著者
武藤 泰明
出版者
Japanese Association for Sport Management
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.61-76, 2011-11-30 (Released:2011-12-21)
参考文献数
6
被引用文献数
1

As well known, Nihon Sumo Kyokai, a foundation running Grand Sumo, is now confronted with a crisis by scandals. It seems that the Kyokai does not have abilities for management. However, at the same time, it seems that the financial performance of the foundation is stable and sound, and if it were, managerial abilities of the foundation should not be entirely denied.The purpose of this paper is to inspect and verify the stability and soundness. At first, 10 years' financial statements are examined from the viewpoint of “income and expenses”, cash flow, balance sheet and net asset. Second, changes of the business are examined collating with financials. As a result, it is found that the financial performance of the foundation is stable and sound, and the business structure and decision making of the foundation has risk-avoiding characteristics. These characteristics made the finance stable and sound. However, at the same time, it seems that the foundation has no means of increasing its revenue except ticket sales. There fore, it will be difficult to recover from the financial damage of cancellation of regular tournament, as a consequence of the lack of governance.
著者
中田 明里 山本 綺羅 福士 小春 武藤 日菜向
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-07-04

1.研究目的及び調査方法三島市の楽寿園内にある小浜池は湧水によって形成され、古くから人々の生活と密接な関係があるがその水位変化は謎が多い。よって、水位変化の原因と小浜池湧水の周辺水脈との関係性を降水量,電気伝導度(以下EC)の2点から考察した。三島市と御殿場市の過去(1958-2019年)のアメダス気象データ、小浜池(1958-2019年)と伊豆島田浄水場(2004-2019年)の地下水のデータを用意した。続けて、①谷津(長泉)②富沢不動【愛鷹山】③窪湧水【黄瀬川】④谷田押切⑤竹倉【箱根】⑥小浜池⑦蓮沼川⑧菰池⑨三島梅花藻の里⑩源兵衛川⑪白滝公園⑫柿田川【三島溶岩=富士山】⑬伊豆島田浄水場(【】内は水脈を示す)以上13地点で採水し、ECを、マルチ化学センサ2(島津理化)を用いて測定したのちGISを利用して地図上に示した。 2.調査結果と考察2-1 湧水のECについてECについては①④⑤の愛鷹山と箱根由来の地点で高い傾向がみられ、反対に全体として三島溶岩由来と伊豆島田浄水場で低い傾向がみられた。ECの差の原因は三島溶岩と箱根系の溶岩の新旧の違いに関係すると考えられる。一般的に溶岩が若いほど地下水の流動速度が大きいこと、岩石から溶け出すイオンの量が流動時間に比例することから、より古い箱根溶岩と愛鷹山の水脈においてECが高い傾向が見られたと考えられる。したがって、古い溶岩の水脈と比べてECが低い伊豆島田浄水場の水は三島溶岩系、つまり小浜池と同水脈だと考えられる。 2-2 小浜池の水位変化パターンについて(1)水位0mを超えると伊豆島田浄水場の水位変化に比べ、小浜池の水位上昇が鈍くなった。0mを超えると湧水が拡散するためだと考えられる。したがって、地下水の増減と小浜池の水位の増減を同等のものとすることはできない。(2)降水量と小浜池の水位変化の関係を明らかにするため、2019年に発生した台風19号以後に着目してグラフを作成した。11月17日から18日にかけての御殿場市の降水量と小浜池の水位変化に相関性はないことに加え、御殿場市は小浜池が在る三島市から32.9kmあることから短期間(1~2日)では影響しないとした。(3)小浜池の近くにある説明の看板に水位が150㎝を超えると満水とし、7~8年に一度満水になると書かれていたため、1958~2018年の小浜池の最高水位をグラフ化し事実を検証した。結果、満水である150㎝をこえた年は不定期であり7~8年に一度満水になるという記述は誤りであった。また、1970年までは毎年満水になっていたが1970年以降は満水にならない年が多くみられた。 (4)2011年を境に小浜池の平均的な水位に変化がみられた。同年3月11日三陸沖を震源に発生した東日本大震災を原因とした地層の変化が影響したと考えられる。 3.今後の課題2-2(1)について、湧水の拡散の事実を検証するため小浜池の水位が最下点に達する春頃に湧き出し口の調査を行う。2-2(2)で述べた考察に加え、御殿場市の降水量と小浜池の水位変化の関係性の濃度をより明らかにするには長期的なデータの比較が必要である。2-2(4)で記した考察を裏付けるために、同時期の他条件(気温や地下水の増減)を調べる必要がある。 4.参考文献 三島市オープンデータ https://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn017227.html気象庁 http://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html伊豆島田浄水場水位のデータ 謝辞 本研究を進めるにあたり、伊豆半島ジオパーク推進協議会事務局専任研究員、鈴木雄介様に多大なご協力を賜りましたことを深く御礼申し上げます。
著者
松岡 勝彦 佐藤 晋治 武藤 崇 馬場 傑
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.25-34, 2000-09-25 (Released:2017-06-28)

