著者
森 一郎
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.19-40, 1995-03-08

Since Heidegger made his unique interpretation of Nietzsche public, the image of Nietzsche as "the last metaphysician in the Occident" has spread widely. Indeed, this was Heidegger's great contribution. However, Nietzsche has many puzzling masks and is much greater than Heidegger explained. Indeed, Heidegger was, as one of the post-Nietzsche generation, deeply influenced by Nietzsche. The purpose of this study is to elucidate the remarkable motives inherited from Nietzsche which appear in Heidegger's main work, Being and Time. Above all, Nietzsche's radical 'anti-humanism,' concentrated in his idea of the "superman," is the hidden background of Heidegger's existential analytics of "Dasein." We can recognize this clearly in the fact that both philosophers call into question the specifically modern concept of 'death' as the worst anti-human evil.
著者
古川 綾 浅田 美子 森 貴幸 井上 岳 厚田 幸一郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.2, pp.251-258, 2016 (Released:2016-02-01)
参考文献数
12

The Asheville Project® began in 1996 in Asheville, North Carolina, where community pharmacists, in collaboration with physicians, provide health coaching to patients with lifestyle diseases to accomplish their improved self-management of the disease. The project has now widely expanded across the United States. With periodical coaching by pharmacists, according to the reports of these programs, patients have been reported to show improvements in self-management and laboratory data, including the number of doctor visits, medication adherence and the number of foot examinations. Economically, the total medical costs for this disease have decreased 34% over a 5-year period by complying with the Asheville Project. In implementing this model in Japan, various questions, such as the feasibility for busy pharmacists to expend 30-60 min for meeting individually with patients, effective collaboration between pharmacy and physician, patients' acceptance of support by pharmacists to modify their behavior, etc. had to be answered. Thus, we developed a program entitled, “A Health Coaching Program by Community Pharmacists in a Collaborative Practice,” aimed at preventing the aggravation of lifestyle diseases; we evaluated its feasibility for the above mentioned concerns. The content of this coaching program has been prepared with reference to the Asheville Project® and with the support of Kitasato University School of Pharmacy and the Iowa Pharmacy Association, USA. We herein introduce this coaching program, as well as what the pharmacists have learned through this program.
著者
大森 睦美 占部 和敬 辻田 淳 内 博史 幸田 太 師井 洋一 古江 増隆
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.17-20, 2009

73歳,女性。初診の8ヶ月前,顔面中央に青灰色の色素沈着が出現し,次第に体幹,手掌に拡大した。受診時,顔面,胸部,上背部,両手掌外側に青灰色の色素沈着を認めた。病理組織学的に汗腺や毛包周囲に黒褐色粒子の沈着を多数認めた。詳細な問診により初診の3ヶ月前まで約3年間,口内炎に対して連日硝酸銀を含む口腔含嗽液を使用していたことが判明し,銀皮症と診断した。診断後,外来にて3年間の経過観察を行っているが全身の色素沈着は軽快していない。
著者
前田 智子 浅川 具美 森田 尚文
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1139-1148, 1999

スポンジケーキは卵の起泡性を利用した菓子であり焼成後のケーキの組織や品質に生地中の気泡が与える影響は大きいと考えられる.そこで焼成前の生地の気泡, すなわち卵泡沫にバターを直接添加し, 泡沫の性状におよぼすバター添加温度の影響を明らかにした.泡沫は, 卵黄と卵白の両者を含む混合卵泡沫 (卵黄80g, 卵白120g), 卵黄のみの卵黄泡沫 (卵黄80g, 蒸留水105.6g), 卵白のみの卵白泡沫 (卵白80g, 蒸留水40.8g) の3種類を調製した.バターの添加量は30, 50,809とし添加温度は40, 75, 98℃とした.また対照としてバター無添加のものを調製した.<BR>(1) バター添加温度が高くなると, 混合卵と卵黄泡沫の比重および気泡力変動率は小さく, 戻り液量は少なくなり気泡保持と泡沫安定性が高まった.<BR>(2) バター添加温度が高くなると, 卵白泡沫の戻り液量は多くなり泡沫安定性が低下した.<BR>(3) 混合卵泡沫の安定性には卵黄, 卵白単独ではなく, 乳化性の高いLDLを含む卵黄と, 泡沫安定性の高いオボアルブミンを含む卵白と両方の存在が必要であると考えられた.<BR>以上の結果から, 混合卵に高温のバターを添加すると乳化安定性に優れたLDLを含む卵黄が, 油脂となじみの悪い卵白泡沫の破泡を抑制する.さらに卵白よりも低温で完全凝固する熱凝固性に優れた卵黄は, 若干の熱変性を生じ, 気泡膜を強化する結果, 泡沫安定性を高めると推察される.また, 卵白泡沫は油脂 (バター) の添加によって不安定とはなるが, 本来卵黄よりも泡沫安定性の高いオボアルブミンを含む卵白の存在は, 高温のバターを添加された混合卵泡沫の安定性には不可欠であると考えられる.このような卵黄, 卵白両成分の相互作用を考えると, スポンジケーキの調製において高温のバターを添加することは卵黄, 卵白両成分を別々に取り扱う別立て法ではなく, 両者をあらかじめ混合し泡立てる共立て法に用いることが特に有効であると推察される.したがって, 共立て法により調製された生地中の気泡保持と焼成中のケーキバッターの膨化は, 高温のバターを添加することによってより高められると推察され, これは前報の結果をさらに裏付けるものと考えられた.

