著者
武藤 孝司
出版者
公益財団法人 産業医学振興財団
雑誌
産業医学レビュー (ISSN:13436805)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.155-178, 2022 (Released:2022-01-13)

健康増進法に基づいた政策「健康日本21(第二次)」では、健康増進の主要な目標である健康寿命の延伸を図るために、生活習慣病の予防と社会生活上必要な機能の維持及び向上などが必要とされている。具体的な取り組みでは地域における活動だけでなく職域での産業保健活動も期待されている。全国民の約半数にあたる約6,000万人の労働者を対象として行われている産業保健活動に関する学術論文を検討した結果、産業保健活動が日本国民の健康寿命延伸に寄与している可能性が示された。
著者
菊田 和代 三田村 仰 武藤 崇
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.331-343, 2016-09-30 (Released:2019-04-27)
参考文献数
10

本事例では、うつ病と診断され、社会人になってから30年間にわたって抑うつ感や不安感を抱えてきた男性に、臨床心理士がアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を行った。男性は特に出勤のしづらさを訴え、認知行動療法(CBT)を受けることを希望していた。男性の不安・抑うつ症状は軽度残存しており、自分の能力に関する思考や不安を一時的に回避するための行動が日常的に用いられていた。男性は、自身の業務上のパフォーマンスや他者評価をさほど偏りなく認識していたが、それらの認識は男性の行動に影響を与えておらず、活動内容が固定されていた。セラピストはACTの初心者であり、本事例の中でクライエントとともにACTの実際をさらに学ぶことができたので、それを報告し考察する。
著者
武藤 三代平
出版者
北海道大学大学院文学研究科北方研究教育センター
雑誌
北方人文研究 (ISSN:1882773X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.49-68, 2019-03-25

明治中期に設立された北海道協会について、これまでの研究では北海道拓殖事業における後援団体、拓殖専門の政策団体、あるいは貴族院議員らの利益代表団体といったように、論者によって評価が分かれている。北海道協会の活動が政治、経済、拓殖事業、移民奨励事業、出版事業、あるいはアイヌ保護活動といったように広範囲に及んでおり、先行研究はその一側面を対象とし、局所的に評価したものが多数を占めている。これは基本的な協会の性格と組織構造が提示されていないことが原因といえる。 本論では明治中後期を対象とし、北海道協会の基礎的な組織や人的構成、活動内容とその経過を検討する。そのうえで協会の外郭団体としての多面的な性格を提示する。検討にあたり、協会を主導した近衛篤麿、行政側から協会を支えた北垣国道をキーパーソンとし、協会の成立からその盛衰を射程とした。その際、「内務省(中央官庁)― 北海道庁(地方官庁)― 北海道協会(民間)」という「官民調和」の政治構造に焦点をあてる。協会の成立により、民間レベルでの利害を行政に意見することが出来、一方、貴衆両院議員や官吏など、公的な地位を有する者が協会員となることで、行政機構の内外に渡る活動が展開できた点を解明した。また帝国主義下での人種競争という概念のもと、協会が行ったアイヌに対する活動も検討対象とした。こうした北海道協会の基礎的な性格を提示することは、それ以後に続いた植民地経営における外郭団体の祖型を考究することに結びつく。
著者
武藤 二郎
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.325-336, 1989-03-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
76

Chinese Medicine helps to normalize and stabilize autonomic nervous system imbalances and endocrine and metabolic disorders.In the field of oto-rhino-laryngology, Chinese Medicine is very effective when it is applied according to the traditional Chinese medical diagnoses for: 1) Abnormal sensation in the pharynx in patients with autonomic dysfunction. 2) Chronic inflammation. 3) Recurrent otitis media and pharyngitis. 4) Tinnitus, vertigo and dizziness with circulatory disturbances.
著者
稲橋 正明 武藤 貴史
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.824-835, 2008-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4

きょうかい酵母を使用して, ふと疑問に思ったこと, これでいいのかな?と抱かれた数々の疑問が協会によせられる。そのような問い合わせの中から多くの方々にとって参考になりそうな事例をまとめていただいた。きょうかい18m号酵母に対するQ &Aが中心になってはいるが, 他の酵母や一般のもろみ管理に関しても示唆を与えてくれる一文である。
著者
茂本 由紀 武藤 崇
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.3-14, 2018-01-31 (Released:2018-06-18)
参考文献数
23