研究の目的 行動コミュニティ心理学による身体障害者用駐車スペースの違法駐車の軽減を実証的に取り扱った研究知見を応用し、点字ブロックに近接して置かれた迷惑車両(自転車とバイク)に対して、注意を促すポスターを掲示することの効果を検討することを目的とした。研究計画 場面間マルチ・ベースライン・デザインを用い、ベースライン、介入、プローブを実施した。場面 A大学図書館、講義棟、研究棟駐輪場付近の点字ブロック周辺であった。対象者 主に上記の場所を利用する学生、職員(教官含む)であった。介入 不適切駐輪の定義とその防止を呼びかける内容のポスターを、図書館と講義棟に掲示した。図書館では北側入口ドアおよび南側入口ドアの2か所に、講義棟では南側入口ドアおよび西側入口ドアの2か所に掲示した。ただし、研究棟(統制用)には掲示しなかった。行動の指標 点字ブロックに近接して置かれた迷惑車両(台数)を従属変数とした。結果 講義棟では、ベースラインにおける不適切駐輪台数は、平均11.6台であった。ポスターを掲示した介入条件での平均台数は7.3台となり、プローブでのそれは平均3.8台であった。介入を行わなかった研究棟(統制条件)では、全期間での平均不適切駐輪台数は4.3台であった。ポスターを掲示した2か所(図書館と講義棟)のうち、講義棟については効果が見られたが、図書館については、さほど効果は見られなかった。結論 不適切駐輪の防止を呼びかけるポスターを掲示することにより、不適切な駐輪台数が減少した。ただし、このことはポスターを貼付した場所(建造物の機能)によって効果が異なっており、今後はより効果的な介入方略について検討する必要がある。
著者
武藤 文人
出版者
東海大学海洋学部
雑誌
東海大学紀要. 海洋学部 (ISSN:13487620)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.11-20, 2013-03-10

The historical acquisition of a Chinese character for tuna species in Japanese language is reviewed by examining ancient and recent literatures. A set of six Chinese characters identified as tuna and other species first appeared in around 1000 B.C. This study found historical changes of meanings of these Chinese characters express tuna species in the modern era. Findings from this study may open the door to identify historical uses and status of fishery resources from paleographical archives.漢字の鮪が日本でマグロ類を示すようになった経緯を日中の主な古典籍や本草書から追跡した.鮪とその関連漢字は紀元前1,000年の「周禮」にすでに現れ,続いて「詩経」,「爾雅」,「説文解字」にも見られたが,これらに魚種特定につながる情報はなかった.3-4世紀の「爾雅注」のころから魚種が特定される記述が現れ,諸文献の鮪とその関連文字は中国産のチョウザメ類3種のシナヘラチョウザメPsephurus gradius,ダブリーチョウザメAcipencer daburianus,カラチョウザメA. sinensisのいずれかと考えられた.鮪の字の示すと思われる魚種は文献毎に異同があるが,「經典釋文」の記述はシナヘラチョウザメによく合致し,これを「本草綱目」などの諸文献が継承したと考えられた.漢字は大陸から淡水大型魚の乏しい日本に導入され,そのうち鮪の字は記紀万葉の時代には海産大型魚の「志毘=しび」を指すようになった.江戸期には鮪はマグロ類を示すようになったが,一部の本草学者は,本来の鮪が日本産魚類に合致しないことに気がついた.しかしその魚種特定には至らないか,あるいはカジキ類等に誤った特定をした.鮪が本来示していた魚種の,分類学的な観点からの推定は長らく行われなかったが,「本草綱目」が和訳された際に,その解説で木村重がシナヘラチョウザメと比定した.木村の研究系譜は,マグロ類の研究者の岸上鎌吉と深い関係があるが,鮪の魚種推定への岸上の関与の確証は得られなかった.
著者
宮本 真吾 石川 秀樹 若林 敬二 酒井 敏行 武藤 倫弘
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.29-33, 2016 (Released:2016-02-26)
参考文献数
25