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著者
森本順三郎 著
出版者
森本順三郎
巻号頁・発行日
vol.〔3〕 木曽義仲記, 1888
著者
野澤 智 原 良紀 木下 順平 佐野 史絵 宮前 多佳子 今川 智之 森 雅亮 廣門 未知子 高橋 一夫 稲山 嘉明 横田 俊平
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.454-459, 2008 (Released:2008-12-31)
参考文献数
9
被引用文献数
5 9

壊疸性膿皮症は,稀な原因不明の慢性皮膚潰瘍性疾患で小児例もわずか4%であるが存在する.クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患,大動脈炎症候群(高安病),関節リウマチなどに合併する例もあるが,本症単独発症例が約半数を占める.壊疽性膿皮症の標準的な治療であるステロイド薬,シクロスポリンに抵抗を示す難治例に対し,近年タクロリムス,マイコフェノレート・モフェチール,そして抗TNFαモノクローナル抗体の効果が報告されている.今回,壊疽性膿皮症の12歳女児例を経験した.合併する全身性疾患は認められなかったが,皮膚に多発する潰瘍性病変はプレドニゾロン,メチルプレドニゾロン・パルス,シクロスポリンなどの治療に抵抗性で長期の入院を余儀なくされていた.インフリキシマブの導入をしたところ潰瘍局面の著しい改善を認めた.最初の3回の投与で劇的な効果をみせ,投与開始1年3ヶ月後の現在,ステロイド薬の減量も順調に進み,過去のすべての皮膚潰瘍部は閉鎖し,新規皮膚病変の出現をみることはなく,経過は安定している.壊疽性膿皮症にインフリキシマブが奏効した小児例は本邦では初めての報告である.本症難治例に対するステロイドの長期大量投与は,小児にとっては成長障害が大きな問題であり,長期入院生活は患児のQOLを著しく阻害する.本報告により小児壊疽性膿皮症の難治例に対する治療に新しい局面を切り開く可能性が示唆された.
著者
森 一郎(1962-)
出版者
東京女子大学論集編集委員会
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.1-25, 0000

In On Revolution Hannah Arendt interprets Melville's Billy Budd, Sailor as a tragedy of natural goodness beyond virtue, and she then proceeds to describe "The Grand Inquisitor" in Dostoyevski's novel The Brothers Karamazov as another classical story of the political consequences of the French Revolution. According to Arendt, Dostoyevski contrasts the mute compassion of Jesus with the eloquent pity of the Inquisitor. Compassion, to be stricken with the suffering of someone else as though it were contagious, and pity, to be sorry without being touched in the flesh, are not only not the same, they may not even be related. While compassion never appears on the public scene, pity can succeed in entering the market-place. Pity as a boundless sentiment, however, invades and destroys every political sphere where men should act and speak to each other deliberately and dispassionately. Is there not such a "bond" of human community that can be the alternative of compassion? Arendt refers us to the very principle that inspires and guides people's actions: solidarity.ハンナ・アーレントは『革命について』のなかで、メルヴィルの『ビリー・バッド』を、徳を超えた自然的善の悲劇だと解し、次いで、ドストエフスキーの小説『カラマーゾフの兄弟』中の「大審問官」を、フランス革命の政治的帰結に関するもう一つの古典的物語として描くことへと向かう。アーレントによれば、ドストエフスキーは、イエスの無言の同情を、大審問官の雄弁な哀れみと対比させている。同情とは、まるで伝染するかのように他人の苦悩に打たれることであって、哀れみとは、肉体的には動かされないままかわいそうに思うことであり、両者は同じものでないばかりか、互いに無関係ですらある。同情は公的舞台に現われることが決してないが、哀れみのほうは、市場に登場することができる。しかしながら、哀れみは、際限のない感傷として、人々が熟慮のうえで冷静に活動し合い言論を交わすべき政治的領域に侵入し、これを破壊してしまう。同情の対案となりうるような、人間共同体の「絆」はないのだろうか。アーレントは、連帯こそ、活動を鼓舞し導くそのような原理なのだ、と指摘する。
著者
青森市新町尋常小學校 編
出版者
東文舘
巻号頁・発行日
1937
著者
森田 茂
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 ドイツ語学・文学 (ISSN:09117202)
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-49, 2000

