著者
横山 智 YOKOYAMA Satoshi
出版者
岩波書店
雑誌
科学 (ISSN:00227625)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.1228-1234, 2018-12
著者
横山 輝雄
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.2_1-2_11, 2009 (Released:2010-02-15)
参考文献数
16

Neuroscience is now very popular and many research projects are going. The purpose of this paper is to examine what kind of ideology is required to promote neuroscientific research. Aim of applied science is easily understood by society. In the case of pure science or basic science, the aim is “to reveal the truth”. But such abstract idea is not sufficient to get financial support from society. Genetics has an ideology of “gene reductionism”. Dawkins coined the term “selfish gene” and it had a strong influence in society. Neuroscience needs such kind of ideology and term to appeal to society.
著者
清水 賀之 畠山 信夫 花村 英悟 渡部 一雄 横山 由香 益山 忠
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.135, no.7, pp.52-62, 2019-07-31 (Released:2019-07-05)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Flow characteristics of slurry with rare-earth rich mud are investigated to examine lifting systems for mining rare-earth elements from deep seabed. Twelve samples, extracted from different locations and depths from seabed around the Minamitorishima with several concentration of rare-earth elements are mixed up with sea water to make slurry with specified volume concentration of mud 1.0% to 10.0%. Cone-plate type rotary viscometers are used to examine relations between shear stress and shear rate of slurry in each volume concentration of mud. As a result, it was found that shape of graph; the shear stress in the vertical axis and the shear rate in the horizontal axis was concave down and increasing during whole range of the shear rate. The shear stress increased gradually as the shear rate increased in case of low volume concentration of mud up to 3.0%. On the other hand, the shear stress changed significantly at small shear rate, and then gradually increased, then lineally in the end in case of larger volume concentration. In addition, similar characteristics under the same volume concentration, even though tested samples were extracted from different locations, depths and concentration of rare-earth elements. Further, three types of fluid model; the Power low model, the Bingham-Papanastasiou model and the Herchel-Bulkley-Papanastasiou model were fitted on the data using the least square techniques, then compared with each other. The last two models, i.e., the Bingham-Papanastasiou model and the Herchel-Bulkley-Papanastasiou model corrects deviations from the data when using “original” the Bingham model and the Herchel-Bulkley model, especially in the range of small shear rate under high volume concentration of mud. The Herchel-Bulkley-Papanastasiou model was the most appropriate model within the three models. Furthermore, correlation equations for parameters of the HerchelBulkley-Papanastasiou model were derived related to volume concentration of mud.
著者
下畑 享良 久保 真人 饗場 郁子 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001533, (Released:2021-01-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.
著者
佐賀 信之 森田 哲平 新井 豪佑 徳増 卓宏 幾瀬 大介 石部 穣 笹森 大貴 横山 佐知子 五十嵐 美紀 横井 英樹 岩波 明
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.751-759, 2016 (Released:2017-06-08)
参考文献数
28
被引用文献数
2

2014年4月より2015年3月までの1年間に昭和大学附属烏山病院を初診し,DSM-IV-TRの診断基準によってADHD(注意欠如多動性障害)と診断された成人ADHD患者54名(男性30名,女性24名,平均年齢29.4±7.9歳)を対象とした.うつ病など他の精神障害の診断を受けているものは被験者54名中4名であった.被験者らに知的な遅れはなく平均15年の高等教育を受けていた.全被験者に対し,次の評価尺度を施行した.抑うつ症状については,SDS(Self-rating Depression Scale)を,不安症状についてはSTAI(State Trait Anxiety Inventory),ADHD症状の程度については,CAARS-S(The Conners' Adult ADHD Rating Scales),自閉症スペクトラム障害の症状の程度についてはAQ(Autism-Spectrum Quotient),知的機能についてはJART(Japanese Adult Reading Test-25)で評価を行った.その結果,被験者らの抑うつ症状は日本人の神経症圏における抑うつの度合いと同程度であった.不安症状は,STAIの段階IVに相当する高い不安であった.自閉症的傾向は健常人より有意に高かった.項目間の相関をSpearmanの相関係数を用いて解析を行うと,ADHD症状と抑うつ症状の間には,弱いが有意な正の相関がみられた.ADHD症状と不安症状の間には,中程度の有意な正の相関がみられた.本研究の被験者の多くは気分障害や不安障害の診断を受けていないが,それでも,被験者が有する不安症状や抑うつ症状の程度は,健康人のそれと比して高いものであった.さらに,ADHD症状が強い場合,不安症状や抑うつ症状が強くなる可能性があることが示唆された.
著者
水野 杏一 山下 毅 小原 啓子 船津 和夫 近藤 修二 横山 雅子 中村 治雄 影山 洋子 本間 優 前澤 純子
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.547-552, 2016 (Released:2016-11-01)
参考文献数
25