本研究は、茂本・武藤(2017)が開発した漢字迷路課題を改良し、関係フレーム反応の測定指標としての妥当性、および抑うつ的反すうの測定指標としての適用可能性を検討することが目的であった。漢字迷路課題を中性語のみで構成された迷路と抑うつ語のみで構成された迷路の両方を含むように改良し、抑うつ語の反応時間から中性語の反応時間を減じた反応時間の差分を算出した。関係フレーム反応の妥当性の検討では、漢字迷路課題の反応時間の差分とIRAPのDIRAP得点との相関を求め、刺激の機能変換を測定する自己評定尺度の高群と低群との間で、反応時間の差分に差があるかどうかを検討した。また、抑うつ的反すうの測定指標としての適用可能性の検討では、抑うつ的反すうを評価する自己評定尺度による高群と低群の反応時間の差分を分析した。その結果、漢字迷路課題の反応時間の差分が、関係フレーム反応測定指標として妥当であることは示されなかったが、抑うつ的反すうの測定指標として適用可能であることが示唆された。
著者
保田 静江 武藤 正 中岡 洋子 山下 朋子 岡村 好孝 柏木 哲夫 内藤 俊一
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.222-228, 1982-08-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
4

Brompton mixture was used for reducing the pain in cancer patients at the terminal stage. The mixture was effective in treatment and caused no adverse reactions, such as cloudiness of consciousness, personality deviation, and psychological dependency and tolerance. Some patients were able to take the mixture orally until the day just before death. The effectiveness of the Brompton mixture was investigated on 34 patients. It was considered that the increase in dose to reduce a pain might be due to the increase of pain associated with exacerbation of cancer and/ or malabsorption of morphine rather than drug tolerance to morphine. Morphine concentration in plasma of a patient with pain well-controlled by the mixture was about 0.4μg/ml. Adverse reactions of the Brompton mixture were decreased in parallel with the use of prochlorperazine and other drugs.
著者
住浦 誠治 山本 学 長弘 行雄 池田 慶裕 武藤 正記
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.828-831, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
12

(目的)ばね指に対するトリアムシノロン腱鞘内注射後に屈筋腱断裂をきたした症例を経験した.(症例)37歳,男性.左小指の弾撥現象と疼痛を生じ,近医でトリアムシノロン腱鞘内注射を2回施行され症状消失した.半年後に再発.他医でさらにトリアムシノロン腱鞘内注射を3回行い症状は消失していた.最終腱鞘内注射後6カ月,力を入れた際,急に音がして左小指DIP関節が屈曲できなくなった.腱移植により深指屈筋腱の再建を行った.その際腱鞘にはトリアムシノロンと考えられる白色沈殿物の沈着が認められた.腱剥離術後3カ月で可動域はFull Rangeとなった.(考察)腱鞘炎にトリアムシノロンが著効するとして臨床の場では多く使用されている.しかし合併症として皮膚炎,脂肪萎縮,腱断裂が報告されている.しかし腱断裂の報告は稀である.本症例では結晶誘発性腱鞘炎を併発しており,トリアムシノロンの腱自体の直接作用により腱の脆弱性をきたと考える.
著者
小島 世大 石槫 隼人 坂田 美和 武藤 敦子 森山 甲一 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1E2OS3a04, 2019 (Released:2019-06-01)

近年ICカードの普及に伴い、ICカートのログデータを用いた人の行動分析に関する研究がされている。本研究では、非負値多重行列因子分解 (Non-negative Multiple Matrix Factorization,NMMF)を用いたユーザの行動パターンを抽出し、因子行列を用いたクラスタリングし、クラスタリング結果を用いて決定木学習によるパターンと属性情報の関係を分析する手法を提案する。最後に、我々は提案手法を用いて入退室データの分析を行い、その有効性を確認する。
著者
菅原 尚子 武藤 泰明
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_211-2_226, 2021-04-01 (Released:2021-04-26)
参考文献数
15

One of the authors has analyzed the relationship between playing and spectating sports behavior during school-hood by setting adult sports spectating behavior as an explained variable, and confirmed a certain relationship. The purpose of this study was to clarify what timing of school-age the groups which come into contact with sports tend to continue or resume spectating sports in adulthood, based on the theory of carry over effect. The data was secondarily obtained from the research conducted by the Japan Volleyball League organization through an online survey. The respondents were asked whether or not they had experienced spectating or playing sports at each school-age stage (elementary school, junior high school, high school and university). Spearman′s rank correlation coefficients between spectating or playing sports in each school-age and the behavior modification stage of spectating were calculated, and Fisher's z-transformation and Bonferroni correction were used to evaluate the significance of difference in correlation coefficients for each school-age. As in the previous research on playing sports, the results revealed that spectating in university indicated significantly higher correlation with the behavior modification stage of current spectating, compared with other school-ages. In some cases of excluding the group that had been spectating since school-age, the correlation coefficients between spectating in elementary school/junior high school and the behavior modification stage of current spectating showed significant differences in comparison with other ages. This suggested that past experience may be carried over and facilitate resumption of spectating in adulthood, even when interrupted. Our results suggest that sports organizations are required to have a medium- to long-term perspective that takes into account the re-socialization of spectators while consciously targeting the school-age in which significant tendency is confirmed.
著者
武藤禎夫著
出版者
東京堂出版
巻号頁・発行日
1970