はじめに1.タシロ3世追放後2.ル-トヴィヒ2世ドイッ人王3.皇帝アルヌルフ4.マジャール人5.西方世界の論理6.プレスブルクの戦い7.アルヌルフ悪玉公8.ハィンリヒ1世とリァデの戦い9.オットー1世とバイエルン公ハィンリヒ1世10.レヒフェルトの戦いおわりに
著者
川西 直 カミル アブドルハミド アマド 宮森 良昌 楠田 厚史 川原 圭博 大橋 正良 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.79, pp.55-59, 2010-06-10

本稿で我々は,クラウドコンピューティングやソフトウェア無線技術といった各種仮想化技術をフル活用し,ニーズに応じて柔軟にネットワークの構築が可能な,オープンな移動通信システムの構想について述べる.我々の提案するオープンな移動通信システムでは,移動通信システムを構成するトランスポート・ストラタムやサービス・ストラタムなど全てのストラタムにわたった仮想化を想定し,事業者の需要にあわせて仮想化されたストラタムのイメージをインスタンス化することによって,柔軟なネットワークの構築を実現しようとしている.
著者
松本 悠貴 石竹 達也 内村 直尚 石田 哲也 森松 嘉孝 星子 美智子 森 美穂子 久篠 奈苗
出版者
Japan Society for Occupational Health
雑誌
産業衛生学雑誌 = Journal of occupational health (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.154-164, 2013-09-20
被引用文献数
2

<b>目的:</b> 睡眠は単に睡眠時間のみで良好か不良かを判断できるものではなく,睡眠の導入や維持といった睡眠の質,就寝時刻や起床時刻といった規則性まで考慮しなければならない.しかしながら,それらすべてを一度に評価できる指標は現在のところ存在しない.本研究は睡眠の規則性・質・量の3要素を評価するための質問票を独自に開発し,その信頼性と妥当性の検証を行うことを目的とした. <b>対象と方法:</b> 対象は製造業およびサービス業に従事する日勤労働者563名(男性370名,女性193名)で,平均年齢は40.4歳であった.先行研究および専門家との討議を参考に,規則性・質・量それぞれ7項目,計21項目からなる質問紙を作成・編集した.まず項目分析を行い,その後因子分析にかけて構成概念妥当性を検証した.信頼性はクロンバックα信頼性係数を算出して求めた.また,主成分分析およびクラスター分析にて標準化・分類を行い,生活習慣や日中の眠気,ストレス,持病の有無などを比較することにより,判別的妥当性の検証を行った. <b>結果:</b> 項目分析および因子分析にて,21項目中6項目が除外対象となったが,予測通り規則性・質・量の3因子構造が得られた.α信頼性係数はそれぞれ0.744,0.757,0.548であった.量因子として作成した2項目が規則性因子として抽出されていたが,それ以外は予測通りの因子として抽出された.入眠困難,熟眠障害,中途覚醒,早朝覚醒はすべて質因子として一定の負荷量を示していた.判別的妥当性については,最も点数の高いグループで健康意識が高くストレスや日中の眠気を感じていない者の割合が有意に高かった.一方で,最も点数の低いグループではストレスや持病などの睡眠障害リスクファクターを有している者の割合が有意に高かった. <b>考察:</b> 今回我々が開発した質問票にて,睡眠の規則性・質・量における構成概念妥当性が示された.しかしながら,分析過程にて不適切と判断され除外された項目や,予測していた因子とは異なる因子として抽出された項目が存在し,信頼性および内容的妥当性については課題が残った.今後これらの質問項目について再度編集・改訂し,より信頼性・妥当性を高めていく必要がある.また,年齢や性等による影響を除いたより詳細な判別的妥当性の検討も要する.
著者
山田一宏 森口草介 渡部卓雄 西崎真也
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.505-506, 2011-03-02

我々は,Morrisの2分木走査アルゴリズムのCによる実装を対象として,証明支援系を用いた正当性の検証を試みた.本論文はその手法と結果に関する報告である.Morrisのアルゴリズムは,ポインタの書き換えを行うことで再帰やスタックを用いずに2分木走査を行う方法のひとつである.また他のポインタ反転法と異なり節点に印を付けるためのビットを設ける必要もないのが特徴である.我々は,入力および走査結果についての仕様を事前・事後条件として与え,C用の検証支援ツールであるCaduceusによって検証条件を生成した.ループ不変条件は必要に応じて適宜与えた.生成された検証条件を自動検証ツールSimplifyおよび証明支援系Coqを用いて証明した.