最近特定の職業と肥満の関連が指摘され、職業習慣病という言葉も聞かれている。エンジニアはパーソナルコンピュターなどの使用時間が長く、肉体的活動が少なく、不規則な生活、職場のストレスなどにより肥満が多いと報告されている。これらの研究は断面調査なので、エンジニアという職業が肥満を引き起こすのか、エンジニアを目指す若者がすでに肥満なのか明らかでない。そこでエンジニア会社の入社時健診を解析することにより既に肥満が入社前より存在しているか検討した。対象はエンジニア関連会社に平成27年度に入社する20歳代の男性(エンジニア予備軍)179人で、平成26年度国民健康・栄養調査(国民調査)から同年代の男性257名、および非エンジニア企業に入社する同年代男性新入社員49人と比較した、BMI 25以上の肥満の割合はエンジニア予備軍で30.2%、国民調査で20.9%、非エンジニア18.4%で、肥満の割合はエンジニア予備軍で対照群より約10%高かった。エンジニア予備軍で血圧上昇、耐糖能異常、脂質異常症の動脈硬化危険因子を持つ割合は肥満者が非肥満者に比べ有意に高かった(P<0.001)。肝機能異常を持つ割合も同様であった(P<0.001)。腹囲85cm以上の内臓肥満を有するのはBMIによる肥満者の94.4%におよんだ。しかし、メタボリック症候群を有するのはエンジニア予備軍で3.4%、エンジニア予備軍の肥満者でも11.1%で国民調査の同年代2.2%と比べ有意な差はなかった。以上、エンジニア予備軍は入社前から肥満が存在していた。若年者の肥満は後に認知症になりやすいこと、メタボリック症候群は多くなかったが、若年者の肥満者は将来メタボリック症候群になりやすいことなどより、肥満に対して早期の介入が必要である。その際、肥満の管理を個人のみに任せるのではなく、社員の健康を重要な資産とみなす健康経営が浸透してきているので、企業の積極的な介入が入社時より望まれる。
著者
横山 真男
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-99, no.12, pp.1-2, 2013-05-04

フランスにおける重要なヴァイオリン弓製作者であるトルテ以降、今日でなお実用されている弓の製作者にはペカットやサルトリといった著名な製作者がいるが、各製作者によるヘッドの形状やパーツの削り方、装飾などに特徴があり、演奏者の弾き心地や音色に大きく影響している。本研究では、そういった製作者の特徴の違いによる操作性に着目し、弓性能計測装置を使用し弓の構造的、力学的な特性を測定し、また弓の特性の違いによる演奏者の操作性や音響への影響を調査した。
著者
森 修一 加藤 三郎 横山 秀夫 田中 梅吉 兼田 繁
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.27-44, 2003 (Released:2007-11-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究1、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。本稿では湯の沢部落の歴史を描き、その変遷の過程における住民たちの努力、キリスト教者たちの活躍を描くと共に、国家によるハンセン病政策の変遷、特に明治期からの隔離政策と湯の沢の関係が密接である点を示した。またここに、逆境下でも人間はいかに生きようとするのか、何を望むのかを描き、自由療養地の価値をそこに示した。
著者
森 修一 加藤 三郎 横山 秀夫 田中 梅吉 兼田 繁
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.47-63, 2004 (Released:2007-11-30)
参考文献数
26

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究I、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。本稿では戦後、栗生楽泉園から始まる患者運動を通して、湯の沢で培われた精神は楽泉園内でも生き続け、患者運動の戦端を開き、「特別病室」を廃止、職員の不正を暴き、やがて多磨全生園と共闘し、「全国癩療養所患者協議会」を生み、絶対隔離政策と対峙する力を形成する様相を描いた。併せて、「特別病室」設置の背景、戦中を中心としての療養所内の混乱の様相とその要因を述べた。
著者
森 修一 加藤 三郎 横山 秀夫 田中 梅吉 兼田 繁
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.11-25, 2003 (Released:2007-11-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究I、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。本稿では湯の沢部落がどのようなコミュニティーであったのかを概説した。ここで見る湯の沢部落は、病者の集団というイメージではなく、一般人のコミュニティー以上に活気があり、自治のシステム、施設等が完備された先進的なコミュニティーであった。
著者
吉田 真 吉田 昌弘 横山 茜理
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学生涯スポーツ学部研究紀要 (ISSN:18849563)
巻号頁・発行日
no.9, pp.111-120, 2018

