著者
大島 孝一 柳田 恵理子 武藤 礼治
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.114, no.11, pp.1939-1947, 2017-11-05 (Released:2017-11-05)
参考文献数
15
被引用文献数
1

消化管原発悪性リンパ腫は,節外性リンパ腫の最も多くを占め,その大半が非ホジキンリンパ腫で,ホジキンリンパ腫は非常にまれである.また,消化管悪性腫瘍の約1~2%が悪性リンパ腫とされていて,節外リンパ腫の30~40%を占める重要な疾患である.臓器別では胃が最も多く,次いで小腸,大腸の順で,食道のものはまれである.組織型としては,MALTリンパ腫,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫が多い.また,濾胞性リンパ腫が認識されるようになり,増加している.最近,比較的予後のよい低悪性度消化管T細胞性リンパ増殖症や,リンパ腫様胃腸症/NK細胞性腸管症が認識されている.
著者
武藤 美穂子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.813, pp.2965-2975, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
39

Sannai is a unique work-live settlement specially developed for practicing Tatara ironmaking. The objective of this article is to explore the domestic history of Important Tangible Folk Cultural Property, Sugaya Tatara Sannai Ironmaking Village, the only surviving example of its kind. However, the life history associated with the ironmaking practice is not fully interpreted today. This article focuses on alterations of dwelling units at Sangen Nagaya, the middle-class company accommodation, to analysis the process of modernisation in their kitchen spaces and the housework of female members who supported the ironmaking industry and the following charcoal production.
著者
片平 建史 武藤 和仁 李 奈栄 飛谷 謙介 白岩 史 中島 加惠 長田 典子 岸野 文郎 山本 倫也 河崎 圭吾 荷方 邦夫 浅野 隆
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.563-570, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

In the present study, the subjective evaluation experiment for abstract 3D shapes was conducted as the first step of construction of a system that allows non-design-professional users to design 3D shapes via subjective evaluation words intuitively. In particular, the structure of the subjective evaluation for 3D shapes and the reliability of the evaluation by non-design-professionals were examined. The results showed three-factor solution in which “Uniformity,” “Activity” and “Potency” factors were important evaluative standards in the subjective evaluation for 3D shapes. These factors are similar to Osgood's three factors, which were frequently reported factors in previous semantic differential studies. Furthermore, the subjective evaluations by non-design-professionals were generally consistent, which means that, with respect to the subjective evaluation, non-design-professionals without high level of design skills can evaluate 3D shapes in a reliable way.
著者
原賀 裕 室町 幸一郎 武藤 徳子 鈴木 二郎 下島 かおり 藤巻 龍治 宇都宮 舞衣 木庭 大槻 許 多 石井 信之
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.280-286, 2020 (Released:2020-08-31)
参考文献数
26

目的 : 本研究は, 唾液性状とアレルギー性鼻炎との相関関係を明らかにすることによって, マウスガード (MG) 装着によるアレルギー性鼻炎に対する治療法を確立させることを目的とした. 実験にはスギ花粉症 (Seasonal allergic rhinitis : 以後, SAR) 患者に対して, MG装着前後の唾液性状を健常者と比較解析した. 方法 : スギ花粉飛散季節に神奈川歯科大学に来院したSAR患者24名, 健常者7名を被験者とした. 被験者はMG装着前後におけるアレルギー性鼻炎症状 (3TNSS), 唾液分泌量を測定し, 唾液性状を多項目唾液検査で解析した. 唾液性状は, う蝕原生菌, pH値, 酸緩衝能, 潜血濃度, 白血球数相対値, タンパク質濃度, アンモニア産生量の7項目を測定した. 結果 : MGを装着したSAR患者において3TNSSスコアは有意に減少し (p<0.05), 症状改善が認められた. SAR患者の安静時唾液分泌量は健常者と比較して低値を示していたが, MG装着後のSAR患者唾液分泌量は有意に増加した. SAR患者の多項目唾液検査は健常者と比較して, う蝕原生菌, 酸緩衝能, アンモニア産生量で有意に高値を示したが, pH, 潜血, 白血球数, タンパク質濃度で有意に低値を示した (p<0.05). SAR患者はMG装着後に潜血が減少したが, ほかの検査項目は変化しなかった. 結論 : SAR患者はMG装着によってアレルギー症状の改善が認められた. 症状改善には唾液分泌量が関与し, 唾液性状の影響はほとんど認められなかった.
著者
木島 隆秀 武藤(砥上) 若菜 萩野 光香 徳田 和彦 小山 雄二郎 宮本 健史
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.509-516, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
24