要約:症例対照研究やコホート研究ではアスピリンの常用者は大腸がんの発生頻度が低いことが多数報告されている.ランダム化比較試験においても,アスピリンは大腸がんの前がん病変である腺腫の発生を予防することがメタ解析レベルで示されている.大腸がんに関しては,これまで明らかではなかったが,アスピリン介入試験の終了後,長期間追跡すると大腸がんの発生を抑制することが示された.以上は欧米のデータであるが,日本でもアスピリンを用いた大腸がん予防を目的とした2 つの二重盲検無作為割付試験が報告されており,現在ではアスピリンの実用化に向け,最適化に関する大規模試験が行われている.本稿では,アスピリンの大腸がん予防介入試験の現状を紹介するとともに,アスピリンの標的として可能性のある血小板と大腸がんとの関連性について考察する.
著者
中井 俊一 佐藤 正教 武藤 龍一 宮腰 哲雄 本多 貴之 吉田 邦夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.228, 2013 (Released:2013-08-31)

漆はウルシ属樹木であるウルシが分泌する樹液を脱塵,脱水などの処理をした後,空気にさらし,酸化酵素ラッカラーゼの働きにより硬化させ,塗料や接着剤として用いられてきた.ウルシ属の樹木は日本の他,中国,ベトナム,タイなどに自生している.現在,日本の漆工芸で使われている漆は大部分が中国,ベトナム産である.日本では縄文時代早期の遺跡から,漆塗の髪飾り,腕輪などが出土し,古い時期からの利用を示している.漆塗料の産地を決めることができれば,漆文化の起源や,時代による交易圏の変遷を考える手がかりになりうると予想できる.漆の主成分である有機化合物の分析により,日本産の漆をタイ,ベトナム産のものと区別することはできるが,日本産の漆を中国,韓国産のものと区別することはできない.そこで土壌の源岩の年代により変動する87Sr/86Sr同位体比を用いて漆の産地推定を行うことを検討してきた.
著者
橋本 知幸 數間 亨 武藤 敦彦 皆川 恵子 永廣 香菜 當山 啓介 足立 雅也 池田 文明 駒形 修 冨田 隆史 森川 茂 澤邉 京子
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.7-12, 2015-03-25 (Released:2015-09-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

A field evaluation of the acaricidal effect on ticks was conducted in Chiba Prefecture in 2014. Eleven formulations of organophosphates and pyrethroids, including emulsifiable concentrate (EC), flowable (FL), dust and CO2 gas formulation, were evaluated simultaneously. These formulations were respectively applied to zones 2 m wide by 17–60 m long with dosages between 0.05–0.25 g AI/m2, which are the recommended dosages for cockroach control in buildings. The numbers of ticks collected by the dragging method with flannels were compared between pre- and post-treatment. The genus Haemaphysalis and Amblyomma were captured during the test period. All the formulations drastically suppressed the tick density on day 1. High reduction rates of more than 90% were observed until day 4 in all formulations, and persistence for at least for 31 days was recognized in fenitrothion EC, FL and fenthion dust. Phenothrin CO2 gas formulation that flows in the air with little residue in the soil or on foliage also yielded a long suppression effect at a dosage of 0.05 g AI/m2. Tick infestation from outside the test plot seemed to be feeble after the treatment. These results suggested that all the formulations achieved superior suppression effect on the ticks.
著者
武藤 友和 板倉 直明 水戸 和幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.52, pp.25-29, 2010-05-14
参考文献数
8