背景と目的:多くの競技者は膝前十字靭帯再建術(ACLR)後9〜12ヶ月で競技復帰する。受傷前と同じレベルで競技復帰が成功する者もいる一方で,競技復帰後に不幸にも再受傷する者もいる。本症例報告の目的は,反対側のACLRに続いて2回目のACLRを経験した女子バスケットボール選手における競技復帰までのアスレティックリハビリテーションの過程を再考することである。症例情報:20歳女子バスケットボール選手は2年前,18歳の時,ハムストリングスの自家腱を採取した右ACLRを経験した。今回の受傷は2回目のACL損傷であり,2on2の練習中ステップ動作で急激にストップ動作をしようと左足を接地した瞬間に発生した。2回目のACLRもまた同側の半腱様筋と薄筋の自家腱を用いたSTG法で施術された。症例の目標は,膝を気にせず全日本大学バスケットボール選手権に出場することであった。術後3ヶ月の時点で,ランニングが許可され,ジャンプ,ステップ,アジリティ,プライオメトリクスエクササイズのようなアスレティックリハビリテーションは,難易度,反復回数,強度に関して徐々に展開された。選手はACLR 後9ヶ月でバスケットボール競技に完全復帰した。アウトカム:等速性筋力測定がACLR後の競技復帰における客観的指標の一つとして行われた。これらのデータでは,ハムストリングスの筋力低下やHQ比が0.6未満であったことが示された。考察:2回目のACL断裂の原因は不明である。機能的なパフォーマンスや等速性膝筋力測定の結果から,3回目のACL断裂の可能性を否定できない。そこで,再受傷予防のために,両側のハムストリングスの筋力強化,大腿四頭筋とハムストリングスの急速な筋収縮能力の向上,そして神経筋制御能力の改善が必要である。
著者
永沼 充 横山 章光
出版者
帝京科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究ではロボット犬を用いた歩行リハビリテーションを提案し評価している。アニマルセラピーの動物をロボットに置き換えることにより、感染症、給餌・排泄、動物虐待などアニマルセラピー普及上の問題点を回避できる。患者は加速度センサー、タッチパネル、重心動揺計などを介して自らロボットを操るので、ICT技術により、検出・記録・処理といった新たな機能が付加される。提案の重要な点はリハビリ訓練における主客の交代である。患者は自らが操作してロボットを歩かせるので結果的に自己効力感が高まりリハビリが長続きする。老人ホームなどでの予備的な検討では有効性が認められ、より定量的な研究へと展開できることが明らかになった。
著者
安藤竜生 横山真男
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.47-48, 2013-03-06

本研究は、トイレ利用時に用いられる流水音の音消し装置として、従来あるような水が流れる音を被せて音消しをする方法ではなく音楽を利用することを検討した。流水音に対してどういったジャンルの音楽が適合するかを調査するために、擬音による音消し以外にどのような音楽が代用出来るかを検討するためにジャンルの選定を行った。音楽には様々なジャンルがあるが、本研究ではジャズ、カントリー、雅楽、ヘビィメタル、クラシック、J-POPといったジャンル間の差が分かりやすい代表的なものにジャンルを絞った。一方、音消しの対象となる流水音としてはコップに注ぐ音、水洗トイレのフラッシュ音を取り上げ、これらに上記ジャンルを重ね合わせて評価実験を行った。
著者
横山 宏美 金本 勇
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.165-167, 1997-03-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
3

離乳時から嚥下困難を呈した雄のパピヨン種5ヵ月齢, 体重1.1kgに対して, X線透視像ビデオ撮影検査を行った. 輪状咽頭筋の弛緩が悪く, 咽頭の収縮と輪状咽頭筋の弛緩に協調性が認められなかったことから, 輪状咽頭筋の機能障害と診断した. この症例に対し, 輪状咽頭筋切開術を実施したところ, 良好な経過をたどった.
著者
澤 由貴 周本 剛大 横山 岳生 三井 一鬼 兼島 孝
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.15-19, 2020 (Released:2020-03-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