上腕骨骨幹部の病的骨折を有する高齢がん患者に対し,骨折部の安定性を保持しながら日常生活動作(以下,ADL)および生活の質(以下,QOL)を高める事を目的に,3Dプリンタ製肘継手を用いた上肢スプリントを作業療法士にて作製した.上肢スプリントを用いた結果,除痛や装着アドヒアランス向上,ADLならびにQOL向上に寄与する事が可能であった.患者の予後や活動性,使用期間などを適切に考慮し本スプリントを装着する事は,患者の更なるADLやQOL向上の一助となりうる.
著者
西尾 駿斗 武藤 敦子 島 孔介 森山 甲一 松井 藤五郎 横越 梓 吉田 江依子 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3M5GS1003, 2023 (Released:2023-07-10)

流行語についての研究は、語の定着の過程の分析や、語のジャンルごとの流行の度合いの分析などがあるが、どれも流行の定義を定量的に行っておらず、流行の定着度の分析を行うには十分でない。そこで本論文では、Twitterにおける単語の流行と定着の定義を定量的に行い、定義に基づいた語の流行期間について、機械学習による予測を行った。まず、ある流行語の一定期間内の使用回数に対し閾値を設定し、流行状態とそうでない状態を定義した。次に、ある期間における語の使用回数の推移を用いて、一定期間後に流行状態であるかを複数の機械学習手法を用いて予測のためのモデルを作成した。作成したモデルを用いて予測を行った結果、高い精度で流行状態の予測が可能であることを確認した。最後に、モデルの各特徴量の重要度を数値化し、流行が長期化するための条件について考察を行った。
著者
谷 友之 太田 智之 武藤 桃太郎
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.315-319, 2008 (Released:2008-10-02)
参考文献数
13
被引用文献数
1

症例は21歳,男性.右下腹部痛を主訴に来院した.血液検査では炎症マーカーの軽度上昇がみられ,腹部CT検査で右下腹部にtarget signを認めたため回盲部腸重積症と診断した.その後の大腸内視鏡検査では虫垂開口部を中心とした発赤の強い粘膜下腫瘍様隆起を認めたため,虫垂炎による虫垂重積症と診断した.1週間の保存的治療により重積所見の改善を認めた.その後外科的に虫垂切除術を施行したところ,病理組織学的結果は特に重積の核となるような器質的疾患をともなわない急性蜂窩織炎性虫垂炎であった.虫垂重積症は成人腸重積の中で頻度はまれだが,原因として本例のような急性虫垂炎の可能性も考慮する必要があると考えられた.
著者
酒井 美枝 武藤 崇
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.452-459, 2021 (Released:2023-03-31)
参考文献数
14

In this paper, we review the four processes in the psychological flexibility model of Acceptance and Commitment Therapy (ACT) as mindfulness in the context of ACT. We will discuss in the following order: (1) human psychopathology from the perspective of ACT, (2) human health from the perspective of ACT, and (3) mindfulness from the perspective of ACT. The “purpose” and “method” of using mindfulness training or technique in ACT involves originality and will be discussed by introducing concrete examples of practice.
著者
武藤 沙羅 松香 敏彦
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第6回大会
巻号頁・発行日
pp.79, 2008 (Released:2008-11-10)