本研究では、三次元動作分析装置と床反力計を使用してハイヒール使用時の階段降段動作への影響について検討した。ハイヒール熟練者は、階段降段時に安定性よりも速度を優先させる。結果として、膝関節・足関節の負担が増大していることが示唆された。
著者
武藤 直一
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.663-666, 2018
著者
張 成年 今井 正 池田 実 槇 宗市郎 大貫 貴清 武藤 文人 野原 健司 古澤 千春 七里 浩志 渾川 直子 浦垣 直子 川村 顕子 市川 竜也 潮田 健太郎 樋口 正仁 手賀 太郎 児玉 晃治 伊藤 雅浩 市村 政樹 松崎 浩二 平澤 桂 戸倉 渓太 中畑 勝見 児玉 紗希江 箱山 洋 矢田 崇 丹羽 健太郎 長井 敏 柳本 卓 斎藤 和敬 中屋 光裕 丸山 智朗
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.674-681, 2018-07-15 (Released:2018-08-31)
参考文献数
31
被引用文献数
3

スジエビには遺伝的に異なる2タイプ(AとB)が知られているが,簡便に判別できるマーカーがない。18S rDNAの塩基配列に基づき,これら2タイプを判別するマルチプレックスPCRアッセイを考案した。日本における本種の分布範囲を網羅する152地点で採集した422個体を分析したところ,各タイプ特有の断片を併せ持つ個体,すなわちヘテロ型は観察されず,AとBタイプは生殖隔離しているものと考えられた。両タイプとも全国的に分布するがAタイプは河川及び湖沼に分布する一方,Bタイプは河川のみで見られた。
著者
猪谷 富雄 建本 秀樹 岡本 実剛 藤井 一範 武藤 徳男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.540-543, 2002-08-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
10 23

有色米および白米6品種の抗酸化活性を,スーパーオキシドアニオン消去およびDPPHラジカル消去の評価系を用いて測定し,それらに含まれるポリフェノール色素の局在性や化学的性状を解析した.(1) 赤米(「ベニロマン」,「総社赤米」),紫黒米(「朝紫」,「中国黒米」)および白米(「コシヒカリ」,「中生新千本」)の計6品種のうち,玄米の有する抗酸化活性はいずれの方法においても赤米,紫黒米が白米に比べて著しく高かった.(2) 全品種とも果・種皮,つまり糠層からの抽出物が最も高い抗酸化活性を示し,精白米部からの抽出物には殆ど活性は検出されなかった.このことより活性成分は果・種皮に局在することが示唆された.(3) 両評価法で求めた抗酸化活性の間には高い相関性(r=0.908)が確認された.この活性は総ポリフェノール含量をよく反映しており,活性本体はポリフェノールであると考えられた.分光学的解析から,赤米はタンニン系色素を,また紫黒米はアントシアニン系色素を主要なポリフェノールとして含有することが明らかになった.
著者
亀垣 航 森山 甲一 武藤 敦子 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2P203, 2018 (Released:2018-07-30)

リアルタイム戦略ゲームでは、人間の能力に合わせてコンピュータの認識能力に制限をかけた条件下では、人間のプレイヤーに勝利することは困難である。 常に多くのパラメータがごくわずかな時間で変動し続けるため、限られた時間内で膨大な量の情報を処理して行動を選択することが求められるからである。 モンテカルロ木探索の計算時間を増加させることで行動選択能力の向上が見込まれるが、ゲーム環境の変化への対応が遅れてしまい、悪化する可能性が推測される。 本論文では、応答時間を延長させることによって、モンテカルロ木探索の探索時間増加による行動選択能力の向上と、ゲーム環境の変化への対応能力である即応性の兼ね合いを観察する。