掻痒性皮膚炎をシクロスポリンA(CyA)で治療していた,去勢オス,8歳のスコティッシュフォールドが慢性の消化器症状を主訴に来院した。A/G比の低下,抗猫コロナウイルス(FCoV)抗体価の上昇を認めたため,免疫力低下からのFCoV持続感染を疑いCyAを休薬した。その後,掻痒の管理が困難になったためにオクラシチニブを使用したところ,消化器症状は改善して抗FCoV抗体価も低下した。しかし1年半後に腎臓に腫瘤を認めリンパ腫と診断したため使用を休止した。オクラシチニブは猫の掻痒性皮膚炎に効果を示すが,高用量投与時の免疫抑制には注意すべきだと考えられる。
著者
飯島 佐知子 横山 和仁
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.305-312, 2018 (Released:2018-09-29)
参考文献数
50
被引用文献数
1 6

The factors contributing to the declining birthrate in Japan include the declining marriage rate, an increase in the average age of those getting married, economic burden, childcare burden, later child-bearing, and infertility. There is a gender difference in role division, with 70% of unmarried people live with their parents and continue to work while leaving the household chores to their mothers. The loss of these housekeeping services and the increase in the number of irregular workers are factors contributing to the declining marriage rate and the increase in the average age of those getting married. The expansion of the family support policy in Japan from the male breadwinner model to the earner-career model may have been delayed, but it is expected to provide economic benefits as well as actual childcare service benefits in order to reduce the economic and physical burden of childcare for married couples. It is also necessary to provide education in reproductive health to both men and women in schools and workplaces regarding late child-bearing and infertility. Furthermore, it is necessary to evaluate the cost-effectiveness analysis of improvements in fertility and disclose the relevant information in addition to sharing information on medical technology related to pregnancy/childbirth and treatment of diseases. It is urgent to prepare society for natural and healthy pregnancies/childbirths during optimal child-bearing years.
著者
根地嶋 誠 横山 茂樹 田中 正直 大城 昌平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.88, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】臨床上、徒手的に筋圧迫することによって関節運動時における疼痛が軽減することを経験する。このような筋圧迫が筋活動に及ぼす影響について検討した報告は少なく、筋圧迫が筋収縮や筋緊張にどのような影響を与えるかということは明らかではない。そこで本研究では、大腿直筋において徒手的な筋圧迫によって大腿四頭筋の筋活動に及ぼす影響について検証する。【方法】対象は下肢に障害のない健常男性10名(平均年齢23.7±1.3歳)とした。測定筋を右側の内側広筋、外側広筋、大腿直筋とし、十分な皮膚処置後、電極中心間距離20mmにて、各筋腹の中央に貼付した。測定肢位はサイベックスを用いた端坐位における、股関節80度屈曲位、膝関節60度屈曲位とした。まず膝伸展時最大等尺性収縮(MVC)におけるピークトルクの測定を3秒間3回行い、最大値(PT)を求めた。次に(1)60%PT時の膝伸展時等尺性収縮をおこなった場合と(2)筋圧迫を加えた上で60%PT時の膝伸展時等尺性収縮をおこなった場合について筋活動を測定した。なお、60%PTは視覚的フィードバックとし、目標値に達した時点から3秒間計測し、3回施行した。このとき足関節は背屈とし、両上肢は備え付けのハンドルを握り、可能な限り上体を動かさないよう指示した。また圧迫方法は、一名の理学療法士が一側の母指を使用し、部位は大腿直筋の電極間中心部より5横指下、強度は痛みが出現しない程度、方向は筋走行に対し垂直に圧迫を加えた。なお、実験に先立ち、課題遂行の正確性、圧迫強度の程度を確認した。解析方法は、キッセイコムテック社製BIMUTAS2を用い、各条件の収縮した3秒間のうち中央2秒間の積分値を算出、3回の平均を求めた。次に、得られた各筋におけるMVC時の積分値を基準に正規化し、%IEMGとして表した。圧迫の有無による影響を比較するためWilcoxon の符号付順位検定を用い、有意水準は5%未満とした。【結果および考察】内側広筋と外側広筋における筋圧迫の有無による差はみられなかった。一方、大腿直筋は筋圧迫を加えることよって%IEMGが有意に低下した(p < 0.05)。これは、筋圧迫により筋の形態や筋内圧が変化したことで、筋活動が抑制されたものと推察される。また大腿直筋を圧迫した場合、圧迫しない場合より低い値を示した症例が10名中9名存在したが、この中で内側広筋、外側広筋のいずれか高まった症例が7名存在した。これらのことから大腿直筋を徒手的に筋圧迫することによって大腿直筋の筋収縮は低下するとともに、内側広筋もしくは外側広筋の筋収縮が高まることによって筋出力が変化したと推察される。