R. Plomら(1965)は質問紙法を用いて、1オクターブ間における代表的な整数比の和音に対する不協和曲線を発表した。彼らの不協和曲線は、現代も多くの音楽実験などにおいて参照され、協和・不協和を定量的に論じる基礎となっている。本研究は、既存の不協和曲線が数値計算で出されたこと、発表以降の音楽の多様化などから、実測値を用いた再検証を試みた。 本実験では、先行研究で使用された「心地いい-心地悪い」に加え19種の形容詞対を使用し、被験者の複数の和音に対する印象を集計した。 その結果、「心地いい-心地悪い」においては先行研究とほぼ一致した値が得られた。 また、複数の形容詞を用いたことによって、多面的な協・不協和音の性質の考案や、不協和曲線の見直し、新しい解釈の可能性を示すことができた。
著者
武藤 崇 松岡 勝彦 佐藤 晋治 岡田 崇宏 張 銀栄 高橋 奈々 馬場 傑 田上 恵子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.81-95, 1999-11-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
3

本論文では、応用行動分析を背景に持つ、地域に根ざした教育方法を、地域に根ざした援助・援護方法へ拡大するために、応用行動分析が持つ哲学的背景や、障害のある個人を対象にした「行動的コミュニティ心理学」の知見を概観し、今後の課題を検討することを目的とした。本稿は、(1)応用行動分析とノーマリゼーションの関係、(2)行動的コミュニティ心理学のスタンス、(3)障害のある個人を対象にした行動的コミュニティ心理学の実証研究の概観、(4)その実証研究の到達点の評価と今後の課題、から構成されている。今後の課題として、概念、方法論、技術の各レベルにおける、他のアプローチとの研究的な対話の必要性と「援護」に関する方法論的・技術的な検討の必要性が示唆された。
著者
滝沢 茂男 武藤 佳恭
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.43-57, 2006 (Released:2007-12-28)
参考文献数
68
被引用文献数
2

人口の25%を高齢者が占める超高齢社会を迎え,高齢者の5 人に一人が要支援や要介護になる.介護は人と人との間での行為であり,在宅介護に入るヘルパーの8 割が腰痛に悩まされている.年齢状況を問わず,介護者の健康管理により,介護労災を防ぎ,介護力を高めることは,在宅の老々介護を可能にし,超高齢社会を安定的に維持するために重要である.顕著な筋骨格疾病減少を実現した英国法律を調査し,法整備とその執行についてわが国と比較した.わが国の筋骨格疾病減少へ向けた介護現場における意識,対策やその現状を調査し,明らかにした.これらの研究結果から,現状の法体系のままでは,わが国における看護・介護現場の筋骨格疾病減少は期待できないことが分かり,法整備の必要性を述べた.
著者
武藤 康
出版者
独立行政法人 海技教育機構
雑誌
海技教育機構論文集 (ISSN:24337749)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.7-18, 2017 (Released:2020-12-17)
参考文献数
6

A 30 mm × 45 mm size amplifier integrated printed circuit board antenna (also called a probe) developed by Roelof Bakker was manufactured to receive a LF band of 136 kHz, which was recently approved for use in amateur radio. It has been verified that this antenna is effective not only in the LF band but also in the MF/HF band (300kHz to 30 MHz) and part of the VHF band (30 MHz to 150 MHz). Although MF/HF band is not the main use in the ship communication, it still occupies an important role for safe navigation of ships, like reception of emergency radio signal transmission, SSB telephone, NBDP (character communication), FAX reception, DSC reception, NAVTEX reception and radio broadcasting reception,. In general, MF/HF antennas are larger than other frequency bands antenna. Therefore, as these antennas become smaller, there are many points that can be useful, such as maintainability, aesthetic appearance, and suppression of obstacles during shipboard operation. This time, I tried to construct a system with an LC resonance circuit filter and automatic tuning by a personal computer with this antenna with many noises in MF/HF use. I report the effectiveness of this prototype antenna as a commercial radio reception used in a ship.
著者
籔内 陽斗 松井 藤五郎 武藤 敦子 島 孔介 森山 甲一 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.FIN-030, pp.32-39, 2023-03-04 (Released:2023-03-04)

