段によって克服するためには,アクセシビリティの確保が急務である.一方,そのようなハンディキャップを持つユーザに対してもセキュリティを確保する必要がある.しかしながらアクセシビリティとセキュリティがどのような相関を持つかは自明ではない.本研究は特に視覚障害者に焦点をあて,アクセシビリティとセキュリティの相関に着目する.そのような視点に基づく研究は非常に数が少なく,著者らが知る限り唯一の例が 2015 年に米シラキュース大学の研究者らによって報告されている [4].本研究は上記の先行研究をベースとして,異なる人種,異なる言語,異なる支援ツールにおいても同様の結論が得られるかを検証する.具体的には 10 名の視覚障害者と 9 名の健常者からなる被験者グループを構成し,ウェブサービスの認証にかかわる操作をする際の成否や成功するまでに要する時間を計測する.実験の結果とインタビューを通じた質的分析を組み合わせ,認証を必要とするウェブページを利用する際に障害者が経験する困難性や解決すべき技術的課題を明らかにする.また,先行研究になかった新規な知見として,視覚障害者の中でも異なる世代間では結果に大きな差異が存在することを示す.