ファンド(投資信託)の中には目論見書に記された運用方針と実際の運用方針が異なる場合がある。先行研究では実際の運用方針に基づくファンドのグループ分けを目的に、月次リターンの時系列に対してk-meansとUMAPを組み合わせた手法を用いてファンドをクラスタリングする方法が提案された。しかし、k-meansによるクラスタリングではラベル情報を一切使用しないという問題がある。本論文では、インデックスファンドのラベルは正しいと仮定し、ラベル情報を使用可能な手法であるOne-class SVMを導入する。ところが、通常のOne-class SVMでは、ラベルが付与されたインデックスファンドだけをインデックスと判別するモデルを作成するため、インデックスに類似した隠れインデックスファンドをインデックスと判別することができない。この問題を解決するために、本論文ではOne-class SVMモデルの出力値に着目し、One-class SVMの出力を校正する新しい方法を提案する。提案手法を同一の指標をベンチマークとするファンド群に対して適用することで隠れインデックスファンドを見つけることができた。
著者
平山 幹生 武藤 多津郎 中崎 繁明 郡 大裕 藤木 典生 中尾 直樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.1736-1737, 1988-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10

症例は不明の発熱,頸部リンパ節腫大, LDHの高値を認めた男性で,リンパ節生検の結果,亜急性壊死性リンパ節炎と診断された.経過中の血清gamma-interferon値が6U/mlと高値を示した.本症における不明の発熱の原因および病態にgamma-interferonが関与している可能性が推定された.
著者
沢井 史穂 白山 正人 武藤 芳照 宮下 充正
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.155-163, 1990-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
31
被引用文献数
5 3

近赤外分光法は, 従来, 食品成分の非破壊分析法として用いられてきたが, 近年アメリカにおいてこの方法をヒトの体脂肪率の推定に応用する試みがなされ, 携帯用小型測定器が開発された.本研究は, この測定法を日本においても汎用可能とするための日本人用体脂肪率推定式を決定しようとするものである.年齢, 体格, 身体活動量の異なる18~58歳の健常な男性69名, 女性52名を対象に, 身長, 体重, 体脂肪率を測定した.体脂肪率は, 水中体重法, 皮脂厚法, 近赤外分光法の3方法を用いて推定した.近赤外分光法の測定部位は, 予備実験の結果, アメリカにおける先行研究と同様, 他の測定法による体脂肪率との相関が最も高かった上腕二頭筋中央部とし, 947mmの近赤外線を照射して光吸収スペクトルを得た.被検者の1/2について, それぞれの近赤外スペクトルの値を水中体重法による体脂肪率に回帰させ, 体脂肪率推定式を算出した.残り1/2の被検者の近赤外スペクトルをその式に代入して得た体脂肪率と水中体重法によって求めた体脂肪率の値とを比較したところ, r=0.89 (SEE=2.9) の高い相関が認められた.これは, 水中体重法と皮脂厚法との間の相関係数とほぼ同様の値であった.アメリカ人用の推定式の決定には, 近赤外分光法スペクトルの他に身長, 体重, 年齢の変数を加えた方が, 相関係数の値が高くなったと報告されているが, 日本人の場合, 他の変数を加えても相関係数の値はほとんど変わらなかった.また, 測定部位における左右差はなかった.したがって, 近赤外分光法による日本人用体脂肪率の推定式は, 体脂肪率=54.14-29.47× (947nmにおける近赤外スペクトル値) 〔r=0.88 (p<0.01) , SEE=3.2〕と決定された.